コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

ツボ・パワー! 迎香(げいこう)

2回続けて鼻の症状に効くツボをご紹介しました。

今日は最終回。

『迎香 げいこう』をご紹介します!

効き目がわかりやすい名前ですね。

鼻の通りをよくして、香りを迎えるツボ…。

また登場させてしまった手描き図。

『手の陽明大腸経 ようめい・だいちょうけい』という経絡の上に

のっているツボ、20穴が書いてあります。

この絵では、左の人差し指から始まり、

鼻の下で右の鼻へ行っていますね。

この経絡は左右対称にあるので、2つの経絡は

鼻の下で交差します。

交差する経絡って、とっても珍しいです!

おっとっと、話が横道にそれました。

『手の陽明大腸経』の20番目のツボ、

小鼻の横にあるのが『迎香』です。

ところで、

ツボには、『正穴 せいけつ』と『奇穴 きけつ』があります。

『正穴』は経絡の上にのっているツボ。

365穴あります。

『迎香』は経絡の上にあるので、『正穴』です。

『奇穴』は経絡の上にはないツボ。

治療経験の中で、治療効果があるツボとして発見されたもので、

今でも『新穴 しんけつ』として発表されています。

2000穴? 3000穴?

いくつあるのかわかりません…。

奇穴の中にも鼻の症状に効くとされているツボがたくさんあります。

鍼灸本で調べてみると…

出てくる!出てくる!

『上迎香 じょうげいこう』 『鼻穿 びせん』 『夾鼻 きょうび』

『鼻環 びかん』 『鼻流 びりゅう』 …。

どのツボも右にも左にもあります。

これらの鼻まわりのツボには、

細くて短い鍼を皮膚と平行に、ちょっこと刺します。

私は『迎香』よりも『上迎香』をよく使います。

軽い鼻づまりであれば、ツボ・マッサージも効きます。

今日は雨。

花粉症の方にはありがたい雨でしょうか。

福岡ではそろそろ黄砂も飛んできているようです。

花粉と黄砂のダブルで、鼻や目の粘膜を刺激します!

アレルギー性鼻炎持ちの私は、

症状が出そうな、出なそうな、不安定な感じ。

鼻炎持ちの方! この春を乗り切りましょー!!!

ツボ・パワー! 大椎(だいつい)

前回は鼻の症状に効く『上星 じょうせい』というツボをご紹介しました。

今日も鼻の症状に効くツボ『大椎』をご紹介します!

               *

アップしすぎて分かりにくいですよね。 すみません!

後頭部からうなじを撮りました。

首のつけ根の真ん中にあるのが『大椎』。

首は、7個の骨(=椎骨 ついこつ)が連結しています。

このツボは7番目の椎骨の下にあります。

7番目の椎骨は構造上、後方にぐっと出ています。

その大きな椎骨の下にあるから、

古代中国では、このツボのことを『大椎』と呼んだそうです。

              *

話はそれますが、キリンの首って何個の椎骨でできていると

思いますか。

ヒトと同じ7個だそうです。

もうはるかかなた昔の、高3の冬。

リハビリの学校の面接試験で聞かれました。

何でそんな質問をするんだろう…。

すごーく疑問に思ったことを覚えています。

キリンの話は本当でしょうか…?!?!?

               *

さてさてさて、

『大椎』というツボは、『督脈 とくみゃく』という経絡の上にのっています。

前回ご紹介したツボ『上星』も、『督脈』も上にのっていましたね。

『督脈』はお尻から背中、後頭部へと上り、

頭頂部から額、鼻へと下り、

前歯の上の歯肉まで、体の中央を通っています。

経絡は陰と陽に分けられます。

督脈は陽の経絡(=陽経)です。

『陽経の海』といわれ、

すべての陽経を統括する大事な経絡です。

この経絡は鼻の上も通っているので、

『大椎』に鍼やお灸で刺激をすると、

経絡の流れも鼻の通りも良くなります。

               *

小鼻の横にも鼻の症状に効くツボがあります。

次回はそのツボをご紹介します。

ツボ・パワー! 上星(じょうせい)

2月18・19日の寒波はすごかったですね。

19日の午前中から福岡も雪が積もり始め、

仕事場近くの道路状況を見に行くと

雪景色がステキ!

夕方にはほとんど溶けましたが…。

               *

2月も下旬に入ると気になるのは花粉?

インターネットの『お気に入り』に入れている

『環境省花粉観測システム(はなこさん)』をクリック!

鹿児島は花粉が飛んでいるけれど、福岡はまだみたい…。

昨年と2年前は、今日ぐらいから飛んでいる…。

私はアレルギー性鼻炎持ちなので、

「いつか花粉症になるかも!」と

この季節はちょっとおののいています。

               *

今日ご紹介するツボは、鼻の症状に効く『上星』。

前髪の生え際の上にある『神庭 しんてい』の上。

『上』は高い所。

『星』は夜空の星のこと。

古代中国では、天気は鼻に通じ、

目は太陽や月、星に似ているといわれ、

このツボが目に届く高さにあるので、

『上星』と呼ばれたそうです。

               *

このツボは顔の中央を通る『督脈 とくみゃく』という経絡の上にのっています。

写真のツボ・モデルくんでは、緑色の線にあたります。

経絡の流れが悪くなると、その上にのっているツボに反応がでます。

指でツボを押すと、へこんでいたり、硬かったり…。

『上星』に反応がでると、ぷにょぷにょ頭皮がむくんでいることが

多いようです。

『上星』に鍼やお灸で刺激をすると、

『督脈』という経絡の流れが良くなり、

その経絡が通っている鼻自体の症状も改善します。

               *

額の上以外にも、小鼻の横や首のつけ根にあるツボたちも

鼻の症状に効きます。

次回ご紹介しますね!

