コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

体温調節と熱中症

今日が7月3日ですよね。

昨年のブログで熱中症のことを書いたのが、7月20日。

私の中で、熱中症に対しての危機感は年々早まっている気がします。

この機会に、体温や熱中症について、生理学や内科学の本を読み返しました。

ヒトは、『恒温動物 こうおんどうぶつ』であり、

外気温が変化しても、体温を一定に保つ働きが体に備わっています。

私たちが体に取り込んだ食物は、細かく細かく分解され、

その際に体の中にエネルギー、熱が発生します。

また、運動などにより筋肉が使われる際にも熱が発生します。

それらの体熱は、主に血流により全身へ運搬。

その体熱の一部が、体の外へ放散され、体温が保たれます。

体の中で行われている熱の放散には、いくつかの現象があります。

実は、体の表面から常に水分を蒸発させて、熱を放散!

『不感蒸散 ふかんじょうさん』っていうそうです。

無意識に起こっている現象です。

1日当たり、皮膚から600~700ml、肺から150~450ml、合計約1ℓ。

ほほーっ!

私たちに馴染みがあるのは、発汗。

外気温が上昇すると、それにつられて体温も上がらないように、

ヒトの体は、発汗し、血管を拡張させます。

外気温が30℃を超えると、急激に汗は増大し始めるそうです。

その機能が追いつかなくなると、熱中症になるわけです。

熱けいれん

多量の発汗により体内の塩分が喪失。

発汗、口渇、めまい、頭痛、吐き気、腹痛、筋けいれんなど。

体温上昇は軽度。

熱疲労

発汗による脱水。

体温調節機能が破綻。 体温が上昇し、41℃にとどまっている。

熱射病

脳にある体温調節中枢が障害され、発汗や血管拡張ができない。

体温は40℃以上。 失神、けいれん、昏睡など。

体のすべての臓器も障害をうける。

このように、気をつけないと、重症化します。

そうならないための予防が大切ですよね。

大量に汗が出ると塩分も失われます。

このときに水分だけを飲むと、血液の中の塩分濃度が薄くなります。

えらいこっちゃーっと、さらに水分が欲しくなるところですが、

体のしくみ的には、余分な水分は尿として排出されてしまい、

体内・細胞内に必要な水分量を取り込むことができない!

どっと汗が出る場面では、充分な水分が取り込めるように、

スポーツドリンクや、1ℓの水にティー・スプーン半分の食塩(2g)と、

角砂糖(1~数個)を溶かしたものがいいそうです。

室内では、エアコンを適宜使うことですよね。

私はエアコンが苦手で、仕事以外ではつけたくないのですが、

室内で熱中症にならないよう、しょっちゅう湿度付きの温度計とにらめっこ。

エアコンと扇風機をうまく使って、この夏を乗り切るぞ!

昨年、これくらいの時期から真夏が過ぎるまで、

たびたび両親に『熱中症に気をつけて葉書』を送っていました。

高齢者(65歳以上)は、個人差はありますが、運動機能だけでなく、

感覚機能も低下します。

視覚、聴覚、味覚、平衡感覚、そして皮膚感覚…。

部屋は暑く、体が熱くなっている!のにも気づきにくくなります。

気をつけあいましょう!!

生理痛・生理不順の鍼灸レシピ

前回のブログで、生理痛の原因について書かせていただきました。

今日は、生理痛や生理不順に対して、どんなふうに鍼や灸をするのか、

当鍼灸院での治療方法をご紹介します。

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前回、お話したように、体全体の血の巡りをよくすること、

他の気になる症状も治し、体調・体質を整えることが、

生理痛や生理不順の治療にもかかせません。

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当鍼灸院では、生理の状態だけでなく、

体全体・日常生活など幅広く問診させていただき、

全身治療で体調・体質を整えながら、

生理痛や生理不順を改善します。

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具体的には…。

軽く鍼をしたまま、箱灸や棒灸をします。

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箱灸はこんなお灸。

五合升の底に直径10㎝の穴が開いています。

腰やお尻・下腹部に当てます。

熱くはありません。

じんわりと体の芯まで温かさが伝わります。

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棒灸はこんなお灸。

皮膚から3~5㎝離した位置で温めます。

うつぶせでお尻に箱灸をしながら、足に棒灸をして、

血の巡りをよくします。

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灸頭鍼(きゅうとうしん)といいます。

血の巡りをよくするツボに鍼をして、

その先にモグサをつけて、お灸をします。

熱くはありません。

鍼刺激と灸の輻射熱による複合的な効果があります。

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一円玉の上にある鍼、『皮内鍼 ひないしん』といいます。

皮膚の1㎜下に、皮膚と水平に2~3㎜程度刺して、

医療用テープで固定します。

まったく違和感はありません。

1週間~1ヶ月間、ツボを刺激して、血の巡りをよくします。

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生理痛や冷えが強い方には、自宅でのお灸をおすすめします。

『台座灸 だいざきゅう』といいます。

台座の上にモグサが固定されています。

台座の底にはシールがついているので、どこのツボでもOK!

やってみる!という方には、

治療後、その方にあったツボに台座灸をご自身でやって覚えていただきます。

そのツボの位置やお灸の注意点などを書いた

小冊子『お灸の話』をお渡しします。

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下腹部つまり、子宮や卵巣全体をまんべんなく温めたいときは、

棒灸をおすすめします。

操作は簡単で安全です。

ご自宅でのお灸は、最初は毎日。

生理痛や冷えが改善してきたら、頻度を減らします。

また、仕事や家事が忙しくて、生理痛や冷えが悪化しそう!と思ったときには、

なんとか時間を作って、じっくりと温めなおす!

