後から見た背中とお尻。
下部肋骨に位置し、重さは110~130g。
こぶし大のそら豆状。
左右1対で赤褐色の臓器は、腎臓。
血管を流れる血液は、固形の赤血球や白血球だけでなく、
水分やタンパク質、糖質、脂質などの液状のものも含まれる。
液状のものは、腎臓へ1分間に500mlほど流入している。
腎臓は、それらを年中無休でろ過している。
1日のろ過量は150ℓ。
ろ過された水分の99%は再吸収され、再利用される。
残りの1%、1.5ℓが尿となり、膀胱へ送られる。
ナトリウムやアミノ酸など、体に有用な物質も腎臓で再吸収される。
体に不要な物質は、膀胱へ送り出す。
腎臓は働き者なんだなぁ…。
東洋医学では、『腎』は『水の臓』といわれ、
体内にある液体すべてをつかさどっている。
『腎』は『作強の官』とも例えられ、
力強さを作る臓器。
『将軍の官』とよばれる『肝』とタッグを組み、
防衛隊のトップとして活躍している。
この世に産声をあげたとき、生命活動の原動力となるのは、
両親から受け継いだ『先天の精』。
これは腎におさまっている。
口から取り込んだ飲食物は栄養となり、
『後天の精』として『精』に補充し続ける。
腎は生命力に直結し、腎の働きが活発であれば、
のびのびと成長できる。
逆に、腎の働きが衰えると、様々な臓器や器官の働きも低下する。
これが老化現象。
腎は、骨・髪・耳と関係が深い。
骨粗鬆症や白髪、脱毛、難聴や耳鳴りなどの症状では、
腎の働きが影響しているのか、見極めることが大切。
腎が関係していれば、腎の機能をアップする鍼灸治療も必須!
当鍼灸院は女性専門。
不妊治療の方も来られる。
子宮や卵巣にトラブルがないのに、なかなか妊娠ができない場合、
腎の機能の活性化もはかる。
腰に『腎兪 じんゆ』というツボがある。
腎に働きかけるツボであり、
腎の機能をアップさせたいとき、
このツボによーく鍼やお灸をする。
赤いラインは『足少陰腎経 あし・しょういん・じんけい』という経絡。
この経絡の上にツボが27個。左右合わせると54個。
臓器や器官のアンチエイジングをしたいときには、
これらのツボを使うなぁ…。
1つ、気をつけてほしいことがある。
西洋医学でいう『腎臓』と、東洋医学でいう『腎』の働きは、
共通する点もあれば異なる点もある。
東洋医学で診たときに、『腎』にアプローチする必要がでてきても、
「腎臓が悪いんだ…」「尿がうまく作れなくなっているんだ…」などと、
直結して考えないでほしい!
特集に取り上げる臓器は、残り1つ。
あと1つったら、あと1つ!
もうすぐ終わるんだ!
うれし~い!
がんばるぞっ!