コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑦~足太陰脾経・後編

『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡(赤いライン)の上に、ツボは片側だけで21個のっている(赤丸)。その中で一番メジャーなツボと言えば、『三陰交 さんいんこう』。内くるぶしの少し上にある。足の陰の経絡が3本交わる所なので、この名前が付いた。『足太陰脾経』以外には…。

 

『足少陰腎経 あし・しょういん・じんけい』。足の裏にあるツボ『湧泉 ゆうせん』に始まり、鎖骨の下にあるツボ『兪府 ゆふ』で終わる。この経絡は、体内で臓器の『腎』とつながる。

腎の最も大事な仕事は『先天の精』と『後天の精』を蓄えること。『先天の精』とは、母親と父親から受け取った精気(=エネツギー)のこと。母親の胎内では、『先天の精』が充足することで、胎児はすくすくと育っていく。オギャ~~~!とこの世に生まれると、どうなるか。自分の口で取り込む飲食物から得られる精気(=エネルギー)が『後天の精』となり、腎に蓄えられる。その充足したエネルギーのおかげで、体と心がのびのびと成長する。

この腎の精気は、子宮や卵巣など『生殖機能の成熟』のサポーターでもある。また、年齢とともに腎の精気が衰えてくると、やってくるのが『老化』で、臓器の機能も落ちてくる。生理不順や不妊症、不育症、更年期症状など、幅広い世代の婦人科にかかわるトラブルを治療する際には、腎の働きがどうなっているのか、見極めることも大切なんだなぁ…。

『足厥陰肝経 あし・けついん・かんけい』。足の親指の先端にあるツボ『大敦 だいとん』に始まり、9番目の肋骨の際にあるツボ『期門 きもん』で終わる。この経絡は、体内で臓器の『肝』とつながる。肝は、気・血・水がスムースに流れるようにサポートしている。このサポートが不具合を起こすと、気・血・水の流れが滞ったり、逆に流れすぎる。

脾と腎と肝は血の巡りや生殖機能に深くかかわっている。『三陰交』というツボに鍼やお灸をすると、先ほどの3本の経絡と、脾・腎・肝の3つの臓器に働きかけるため、婦人科の症状を治すときによく用いられる。

 

婦人科の症状のセルフ・ケアとしては、三陰交への台座灸がおすすめ。台座の上にモグサがのっている。台座の底にはシールが付き、ツボにのせやすい。

コトーは20代の頃、腰痛治療で鍼灸院に通っていた。脚のむくみが気になっていたら、三陰交へのセルフお灸をすすめられた。指でモグサをひねって米粒大にして、ツボにのせ、お灸用の線香で火をつける。一瞬、チクッ!と熱さがツボの中に入り込む。それが気持ちいいんだなぁ~。『点灸 てんきゅう』という手法。

 

カメラのフィルム缶の中に入ったモグサをいただき、自宅で点灸をしたなぁ…。昭和の話。

ところで、鍼灸の手技を文章だけで伝えるのは難しいと、常々思っていた。今年、念願かなって、鍼灸の手技の紹介動画を撮り、ホームページの『鍼灸治療』ページに載せた。ブログにはまだ載せてなかったねぇ。近々、『台座灸』と『点灸』の紹介動画をブログに載せるよ~ん。

『三陰交』は押すと圧痛があり、見つけやすい。婦人科の症状だけでなく、脚の冷えやむくみにもいい。三陰交のツボの取り方動画は、ブログ:【動画で見る!ツボの取り方】血の巡りを整えるツボ「三陰交」と、You Tubeチャンネル≪レディース鍼灸ことうプラス≫に載せているよーん。興味のある方は見てねん。

 

『足太陰脾経』の上にあるツボの中では、『血海 けっかい』と『陰陵泉 いんりょうせん』もセルフお灸がしやすい。『血の海』と書く『血海』は婦人科の症状におすすめ。また、『血海』も『陰陵泉』も膝の近くにあるため、膝のトラブルにもおすすめ。ツボ取り動画も撮ったよー!順次、紹介するねん!

