コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

【動画で見る!ツボの取り方】肘・腕のだるさや痛み、手首・指の腱鞘炎に働きかけるツボ『神門 しんもん』

赤いラインは『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』という経絡。その上に『神門 しんもん』というツボがある。手のひら側の手首の端、小指側にある。

 

軽い物なら、手首にグッと力を入れて、物を持ち上げ、保持できる。

 

重い物でも同じように持てる方もいれば、

 

こうべを垂れるように、手首から先が下に傾いたまま、持ち上げ、保持する方もいる。握力や腕の力が弱いため、手首から先を上に持ち上げられない。この持ち方は指や手首の筋肉を痛めやすい。

特に、『手首を下に傾けたまま、薬指や小指で強く握ること』が手作業中のクセになっていると、薬指や小指を曲げる筋肉や手首を小指側に傾ける筋肉が疲労しやすい。これらの筋肉がカチコチに硬くなると、手首の端(小指側)、ちょうど『神門』あたりに痛みが出てくる。そんな時、『神門』に鍼やお灸をして、カチコチの筋肉を緩め、痛みを緩和させる。

 

硬さが強く、筋肉の柔軟性が失われている時は、灸頭鍼(きゅうとうしん)がおすすめ。ツボというよりも、硬くなった筋肉に鍼を置き、鍼先にモグサをのせてお灸もする。

 

台座灸を使ったセルフお灸もおすすめ。台座灸は底にシールが付いているので、誰でも簡単にできる。

『神門』のツボ取り動画を撮ったが、まだまだ修行が足りないねぇ~。分かりづらい気がして、ブログで補足するよ。

こちらは、手のひらから見た、右手の骨。5本の指の根元には、小さな骨がごちゃごちゃっとある。手首の端(小指側)の上に、豆状骨(とうじょうこう)という骨がある。緑丸のところ。ポコッと突き出ているので、皮膚の上からでも触れると分かりやすい。その豆状骨の際、手首に『神門』がある。赤丸のところ。

こちらは、手のひら側の右腕。赤いのは、手首を小指側に傾ける筋肉、『尺側手根屈筋 しゃくそく・しゅこん・くっきん』。『神門』はその筋肉の隣、親指側にある。青丸のところ。豆状骨の下、かつ、尺側手根屈筋の隣(親指側)という、2つの取り方があり、ややこしいが、動画を見ながらツボを取ってみてねぇ~~~~。

このツボがある『手少陰心経』は、臓器の『心 しん』(心臓のこと)につながっている。心は神(しん)を蔵す。『神』とは精神活動のことで、『心』はメンタルに深くかかわっている。『神門』の『門』は出入口のこと。このツボは、心気(=心のエネルギー)の出入り口であり、その名前が付いた。『手少陰心経』にとっても『心』にとっても重要なツボなんだなぁ…。といいつつ、コトーは、指・手首・腕のトラブルの時に、このツボをよく使うんだなぁ…。

福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

【動画で見る!ツボの取り方】肘・腕のだるさや痛み、手首・指の腱鞘炎に働きかけるツボ『少海』

赤いラインは、『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』という経絡。脇の下にあるツボ『極泉 きょくせん』に始まり、腕の内側を下り、小指の先端にあるツボ『少衝 しょうしょう』で終わる。

『少海 しょうかい』というツボは、肘の内側にある。

 

右腕、手のひら側のイラスト。赤いラインは、尺骨神経(しゃっこつ・しんけい)。脇の下から、腕の内側(=小指側)を通り、主要なもの薬指と小指の先端の骨に付く。『尺骨神経』と『手少陰心経』のラインは似ている。

 

肘に過度の負担がかかるスポーツや職業に従事している方は、尺骨神経の肘あたり(青丸)で尺骨神経が圧迫され、尺骨神経麻痺(肘部管症候群)になることがある。

 

長時間、自転車のハンドルを握り続けるなど、手のひらの小指側を圧迫し続けると、尺骨神経の手首あたり(青丸)が圧迫され、尺骨神経麻痺(Guyon ギヨン管症候群)になることがある。

