コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

特集~器官や臓器の症状に働きかけるツボたち⑤~脳・その2

脳の働きは、おおまかに6つ。

①反射、②感覚系の統合、③運動系の統合、

④自律機能の統合、⑤情動、⑥高次中枢神経系の統合。

前回のブログでは、①~③と、

それに関連のあるツボをちらっとご紹介しました。

今日もかなり難しい話になります。

???なところは、バシバシ読み飛ばしてください!

 

 

脳の働き④~自律機能の統合

 

 

心臓のポンプ作用で送り出された血液は、全身の血管を巡る。

呼吸で得られた酸素も血液とともに、全身の血管を巡る。

全身の細胞は、血管を流れる酸素を取り込んで、エネルギーをつくる。

だから、心臓の働きや、呼吸器の働きは、

生命を維持するための大事な機能なんだなぁ…。

 

 

また…、

口から取り込んだ飲食物は、胃で消化され、

腸でさらに消化。

そして、エネルギーとして必要な物は腸から吸収され、

不必要なものは便となり、体外へ送り出される。

だから、消化器の機能も生命を維持するための

大事な機能なんだなぁ…。

 

 

このような生命の維持に必要な機能のことを

『自律機能』という。

自律機能は自律神経によって無意識に調整されている。

 

 

例えば…。

ヒトは日中活動し、夜間休息する動物。

2つの自律神経のうちの1つ『交感神経』は、日中優位に働く。

どんな働きかというと、

日中、体温や血圧、心拍数などを高め、活動しやすい状態にする。

自律神経のもう1つ『副交感神経』は、夜間優位に働く。

夜間、体温や血圧、心拍数などを下げ、

リラックスしやすい状態にする。

 

 

日中活動し、夜間休息するという『体内時計』のリズムは

自律機能の1つであり、

自律神経はその調整をしているんだなぁ…。

 

 

 

脳を縦に割り、内側から見た右脳。

脳の奥にある『視床下部 ししょうかぶ』が、

体内時計のリズムを発生させる。

 

 

夜更かしや朝寝坊が続くと、この『体内時計』が乱れ、

不眠のきっかけになることがある。

寝る直前まで難しい作業をしたり、考え込んでいると、

脳は緊張し続け、

リラックス・モードにする副交感神経が優位にならず、

活動・モードにする交感神経が優位になり続け、

眠れない…。

だから、不眠には脳をリラックスさせることが大切!

 

 

 

 

頭頂にある『百会 ひゃくえ』。

百会の前後左右1寸(=親指の横幅ぶん)にある『四神聡 ししんそう』。

短鍼やツボ押しで脳をリラックスさせ、

不眠の解消をはかる。

 

 

首こりや肩こりが激しいと、脳への血流がとどこおり、

不眠の要因にもなるので、

それらを解消するのも、とーっても大事だよ~ん。

 

 

生命維持に必要な『自律機能』の1つに、『ホルモン』がある。

ホルモンは、脳の下垂体(かすいたい)、甲状腺、副甲状腺、膵臓、

卵巣、精巣などから分泌される。

分泌されたホルモンは血液とともに血管を巡る。

Aというホルモンをキャッチできるのは、Aの受容器をもった臓器だけ。

ホルモンを受け取った臓器は、ホルモンに託された指令に答える。

ホルモンの指令は様々で、生体機能(成長、生殖、代謝など)の調整にかかわる。

 

 

 

例えば…、

女性ホルモンが卵巣から分泌されることによって、

卵巣の中の卵胞(らんほう)で卵子がつくられ、

妊娠が可能になり、生理も起こる。

 

 

視床下部の下にある下垂体(かすいたい)。

ここから分泌されるホルモン、

『黄体(おうたい)形成ホルモン』と『卵胞(らんほう)刺激ホルモン』は

卵巣に働きかけ、

女性ホルモンの産生と分泌を促す。

つまり、脳にある『下垂体』が、『卵子をつくる』『生理を起こす』ときの司令塔なんだなぁ…。

 

 

下垂体の上にある、視床下部。

ここから分泌されるホルモン『ゴナドトロンピン放出ホルモン』が、

下垂体に働きかけ、

下垂体の『黄体形成ホルモン』と『卵胞刺激ホルモン』の

産生と分泌を促す。

つまり、脳にある『視床下部』が最高・司令塔なんだなぁ…。

 

 

うっ、うっ、説明が難しすぎる…。

でも、めげずに書くぞぉー!

