福岡アジア美術館で開催中の『篠山紀信展 写真力』を観てきた。
膨大な量から厳選されたポートレートは、
篠山氏の撮る力と被写体の内面の力が相まって、
タイトル通り『写真力』となり、
写真を見る側に、被写体の思いや生き様がグググッと突き刺さる。
すごいなぁ…。
それに比べてコトーのポートレートは軽いなぁ。
2009年の年賀状用のポートレート。
『なんだ坂こんな坂乗り越えて出張鍼灸しています。』
左上にこのフレーズを入れて、年賀状の裏一面にプリントした。
苦節十年の演歌歌手のイメージ。
年賀状に自分のポートレートを載せたら、文を書かなくても
「おっ、コトー、元気そうだねぇ~」とわかってもらえるかも…。
そんな軽いノリで、この年から始めた。
2015年(午年)の年賀状用のポートレート撮影中…。
回を重ねると読み手の『初笑い』をねらいたくなり、
この年は馬になったなぁ…。
撮影場所は公園。
馬の被り物が入った袋には注意事項が書いてあった。
1.人を驚かせないでください。
2.屋外で被らないでください。
撮影中に人が通りかかると、慌てて馬の被り物をとり、
スリル満点だったなぁ…。
2016年年賀状用ポートレート撮影中…。
猿になったなぁ~。
帽子とベストと半ズボンは自作。
昨年の真夏に、猿の毛皮をイメージする生地選びに奔走。
モコモコした生地は真夏には店頭にない。
結局、ぬいぐるみのテディ・ベアを作る生地を問屋から取り寄せてもらった。
見猿、言わ猿、聞き猿の三猿を撮るので、3着作った。
この生地は裁断すると切り口がほどけ易く、縫うのに手間取った。
夜にミシンをかけながら、
「いったい私は何屋なんだ? なんでここまでしたいのかなぁ…」と自問。
「頭の中でひらめいたことを形にしてみたい。」
きっと、それだけなんだなぁ…。
コトーの本職は、縫製業ではなく鍼灸師。
患者さん1人ひとり、『こうなりたい』という姿があり、
コトー自身も『こうなってほしい』と願う姿がある。
鍼治療と灸治療で、無理なく、効率よく、心地よく、
それらを実現させるには、どんなやり方がいいか。
常に自問している。
そのことを大切にしたいから、
仕事以外でも『イメージしたものを形にして実現させる』ことに
こだわるのかな…。