早口でまくしたてられ、

「何を言っているかわかんないよー!」と

キレたところで目が覚めた。

見慣れない天井。

あっ、そうか、ここは中国なんだ…。

今日も1日が始まる。

 

 

2015_09_12_001

留学前に電子辞書を買っておいてよかった。

 

 

2015_09_12_002

ウエスト・ポーチに入れて学校へ。

 

 

中国語の勉強は、電子辞書片手に予習・復習をしないと、

授業についていけない。

クラスメイトは、韓国、ベトナム、タイ、フィンランド、チェコ、

ウクライナ、中央アフリカ、サモア、ガーナ、イエメンから

来ていた。

共通語は英語。

中学・高校と6年間も英語を勉強したのに

話せないのがなさけない…。

でも、「構内の食堂で昼食を食べよう!」と、

クラスメイトはよく誘ってくれる。

みんなと一緒にいると、心がなごんだ…。

 

 

トラブルが相次ぎ、鍼灸の勉強のめどは立っていない。

このために留学したのに…。

現地で知り合った日本語専攻の中国人大学生が、

何度も鍼灸関係先と掛け合ってくれた。

何を言われてもひるまない彼女のおかげで、

半年後に鍼灸の勉強がスタートした。

 

 

小さな診療所。

やはり言葉の壁は厚い。

聞き取れない話は書いてもらった。

帰宅後に電子辞書で調べても、

75歳の先生の書く旧漢字は載っていない。

中国語の家庭教師をお願いしていた中国人大学生の

専攻が古文。

彼女は旧漢字も知っていたので、随分教わった。

 

 

1年半後に帰国。

留学中ほとんど日本語を話さなかったせいか、

目の前の建物の名前が出てこない。

えーっと、えーっと、えーっと、

あっ! コンビニだ。

 

 

帰国してすぐ出張鍼灸を再スタート。

でも、心の中が空っぽになっていた。

留学中のことを思い出したくなかった。

なんでだろう。

自分なりに必死に勉強してきたのに…。

このままでは留学したことを後悔しそう…。

ヤバい!

留学中のことは、しばらく心の奥深く封印しよう。

 

 

2012_03_10_001

1年半ぐらいして、

留学中のことを書き出してみようと思い立った。

書き始めると、次から次へと思い出し、

あっという間にノートが埋まった。

つらいことだけではなかった。

もう大丈夫。

封印をほどこう。

 

 

ブログでもこのノートを基に、

『中国留学思い出し日記』(画面右のカテゴリーの下から2番目)を

スタート。

数えてみたら今日で40話。

そんなに書いたんだ。

ブログの原稿を書くときも

そばに電子辞書がいる。

 

 

最近、その電子辞書の画面が白んで読みにくい。

9年間使っている。

もう寿命かな。

でも、思い出がたくさんつまりすぎて、

新しい電子辞書を買えないでいる…。

 

 

clinic_20070127_001
<診療所 2007.01.27.>

 

 

university_20061121_001
<大学構内 2006.11.21.>

 

 

kouzan_tour_20070413_001
<黄山旅行 2007.04.13.>

 

 

reizan_tour_20071103_001
<霊山大仏旅行 2007.11.03>