福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

追伸:今回の特集では、気(=エネルギー)に関する話題が多い。気は様々な所で様々な働きをし、様々な呼び名がある。読者の皆さんは混乱するかなぁ…。できるだけ分かりやすく書いていきますますます!

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑥~足太陰脾経・前編

今回の特集ブログは自撮りの動画も取り入れているせいか、なかなか先へ進まない。前回、何を書いたのか忘れてしまい、下書きを読み直したハハハー!そうそうそうそう!

 

<足陽明胃経の順行路線>

赤いラインは『足陽明胃経 あし・よいめい・いけい』という経絡。黒目の下にあるツボ『承泣 しょうきゅう』に始まり、足の人差し指にあるツボ『厲兌 れいだ』で終わる。足の甲にあるツボ『衝陽 しょうよう』から枝分かれ(青いライン)、足の親指の先端にあるツボ『隠白 いんぱく』につながる。

 

<足太陰脾経の順行路線(体表)>

赤いラインは『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡。『隠白』に始まり、足の親指の内側を通り、内くるぶしの前から、すねの内側、膝の内側、太ももの内側を上行する。さらに、腹部・胸部のやや外側を上行し、脇の下から3寸(約9㎝)下のところにあるツボ『大包 だいほう』で終わる。

 

<足太陰脾経の順行路線(体内)>

この経絡は下腹部で枝分かれ、体内に入り、脾、そして胃につながる。更に、胃から2つに分かれる。1つは、胃から横隔膜を貫き、のどを通り、舌の根元とつながり、舌の下で散るように終わる。もう1つは、胃から心(しん)に入って、次の経絡『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』とつながる。脾と胃は表裏関係にあり、2つの臓器は経絡で結ばれている。さてさて、脾の主要な働きは4つ。

 

<脾の働き・その①>

口から取り込んだ飲食物は胃に納められ、ドロドロな物に変化する。脾は、ドロドロな物を更に消化して『水穀(すいこく)の精微(せいび)』を作り出す。これは、あらゆるエネルギーや栄養のこと。『気=エネルギー』や『血(けつ)(=栄養)』も水穀の精微から作られる。脾の働きが弱まり、しっかりと水穀の精微が作れないと、気や血も不足するんだなぁ…。

 

<脾の働き・その②-1>

脾は、気と血の元となる水穀の精微を全身に運ぶ。そのエネルギーと栄養のおかげで、臓腑・器官・筋肉・骨・皮膚などあらゆる部位は、自分の仕事を十分にできるんだなぁ…。

 

<脾の働き・その②-2>

脾は、水液を全身に運ぶ。また、いらなくなった水分を尿や汗として外に出す際にも、脾の『運ぶ』働きがサポートする。

 

<脾の働き・その③-1>

経絡の中を流れる気(=エネルギー)は年中無休。私たちの健康を考え、常に動いている。

前回登場した『胃気(=胃のエネルギー)』は『気を下行させる』働きを持っている。胃の中でドロドロな物に変化した飲食物。その中で不要な物は、胃気の力を借りて、小腸・大腸・膀胱へと下行し、便・尿として外に出すことが出来る。

 

『脾気(=脾のエネルギー)』は『気を上行させる』働きを持っている。脾で作られた水穀の精微は、脾気の力を借りて、上部にある心と肺に運ばれる。そして、心と肺の働きによって、水穀の精微は気と血に変化し、全身に運ばれる。また、脾で作られた水穀の精微は、脾気の力を借りて、上部にある頭(脳)と顔にも運ばれる。

 

<脾の働き・その③-2>

地球の地表に住んでいる限り、上から下へと重力がかかっている。重力に負けて内臓が下がらないように、脾気の引き上げる力で、内臓を正しい位置に保っている。ちなみに、この経絡は『足陽明胃経』。

 

<脾の働き・その④>

経絡の中を流れる血(=えいよう)は正常であれば外に漏れることはない。それは脾気が経絡に働きかけ、血が外に漏れないようにしているから。

脾はたくさんの、込み入った仕事をこなし、説明するのが難しいねぇ…。次回に続くよ~ん。福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

