コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

特集~器官や臓器の症状に働きかけるツボたち⑦~胃

胃の中が空っぽなとき、

胃袋の大きさは約200ml。 厚みは約1cm。

食べ物が入ると約1500mlまでふくれ、数mmの薄さになる。

 

 

胃壁の内側には、小さな穴が無数にあり、

胃に食べ物が入ると胃液が分泌される。

胃壁の内側は粘膜、外側は筋肉。

胃壁自体が運動して、食べ物と胃液をよく混ぜ、

だいたい2~5時間かけてドロドロのかゆ状にし、

十二指腸へ運ぶ。

でも、水分なら数十分で腸に行っちゃうよ!

油脂は消化しにくく、8時間かかっちゃうこともある。

だから、揚げ物やラーメンなど脂っこい食事の後に、

胃のもたれるときがあるんだなぁ…。

 

 

食べすぎや飲みすぎ、よくかまずに飲み込んでも、

消化に時間がかかり、胃が疲れきって、

胃もたれや胃痛、胸やけを起こす。

『腹八分目』の量を、よくかんで食べることが、

胃への思いやりなんだなぁ…。

 

 

胃液の中身は99%が水分。

残りの1%は、濃い塩酸(=胃酸)と消化酵素(ペプシン)と粘液。

粘液が胃の粘膜を保護しているから、

濃い塩酸が胃に入ったって、胃壁が傷つかない。

 

 

でも、ストレスなどで胃酸の分泌が高まって、

胃の粘膜が傷つき炎症を起こすことがある。

これが急性胃炎。

炎症が長く続くと、粘膜が委縮し、胃酸の分泌が低下する。

これが慢性胃炎。

さらに進行すると、深部の胃液まで委縮し、

胃壁がペラペラに薄くなっちゃう。

これが萎縮性胃炎。

慢性胃炎も萎縮性胃炎も原因のほとんどは、ピロリ菌の感染。

 

 

胃粘膜がさらに深くはがれ落ち、

一部分が壊死を起こすのが『胃潰瘍』。

みぞおち付近の痛みは食後に多い。

 

 

胃粘膜は健康なのに、胃痛や胃もたれ、

食欲不振などが続く場合は、

『機能性ディスペプシア』かも。

 

 

『ディスペプシア』は『消化不良』という意味。

原因は3つ。

1.何らかの原因で胃のふくらみが悪く、

食べ物が貯めきれず、消化不良を起こす。

2.胃酸への感受性が強く、胃に痛みを感じる。

3.ストレスで胃の働きが鈍くなり、胃がふくらみにくい。

機能性ディスペプシアは若い女性に多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

背中の、胃の裏あたりにあるツボ『胃兪 いゆ』。 赤矢印。

もちろん、胃のトラブルを治すツボ。

その外側にあるのが『胃倉 いそう』。 黄緑矢印。

『倉』は、物を貯蔵する所。

胃は一時的に食べたものを貯めるので、この名前がついた。

 

 

 

赤いラインは『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』という経絡。

黒目の下にあるツボ『承泣しょうきゅう』から始まり、

首、体幹、脚の前を通って、

足の人差し指にある『厲兌 れいだ』で終わる。

この上にツボが片側45個のっている。

 

 

経絡の働きは全身に気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養)を送ること。

胃の調子が悪いとき、この経絡上のツボに鍼やお灸をして、

滞った経絡の流れを改善し、気と血を胃にも充分に送り、

症状を緩和させる。

 

 

 

 

 

 

 

黄緑色の矢印は、『鳩尾 きゅうび』というツボ。

みぞおちにあたる。

赤の花丸は、『神闕 しんけつ』というツボ。

おへそにあたる。

みぞおちからおへそまでのラインは、

胃のトラブルでもストレスでもピアノ線のようにピーンと張る。

中央あたりのツボ『中脘 ちゅうかん』(赤矢印)に鍼やお灸をすると、

ピアノ線が緩み、深い呼吸となり、リラクゼーションも得られやすい。

 

 

おおおっ、今日も長いブログになっちゃった。

でも、おまけの話も書いちゃうよ!

