「首のコリがひどくて、回すとゴリゴリ音がするんです」
「うなじが痛くて、うがいをしたくても上を向けません」
「首から肩にかけて痛くて、後ろを振り向けないんです」
そんな訴えに、
「腰はどうですか」
尋ねると、
「腰の痛みやコリはありません」
そんなふうに答えられる方がほとんど。
でも、背中や腰に触れると、筋肉がガチガチ…。
赤いラインは、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡。
目頭と鼻の間にあるツボ『睛明 せいめい』から始まり、
額、頭頂へと上行し、後頭部、背中、お尻、太ももの後ろ、ふくらはぎと下行し、
足の小指にあるツボ『至陰 しいん』で終わる。
この経絡は、首こり、肩こり、背中こりが生じる筋肉上でもあり、
これらの症状でも、この経絡の流れがとどこおる。
流れている気(=エネルギー)と血(=栄養分)が不足する。
そんなときは、この経絡上のツボに鍼やお灸をし、
経絡を刺激して、充分に気と血を流し、
カチコチの筋肉の緊張をゆるめる。
ゆるめ方は様々…。
灸頭鍼は、ツボに置いた鍼の先にモグサをのせ、お灸もする。
鍼の刺激とお灸の輻射熱がツボの奥まで伝わる…。
熱くはない。
ほんわか温かい…。
置鍼(ちしん)+台座灸。
選んだツボたちに鍼を置き、
その隣に台座灸も置く。
台座灸は、台座の上にモグサがのっている。
底にはシールがつき、ツボから落ちることはない。
置鍼+棒灸。
選んだツボたちに鍼を置き、
経絡に沿って棒灸もする。
棒灸はモグサを固め、和紙でくるみ、先端に火をつけ、
皮膚から数㎝離して温める。
鍼が苦手な方には、鍼は使わず台座灸。
鍼は使わず、棒灸。
お灸が苦手な方は、お灸は使わず、鍼治療。
やり方はいろいろあるよ~ん!
赤いラインは、『手陽明大腸経 て・ようめい・だいちょうけい』という経絡。
人差し指にあるツボ『商陽 しょうよう』から始まり、
肘、肩、首と上行し、
反対側の小鼻の外側にあるツボ『迎香 げいこう』で終わる。
背中や肩や首のツボに自分ではお灸がしにくいが、
腕にあるツボなら自分でもできる!
当鍼灸院では希望する方に、『自分でするお灸』を指導してるよん!
鍼灸師コトーの前職は、理学療法士。
20年間、リハビリ(運動療法)に従事してきた。
首こり・肩こり・背中こり・腕こりのセルフ・ケアには、
お灸にツボ押しやストレッチングも加えてほしい!
肩がこったときに、つまみたくなるのは
僧帽筋(そうぼうきん)という筋肉。
中指の先端が当たる部分が『肩井 けんせい』というツボ。
自分ではお灸がしにくいので、
ツボ押しやストレッチングがおすすめ。
うなじや肩がこっているときは、
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)もこりやすい。
中央には扶突(ふとつ)と水突というツボがある。
ここも自分ではお灸がしにくいので、
ツボ押しやストレッチングがおすすめ!
3月13日(火)と18日(日)に当院で開催したお灸教室のテーマは、
『首こり・肩こり・背中こりをほぐすお灸&ストレッチング』。
経絡本だけでなく、筋肉本も見てもらいながら、
お灸とツボ押しとストレッチング!
実技が盛りだくさんで、口が回らなくなりそうだったけれど、
楽しかったよ~ん!