 

 

何も考えずにやってくる生理は、子宮や卵巣だけでなく、

脳やホルモンがかかわっている。

だから、生理痛や生理不順、不妊、更年期症状など

婦人科の症状を改善するときに、

脳をリラックスさせることも大切だと思う。

 

 

 

 

脳をリラックスさせるために、頭にあるツボだけでなく、

下腹部や脚にあるツボもコトーは使うなぁ~。

画像の赤矢印は、おへそにある『神闕 しんけつ』というツボ。

おなかにはたくさんのツボがあるよ~ん。

 

 

うっぎゃぁ~~~、

脳の働き④だけで、こんなに書いちゃった…。

脳の働き⑤と⑥は次回にするよん!

この特集、いつ終わるんだろうか…。

気長におつきあいください!

 

生理痛・生理不順・不妊症などの婦人科の症状を治す灸

女性のおなかの奥にある子宮。

毎月、生理がおこるところですね。

生理にかかわる臓器は、子宮と卵巣と、ホルモンを分泌する脳。

そして、生理に欠かせないホルモンは、脳と卵巣から分泌されます。

様々な臓器やホルモンが生理には関係しているので、

生理痛、生理不順、子宮内膜症、子宮筋腫、不妊症や、

更年期にあらわれる諸症状など

婦人科の症状の原因も様々です。

 

東洋医学から見ても、原因は様々です。

東洋医学で、生理に重要なのは、『気(=エネルギー)』と

『血(けつ)(=栄養分)』が元気一杯であることです。

そして、その気や血と深いかかわりのある五臓六腑は、

心・肝・腎・脾・胃です。

東洋医学でいう五臓六腑と、西洋医学でいう内臓とは、

働きがちょっと違います。

それらの5つの臓腑は、心経・肝経・腎経・脾経・胃経という

経絡とつながっています。

 

婦人科の症状では、

気・血と、5つの臓腑と、5本の経絡の働きが

どのように変化しているのか見極め、

それらの働きを整える鍼灸治療もします。

それが、『バランスの崩れた体質を元に戻す』治療です。

 

東洋医学は目に見える症状を治すだけでなく、

バランスの崩れた体質を元に戻すことも重要視します。

婦人科の症状では、特に大事だと思います。

体質を元に戻すには時間がかかります。

じんわりじんわりと効くお灸はいいですね。

当鍼灸院では、体質の改善のために、

一人ひとりに合ったツボに、

ご自分でも台座灸をすることをおすすめします。

 

台座灸は、台座の上にモグサがのっています。

台座の底にはシールが付き、

気軽に簡単に自分でもできます。

 

不妊症の場合は、『体質を元に戻す』というよりも、

『妊娠しやすい体質にする』ことを心がけて治療しています。

治療が長期に渡るほど、病院通いは苦痛ですね。

鍼灸治療もその一環と考えすぎると、苦痛は倍増です。

鍼灸師である私は、

体と心の不調を整え、妊娠しやすい体質にする鍼灸治療をしますが、

鍼灸治療に来られる方には、

「いつもがんばっている自分をリラックスさせよう!」という

気持ちで来てほしいな…って思います。

生理にかかわる女性ホルモンは、

ストレスや健康状態に影響されます。

心と体をリラックスさせるって大切だと思います。

ご自分で毎日するお灸でも、リラックスできますよ。

 

随分と先の話ですが、来年の1月のお灸教室では、

『不妊症』をテーマにします。

お気軽にご参加ください。

お灸教室の詳細は、ホームページのお灸教室のページをご覧ください。

東洋医学の診察法~四診法(ししんほう)

西洋医学の診察では、

レントゲン検査や血液検査など道具を用いますが、

東洋医学の診察では道具はなく、

視覚、聴覚、嗅覚、触覚などの五感を用います。

おおまかに4種類に分けられ、『四診法』といいます。

 