 

 

コトーはいつのまにか更年期に入り、

いろーんな機能が衰えてきた。 うっ………。

胃腸力も落ちた気がする!

10年ぶりに胃の内視鏡検査を受けた。

10年前、「ポリープがたくさんあるけど、悪さはしないよ。

イボがたくさんあると思って…」と言われた。

やはり、ポリープは健在だった。

ピロリ菌はなかった。

体のメンテナンスが必要な年頃になったなぁ~。

 

特集~器官や臓器の症状に働きかけるツボたち⑥~脳・その3

脳は、体と心の最高司令官!

その働きは多岐に渡る。

①反射、②感覚系の統合、③運動系の統合、④自律機能の統合、

⑤情動、⑥高次中枢神経系の統合。

前々回と前回のブログで、①から④までの脳の働きと、

それにかかわるツボたちをご紹介しました。

チョー難しい話につきあっていただき、

誠に!誠に!誠に!ありがとうございます。

今日も眉間にシワを寄せながら、お読みください。

 

 

⑤情動

 

 

情動とは怒りや恐れ、喜び、悲しみなど、

一時的に急速にあらわれる感情であり、

それには身体的、生理的な変化を伴う。

その感情とそれに伴う体の反応は、

脳の緻密な回路によって引き起こされる。

 

 

 

 

胸の間にあるツボ『膻中 だんちゅう』。

心臓の病気でもないのに、ちょっとした不安でも、

すぐ動悸がするときに使うツボ。

 

 

 

 

『中脘 ちゅうかん』。

黄緑色の矢印は『神闕 しんけつ』というツボ。

おへそにあたる。

中脘はその上にある。

不安や悩みがあり、そのために食欲がなくなったり、

胃がムカムカするときに使うツボ。

精神的なストレスが長く続いたり、

大きなストレスがドン!と来たときにも、

このツボに反応があらわれやすく、

コトーは鍼もお灸もするなぁ…。

 

 

 

 

手首の少し上のあるツボ『内関 ないかん』。

イライラや不安などの心の不調や、

自律神経の乱れを整える働きがある。

気持ちを落ち着かせたいときに、ツボ押しもおすすめ!

 

 

 

 

忙しい日々が続き、体力も気力も落ちてくると、

ちょっとしたことでイライラ…。

生理中にイライラする方もいれば、

更年期症状でイライラする方もいる。

そんなときに、足の甲にあるツボ『太衝 たいしょう』に

ちょこんと鍼をしたりお灸をして、

気持ちを静める。

 

 

こんなふうに、心の不調に働きかけるツボもたくさんある。

9月9日(日)と11日(火)に当鍼灸院で開催するお灸教室のテーマは

『心の不調』。

約2年ぶりのテーマ。

今回ご紹介したツボの取り方やお灸の仕方、ツボ押しのコツなどを

伝授しちゃうよー!

興味のある方はぜひご参加ください。

詳しくは『お灸教室のページ』をご覧ください。

 

 

⑥高次中枢神経系の統合

 

 

『高次中枢神経』とは、高次元の脳の神経機能のこと。

例えば…。

 

 

ヒトは、聞いた言葉をおうむ返しで話せるし、

ドラマの内容をかいつまんで話せるし、

書かれた文章を声に出して読むこともできる。

これは動物の中では、高い次元の神経機能であり、

脳の様々な箇所が働き統合され、

なせる技なんだなぁ…。

 

 

過去の様々な経験に基づいて、

行動や反応を変化させる能力、つまり『学習』も

高次元の神経機能。

他には、記憶、意識、注意、覚醒、睡眠、知能、

判断、思考、創造性なんかも、

脳のいろーんな箇所が働き統合して

なせる『技』なんだなぁ…。

 

 

脳って無意識に働いていることがほとんどだから、

ついつい使いすぎても気づきにくい。

こんなふうに脳の働きを書き出してみると、

しっかり睡眠時間をとったり、

日中でもボーッとする時間を作って、

脳を充分に休ませることが大切なんだなぁ…と実感する…。

 

