職場の前にある公園に咲く彼岸花。
暴風雨が相次ぎ、
季節の移り変わりに気づかなかったなぁ…。
おっ!?
公園にたたずむサギ。
4,5年前からこの公園にやってくる。
公園内に人がいるときは、
中央にある池の葦に身を置き、あたりを見渡している。
なぜここに?
彼を見かけるたびに、ある本を思い出す。
ブルック・ニューマン作。
『リトル ターン Little tern』。
ternとは、アジサシという鳥のこと。
その中でも体が小さなコアジサシのことを
Little ternというらしい。
コアジサシは1年のほとんどを空中で過ごす。
そのうちの1羽が、突然空を飛べなくなる。
体が傷ついているわけではない。
彼は内面(心)に問題があると思い、
何を失ったのか、内面を探る旅に出る。
挿絵が多く、五木寛之氏の訳も小気味よく、
一気に読める。
『ロスト ターン』。
こちらもブルック・ニューマン作。
五木寛之訳。
知らない土地に迷い込んだ、1羽のリトル・ターンが
自分の居場所を求めて旅に出る。
2冊とも、自分の『過去』『現在』『未来』とオーバーラップし、
読み進めるうちに、自分の『人生の旅』も見つめ直している…。
不思議な本。
20代の頃は、よく旅行に出かけた。
遠くにおもむくことで、仕事の重圧から逃れ、
好きな自然や建造物に囲まれ、
自分を元気にしたかった。
2006年~2008年に中国で鍼灸の修行をしてから、
1度も旅行に行っていない。
理由その1。
旅行に行きたい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そんな強い気持ちがない。
なんでかな…。
理由その2。
長い間テレビがなく、旅行番組などを見る機会がなく、
『旅行』という2文字が頭に頭に思い浮かぶ機会もない。
理由その3。
せわしく日々を過ごしていると、そこから離れたくもなるが、
近くの山に登ったり、美術館などへ出かけると、
気持ちはワープする。
単純なんだなぁ~。
理由その4。
『人生の旅』に対して、考え方が変わった。
若いときは、心に重くのしかかる荷物はすぐ降ろして、
身軽になりたかった。
そんな荷物でも、しょい続けなければならないものもある…。
齢を重ねると、そんなことを知った。
また、本当の旅に出なくでも、
心持ち1つで、考え方や見方、行動など『人生の旅』を
ちょこっと軌道修正できることも知った。
すくっと背筋よく立ち、遠くを見つめるサギに、
「自分なりの人生の旅をしようぜ!」と、後押しされる…。