五臓六腑の『心 しん』。

『心』の働きを役職に例えるならば、『君主』。

ヒトの体と心の最高司令官であり、

『君主の官』と呼ばれる。

 

 

『心』には『神 しん』が収まってる。

『神』は『生命活動そのもの』を指す。

ということは、『精神活動』も『神』に含まれる。

 

 

赤いラインは、『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』という経絡。

手のひら側で、脇の下から始まり、肘を通り、小指に終わる。

この経絡は、臓器『心』にもつながり、

気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養分)を送ってる。

経絡の上にのってるツボは9個。

経絡は左右対称にあり、左右合わせてツボは18個。

 

 

 

 

 

手首に『神門 しんもん』というツボがある。

神気(=神のエネルギー)が出入りするところなので、

『神門』と名付けられた。

 

 

五臓六腑の臓器の中で、『心』だけが

護衛する器官をもってる。

『心包 しんぽう』。

『心』を包む膜のようなもので、

外敵から『心』を守りつつ、

『心』の働きを助ける。

『心包』の別名は『臣使の官』。

 

赤いラインは、『手厥陰心包経 て・けついん・しんぽうけい』という経絡。

胸から始まり、肘の中央、手首の中央を通り、中指で終わる。

この経絡は『心包』にもつながってる。

この上にもツボが片側9個、左右合わせて18個、のってる。

 

 

 

 

 

手首の少し上にあるツボ『内関 ないかん』。

ここから手厥陰心包経の気(=エネルギー)が出入りする。

大事な関所なんだなぁ…。

不安感やイライラ感など乱れた感情を整えるツボであり、

自律神経を調整する働きもある。

 

 

 

 

これは、『台座灸』というお灸。

台座の上にモグサがのってる。

台座の下にはシールがついてるから、

どこのツボにも貼り付けやすい。

このお灸だったら、自分でも簡単に『内関』にお灸ができる。

ほんわか温まり、気持ちいいよ。

 

 

『心』以外の臓器も精神活動に深くかかわる。

例えば、『肝 かん』。

『肝』の別名は『将軍の官』。

外邪から身を守るための指揮官であり、

判断力や計画性などの精神活動もつかさどる。

 

 

赤いラインは、『足厥陰肝経 あし・けついん・かんけい』という経絡。

足の小指から始まり、脚の内側とおなかを通り、肋骨の下で終わる。

『肝』にもつながってる。

片側にツボは14個。

 

 

 

 

足の甲のあるツボ『太衝 たいしょう』。

『太』は『大きい』ということ。

『衝』は『要衝』のこと。

このツボは、勢いよく気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養分)がめぐるところ。

イライラ感や怒りも度を超すと、気が逆上する。

上がりきった気(=エネルギー)を下げるために、

『太衝』に鍼やお灸をする。

このツボにも台座灸だったら、自分でお灸がしやすいよ。

 

 

気が楽。

気が重い。

気が散る。

気が短い。

気をもむ。

気に病む。

 

 

感情を表現するときに、『気』がよく登場する。

東洋医学では、『気』はエネルギーのこと。

『気』の量や質、流れ方などがどのように乱れてるのか。

どのツボを使い、どのような鍼やお灸の手技でそれを改善するか。

心への鍼灸アプローチには、そのことも大切だと思う。

次回は『気』への鍼灸アプローチを書いてみます。

 

 

 

福岡市南区にある、女性鍼灸師による女性専門鍼灸院

≪レディース鍼灸ことう≫の鍼灸師コトーでした。

難しい話にもうちょっと付き合ってくださいねぇ~~~。