 

久々におまけの話。

7月の博多といえば、『博多祇園山笠』。

地区毎に舁き山(かきやま)をかついで、

約5kmのコースを走り、タイムを競う祭り。

 

 

 

 

山笠のメイン会場の『櫛田神社 くしだじんじゃ』。

博多仁和加(はかたにわか)の発表会があると聞き、行ってきた。

 

 

 

 

三味線などのおはやしとともに、

目の部分にお面を着けた演者がマイクの前に立ち、

博多弁で話し始め、話の終わりにオチをつける。

実際に見るのは初めて。

小学生も出演!

昔からの郷土芸能が息づいているんだなぁ…。

 

 

境内を散歩していると、???な建造物を発見!

 

 

 

 

屋根瓦がのってる壁?!?

 

 

 

 

横から見ると、瓦がぎっしりつまってる。

何だろう…。

 

 

 

 

ほぉー、『博多べい』っていうんだ。

戦国時代、戦国大名や豪族の争奪で、

焼け野原となった街を、

豊臣秀吉の命で復興した証に、

戦火で焼かれた屋根瓦や石などを

壁に埋め込んだ。

それを後世に残そうと、一部を櫛田神社に移設したらしい。

 

 

おぉ、話が反れた!

この日は流舁き。

各地区内を舁き山が舁き回る。

 

 

 

 

櫛田神社近くは、西流。

 

 

 

 

川端商店街は、土居流。

7月15日がクライマックスです!

 

特集~器官や臓器の症状に働きかけるツボたち⑤~脳・その2

脳の働きは、おおまかに6つ。

①反射、②感覚系の統合、③運動系の統合、

④自律機能の統合、⑤情動、⑥高次中枢神経系の統合。

前回のブログでは、①~③と、

それに関連のあるツボをちらっとご紹介しました。

今日もかなり難しい話になります。

???なところは、バシバシ読み飛ばしてください!

 

 

脳の働き④~自律機能の統合

 

 

心臓のポンプ作用で送り出された血液は、全身の血管を巡る。

呼吸で得られた酸素も血液とともに、全身の血管を巡る。

全身の細胞は、血管を流れる酸素を取り込んで、エネルギーをつくる。

だから、心臓の働きや、呼吸器の働きは、

生命を維持するための大事な機能なんだなぁ…。

 

 

また…、

口から取り込んだ飲食物は、胃で消化され、

腸でさらに消化。

そして、エネルギーとして必要な物は腸から吸収され、

不必要なものは便となり、体外へ送り出される。

だから、消化器の機能も生命を維持するための

大事な機能なんだなぁ…。

 

 

このような生命の維持に必要な機能のことを

『自律機能』という。

自律機能は自律神経によって無意識に調整されている。

 

 

例えば…。

ヒトは日中活動し、夜間休息する動物。

2つの自律神経のうちの1つ『交感神経』は、日中優位に働く。

どんな働きかというと、

日中、体温や血圧、心拍数などを高め、活動しやすい状態にする。

自律神経のもう1つ『副交感神経』は、夜間優位に働く。

夜間、体温や血圧、心拍数などを下げ、

リラックスしやすい状態にする。

 

 

日中活動し、夜間休息するという『体内時計』のリズムは

自律機能の1つであり、

自律神経はその調整をしているんだなぁ…。

 

 

 

脳を縦に割り、内側から見た右脳。

脳の奥にある『視床下部 ししょうかぶ』が、

体内時計のリズムを発生させる。

 

 

夜更かしや朝寝坊が続くと、この『体内時計』が乱れ、

不眠のきっかけになることがある。

寝る直前まで難しい作業をしたり、考え込んでいると、

脳は緊張し続け、

リラックス・モードにする副交感神経が優位にならず、

活動・モードにする交感神経が優位になり続け、

眠れない…。

だから、不眠には脳をリラックスさせることが大切!