尺骨神経は、薬指と小指の感覚を司っているので、尺骨神経麻痺になると、薬指と小指が痺れるなどの感覚障がいが起こる。

手首や指を動かす筋肉は沢山ある。尺骨神経麻痺になると、尺骨神経が支配している筋肉が萎えて筋力が低下する。

 

右腕、手のひら側のイラスト。深指屈筋(しんし・くっきん)は、尺骨という肘下の骨に始まり、人差し指から小指までの先端の骨(末節骨 まっせつこつ)に付く。これら4本の指を、指の先端まで曲げる筋肉。深指屈筋のうち、薬指と小指の筋肉は、尺骨神経が司っている。尺骨神経麻痺になると、薬指と小指を先端まで曲げる力が弱まる。

 

深指屈筋に限らず、手首や指を曲げる筋肉の多くは、肘下の尺骨(青丸)に付いている。『少海』というツボの位置と同じ。そのため、尺骨神経麻痺だけでなく、指や手首を曲げる筋肉のだるさや痛み、腱鞘炎などのトラブルでも、『少海』に鍼やお灸をすることが多い。

『少海』のツボ取り動画を撮ったよ~。ツボの説明はややこしかったが、ツボの取り方は簡単。上記の症状で悩んでいる方は、『少海』にセルフお灸、台座灸はいかが?台座灸のやり方動画も、ブログ【動画で見る!】とYouTubeチャンネル≪レディース鍼灸ことうプラス≫に載せてるよ~ん。

『少海』の『少』は、『手少陰心経』のこと。河川の水がどどどーっと海に集まるように、このツボは脈気(=経絡のエネルギー)が盛んなため、『海』という字が付けられた。肘には、『小さい海』と書いて『小海 しょうかい』というツボもあるので、間違わないでねぇ~~~。

福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

【動画で見る!ツボの取り方】膝の痛みに働きかけるツボ『陰陰泉 いんりょうせん』

赤いラインは『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡。足の親指から始まり、内くるぶしの前からすねを上行し、内ももを通り、腹部と胸のやや外側を上行し、脇の下近くで終わる。『陰陵泉 いんりょうせん』というツボは、この経絡上の、膝下にある。

 

<右脚を後ろから見たイラスト>

ところで、太ももの後ろ側には、膝を曲げる筋肉3本がある。赤の部分。『大腿二頭筋 だいたい・にとうきん』と『半腱様筋 はんけんようきん』と『半膜様筋 はんまくようきん』。3本とも骨盤の下部から始まり、膝下の2本の骨に付く。大腿二頭筋は、膝下の外側の骨『腓骨 ひこつ』に付き、半腱様筋と半膜様筋は、膝下の内側の骨『頚骨 けいこつ』に付く。

 

青丸は『陰陵泉』。膝を曲げる筋肉が疲労して硬く縮まると、半腱様筋と半膜様筋の付着部分、ちょうど『陰陵泉』のあたりに痛みが出てくる。

 

<右脚を前から見たイラスト>

ところで、太ももの内側には、5本の筋肉がひしめき合っている。赤の部分。これらは股関節を動かし、脚を内側に引き寄せる。5本とも骨盤の下部から始まり、4本は太ももの骨『大腿骨』に付き、薄筋(はっきん)だけが膝下の内側の骨『頚骨』に付く。

 

青丸は『陰陵泉』。5本の筋肉が疲労し硬く縮まると、薄筋の付着部分、ちょうど『陰陵泉』あたりに痛みが出てくる。

ところで、あなたの膝はどんな形?触ってみよう!膝の内側にぽっちゃりと余計な脂肪が付いていないかな?膝の前は?膝の裏は?プニョプニョ?余計な脂肪ちゃんが居座っていないかな?膝を動かす筋肉たちが弱まり、膝の関節をフルレンジ動かすことが少なくなると、そこに脂肪ちゃんが近寄ってくる!その脂肪が硬くなると、膝周辺に痛みが出ることもある。

O脚(=がに股)が強いと、膝関節の内側の隙間が狭くなり、膝の内側が痛くなることもあるねぇ…。

『陰陵泉』というツボは、膝の調子が悪いと痛みが出やすい場所にあるため、膝の鍼灸治療で出番が多い。

 

