左側面から見た脳。
前にあるのが前頭葉(ぜんとうよう)(オレンジ)。
上にあるのが頭頂葉(青)。
両側面にあるのが側頭葉(緑)。
後にあるのが後頭葉(ピンク)。
その下に小脳がある。
脳の下には脊髄という神経がくっついてる。
脊髄は、背骨の中央にある空洞の中を通ってる。
体のあらゆるパーツがスムースに機能できるように、
脳はそれらを監視し、指令を送ってる。
脳の働き①~反射
体が受けた刺激は、脊髄を介して脳に伝わる。
刺激の内容によっては、自分の意識とは関係なく、
脳はワンパターンな指令を器官や臓器に送る。
これが反射。
例えば…。
ドラえもんのどこでもドアを借りて、
半袖、短パンのまま、南極に行ったら、
どんな反射が起こるか…。
皮膚が感じとった冷刺激が、脊髄を介して電気信号で脳に伝わる。
「えらいこっちぁー、急に寒くなったぞー、
皮膚血管!収縮しろーっ!」
脳は脊髄を介して電気信号で皮膚血管に指令を送る。
指令を受け取った皮膚血管が収縮すると、
皮膚血流量が減少し、体からの放熱が抑えられ、
体温が下がらないようにする。
逆に、南極から南国へワープしたら、どんな反射が起こるか…。
脳の命令で、皮膚血管は拡張し、皮膚血流量が増え、
放熱が亢進し、体温が下がる。
Aという刺激には必ずA’という反応を無意識に起こし、
Bという刺激には必ずB’という反応を無意識に起こすのが反射。
おーっ、しょっぱなから難しい話…。
今日は最後まで難しいよー!
がんばって、ついてきてぇ~~~!
脳の働き②~感覚系の統合
皮膚、目、耳、鼻、舌などの感覚器が受け取った刺激が
脳に伝わり、脳はそれぞれの刺激を統合して、
何が起きているか、どのように行動したらいいか、判断する。
例えば…。
仕事の帰り道。
どこからかいい匂いがしてきた。
おなかがギュルギュル鳴ってる。
よぉ~し、夕飯はカレーにしよう!
こんなときは、どんなことが脳で起こっているか…。
鼻が吸い取った匂いが電気信号となって脳に伝わる。
脳は過去のデータから、「これはカレーのにおいだ!」と判断する。
そして、胃、肝臓、小腸や脳で感知した空腹感と相まって、
「カレーが食べたい!」ってなるんだなぁ…。
鍼灸治療で一番多くかかわる感覚は、『痛み』かな…。
首こり、肩こり、五十肩、肘関節痛、手の腱鞘炎、背中こり、
腰痛、坐骨神経痛、股関節痛、膝関節痛、足関節痛、などなど。
筋肉痛や関節痛、神経痛は、痛みを発する筋肉や、
痛みの原因となる筋肉に、鍼やお灸をする。
例えば…。
首・肩こりでは、僧帽筋(そうぼうきん)とい筋肉が痛みを発することが多い。
僧帽筋の上には『肩井 けんせい』というツボがあり、
この部分のコリが強い!
このツボに鍼やお灸をして、滞った血流を改善し、
筋肉の柔軟性を出して、痛みを緩和させるんだなぁ…。
アプローチする筋肉の上にツボがあればそれを用い、
ツボがなければ、緩みやすいポイントに鍼やお灸をするなぁ…。
膝の近くにあるツボ『陽陵泉 ようりょうせん』。 赤矢印。
別名『筋会 きんえ』。
筋肉にかかわる症状を治すときのツボなんだよ~ん。
片頭痛の痛みに対しては、
こめかみや耳周辺のツボにちょこんと短鍼を置く。
この辺りにはツボがいっぱーいあるんだよ。
筋緊張型頭痛でも片頭痛でも首こりや肩こりが強いので、
それらに対するアプローチも大事なんだなぁ…。
脳の働き③~運動系の統合
「カレーのルゥーはウチにないなぁ」
「スーパーに寄ってから帰ろう」
そんな意志が脳で決定されると…、
まず目の前の四つ角を右に曲がるためには、
どの筋肉をどんな順番でどれくらいのパワーで活動させて、
どんなふうに体を動かすか…。
運動のプログラムが、脳のあらゆるところで組み立てられる。
そして、統合されたプログラムは運動指令として、
脊髄の運動神経を介して、諸所の筋肉に伝わり、
プログラム通りに筋肉が動くので、
目の前の四つ角をスムースに右に曲がれるんだなぁ…。
スーパーにたどり着くと、カレーのルゥーを手に取り、
レジへ持っていき…、自宅で鍋に水を入れ…、と
次から次へと続く運動を遂行するために、
脳はひたすら運動のプログラムを作成し、
筋肉へ指令を送っているんだなぁ…。
ありゃりゃ、ツボの話よりも脳の話がメインになっちゃった。
次回も脳に関する難しい話しになると思うけれど、
おつきあいください!