 

 

 

 

頭頂にある『百会 ひゃくえ』。

百会の前後左右1寸(=親指の横幅ぶん)にある『四神聡 ししんそう』。

短鍼やツボ押しで脳をリラックスさせ、

不眠の解消をはかる。

 

 

首こりや肩こりが激しいと、脳への血流がとどこおり、

不眠の要因にもなるので、

それらを解消するのも、とーっても大事だよ~ん。

 

 

生命維持に必要な『自律機能』の1つに、『ホルモン』がある。

ホルモンは、脳の下垂体(かすいたい)、甲状腺、副甲状腺、膵臓、

卵巣、精巣などから分泌される。

分泌されたホルモンは血液とともに血管を巡る。

Aというホルモンをキャッチできるのは、Aの受容器をもった臓器だけ。

ホルモンを受け取った臓器は、ホルモンに託された指令に答える。

ホルモンの指令は様々で、生体機能(成長、生殖、代謝など)の調整にかかわる。

 

 

 

例えば…、

女性ホルモンが卵巣から分泌されることによって、

卵巣の中の卵胞(らんほう)で卵子がつくられ、

妊娠が可能になり、生理も起こる。

 

 

視床下部の下にある下垂体(かすいたい)。

ここから分泌されるホルモン、

『黄体(おうたい)形成ホルモン』と『卵胞(らんほう)刺激ホルモン』は

卵巣に働きかけ、

女性ホルモンの産生と分泌を促す。

つまり、脳にある『下垂体』が、『卵子をつくる』『生理を起こす』ときの司令塔なんだなぁ…。

 

 

下垂体の上にある、視床下部。

ここから分泌されるホルモン『ゴナドトロンピン放出ホルモン』が、

下垂体に働きかけ、

下垂体の『黄体形成ホルモン』と『卵胞刺激ホルモン』の

産生と分泌を促す。

つまり、脳にある『視床下部』が最高・司令塔なんだなぁ…。

 

 

うっ、うっ、説明が難しすぎる…。

でも、めげずに書くぞぉー!

 

 

何も考えずにやってくる生理は、子宮や卵巣だけでなく、

脳やホルモンがかかわっている。

だから、生理痛や生理不順、不妊、更年期症状など

婦人科の症状を改善するときに、

脳をリラックスさせることも大切だと思う。

 

 

 

 

脳をリラックスさせるために、頭にあるツボだけでなく、

下腹部や脚にあるツボもコトーは使うなぁ~。

画像の赤矢印は、おへそにある『神闕 しんけつ』というツボ。

おなかにはたくさんのツボがあるよ~ん。

 

 

うっぎゃぁ~~~、

脳の働き④だけで、こんなに書いちゃった…。

脳の働き⑤と⑥は次回にするよん!

この特集、いつ終わるんだろうか…。

気長におつきあいください!

 

特集~器官や臓器の症状に働きかけるツボたち④~脳・その1

 

左側面から見た脳。

前にあるのが前頭葉(ぜんとうよう)(オレンジ)。

上にあるのが頭頂葉(青)。

両側面にあるのが側頭葉(緑)。

後にあるのが後頭葉(ピンク)。

その下に小脳がある。

脳の下には脊髄という神経がくっついてる。

脊髄は、背骨の中央にある空洞の中を通ってる。

 

 

体のあらゆるパーツがスムースに機能できるように、

脳はそれらを監視し、指令を送ってる。

 

 

脳の働き①~反射

 

 

体が受けた刺激は、脊髄を介して脳に伝わる。

刺激の内容によっては、自分の意識とは関係なく、

脳はワンパターンな指令を器官や臓器に送る。

これが反射。

例えば…。

 

 

ドラえもんのどこでもドアを借りて、

半袖、短パンのまま、南極に行ったら、

どんな反射が起こるか…。

皮膚が感じとった冷刺激が、脊髄を介して電気信号で脳に伝わる。

「えらいこっちぁー、急に寒くなったぞー、

皮膚血管!収縮しろーっ!」

脳は脊髄を介して電気信号で皮膚血管に指令を送る。

指令を受け取った皮膚血管が収縮すると、

皮膚血流量が減少し、体からの放熱が抑えられ、

体温が下がらないようにする。

 

 

逆に、南極から南国へワープしたら、どんな反射が起こるか…。

脳の命令で、皮膚血管は拡張し、皮膚血流量が増え、

放熱が亢進し、体温が下がる。

 

 

Aという刺激には必ずA’という反応を無意識に起こし、

Bという刺激には必ずB’という反応を無意識に起こすのが反射。

おーっ、しょっぱなから難しい話…。

今日は最後まで難しいよー!

