長い間患ったり、あらゆる治療をしても回復しないと、
『あきらめ』に心が支配されやすい。
でも、体や心がつらい。
ワラにもすがる思いで当鍼灸院に来られる方は多い。
『鍼治療や灸治療で症状が回復する』ことをどうやって信じてもらえるか。
病に立ち向かう姿勢を取り戻してもらえるか。
適切な鍼灸治療をすることによって、
『鍼やお灸で体や心がいい方向に変化していること』を実感してもらう。
それが一番必要だと思う。
もちろん、症状が重いと変化するまでに時間がかかったり、
治る過程で症状が一時的に強く出ることもある。
そのことを理解してもらい、励ますことも自分の務めだと思っている。
ヒトには自然治癒力が備わっている。
それでも症状が現れるのには原因がある。
その原因を見極め断つことが、治療の第一歩。
当院に来られる方は、『〇〇しすぎ』という偏りが原因になることが多い。
体を酷使して、筋肉や関節、神経を痛める…。
運動不足で、筋力低下や筋肉のこわばりを引き起こす…。
寝不足、寝過ぎ、少食、食べ過ぎ、仕事のし過ぎ、休養不足、
考えすぎ、気を使い過ぎ、………。
複数の原因が絡み合うことも多い。
仕事など、原因を断つことも変えることもできないときがある。
直接の原因ではないが、症状にとってマイナスになっている生活習慣があれば、
そこをちょこっと変えてプラスにしてみる。
運動不足だったら、まず散歩してみる?
ビデオを見ながら体操してみる?
1人ではなかなか実行できそうもなかったら体操教室に通ってみる?
考えすぎなら、気になる習い事に通ってみる?
好きなことに没頭するのもいいんじゃない?
その間は『考えすぎる』ことから解放されるかも。
マイナスをゼロに、ゼロからプラスに。
無理なく変えられる手段を一緒に見つけることも、私にとって大事な仕事。
十人十色のアプローチがあると思う。
「少しくらいの痛みだったら、体を動かしたほうが調子がよくなるみたい。」
腰痛治療で当鍼灸院に通っているEさんに言われた。
とてもとてもうれしくなった。
自分の体を見つめ、どうやって治そうか模索している。
女性鍼灸師による女性専門鍼灸院≪レディース鍼灸ことう≫を
2010年4月に開設し、今日で10年目がスタートする。
仕事のこと、プライベートのこと、沢山のことを模索し、決断し、実行してきた。
その傍には患者さんがいて、自分自身も励まされ乗り越えたことが多い。
これからも患者さんともに立ち向かっていこう!と強く強く思う。
自分でも腰痛治療に取り組んでいるEさんに話を聞いた。
ぜひ読んでほしい!
2010年3月27日撮影。