その1:望診(ぼうしん)

患者さんの顔色や表情、体格、姿勢、動作などを観察し、

病状を把握します。

 

その2:聞診(ぶんしん)

患者さんの音声や呼吸、咳などを聞いたり、

患者さんの体臭や口臭などのにおいを嗅いで、

病状を把握します。

 

その3:問診

患者さんに症状に関することや、日常生活の様子を聞き、

病状を把握します。

東洋医学は目の前の症状だけでなく、

バランスの崩れた体質も治すので、

日常生活など幅広く聞くことはとても大事です。

 

その4:切診(せっしん)

患者さんに直接触れて、症状を把握します。

切診は、脈診、切経(せっけい)、

そして前回のブログにちょこっと登場した腹診があります。

 

脈診は、患者さんの手首で、

動脈の拍動がわかる部位に触れて、

脈の数や拍動の仕方を診て、経絡の状態を把握します。

自分で自分の脈診をするときは、こんな感じ。

 

人差し指と中指と薬指で、軽く触れたときに感じる脈の状態で、

各々1本ずつ、計3本の経絡の状態を把握します。

さらに、少し押し気味に触れたときに感じる脈の状態で、

別の3本の経絡の状態を把握します。

この写真では、左手の脈で、

計6本の経絡を診たことになりますね。

右手でも同様に脈を診て、

左とは別の6本の経絡の状態を把握します。

左右合わせて、12本の経絡を診ます。

とーっても難しい診察法です。

 

切診とは、経絡に沿って指で触れて、

経絡の状態を把握します。

経絡の上にツボが乗っているので、

鍼やお灸に用いるツボを選定できます。

 

腹診は、患者さんのおなかに触れて、

硬さ、厚さ、動悸、圧痛、皮膚の潤い、皮膚温などを診て、

症状を把握します。

『健康なおなか』ってどんな感じだと思いますか?

東洋医学でいう健康なおなかは…、

おへその上は平らで、おへその下はふっくら。

硬すぎず、柔らかすぎず、適度な弾力があり、

適度な潤いがあり、おなか全体が温かい!

皆さんのおなかはいかがですか?

 

おなかにはたくさんのツボがあります。

下腹部の奥には、女性の場合、子宮と卵巣があるので、

生理痛、生理不順、子宮筋腫、子宮内膜症、不妊症、

更年期の症状など婦人科の症状には、

下腹部にあるツボにも鍼やお灸をします。

 

また、婦人科の症状では、バランスの崩れた体質を

元に戻すことも重要で、

そのために下腹部にあるツボなどに

ご自分で毎日お灸をすることをすすめています。

次回は、体質改善のためのお灸について

書いてみようと思います。 よろしくぅー!

特集 生理の話 3~生理による体と心の変化

はーるか、かなたの昔、学生だった20台前半。

クラスメイトの男子から、

「今日、イライラしているね。 生理中?」 と、

聞かれたことがあります。

生理中というのはビンゴ。

それまで、生理痛など生理中の不調はまったく自覚していなかったので、

そんなふうに言われたことにびっくりしました。

生理前、生理中、生理後に女性の体と心はびみょーに変化します。

今日は、その変化をご紹介します。

 

 

生理中(約1週間)

 

 

 

 

 

 

 

 

上図は、子宮とその左右に付いている卵巣です。

生理が始まると黄体(おうたい)ホルモンの分泌がなくなる影響で、

体温が下がります。

冷えや生理痛、頭痛、胃痛、吐き気、などの症状が出る方もいます。

生理の出血が多いと貧血となり、体がだるくなることも…。

生理前半はゆううつになったり、神経質になる、など

心が不安定になることもあります。

しかし、生理が終わる頃には、

卵胞(らんほう)ホルモンが分泌され始める影響で、

そんな気持ちから抜け出せます。

 

 

生理後(約1週間)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

卵胞ホルモンの分泌の影響で、体調は一番いい時期です。

心も体もバランスがとれて、サイコー!です。

 

 