がんばって、ついてきてぇ~~~!

 

 

脳の働き②~感覚系の統合

 

 

皮膚、目、耳、鼻、舌などの感覚器が受け取った刺激が

脳に伝わり、脳はそれぞれの刺激を統合して、

何が起きているか、どのように行動したらいいか、判断する。

例えば…。

 

 

仕事の帰り道。

どこからかいい匂いがしてきた。

おなかがギュルギュル鳴ってる。

よぉ~し、夕飯はカレーにしよう!

 

 

こんなときは、どんなことが脳で起こっているか…。

鼻が吸い取った匂いが電気信号となって脳に伝わる。

脳は過去のデータから、「これはカレーのにおいだ!」と判断する。

そして、胃、肝臓、小腸や脳で感知した空腹感と相まって、

「カレーが食べたい!」ってなるんだなぁ…。

 

 

鍼灸治療で一番多くかかわる感覚は、『痛み』かな…。

首こり、肩こり、五十肩、肘関節痛、手の腱鞘炎、背中こり、

腰痛、坐骨神経痛、股関節痛、膝関節痛、足関節痛、などなど。

筋肉痛や関節痛、神経痛は、痛みを発する筋肉や、

痛みの原因となる筋肉に、鍼やお灸をする。

例えば…。

 

 

首・肩こりでは、僧帽筋(そうぼうきん)とい筋肉が痛みを発することが多い。

 

 

 

 

 

僧帽筋の上には『肩井 けんせい』というツボがあり、

この部分のコリが強い!

このツボに鍼やお灸をして、滞った血流を改善し、

筋肉の柔軟性を出して、痛みを緩和させるんだなぁ…。

 

 

アプローチする筋肉の上にツボがあればそれを用い、

ツボがなければ、緩みやすいポイントに鍼やお灸をするなぁ…。

 

 

 

 

 

膝の近くにあるツボ『陽陵泉 ようりょうせん』。 赤矢印。

別名『筋会 きんえ』。

筋肉にかかわる症状を治すときのツボなんだよ~ん。

 

 

 

 

 

片頭痛の痛みに対しては、

こめかみや耳周辺のツボにちょこんと短鍼を置く。

この辺りにはツボがいっぱーいあるんだよ。

筋緊張型頭痛でも片頭痛でも首こりや肩こりが強いので、

それらに対するアプローチも大事なんだなぁ…。

 

 

脳の働き③~運動系の統合

 

 

「カレーのルゥーはウチにないなぁ」

「スーパーに寄ってから帰ろう」

そんな意志が脳で決定されると…、

まず目の前の四つ角を右に曲がるためには、

どの筋肉をどんな順番でどれくらいのパワーで活動させて、

どんなふうに体を動かすか…。

運動のプログラムが、脳のあらゆるところで組み立てられる。

そして、統合されたプログラムは運動指令として、

脊髄の運動神経を介して、諸所の筋肉に伝わり、

プログラム通りに筋肉が動くので、

目の前の四つ角をスムースに右に曲がれるんだなぁ…。

 

 

スーパーにたどり着くと、カレーのルゥーを手に取り、

レジへ持っていき…、自宅で鍋に水を入れ…、と

次から次へと続く運動を遂行するために、

脳はひたすら運動のプログラムを作成し、

筋肉へ指令を送っているんだなぁ…。

 

 

ありゃりゃ、ツボの話よりも脳の話がメインになっちゃった。

次回も脳に関する難しい話しになると思うけれど、

おつきあいください!