【動画で見る!ツボの取り方】胃痛や胃もたれ、脚の疲れ、健康の維持・増進に働きかけるツボ『足三里 あしさんり』

赤いラインは『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』という経絡。体内では胃とつながり、気(=エネルギー)と血(けつ)(=えいよう)を胃にも送る。胃の調子が悪いと、この経絡の流れが滞る。そして、経絡上にあるツボに反応が現れる。あるツボを押すと他のツボよりも圧痛が強い、ツボ周辺の皮膚がへこむ、ざらつく、などなど。

 

45個あるツボの中で、反応が出やすいのが『足三里 あしさんり』(赤丸)。このツボに鍼やお灸をして滞った経絡の流れを促し、気と血を十分に胃にも送り、胃の調子を整える。また、胃だけでなく、腸・肝・胆・膵など消化器全般に働きかける頼もしいヤツ!すねにあるので脚の疲れや痛み、運動麻痺などにも用いられる。脚のむくみや冷えにもよく使うなぁ~。鍼灸治療は鍼とお灸のセットがおすすめ。

 

これは灸頭鍼(きゅうとうしん)。鍼先にモグサを付けて、鍼をしながらお灸もする。鍼の刺激とお灸の輻射熱が同時に伝わる。

 

モグサを固めて和紙でくるみ、棒状にしたお灸、棒灸。『足三里』に鍼を置き、棒灸を数㎝離して温める。

 

コトーは鍼灸修行で中国に滞在中、毎日『足三里』にお灸をしていた。胃の調子が悪かったわけではない。『足三里』は無病長寿!健康維持!増進!にも働きかけるツボ。留学先で体調を崩さないようにお灸をしていた。おかげで大病もせず…と言いたいところだが、夏風邪で高熱を出し、真冬の北京旅行でインフルエンザにもかかったなぁ…。ハハハハハーッ!

 

青丸は『膝眼 しつがん』というツボ。そこから指4本分下に『足三里』(赤丸)がある。2つのツボを取る必要があるので、『足三里』のツボ取りは難しい。簡易的な方法もあるが、ツボの位置がずれやすい。前回紹介したツボ『梁丘 りょうきゅう』よりもツボ取り動画の撮影は難航したが、膝模型を駆使し乗り切った。何かを企画し、準備し、実行してみることが元来好きなので、手間はかかってもコツコツ動画を作り続けるよ~ん!

次回は『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡を紹介!その前に、中休みブログが入るかも…。福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

【動画で見る!ツボの取り方】太ももの前面や膝の痛みに働きかけるツボ『梁丘 りょうきゅう』

右脚の前面のイラスト。太ももの前には『大腿四頭筋 だいたい・しとうきん』(オレンジ色)という筋肉がある。4本の筋肉で構成され、中央の『大腿直筋 だいたい・ちょっきん』の奥に『中間広筋 ちゅうかん・こうきん』があり、その内外に『内側広筋 ないそく・こうきん』『外側広筋 がいそく・こうきん』がある。骨盤と大腿骨(だいたいこつ)(=太ももの骨)上部から始まり、膝蓋骨をくるんで頸骨(けいこつ)(=膝下の骨)に付く。

 

右膝を内側から見た画像。

 

くるまれている膝蓋骨。膝を伸ばす時に、4本の筋肉がガシッ!と働く。

 

右脚の後面のイラスト。太ももの後面には『ハムストリングス』(赤色)という筋肉がある。3本の筋肉で構成され、内側に『半腱様筋 はんけんようきん』『半膜様筋 はんまくようきん』、外側に『大腿二頭筋 だいたい・にとうきん』がある。骨盤から始まり、膝下の骨『頸骨 けいこつ』と『腓骨 ひこつ』に付く。膝を曲げる時に、この3本の筋肉がヨイショー!と働く。

これらの筋群は単独で働くわけではない。例えば、ゆっくりスクワットをする時。腰をおとして膝をゆっくり曲げるためには、膝を曲げる筋肉『ハムストリングス』がゆっくり縮む必要がある。その際、膝を伸ばす筋肉『大腿四頭筋』は少しづつ力を抜きながらじわじわと伸びる。逆もしかり。膝をゆっくり伸ばして立ち上がるには、『大腿四頭筋』がゆっくりと縮み、『ハムストリングス』は少しづつ力を抜きながら伸びる必要がある。相反する筋肉を協調させながら、自分の思い通りの速さで関節を動かしている。