灸頭鍼(きゅうとうしん)がおすすめかなぁ~。鍼先にモグサを差し込み、お灸もしながら、筋肉や脂肪の硬さをほぐす。

 

台座灸を使ったセルフお灸もおすすめ。台座灸は底にシールが付き、お灸がしやすい。

『陰陵泉』のツボ取り動画を撮ったよー。ツボの取り方は難しくないと思っていたが、動画ではあっさりと説明しすぎたかもしれない…。反省!したが、撮り直さずに載せちゃうよー。

おーっ、今回が今年最後のブログ。2021年を振り返ってみた。コロナ禍で院内外のお灸教室は休止しているが、オンラインという形でお灸教室を再開できた。また、動画配信もスタートした。専門的なことを文章と画像やイラストで説明するのは難しいこともあり、動画を加えて、より分かりやすく伝えられたら…と思う。

SNSを駆使している方は、オンラインのセミナーや、動画の撮影・編集・公開を、ちょちょちょい!と簡単にできるかもしれない。しかし、コトーは未だにスマホを持たず、SNSには足のつま先をちょっぴり付けている程度。簡単に説明を受けただけではチンプンカンプン。「えーっとぉー、もう一度、説明してもらえますか?」。たくさんの方が、根気強く指導して下さったおかげで、すべて自分ひとりで出来るようになった。

どんな状況下でも、『今まで仕事で取り組んできたこと』『仕事以外でも経験し培ってきたこと』の延長線上に進むべき道がある。そして、その道を開拓するために、『好きなこと』でも『苦手のこと』でも必要なことをコツコツと取り組めばいいんだなぁ…と、この1年つくづく思った。今年もおつきあいいただき、とってもとってもありがとさんです!特集ブログは来年に持ち越しとなりました。2022年もよろしくお願いいたします!

 

【動画で見る!ツボの取り方】生理痛・生理不順など婦人科の症状や膝の痛みに働きかけるツボ『血海 けっかい』

赤いラインは『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡。

 

体内では臓器の脾とつながっている。脾は、気(=エネルギー)と血(=栄養)の元となる『水穀の精微 すいこくのせいび』を作り、全身に運ぶ。また、経絡の中を流れる血が外に漏れ出ないように、脾は経絡に働きかけている。

 

『足太陰脾経』の上にあるツボ『血海 けっかい』は、先ほどの脾の働きの『強力なサポーター』。血を整え、血の流れを促し、脾の大海に血を戻す。ここで、地球を思い浮かべてほしい。海水は川へと流れ込み、下って、やがて海へとたどり着く。その自然の摂理が、『血海』というツボの特徴に似ていることから、その名が付いた。スケールが大きいねぇ~~~。

生理中に出血量が多い、生理期間が長引く、などの生理不順や生理痛、生理でないのに出血する『不正出血』など、婦人科の症状に対して、『血海』に鍼やお灸をする。ツボを刺激して、『足太陰脾経』や『脾』に働きかける。

さてさてさて、話は変わる…。床や椅子から立ち上がる、座る、しゃがむ、立位で作業をする、歩く、走る、スキップする…など、様々な場面で膝の関節は動く。

膝の動きに重要な筋肉は『大腿四頭筋 だいたい・しとうきん』。太ももの前にある。骨盤と、太ももの骨(大腿骨)の上部から始まり、膝蓋骨をくるんで、膝下の骨(脛骨 けいこつ)に付く。

膝の関節を痛めると、痛くない範囲で膝を動かそう!と、無意識に不自然に動かすので、大腿四頭筋に負担がかかる。やがて筋疲労を起こし、負担が長く続けば大腿四頭筋に痛みが生じる。また、立ちっぱなしの作業や、慣れない登山などで、大腿四頭筋に直接負担がかかりすぎても、筋疲労や痛みが生じる。

膝蓋骨の下(水色の丸)が痛い時は、大腿四頭筋がカチコチに硬くなっていることが多い。『血海』というツボはこの筋肉の上にあり、こわばった大腿四頭筋を緩める時にも用いられる。

 

この筋肉は大きいため、鍼灸治療の際には鍼とお灸のセット『灸頭鍼 きゅうとうしん』がおすすめ。鍼先にモグサをのせてお灸もする。鍼の刺激とお灸の輻射熱で、こわばった大腿四頭筋をほぐす。

