東洋医学の診察方法は4種類あり、『四診法 ししんほう』という。
1つ目は、望診。
患者さんの顔色や皮膚の状態、姿勢、動作などを見て、症状を把握する。
例えば、皮膚は色だけでなく、産毛の状態もチェックする。
産毛は一定方向を向いている。
調子が悪いところは、産毛がいろんな方向を向いたり、
渦巻き状になっていることがある。
また、その部分だけ産毛が多いこともある。
産毛が体を守っているんだなぁ…。
「あれ? なんか違和感を感じる」
視覚からの情報に限らず、五感からの情報が瞬時に処理できないと、
コトーはこんな感覚に陥る。
「あぁ、今日はすっぴんだから、顔色がくすんで見えるんだ」
「髪型を変えたから雰囲気が変わったんだ」
「あぁ、猫背が強くなったんだ。かなり疲れているのかな…」
曖昧に感じたことが治療に重要なこともあり、
なんでそんなふうに感じたのか、つきとめることを大切にしている。
2つ目は、聞診。
患者さんの声や呼吸、咳などを聞いたり、
体臭や口臭などをかいで、症状を把握する。
鍼灸治療が進んでくると、体も心もリラックスし、呼吸が深くなり、
途中で寝てしまう方も多い。
ふかーーーーーーいいびきを聞いていると、その鼻に体ごと
吸い込まれそうな感覚に陥る。
おっとっとー!!!
治療の変化は体や心だけでなく、声にも表れる気がする。
調子がよくなれば、声量が大きくなり、声のトーンも上がる。
3つ目は、問診。
患者さんに体調や日常生活の様子を尋ね、症状を把握する。
「ゴールデンウィークで疲れたー!」
そう言われても、疲れ方は十人十色。
家族を連れてドライブだったら、首・肩・背中・腰・目も疲れているかも…。
運転はしていないが、ずっと座りっぱなしだったら、
背中や腰だけでなく、脚もガチガチかも…。
孫守りでずっと抱っこしていたら、
腕・首・肩だけでなく背中から脇腹にかけてガチガチかも…。
気疲れをしているかも…。
どんな体の動かし方をしたか、どんな心持ちだったか、
目に浮かぶと鍼灸治療のプログラムも浮かぶ。
4つ目は、切診(せっしん)。
患者さんに直接触れて症状を把握する。
治療が必要そうな経絡やツボ、筋肉などに触れ、
治療プログラムの最終チェーック!
「疲れきって、寝ても食べても元気が出ない…」
そんなふうに訴えられたときには、おなかにも触れる。
東洋医学では、下腹部にエネルギーが集まるといわれる。
あおむけに寝てもらい、軽く下腹部を手のひらで押してみる。
元気なときには、下腹部は弾力性があり、ふっくらしている。
下腹部がフニャフニャしたり硬いときには、
エネルギーを補充するツボに鍼やお灸をして
パワー・アップ!
東洋医学の良さは、全身を調整できること。
「首や肩だけこっていると思っていたけれど、腰も固まっていましたね。
あー、鍼とお灸で全身が軽くなりました」
そんな言葉を聞くと、ヤッター!!!と思う。
五感をフル活用して、鍼灸師コトーは今日も治療に臨むんだなぁ…。
さぁて、おまけの話。
庭の草がボーボーに生い茂ってきた。
梅雨に入る前に草むしりをしたほうが通気がよくなり、
アジサイも気持ちよく咲けるはず。
でも、そんなことをしたら、この時期に顔を出してくれる彼と会えなくなっちゃう…。
彼です。
わかりますか?
コンクリートの上にちょこんといる、トカゲのような彼。
毎年、この時期になると庭で見かける。
これは昨年撮った彼。
ときどき草むらから出てきて、ひなたぼっこをする。
とーっても警戒心が強く、ちょっとでも物音を立てると、
すぐ草むらに戻る。
隠れる草むらがなくなると、他の場所へ引っ越しちゃう。
いつ、草むしりをしようかなぁ…。