「最近、膝に違和感があって…」「何かしたわけではないけれど、膝が急に痛くなって…」と当鍼灸院を訪れる方がいる。「最近、急激に体重が増えていませんか?」と尋ねると、「あー!そういえば…」と答える方が意外と多い。急激な体重増加に『大腿四頭筋』や『ハムストリングス』などの筋力が追いつかず、筋肉疲労→筋肉のコリ→筋肉の痛み、に移行しやすい。

『梁丘 りょうきゅう』というツボは『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』(赤いライン)という経絡の上にある。『大腿四頭筋』の上にも当たり、太ももの前や膝の痛い時、このツボに鍼やお灸をする。こわばった『大腿四頭筋』を緩め、痛みを緩和させる。相反する筋肉『ハムストリングス』も影響を受けるので、こわばっていないかチェックすることも大切。

 

膝周辺のトラブルには台座灸でのセルフお灸もおすすめ。台座の底にはシールが付き、どこのツボでもお灸がしやすい。

『梁丘』のツボ取り動画を撮ってみた。このツボの取り方を伝えるのは、対面のお灸教室でも難しいかった。どのように撮ったら、画面からでも分かりやすく伝えられるのか。あーでもない!こーでもない!台本を何度も書き直し、動画を何度も撮り直した。興味がある方は見てねぇ~。

次回は、『足陽明胃経』の上にあるツボ『足三里 あしさんり』を紹介!様々な症状に働きかける万能ツボだよ~ん。福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

【動画で見る!ツボの取り方】目の疲れに働きかけるツボ『四白 しはく』

眼球の正面断面図。私たちの目は、円盤状の水晶体(赤丸)の厚みを変えることにより、遠近の調節(=ピント)をしている。水晶体の周りには毛様体小帯(もうようたい・しょうたい)(青丸)がドーナツ状に付き、その外側に毛様体筋(もうようたい・きん)(黄色丸)がドーナツ状に付いている。

この毛様体筋という筋肉が収縮すれば、水晶体の厚みが増し、近くがくっきり見える。毛様体筋が緩むと、水晶体が薄くなり、遠くがくっきり見える。スマートフォンやパソコンなど近くの物を長時間見続けると、毛様体筋は収縮し続け休めない…。

 

右眼球を外側から見た図。眼球を動かす筋肉は6つ。イラストにはないが、眼球の内側に『内側直筋』がある。6つの筋肉のおかげで、顔を動かさなくても眼球をあらゆる方向へ動かせる。スマートフォンやパソコン、テレビなどの画面を見続けると、この6つの筋肉は狭い範囲でしか動かせず、疲れてくる。

 

目の周りにはツボがたくさんある。顔にあるので、お灸は出来ない。ツボ・マッサージがおすすめ。血行を促し、疲れきった目の筋肉を復活させる。今回は、緑丸の『四白 しはく』を紹介!黒目の真下で、頭蓋骨の縁の下の窪みにある。

 

『四白』は『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』という経絡(赤いライン)の上にある。『四』は『四方八方』『広々とした』という意味。『白』は『光』『明るい』という意味。目のトラブルが改善し見やすくなるので、『四白』という名前が付いた。

ツボの取り方動画を撮ったよ。見つけやすいツボなので、ぜひチャレンジしてほしい。『四白』をマッサージするときは、人差し指の腹で、5秒ほど押し回す。押す強さは、気持ちいいな~と感じる程度。ひと呼吸おいて再度押し回し、5回ほど繰り返そう!眼球はとてもデリケートなので、まぶたを閉じても眼球の上は押さないように!目の縁の骨(=頭蓋骨)を押すよ~ん。

次回は『足陽明胃経』の上にあるツボ『梁丘 りょうきゅう』を紹介!福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の鍼灸師コトーでした。