『血海』のツボ取り動画を撮ったよ。ツボの取り方は簡単!ではない…。しかし、以前紹介した『梁丘 りょうきゅう』のツボが取れていたら簡単!『梁丘』も大腿四頭筋の上にあり、膝からの高さも一緒。ぜひ、『血海』のツボ取りもチャレンジしてほしい。膝が痛い方は、『血海』と『梁丘』へのセルフお灸、台座灸がおすすめだよーん。…と、ブログは終わる予定だったが、久しぶりにおまけの話!

先日、ラジオのアナウンサーがリスナーのメールを読み上げた後、「そうそうそうそうそうそう」と相槌を打った。『そう』が6回!「そうなんだよねぇー、本当にそんなんだよねー、イヤ~本当にそうだよねー」と深く長く同意しているのかなぁ…。知人にも『そう』を6回繰り返す人がいる。特別なことではないんだねえ…。

コトーは今回のブログで、3回繰り返した言葉がある。何だか分かるかな?文章が長いからねぇ~。読み返すのは面倒くさいよねぇ~。答えは『さてさてさて』。コトーは、しょっちゅう繰り返す気がする。「えーっ!それって本当なのぉ~」とひどく驚いた時は「うっっっそぉーーー」とか「うそ!うそ!うそ!」になるかなぁ…。「まあまあ」は、「ある程度はねぇ…」とか「それなりにねぇ…」というニュアンスだけど、「まあまあまあまあ」と繰り返すと、興奮している相手をなだめるシチュエーションを思い浮かべるねぇ…。面白いなぁ…。

福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

【動画で見る!ツボの取り方】胃痛や胃もたれ、脚の疲れ、健康の維持・増進に働きかけるツボ『足三里 あしさんり』

赤いラインは『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』という経絡。体内では胃とつながり、気(=エネルギー)と血(けつ)(=えいよう)を胃にも送る。胃の調子が悪いと、この経絡の流れが滞る。そして、経絡上にあるツボに反応が現れる。あるツボを押すと他のツボよりも圧痛が強い、ツボ周辺の皮膚がへこむ、ざらつく、などなど。

 

45個あるツボの中で、反応が出やすいのが『足三里 あしさんり』(赤丸)。このツボに鍼やお灸をして滞った経絡の流れを促し、気と血を十分に胃にも送り、胃の調子を整える。また、胃だけでなく、腸・肝・胆・膵など消化器全般に働きかける頼もしいヤツ!すねにあるので脚の疲れや痛み、運動麻痺などにも用いられる。脚のむくみや冷えにもよく使うなぁ~。鍼灸治療は鍼とお灸のセットがおすすめ。

 

これは灸頭鍼(きゅうとうしん)。鍼先にモグサを付けて、鍼をしながらお灸もする。鍼の刺激とお灸の輻射熱が同時に伝わる。

 

モグサを固めて和紙でくるみ、棒状にしたお灸、棒灸。『足三里』に鍼を置き、棒灸を数㎝離して温める。

 

コトーは鍼灸修行で中国に滞在中、毎日『足三里』にお灸をしていた。胃の調子が悪かったわけではない。『足三里』は無病長寿!健康維持!増進!にも働きかけるツボ。留学先で体調を崩さないようにお灸をしていた。おかげで大病もせず…と言いたいところだが、夏風邪で高熱を出し、真冬の北京旅行でインフルエンザにもかかったなぁ…。ハハハハハーッ!

 

青丸は『膝眼 しつがん』というツボ。そこから指4本分下に『足三里』(赤丸)がある。2つのツボを取る必要があるので、『足三里』のツボ取りは難しい。簡易的な方法もあるが、ツボの位置がずれやすい。前回紹介したツボ『梁丘 りょうきゅう』よりもツボ取り動画の撮影は難航したが、膝模型を駆使し乗り切った。何かを企画し、準備し、実行してみることが元来好きなので、手間はかかってもコツコツ動画を作り続けるよ~ん!

次回は『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡を紹介!その前に、中休みブログが入るかも…。福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。