コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

はりきゅう雑話~養生のツボ

貝原益軒氏をご存知ですか。
江戸時代の医者で数多くの書物を執筆しています。
その中で、亡くなる1年前、1713年、
83歳の時に書いた『養生訓』が有名です。

父親が黒田侯の祐筆(ゆうひつ)(文書に係わる職)に
ついていたので、福岡城内で生まれたそうです。
知らなかった!

その『養生訓』の現代語訳を、今日何とは無しに読みました。
日々健やかに過ごすための、暮らし方、心の持ち方など約450項目!

その中に鍼灸のことも書かれています。
毎日の灸による健康法として、『足三里 あしさんり』
というツボへのお灸が紹介されています。

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絵のように膝下にあります。
『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』という経絡の上にあり、
胃の調子を整える働きもあります。

松尾芭蕉の『奥の細道』にも出てくるツボ『足三里』。
乗り物がなく、籠や馬や歩いて旅する人々は、健脚と、
旅による胃の弱りを防ぐために、ここにお灸をしたそうです。

他の文献によると…
江戸時代、毎月1日から8日まで足三里にお灸をして
200歳まで生きた萬平氏のことが古文書に載っています。
実際にも、医学博士の原志免太郎氏は、
毎日足三里にお灸をして108歳までお元気だったそうです。

実は、自分も中国留学中に体調を崩さないように、
足三里に毎日お灸をしていました。
部屋の中が柔らかなモグサの香りに包まれ、
あれもしなきゃ、これもしなきゃ!と張り詰める気持ちが
とき放たれる…そんなひとときでした。

そのおかげか無事、帰国し、福岡で鍼灸をしています。
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はりきゅう雑話~鍼と灸の仲

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鍼をしたまま棒灸…

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鍼をしたまま台座灸…

写真のように、鍼をしたままお灸をすることがあります。
症状によってはセットしないことがありますが、
セットにしたほうが効果がバツグン!のかたが多いような…。

文献によると、日本の気候や現代の生活習慣には、
『湿』が関係しているみたい。

例えば…、
梅雨になると昔痛めたところが痛むのは、だいたい
湿気、東洋医学用語では湿邪(しつじゃ)という邪気のしわざ。

他には…、
冷房が効きすぎる部屋に長くいると、
体が冷えきって、体の中に湿邪が居座っちゃう。
冬は暖房が効きすぎる部屋でおもいきり冷飲冷食して、
けっきょく体の中が冷えきって、ありゃりゃりゃりゃ~。

この湿邪を退散させるには、体の中を芯から温めることが大事。
そのため、当鍼灸院では写真のように
鍼と灸を同時にすることが多いのかな…。

「どちらか一方は、するのが抵抗がある~!」というかたは、
もちろん鍼だけ、あるいは灸だけでもOKですよ。
症状にもよりますが、いつの日か
両方やってみてほしいなぁ…と思います。

このブログの写真撮影用に
自分のふくらはぎに鍼と灸をしましたが、
終わったら脚が軽くなりホカホカですよ~ん。

今日はバレンタイン・デー。
大勢のスタッフとともにリハビリの仕事をしていた時は、
ブラウニーという、チョコ入りのパウンドケーキっぽいお菓子を作り、
個包装して、スタッフ全員にプレゼントしていました。
あの情熱はいずこ~~~!

福岡で女性専門の鍼灸院をしています。
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体のしくみあれこれ~脚長差の錯覚

鍼灸の仕事をしていると、
脚の長さが左右、違うんです…と言う方に出会います。

確かにあおむけになると、
左右のかかとの位置が違う。
股関節のトラブルなどで脚長差が生じることはありますが、
今までお会いした方々は骨盤のねじれからくるもの。

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グロテスクな絵で、すみません。
ねずみ色の骨盤には、たくさんの筋肉がついています。
骨盤から背骨についている筋肉は5本、
肋骨についている筋肉は7本、
大腿骨(ももの骨)についている筋肉は14本、
脛骨(けいこつ)(ひざの下の骨)には6本
腓骨(ひこつ)(ひざの下の骨)には1本。
これらは片側のみの本数。
すごい量ですよね。