生理後(2週間目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

排卵からの1週間です。

卵巣の中で成長した卵胞から、卵子がポポポーンと飛び出した状態を

「排卵」といいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黄体ホルモンの分泌が高まる影響で、

下腹部がなんとなく違和感を感じたり、

むくみ、便秘、肩こり、腰痛などの症状が現れることもあります。

心も黄体ホルモンの影響を受けて、

ハイ・テンションのときもあれば

ゆううつだったり、イライラすることもあります。

 

 

生理前(約1週間)

黄体ホルモンの影響がピークとなる頃です。

むくみ、便秘、肩こり、腰痛、眠気、不眠などの症状が出る方もいます。

心も一番不安定な時期で、

イライラ、不安、うううつな気持ちになることも…。

 

 

どの時期も、ホルモンの影響で体と心が変化するようですね。

黄体ホルモンは、卵巣の中の「黄体」から分泌されます。

「黄体」は、そもそも卵巣の中の「卵胞」のことで、

卵胞から卵子が飛び出ると、

「卵胞」は「黄体」と名前を変えます。

ややこしいっ!

卵胞ホルモンは、排卵前の卵胞から分泌されます。

詳しくは、前回のブログをご覧ください。

 

生理前、生理中、生理後の体と心の変化は、

人によって異なります。

また、同一の方でも、生理が安定していない思春期や

生理が終わりかけの更年期など、年齢によっても異なります。

めちゃくちゃ忙しく、寝不足の日が続いたり、

大きな悩みが長く続いたときに、

生理が予定よりも遅れた経験はありませんか?

卵胞ホルモンや黄体ホルモンなどの女性ホルモンは、

健康状態やストレスの影響を受けやすいといわれています。

女性の体はデリケートなんですね…。

次回も、生理の話が続きます。

よろしくです!

 

特集 生理の話 2~生理のしくみ・その2

特集・生理の話、第2弾!

今日は、子宮・卵巣・脳がどのように働いて、生理が起こるのか、

ご紹介したいと思います。

よろしくでーす!

 

まず、脳から卵胞(らんほう)刺激ホルモンが分泌されます。

このホルモンは、血液中に溶け込んで、

血液とともに血管を流れ、卵巣にたどり着きます。

卵巣では、この卵胞刺激ホルモンに刺激されて、

卵胞(らんほう)が10~20個作られ、成長します。

 

 

成熟した卵胞からは、卵胞ホルモン(=エストロゲン)が分泌されます。

エストロゲンは、血液中に溶け込んで、子宮内膜にたどり着きます。

そして、子宮内膜に働きかけて、

受精卵のためのベット作りを始めます。

受精卵がうまく子宮内膜にくっついて(=着床 ちゃくしょう)、

そこですくすく育つことができるように、ベットの準備をしておきます。

つまり、妊娠のための準備です。

 

 

子宮内膜のベットが出来上がると、

脳からは今度、黄体形成(おうたいけいせい)ホルモンが分泌されます。

このホルモンの刺激を受けて、たった1つの卵胞だけが破裂し、

卵子(らんし)が卵管に入ります。

 

 

卵子が飛び出した後、

卵胞は黄体というものに変わり、

そこから黄体ホルモン(=プロゲステロン)を分泌します。

プロゲステロンは、「子宮内膜のベットにふかふかの敷布団を作れーっ!」と、

子宮内膜に働きかけます。

受精卵が子宮内膜にくっつきやすいように、しっかりと準備をします。

 

 

卵管にいる卵子が精子(せいし)と出会わないと、

子宮内膜に作ったベットと敷布団もいらなくなります。

これらが子宮内膜から剥がれ落ち、血液とともに排出されるのが、

『生理』です。

 

もし、卵子と精子が出会い、受精すると、

『受精卵』となって卵管をのぼり、

子宮内膜に作られた、ふかふかの敷布団にくっつき(=着床)、

そこで育っていきます。

これが『妊娠』です。

もう、お分かりのように、毎月ある『生理』は、『妊娠のための準備』なんですね。

生理には『子宮』 『卵巣』だけでなく、『脳』も関係している!って意外ですよね。

 

今日が、『特集 生理の話』の山場というか、一番難しい内容です。

うまく伝わったかなぁ~~~???

次回は、生理前・生理中・生理後の体と心の変化について

ご紹介します!