前から見た右耳。
耳から入った音は鼓膜を振るわせ、
耳小骨(じしょうこつ)に伝わる。
耳小骨にはツチ骨とキヌタ骨とアブミ骨があり、
ちっこい筋肉がついてる。
大音響が突然耳に入ったとき、
それらの筋肉はクッションとなり、音量を下げ、耳を守る。
ありがとさーん!
奥にある蝸牛(かぎゅう)で、音波は電気信号に変えられ、
神経を通って脳に伝えられる。
耳のもう1つの大きな働きは、バランス感覚。
『三半規管 さんはんきかん』は、3本のループ状の官が根元でくっついてる。
これらには毛をもつ細胞(=有毛細胞)があり、
頭の回転運動を感知する。
頭が回転するとリンパ液が流れるため、
有毛細胞の毛も押されて傾き、
傾き加減で回転運動を感知する。
三半規管の3つのループは互いに直角に位置し、
すべての方向の回転運動を区別する。
うっひょ~!
耳のまわりにはツボがいっぱい。
耳のすぐ前には、耳門(じもん)、聴宮(ちょうきゅう)、
聴会(ちょうえ)というツボが縦に並び、
耳の鍼灸治療によく用いられる。
耳の治療で鍼灸に来られる方は、突発性難聴や耳鳴りが多い。
耳のトラブル時には耳周辺の頭皮や首・肩のこわばりも強くみられる。
それらを改善し血の巡りをよくすることは、
耳の血の巡りの改善にもつながる。
耳の上や後ろのツボにはお灸ができないから、
短鍼を頭皮と水平にちょこんと刺す。
しばらく置いても、鍼が入ってる感じがしないよ~ん!
さて、耳に深くかかわる臓器がある。
そら豆じゃないよ。
腎臓。
東洋医学の『腎』と西洋医学の『腎臓』の働きは
若干異なる。
共通なのは尿の生成。
東洋医学の『腎』ではもう1つ大事な働きがある。
それは『成長』。
ヒトのあらゆる器官や臓器を成長させるには、
腎の働きがかかせない。
ということは、腎の働きが衰えると、
器官や臓器の機能の『老化』があらわれる。
難聴や耳鳴りなど耳のトラブルは老化によって生じることもあるので、
腎の機能に働きかけるツボへの鍼灸もかかせない。
背中には『腎兪 じんゆ』というツボがある。
ここに鍼やお灸をして、臓器の『腎』に働きかける。
赤いラインは『足少陰腎経 あし・しょういん・じんけい』という経絡。
この経絡は腎にもつながっているので、
この経絡上のツボを使うこともある。
これは東洋医学の考え方であり、
実際に腎が病んでいることではない。
ご注意を!
耳の中にもツボがいっぱい。
『耳は全身の各部位とかかわりがある』と、
東洋医学では考えてる。
耳たぶは頭と顔、耳の端は腕、その内側は脚と体幹、
耳の中央は内臓、と関連してる。
おっとっとー、ずいぶん話し込んでしまった。
次回は鼻の症状に働きかけるツボたちを紹介するよ~ん。