胃の中が空っぽなとき、
胃袋の大きさは約200ml。 厚みは約1cm。
食べ物が入ると約1500mlまでふくれ、数mmの薄さになる。
胃壁の内側には、小さな穴が無数にあり、
胃に食べ物が入ると胃液が分泌される。
胃壁の内側は粘膜、外側は筋肉。
胃壁自体が運動して、食べ物と胃液をよく混ぜ、
だいたい2~5時間かけてドロドロのかゆ状にし、
十二指腸へ運ぶ。
でも、水分なら数十分で腸に行っちゃうよ!
油脂は消化しにくく、8時間かかっちゃうこともある。
だから、揚げ物やラーメンなど脂っこい食事の後に、
胃のもたれるときがあるんだなぁ…。
食べすぎや飲みすぎ、よくかまずに飲み込んでも、
消化に時間がかかり、胃が疲れきって、
胃もたれや胃痛、胸やけを起こす。
『腹八分目』の量を、よくかんで食べることが、
胃への思いやりなんだなぁ…。
胃液の中身は99%が水分。
残りの1%は、濃い塩酸(=胃酸)と消化酵素(ペプシン)と粘液。
粘液が胃の粘膜を保護しているから、
濃い塩酸が胃に入ったって、胃壁が傷つかない。
でも、ストレスなどで胃酸の分泌が高まって、
胃の粘膜が傷つき炎症を起こすことがある。
これが急性胃炎。
炎症が長く続くと、粘膜が委縮し、胃酸の分泌が低下する。
これが慢性胃炎。
さらに進行すると、深部の胃液まで委縮し、
胃壁がペラペラに薄くなっちゃう。
これが萎縮性胃炎。
慢性胃炎も萎縮性胃炎も原因のほとんどは、ピロリ菌の感染。
胃粘膜がさらに深くはがれ落ち、
一部分が壊死を起こすのが『胃潰瘍』。
みぞおち付近の痛みは食後に多い。
胃粘膜は健康なのに、胃痛や胃もたれ、
食欲不振などが続く場合は、
『機能性ディスペプシア』かも。
『ディスペプシア』は『消化不良』という意味。
原因は3つ。
1.何らかの原因で胃のふくらみが悪く、
食べ物が貯めきれず、消化不良を起こす。
2.胃酸への感受性が強く、胃に痛みを感じる。
3.ストレスで胃の働きが鈍くなり、胃がふくらみにくい。
機能性ディスペプシアは若い女性に多い。
背中の、胃の裏あたりにあるツボ『胃兪 いゆ』。 赤矢印。
もちろん、胃のトラブルを治すツボ。
その外側にあるのが『胃倉 いそう』。 黄緑矢印。
『倉』は、物を貯蔵する所。
胃は一時的に食べたものを貯めるので、この名前がついた。
赤いラインは『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』という経絡。
黒目の下にあるツボ『承泣しょうきゅう』から始まり、
首、体幹、脚の前を通って、
足の人差し指にある『厲兌 れいだ』で終わる。
この上にツボが片側45個のっている。
経絡の働きは全身に気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養)を送ること。
胃の調子が悪いとき、この経絡上のツボに鍼やお灸をして、
滞った経絡の流れを改善し、気と血を胃にも充分に送り、
症状を緩和させる。
黄緑色の矢印は、『鳩尾 きゅうび』というツボ。
みぞおちにあたる。
赤の花丸は、『神闕 しんけつ』というツボ。
おへそにあたる。
みぞおちからおへそまでのラインは、
胃のトラブルでもストレスでもピアノ線のようにピーンと張る。
中央あたりのツボ『中脘 ちゅうかん』(赤矢印)に鍼やお灸をすると、
ピアノ線が緩み、深い呼吸となり、リラクゼーションも得られやすい。
おおおっ、今日も長いブログになっちゃった。
でも、おまけの話も書いちゃうよ!
コトーはいつのまにか更年期に入り、
いろーんな機能が衰えてきた。 うっ………。
胃腸力も落ちた気がする!
10年ぶりに胃の内視鏡検査を受けた。
10年前、「ポリープがたくさんあるけど、悪さはしないよ。
イボがたくさんあると思って…」と言われた。
やはり、ポリープは健在だった。
ピロリ菌はなかった。
体のメンテナンスが必要な年頃になったなぁ~。