体調にあわせて、お灸もうまく使っていただけたらなぁ…と思っています。

               

               

生理痛ってなんじゃらほい?

生理痛に鍼灸が効くって、あまり知られていません。

肩こりや腰痛など別の症状で来られた方が、問診中に、

ひどい生理痛や生理不順で困っていることを知り、

一緒に治療していきましょう…ということはあります。

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生理のときに、どうもない人。

なんとなく下腹部や腰が重い人。

下腹部の奥の激痛や頭痛・吐き気で寝込んでしまう人。

生理のときの体調は、さまざまですね。

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そもそも、生理痛って何?

西洋医学の本によると…。

考えられる原因の1つは、経血の通り道が狭い。

子宮が未熟で、子宮下部にある子宮頸管が狭く、

経血が通過する時に出口である頸管が広げられて痛みが起こる。

子宮が成熟すると痛みも和らぐそうです。

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2つめは、子宮の収縮が強すぎる。

不要になった分の、子宮内膜がはがれ落ちて、

血液とともに外に出されるのが生理。

このとき、経血をうまく排出するため、

プラスタグランディンというホルモンが、子宮内膜から分泌されます。

子宮の収縮を強める作用があります。

このホルモンを多く分泌する体質の方は、

子宮を収縮させて経血を押し出す力が強すぎて、

陣痛に近い痛みや、頭痛・吐き気・胃痛・下痢など全身症状が現れることも。

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3つめは、冷えて血行が悪いこと。

血のめぐりが悪いと、子宮内膜からのプロスタグランディンの分泌が多くなるそうです。

また、心理的のストレスで、痛みを強く感じることもあります。

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4つめは、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因となっていることもあります。

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東洋医学的にも原因はいろいろありますが、

一番は血の巡りの悪さ。

あおむけ、あるいは、うつぶせでリラックスしていても、

おなかやお尻の筋肉がカチカチ…。

お尻がひやっと冷たい…。

筋肉が硬かったり、冷たいってことは、

骨盤内の血行が悪く、

筋肉の奥にある子宮や卵巣も冷えているかも…。

骨盤周りだけでなく、体全体の血の巡りをよくすることが大事です。

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肩こりや腰痛など別の症状により、

経絡の流れが悪くなっていることも影響しています。

他の気になる症状も治し、体調・体質を整えることも大切です。

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生理のときも、普段と変わらない生活を送りたいですよね。

次回は、生理痛・生理不順の鍼灸治療をご紹介します。

みずみずしいツボたち

雨が降り続きますなぁ~。

お天道様が恋しいよぉ~。

でも、雨が降り始めたときの土の匂いや、雨の音、しずくの形・色…、

雨の日に五感を集中させると、心がなごみます。

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ところで、古くから鍼灸で正規に用いられているツボたちは、約360穴。

その中で、『水』のつく名前を数えてみたら、5つ。

鼻の下にある 『水溝 すいこう』 (人中 じんちゅう ともいいます)。

のどぼとけの斜め下にある 『水突 すいとつ』。

おへそのちょっと上にある 『水分 すいぶん』。

下腹部にある 『水道 すいどう』。

内くるぶしの斜め下にある 『水泉 すいせん』。

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ツボの名前には由来があります。

ツボの起源は石器時代!

それから長い年月をかけ、

古代の先輩たち(鍼や灸をされてきた方々)が

多くの臨床経験を積むことにより、

この病気、この症状には、ココに鍼や灸をすると効くぞ!

と、確立していきました。

ありがとーっ!先輩!

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名前に『水』がつくツボたちは、

体の水分調節(むくみや泌尿器系疾患)や腫れに効きます。

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温度も湿度も高く、不快指数が高いと、

それだけで疲労感も倍増!!

しっかり食べて、しっかり睡眠もとって、

梅雨をのりきりましょう!

特集むくみ ~むくみの鍼灸レシピ

むくみ特集 最終回!

むくみに対しての鍼灸治療をご紹介します。

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むくみの特集第2弾と第3弾で、むくみの原因について、

ズラズラズラ~っと書きましたが、原因って様々…。

ていねいな問診や触診で、原因をつきとめ、

バランスの崩れている経絡(けいらく)を見つけ出します。

むくみを改善するために、その経絡の流れをよくするわけです。

そこで鍼灸登場!

その経絡上にあるツボに鍼や灸で刺激します。

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コテコテの東洋医学の話になります…。

『経絡』は、全身に張りめぐらされた道で、

気(エネルギー)や血を体の上下・内外に運び、

全身を栄養したり…、

五臓六腑とも交流し、臓腑の機能を調節する…、

と考えられています。

『五臓』っていうのは、肝・心・脾・肺・腎。

『六腑』は、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦(さんしょう)。

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水分代謝に大きく係わっている臓腑は、

脾・三焦(実際にはない臓器です)・肺・腎。

ということは、この臓腑をつかさどっている経絡、

そして、その経絡の上にのっているツボたちも

むくみの鍼灸治療にとっても大事!

(う~、説明するのが難しい…)

(わかっていただけるかなぁ…)

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私は、リハビリの仕事をしていた20代の頃、

さんざん腰を痛め、鍼灸院に通っていました。

「私の内くるぶしはどこ?」っていうぐらい、

ヒザから下のむくみもひどかった!

鍼灸院の先生に、もぐさのひねり方を教えてもらい、

毎日、『足三里 あしさんり』と『三陰交 さんいんこう』というツボに

お灸をしていました。

今はちょこっと内くるぶしがあります。

ありゃ~、絵が傾いてすみません。

おっ、今度はまっすぐ!

この2ヶ所にお灸をすると、足の血行がよくなり、

足の疲れもとれますよ。

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長々と続いたむくみ特集。

最後まで読んでいただきありがとうございます!