 

特集~器官や臓器の症状に働きかけるツボたち③~鼻と肺

 

1日約1万1000ℓ。

これはヒトが吸い込む空気量のこと。

1回吸う、あるいは吐くたびに、空気は約500ml出入りする。

ペットボトル1本分かぁ…。

 

 

皮膚、筋肉、骨、髪、爪、眼球、内臓など、

ヒトの各々のパーツはすべて細胞が集まって構成されている。

細胞の総数は約60兆個!

 

 

全身を巡る動脈の中を血液が流れているが、

血液には酸素が含まれている。

動脈の隣にある細胞は、血液中の酸素を取り込み、

エネルギーをつくる。

鼻と口から吸いこむ空気中の酸素は、

全身の細胞には必要不可欠の存在なんだなぁ…。

 

 

 

 

 

小鼻の横にあるツボ『迎香 げいこう』。

『香りを迎える』という、しゃれたネーミング。

ここにちょこんと短くて細い鍼を置き、

アレルギー性鼻炎や花粉症、風邪(かぜ)などによる

鼻づまりや鼻水を解消する。

ツボモデル君には描かれていないが、

『迎香』の少し上に、『上迎香 じょう・げいこう』というツボがある。

コトーはそっちのほうをよく使うなぁ…。

 

 

 

赤いラインは『督脈 とくみゃく』という経絡。

鼻の中央にも通っているので、鼻の症状を改善するときに、

この経絡上のツボも用いる。

よく使うツボは…。

 

 

 

 

 

 

前髪の生え際近くにある『上星 じょうせい』。

ここにもお灸はしずらいので、鍼をちょこんと置く。

 

 

アレルギー性鼻炎や花粉症などアレルギーは、

体の防御(免疫)システムの誤作動で起こる。

あらわれている症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみなど)の1つ1つに対して

アプローチするだけでなく、

免疫システムの誤作動を正常に戻すことも大切。

そこで登場するツボは…。

 

 

 

 

 

首のつけ根にある『大椎 だいつい』。

ここは免疫力を整えるツボでもある。

ここにはよくお灸をするなぁ…。

 

 

 

 

 

『風池 ふうち』。

うなじにあるツボ。

体が弱っているときに、ここから風邪(ふうじゃ)(=風の邪気)が

入り込み、風邪(かぜ)を引く。

風邪(かぜ)を治すときのツボでもある。

 

 

 

 

 

『風門 ふうもん』。

肩甲骨と背骨の間にあるツボ。

ここも風の通り道になる。

風邪(かぜ)の引き始めには、この辺りがゾクゾクする。

そんなときには貼るホッカイロなどで温めても、

風邪(ふうじゃ)が退散しやすい。

 

 

『風門』の下にあるツボ『肺兪 はいゆ』。

肺に働きかけるツボであり、

咳、痰など呼吸器の症状を治すときに用いる。

 

 

 

 

 

ツボモデル君の背中。

首の赤矢印が『風池』。

背中上部にある緑矢印が『風門』。

その下の赤矢印が『肺兪』だよ~ん。

ツボモデル君は半身筋肉だが、

体の中央にあるツボ以外は左右対称にある。

 

 

 

 

 

 

赤いラインは『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』という経絡。

この経絡は肺にもつながっている。

呼吸器の症状を治すときに、この経絡上のツボもよく用いる。

登場回数の多いツボは…。

 

 

 

 

 

 

 

赤矢印の『雲門 うんもん』と、その下にある『中府 ちゅうふ』。

鎖骨の外端の下にある。

ここに鍼もお灸もする。

 

 

左右の鎖骨の間にある『天突 てんとつ』。 赤矢印。

このツボは『手太陰肺経』の上にはないが、

咳やのどのいがらっぽさを治すときに鍼やお灸をする。

 

 

おっとっとー、

今回のブログも長くなってしまった。

症状として表にあらわれていることだけでなく、

そのバックグラウンドになっていることに対しても

アプローチすることが大事なんだなぁ…。

次回は『脳』に働きかけるツボをご紹介します。

どんな内容にしようか思案中!

お楽しみに!