経絡はメジャーなものでも12本ある。これらは端と端がつながって1つの輪となり、全身に気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養)を送る。

特集ブログで一番最初に紹介した経絡、『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』。肺経は、鎖骨の下にあるツボ『中府 ちゅうふ』から始まり、親指にあるツボ『少商 しょうしょう』で終わり……、

前回紹介した『手陽明大腸経 て・ようめい・だいちょうけい』につながる。大腸経は、人差し指にあるツボ『商陽 しょうよう』から始まり、小鼻の横にあるツボ『迎香 げいこう』に終わり……、

足陽明胃経(あし・ようめい・いけい)につながる。

 

胃経は、黒目の下にあるツボ『承泣 しょうきゅう』から始まり、鼻と口の外側を下行し、顎にあるツボ『大迎 だいげい』から上行し、こめかみにあるツボ『頭維 ずい』に至る。

顎にあるツボ『大迎 だいげい』からは下行するコースもある。のどを下行し、鎖骨の上にあるツボ『缺盆 けつぼん』を通り、胸の中央、お腹、太もも、すね、足の甲、と下り、足の人差し指にあるツボ『厲兌 れいだ』で終わる。この経絡は長く、顔にあるツボも含めて45個ある。

鎖骨の上にあるツボ『缺盆 けつぼん』からは体内に入るコースもあり、臓器の『胃』と『脾』を通って、体表のツボ『気衝 きしょう』で合流する。胃と脾は表裏関係にあり、2つの臓器は経絡で結ばれているんだなぁ…。

東洋医学で考える『胃の働き』は3つ。1つ目は、口から入った飲食物を胃に納めること。2つ目は、胃の中で飲食物を消化し、ドロドロの状態にすること。3つ目は、ドロドロになった飲食物を腸に送ること。

これらがつつがなく遂行されるために必要なものは、『胃気 いき』。胃を働かせる気(=エネルギー)。胃気には『下降する』という特徴がある。口から取り込んだ飲食物を下降させ胃に送り込み、ドロドロにしてから下降させ腸へ送る。胃気がしっかり働かないと、それらが十分に遂行できず、お腹が張る、腹痛、便秘、などの症状が現れる。

自分が胃気になってみた。深い意味はない。ふと頭に浮かんだイラストを描いてみたかっただけ…。ぶははははー!

気は、取り込んだ飲食物と吸い込んだ空気から作られ、体内でたくさんの形に変化する。胃に入れば『胃気』。脾に入れば『脾気』。胃気(脾気も含む)が充実していれば病気になりにくく、弱ると病気の原因となる。また、病気となっても胃気の力が残り、食欲があれば病気は回復に向かう。

栄養のバランスの取れた食事を適量いただくことは、胃気や脾気の力を保ちつつ飲食物をしっかり消化・吸収することに直結し、病気や未病(病気の一歩手前)の予防と健康維持につながるんだなぁ…。

次回は、『足陽明胃経』のツボの中で、コトーが鍼灸治療でよく使うツボを紹介するよ~。お楽しみに~!福岡市南区にある女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。