左側の白い棒が一般の棒灸。
モグサを和紙で硬めに包み、直径1.6㎝、長さ21.0㎝の棒状にしたもの。
右側の黒い棒が炭でできた棒灸。
これが白い棒灸の中身。
モグサの原料はヨモギ。
ヨモギの葉や茎を乾燥させ、粉々にしたもの。
この棒灸は丸ごとモグサなので、
お灸をするとかなり煙が出る。
一方、炭でできた黒い棒灸は丸ごと炭なので、
ほとんど煙は出ない。
チャッカマンやライターではなかなか火がつきにくい。
ガスバーナーを使用。
棒灸の端に火をつけ、
皮膚から数㎝離して温める。
熱くはない。
ほんわか温かい。
この2種類の棒灸の長所は、お灸自体が動かせること。
赤いラインは[手少陽三焦経 て・しょうよう・さんしょうけい]という経絡。
経絡には、気[=エネルギー]と血[けつ][=栄養分]が流れている。
この経絡は、手の薬指にあるツボ[関衝 かんしょう]から始まり、
手の甲⇒肘⇒肩⇒首の横⇒耳の外側をぐるり⇒こめかみ⇒
眉毛の外側にあるツボ[絲竹空 しちくくう]で終わる。
そう!
経絡には流れ方がある!
先ほどの写真2枚では、
この経絡の流れに沿って棒灸をしているんだなぁ~。
手首側から肘に向かって…。
滞っていた経絡の流れを棒灸で促し、
[気]と[血]を動かすんだなぁ~。
大事なツボの上に棒灸をしばらくとどめれば、
そのツボの奥の奥までお灸のエネルギーを送ることができる。
大事なツボに鍼を置き、棒灸をすることもある。
もちろん、鍼が苦手な方は棒灸だけでもOK!
血の巡りや気のめぐりを整えるだけではない。
全身にアプローチできるから、あらゆる症状に対応!
頼もしいヤツなんだなぁ~。
体の中央にある経絡以外は左右対称にある。
両手に1本ずつ棒灸を持ち、
同時に左右の経絡の流れを動かすことができるのも、
棒灸の長所。
棒灸のおかげで、利き手でない左手の動かし方が上達したと思う。
棒灸用の火消し壺がある。
火がついた棒灸を横に置ける。
火を消したいときには、
火のついたほうを下に向けてツボに立てる。
空気が遮断されて火が消える。
炭でできた黒い棒灸のほうが小さく、
この写真では分からないけれど、
壺と棒灸の間に隙間があり、空気を遮断できない。
アルミ箔で作ったサック[左端にあるもの]を炭棒灸にかぶせてから、
火消し壺に立てかける。
水につけて消すのもOK。
当院では9種類の鍼灸手技を患者さんごとに使い分けている。
目の前の症状や、バランスの崩れた体質にピタッと寄り添う手技は、
鍼灸師であるコトーが一方的に選ぶものではなく、
患者さんが「これ、やってみたい!」と思うものが必要条件になる。
患者さんが「心地いい~~~!」と感じることが、
治療の効果を何倍にも引き上げるだなぁ…。
最近、つくづく思う。
手ぬぐいなどでほっかむり[ほおかむり]をして、髪を覆ったら、
頭のツボにも棒灸ができるよ!
福岡市南区にある女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング、
≪レディース鍼灸ことう+≫の
女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。
そうそう、
2020年5月6日に撮影した、あじさい。
今日、2020年5月29日にも撮影したよ。