コトーは家でほとんど本を読まないくせに、

本屋に行くと2,3時間あっという間に過ぎちゃう。

本屋を隅々まで歩き回り、

タイトルが気になった本をパラパラめくる。

ジャンルは問わない。

おっ! 大ファンの作家の新刊発見!

 

 

2016_03_19_001

かがくい ひろし氏の『うめじいのたんじょうび』。

かがくい氏の新作は、お目にかかれないと思っていただけに、

その場で一気に読む。

相も変わらず絵も内容も優しさに包まれつつ、

クスッと笑っちゃうし、ワクワクする。

 

 

かがくい氏は2005年に50歳で絵本作家デビュー。

それまでは特別支援学校で教鞭をとり、

紙の造形や人形劇を生徒に披露していた。

コトーは鍼灸師になる前は理学療法士として、

運動麻痺のある子供たちの運動療法をしていた。

ときには子どもたちが通う特別支援学校にも出向いていた。

 

 

運動麻痺のために市販のおもちゃでは遊べない子供たちもいた。

遊ぶ楽しさを知ってほしい…。

運動麻痺があっても遊べるおもちゃをたくさん作った。

かがくい氏は在職中どんな思いで創作していたのかな…。

思いをはせた…。

 

 

2016_03_19_002

かがくい氏がデビューして4年後に病気で亡くなっていたことを知り、

絵本を手元に置きたくなった。

大人買い…。

 

 

 

2016_03_19_003

その中の1冊、『みみかきめいじん』。

耳かき名人のひょ・うーたん先生と弟子のひょうすけの話。

先生に耳かきをしてもらったら、

象はあまりの気持ちよさに溶けちゃった…。

 

 

鍼治療をしているとき、コトーはいろいろ思いをめぐらせる。

鍼を効かせるには、どれくらいの長さ・太さの鍼がいいかな…。

斜めに刺したほうがいいかな…。

刺した鍼をここでとめたほうがいいかな…、

もうちょっと奥まで刺したほうがいいかな…。

鍼を刺したときの手ごたえだけで、

見えないツボの中を察知する。

 

 

「う~~~、そこそこそこ」

「気持ちい~い」

そんな言葉を聞くと、コトーは耳かきをしている気分になる。

かゆい所に耳かきをとどかせる、耳かき名人『ひょ・うーたん先生』のように、

自由自在に鍼をあつかえる鍼灸師になりたい…と、

この絵本を読むたびに思う。