鼻炎の鍼灸レシピ

鍼灸院に治療に来られる方をお迎えするときに、

私はよく灸用のお線香をたきます。

柔らかい香りなので、

来られる方にリラックスしてもらえるかな…という想いと、

自分自身には「よっしゃあ~、仕事だあっー!」と気持ちを集中させるためです。

香りと心はつながっていますね。

また、

「これ、まだ食べられるかな…」と、

くんくんにおいを嗅いで、食べ物の新鮮さを判断する!という、

体を防衛する働きも『鼻』にはありますね。

この鼻がつまっても、鼻水が止まらなくても、

においがわからなくなるだけでなく、

頭がぼんやりとして思考回路が鈍くなり困るぅー!

               *

顔や頭にツボはいっぱい!

鼻炎には鼻の横にあるツボ『上迎香 じょうげいこう』に

ほそーい鍼をほんのちょこっと1mm程度刺します。

軽い鼻づまりにはツボ・マッサージも効きます。

前髪の生え際中央の上にあるツボには、頭と水平に鍼をします。

うつぶせ寝のツボ・モデル。

うなじにあるツボ『大椎 だいつい』にお灸をして、温めるのもいいです。

アレルギー性鼻炎や花粉症は、体の免疫機能が過敏に働いて起こるので、

根本的に治そう!とすると、体質を改善することも大切です。

時間はかかりますが、ご自身でもご自宅で腕などのツボにお灸をして、

じっくりと治していけたらいいですね…。

お灸は『台座灸 だいざきゅう』といって、安全に簡単にできるものを使います。

               *

おまけの話。

鍼灸のことを知らなかった20代、

私はアレルギー性鼻炎で、鼻の粘膜が常に弱く、

しょっちゅう鼻風邪をひいていました。

「こりゃあ、たまらーん!」と始めたのがこれ。

???

なんだかわかりませんよね。

これは鼻洗浄器の一部。

このカップの上にはフタがあり、片鼻に入れるノズルがついていました。

今はありません…。

塩温水を片鼻から吸い込み、口から出します。

適度な塩分濃度と温度であれば、鼻はツーンとしません。

こんなふうに、中の温水温度がわかるすぐれもの。

私はテキトーに塩を混ぜるので、

塩分濃度が薄いと鼻がツツーン!

濃いと塩辛くてたまらない…。

それでも鼻の粘膜が鍛えられ、アレルギー性鼻炎が改善しましたよ。

                *

最近、鼻の粘膜が弱くなってきたので、鼻洗浄を再開しようかな…。

鼻風邪をひいたり、気温差で鼻がむずむずしたりすると思います。

症状が強い時はかなり鼻の粘膜が弱っているので、鼻洗浄はきつい!

落ち着いてからしよう!

何度そう思っても調子がよくなると忘れちゃう。

のどもと過ぎれば…ってやつですね。

体のしくみあれこれ~鼻

先日、数年ぶりに鼻風邪をひきました。

20代の頃は万年アレルギー性鼻炎持ちで、

左鼻がつまっていることが多く、

人よりもにおいを感じるのがワンテンポ遅かった!

鼻がつまっていても、鼻水が止まらなくても、

ウイルスが麻酔薬を脳ミソに振りかけながら飛び回っているんじゃないか!!

と思うくらい、頭がボーッ、ボーッ、ボーッとしてつらいですね。

今日はその『鼻』に注目したいと思います。

いきなりグロテスクな、鼻を横から見た断面図。

図の灰色の部分は、骨です。

鼻の奥の側壁には3つの屋根状のヒダ(図の1・2・3)があります。

鼻から吸い込んだ空気は、このヒダの間を通っていきます。

大部分はヒダの間の中央と下を通るそうです。

一部が上を通り、嗅上皮(きゅうじょうひ)(図の赤の部分)に向かいます。

鼻の天井にある『嗅上皮』には、

においを感じる嗅細胞(きゅうさいぼう)が集まっている!

この嗅細胞がにおいを、脳の『嗅球 きゅうきゅう』に伝え、

脳の奥まで伝わり、「あぁ、おいしいカレーのにおい!」などと認識します。

ヒトって何種類ぐらいのにおいを識別できると思いますか。

なんと、3000~1万種!!

1リットルの空気中にある100億分の1グラムのにおい分子も感知!

すごいっ!

この嗅覚(きゅうかく)。

非常に順応が速い。

『順応』って、同一刺激を連続して受けると、

それに対する感受性が低下する現象のこと。

1つのにおいには、すぐなれて感じなくなる。

しかし、別のにおいは感じる。

2種類以上の物質を混ぜると第3のにおいが生じる。

おもしろい!

もう1度、手描き図を見ていただきたいのですが、

鼻の奥の奥にある、耳管の開口部。

耳につながっています。

思いっきり強く鼻をかむと、感染した鼻の粘膜から、

耳管の開口部⇒耳管を通って、中耳へと感染が広がり、

鼻風邪から中耳炎になることがあるのですね。

鼻のことを意識していたら、鼻の奥がむずむずしてきた!

次回は鼻炎の鍼灸等の治療について書こうと思います。

よろしくでーす!