奥歯が痛い…。
昨日、マウスピースをはめて寝るのを忘れたからなぁ…。
思いきり奥歯でかみしめていたかなぁ…。
…………………。
……………………。
………………………。
数日経っても、かむ時だけ痛い。
冷たい物がしみて痛いわけでもない。
この歯は神経を抜いているからなぁ…。
あー、『歯根膜炎』になった時のことを思い出す…。
歯は3つの部分で構成されている。
口の中から見える部分は『歯冠 しかん』。
歯肉に囲まれた部分は『歯頚 しけい』。
下あごの骨の中に埋もれている部分は『歯根』。
『歯根』は下あごの骨にある『歯槽』という穴にはめ込まれている。
そして、『歯根膜』という結合組織繊維(赤の部分)によって
『歯根』は『歯槽』につなぎとめられている。
歯根膜はそしゃく(=かむ)時の圧力を和らげる働きがある。
歯根膜炎になった時は、歩くだけでも歯根膜に振動が伝わるのか、
3日ほど寝込んでいた。
今回もそうなったら困るので、早めに歯科に行こう…。
歯のレントゲンを撮られ、カウンセリング・ルームに呼ばれた。
さっきのレントゲンを指さしながら、先生が言った。
「ちょっと分かりづらいけど、
一番奥の歯の根の下が黒ずんでる。
炎症を起こしてる。
歯のかぶせ物をはずして、治療します」
あー、やっぱり歯根膜が痛んでいたんだなぁ…。
3回目の治療中、先生が小型カメラでその歯を撮りだした。
うっ! うっ! うっ!
先生、何か見つけたんだ!!!
「コトーさん、カウンセリング・ルームにお越しください」
歯科助手さんに声を掛けられた。
パソコンにさっき撮った歯が映し出されていた。
「ちょっと分かりづらいけど、歯の中に縦に亀裂が3本入ってる。
歯が割れる寸前。
歯の外ではなく、歯の中に亀裂が入ってるから、
治療の仕様がない。
でも、亀裂をそのままにしていると、
そこから細菌が入り炎症を起こしやすい。
アウトだよ。
抜くしかない」
ぎょっ! えーっ!
先生、セーフじゃないの?
アウトなの?
何でこんな時に『アウト』って言い方するんだよー、よー、よー!!!
歯を抜いた後はどうするんですか?
「インプラントもできるけど、
かみしめが強いから、今度は上の奥歯が割れるかもしれない。
でも、何もしないと、上の奥歯も自然と抜けてしまう。
抜く歯の手前の2本のかぶせ物をはずし、
かんだ時に上の奥歯に当たるぐらいに
かぶせ物を横に延長しましょう」
抜歯当日、先生が言った。
「歯にヒビが入ってるから、
抜くときにバリバリって音がするかもしれません」
バリバリ?
そういえば、親知らずを抜いた時は、
ボキッ! バキッ!って音がしていた。
親知らずは横に生えていたのかなぁ。
親知らずの頭が、隣の歯の根っこに当たっていた。
一般の歯科では抜くことができず、
大学病院で手術!
部分麻酔だから、歯をかち割る音がまる聞こえだった。
なーんて回想していたら、バリバリ音も痛みもなく、
いつの間にか奥歯は抜かれていた。
「抜いた歯を見ますか?」
先生が言った。
見ますっ!
治療ベットから上体を素早く起こした。
歯根の表面に、はがれかかった部分があった。
先生がピンセットではさみながら、言った。
「ほら、こんなにパカパカになってる」
神経を抜くと歯は薄くなるらしいが、
何十年と強い歯ぎしりとかみしめをした結果、
こうなっちゃったんだなぁ…。
可哀想なことをした。
「抜いた歯はこちらで処分しますか?」
とっておいてもねぇ…。
お願いします…。…。…。
抜歯後の痛みや炎症がおさまり、
治療は次の段階に入る。
抜いた奥歯の隣の歯のかぶせ物をとった時に、
ヒビが見つかったらどうしよう…と不安です。
先生に言ってみた。
「そりゃぁ、アウトだよ」
あーっ! あーっ! あーっ!
また、『アウト』って言った!!!
事実だけど、そんな言い方しなくても~!~!~!
まず、抜いた歯の隣りの隣りの歯のかぶせ物をはずした。
「この歯は使える。
次回、もう1つの歯のかぶせ物をはずします」
セーフだったぁ!!!
もう1本はどうかなぁ…。
セーフでありますように!!!
2本目、3本目の『ヒビ割れ歯』を作らないために、
鍼治療や運動で、かむ時に働く筋肉たちをゆるめている。
下あごを動かす筋肉って、こーんなにあるんだよ~ん。
2020年の干支はねずみ。
そして、夏には東京オリンピックとパラリンピックがある。
今年もかっとばすよー!!!
よろしくです!
福岡市南区にある、女性鍼灸師による女性専門鍼灸院
≪レディース鍼灸ことう≫の鍼灸師コトーでした。