0.手の専門医の診察 

手のこわばり・痛み・しびれ・変形などのトラブルは、原因と病名、症状の程度によって、治療方法が異なる。症状が重い!長い!手作業に支障をきたす!のであれば、手の専門医に診てもらおう。日本手外科学会のホームページで、日本国内の手外科専門医を探すことができる。  

 

1.安静第一! 

初期、あるいは、軽度であれば、その部位の安静は必須!

とはいえ、手、特に利き手であれば、動かさないわけにはいかない。そこで登場するのが、装具・サポーター・テーピング。動きを止めることで、痛んだ腱や腱鞘・関節の修復をはかる。これら3つについては、後述のブログ記事で紹介するね。  

 

2.女性ホルモン(エストロゲン)の減少が原因であれば、エクオール含有食品(サプリメント)の摂取 

発酵大豆に多く含まれる成分『ダイゼン』は、腸内細菌によって、『エクオール』を産生する。『エクオール』は、『エストロゲン』と同じように、痛んだ腱や腱鞘・関節に働きかけ、炎症を鎮めてくれる。

それならば、発酵大豆食品をたくさん食べて、『エクオール』に頑張ってもらいたい!しかし、日本女性で、エクオールを産生できる腸内細菌を持っている方は、約50%。日本人女性の半分は、発酵大豆食品をいくら摂っても、エクオールを作れない。

それを調べるのが、エクオール検査キッド『ソイチェック』。前夜に発酵大豆食品を食べ、翌朝、採尿。それを送ると、2週間ほどで検査結果が届く。『ソイチェック』は、調剤薬局やネット通販サイトで購入できる。

体内でエクオールが産生できない方や少量しか産生できない方は、サプリメントで代用できる。サプリメントは「エクオールが10㎎以上入っている」「合成エクエールでない」ことが肝心。また、天然発酵で使っている発酵菌が何なのか、確認してから購入しよう。

40歳以降の手の違和感が、エストロゲンの急激な低下や変動によるものであれば、やがて腱鞘炎になり、それが悪化して、60代には手の関節の変形につながるかもしれない。それを予防するための手段が、このサプリメント。65歳ぐらいまでは飲み続けたほうがいい。  

 

3.消炎鎮痛剤や、その部位へのステロイド剤注入 

病院では、痛みや炎症を和らげるために、消炎鎮痛剤を処方したり、炎症を起こした腱鞘内にステロイド剤を注入する。  

 

4.手術 

上述3の治療で、効果が得られなかったり、何回も再発したり、変形が強い時には、手術の適応となる。

 

ばね指や、ド・ケルバン病(上図の、短母指伸筋腱と長母指外転筋腱と、それらを包む腱鞘の炎症)など腱鞘炎では、狭窄した腱鞘を切開する。

 

手根管症候群では、横手根靭帯(おう・しゅこん・じんたい)を切開し、その下にある正中神経(せいちゅう・しんけい)の圧迫を取り除く。

 

母指CM関節症では、関節固定術や関節形成術を行う。親指のCM関節は、緑丸の部分。

 

指先から2番目の関節(赤丸)が変形する『ブシャール結節』では、腱鞘炎が原因の場合、腱鞘切開術を行う。変形が重度の場合、人工関節置換術を行う。

 

指の第1関節(青丸)が変形する『ヘバーデン結節』では、関節固定術や関節形成術を行う。

 

5.基礎疾患(糖尿病・透析患者・自己免疫疾患など)の治療 

糖尿病や透析患者、関節リウマチなど自己免疫疾患などでも、手の腱鞘炎になりやすい。その場合は、基礎疾患の治療がとても重要になる。  

 

6.鍼灸治療 

指や手首の動かしにくさや痛みをカバーしようと、無意識に、不自然な、指・手首・肘・肩の動かし方になる。発症してから期間が長いと、カバーしている筋肉たちも疲労し、筋肉痛や関節痛などを起こす。そのため、手を含めた腕全体(反対側の腕も)・肩・首・体幹までが鍼灸治療の範囲となる。詳しくは、後述のブログ記事で説明するよぉー。  

 

特集記事『手の腱鞘炎』

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福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。