例えば…
骨盤から背骨や肋骨についている右側の筋肉が
左よりもかなり縮まっていたら…、
骨盤は右側が上に引き上げられ、
右脚も骨盤と一緒に上に引き上げられますよね。
これが勘違いの正体!
「脚の長さが左右、違う!これって脚の骨の長さが違うのぉ~?」
と、錯覚してしまう…。

体の使い方の長年のクセにより、
骨盤のねじれを生じる方が多いようです。
縮まっている筋肉をゆるめ、クセを少しずつ直していくと、
骨盤のねじれが改善し、脚長差の錯覚はなくなります。

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はりきゅう雑話~お灸アラカルト

めちゃくちゃ寒い日が続いていますが、
皆さま、風邪などひいていませんか。
今日は体の芯まで温まる『お灸』の話におつきあい下さい。
長いです!お覚悟を~!

 

 

『モグサ』
お灸にモグサが使われるようになったのは、
中国の春秋戦国時代(B.C.8~3世紀)。
モグサの原料はヨモギの葉の裏の産毛。
菊の葉と似ています。

 

 

ヨモギの葉を夏に刈り取る→乾燥→裁断→石臼でひく
→トウミという機具で不純物除去→モグサ完成!

ヨモギの葉の量のうち、モグサになれるのは、たった5%!

 

 

 

『点灸 てんきゅう』
モグサを米粒ほどに指でひねったものを
ツボに置き、線香で点火。
皮ふ上にシールを貼ってからモグサをのせれば
灸の跡が残りません。

 

 

『しょうが灸』
スライスしたしょうがを皮ふとモグサの間に置く。
他には、スライスしたニンニクでも。

 

 

『灸頭鍼 きゅうとうしん』
名前のごとく、鍼の先にモグサをつけて点火。
伝導熱でツボの中まで温まります。
中国留学中、師匠はこの方法をよく使っていました。

 

 

『棒灸 ぼうきゅう』
モグサをタバコのように和紙でくるんで棒状にしたもの。
皮ふから3~5㎝離して温める。
棒灸は手や足、お腹など広範囲に温められ、
操作も簡単。

 

 

『箱灸 はこきゅう』
底をくりぬいた五合升に、ステンレス製のパッド、
その中に棒灸をカットしたものを入れます。
お尻やお腹、背中の上に置き、
温かさは上にのせた木ブタで調整。
棒灸同様、広範囲に長い時間温められます。

 

 

『台座灸』
台座の上にモグサがくっついている。
台座の下にはシールがついているので、
どこのツボにもしやすい!
自宅で自分でお灸するのには、簡単です。

 

お灸には、いろいろな方法があります。

江戸時代から庶民に親しまれてきたお灸。
日本の風土や日本人の体質にはあっていると思います。

今日もサイコーに長いブログ。
最後まで読んで頂き、誠に有難うございます!

 

はりきゅう雑話~ 背中のこりこり

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首がガチガチで回らなくて…とか、
腰が硬く痛くて…とか、
背中の部分的なコリや痛みを訴えられても、
実はうなじから腰まで筋肉が硬くなっていることはよくあります。

背骨の両脇にある筋肉は一番長いのでは、
後頭部から骨盤(お尻の上部)までついています。

上(首・肩)が長い間硬かったら、下(腰)へもコリが伝染。
逆もしかり…。

この1ヶ月ほど例年よりも寒いせいか、
背中のコリコリ具合も他の季節より強い気がします。

当鍼灸院では、うつぶせになっていただき、
写真の箱灸(5合升を使ったお灸)を
左右の肩甲骨の間と、お尻上部の2ヶ所に置き、
他の季節より長め、15分ほどじんわりと温め、
背中の筋肉をほぐします。

うつぶせがきつい方は、下の写真の棒灸で背中を温めます。
棒灸は皮ふから3~5㎝離しながら温めます。
箱灸も棒灸も効果は一緒です。

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同時に、棒灸で、ふくらはぎから足の裏まで温めると
お尻や足の冷えも改善しますよ。

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