特集を組んでおきながら間隔が空きすぎて、何を書いたか忘れてしまった。読み返し要約を書こうとしたが、限りなく長くなりそうでやめた。よかったら読み返してください。

さぁ、今回は筋肉のコリと痛みを鍼灸でどう治すかって話。コリや痛みがある筋肉は硬くなり、血流も滞っている。鍼もお灸も滞った血流を促し、こわばった筋肉を緩め、コリや痛みを改善する。

治療に取り組む前に、コトーは考える。このコリや痛みはどんなふうに出現したのかな…。「数日前から腰に違和感があり、今朝起きたら激しい痛みでしばらく動けなかった。」ということは、腰に違和感を感じる前から、じわじわと知らず知らず腰の筋肉が硬くなったかもしれない。「今まで調子が良かったのに、急に腰が痛くなって」と言うので、腰の筋肉に触れてみる。この硬さは、つい最近できたものではないなぁ…。痛くないから調子がいいと思っていただけで、かなり前から腰の筋肉は硬かったはず。年季の入ったコリや筋肉は周囲の筋肉にも影響を与える。

これは背中の筋肉の1つ、『最長筋 さいちょうきん』。頭蓋骨から背骨と肋骨を下り、骨盤の中央に付く。長い期間、腰が痛かったり痛みが強い時は、腰の部分だけでなく、首から骨盤まで背筋一面がガチガチに硬くなることが多い。痛みを感じる部位だけが気になり、他の部位は気づきにくい。そうなると、腰だけでなく背筋を首から骨盤まで、丁寧に鍼やお灸で緩めることが必要となる。

「最初は右膝が痛かったけど、今は左膝が痛い。右膝は痛くない。」ということは、右膝の痛みが出現しないように左脚でかばったいたから、左膝が疲労して、今度は左膝が痛くなったのかもしれない。痛みが強ければ強いほど、痛みが出現しにくい動かし方や姿勢を無意識にとる。普段はしない動かし方や姿勢を長く続けると体に歪みが生じ、他の筋肉も疲労し痛くなる。その痛みが強ければ強いほど、痛みが出現しにくい動作や動かし方や姿勢を無意識にとる。普段はしない動かし方や姿勢を長く続けていると………と、ドツボにはまる。「痛む部位が変わる、移る」と表現される方がいるが、上記のことが原因でそう感じるのかなぁ。

膝だけでなく肩の痛みもこのような状況になりやすい。そんなときは、まず気になる痛い筋肉を鍼灸治療でほぐし、痛みを和らげる。すると、新たな部位のコリや痛みを感じる。そこにも鍼灸治療を行い、痛みを和らげる。すると……と突き詰めていく。まるで、玉ねぎを1枚1枚むくように、浮上してくる硬い筋肉をほぐす。最後に、玉ねぎの芯に該当する硬い筋肉が痛みの出発点なのかもしれない。

「今、痛む部位」と「原因となる部位」が異なるかもしれない…ということを念頭に、患者さんの動作や関節可動域、筋肉の状態を評価し、コリや痛みの筋道の仮説を立て、1つ1つの筋肉に鍼灸治療をする。コリや痛みがすぐぶり返さないためには、このようなアプローチが大切だと思う。

地道に治療を続けても、なかなか好転しない時がある。そんなときは鍼灸治療というプラスの要素よりも、コリや痛みを引き起こすマイナスの要素が大きいことが考えられる。マイナスの要素としては、大きく3つ。

1つ目は、生活習慣。仕事や家事、育児、介護、孫育てなどで、ワンパターンな動作や姿勢を強いられ、特定の筋肉に常に負荷がかかっている。また、運動不足で筋肉が衰え、疲労しやすく、筋肉のコリや痛みが出現しやすくなっている。実は、治療以前に、マイナスの要素(=コリや痛みのきっかけとなっていること)を断つ、あるいは変えることが大切。しかし、多くの方がそれを断てない変えられない環境にある。ならば、プラスの要素を増やすしかない。鍼灸治療の頻度を増やす。ストレッチングや運動など、他のプラスの要素を加える。そんなふうに、患者さんとアイデアを出し合い、無理なくやれることから実行してもらう。

2つ目は、筋肉のコリと痛みのバックグラウンドに何かが潜んでいる。この特集で取り上げたように、痛みの原因はたくさんある。内臓の病気による腰痛もあるし、骨の病気による腰痛もある。また、東洋医学では、目の前にある症状だけでなく、体質の崩れも重要視する。筋肉のコリと痛みに大きくかかわるのが冷え。全身に冷えが慢性化している場合、まずはその治療が必要になる。

3つ目は、鍼灸治療の手技や手法(刺激の程度など)が患者さんに合っていない。コリや痛みの状況に合わせて鍼やお灸の手技を選ぶ。しかし、「この鍼は痛そう」「このお灸は熱そう」「本当にこの鍼やお灸で治るのかなぁ」などと、患者さんの体や心がそれを受け入れなければ好転しない。初めての患者さんには、当院で使っている鍼やお灸の手技をすべて説明する。そして、患者さんに合う手技を提案し、患者さんがやってみたいと思う手技を行う。また、実際に治療を進めていく中で、患者さんが腑に落ちないならば、柔軟に手法を替える。「この鍼やお灸が気持ちがいい」「なんか効きそうな気がする」という気持ちを引き出すように、コトーは心掛けている。

おおおー、なんでコトーのブログは長くなるのかなぁ~。今回は脱線していないよねぇ?次回はどんな手法があるのか紹介するよぉ~。

 

玄関の靴箱の上にクリスマス・グッズを置いた。クリスマスに何もしないけれど、グッズを飾るとほわわわ~んと温かい気持ちになる。福岡市南区にある、女性専門鍼灸院&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。またねぇ~。