コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

ツボ・パワー! 三陰交(さんいんこう)

鍼灸治療にかかせないのが『ツボ』。

東洋医学では全身に経絡という通路があると考えています。

経絡は『陰経』と『陽経』に分けられ、

経絡上に乗っているツボは約360穴。

今日はその360穴の1つ、『三陰交 さんいんこう』をご紹介します!

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『足の太陰脾経 たいん・ひけい』と、『足の厥陰肝経 けついん・かんけい』と、

『足の少陰腎経 しょういん・じんけい』という

3つの陰経が交わるところにあるのが『三陰交』。

このツボは、3つの経絡が治す症状たちに係わることができるので、

すごいっ!!!

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『三陰交』の位置は、

足の内くるぶしの頂点から指4本ほど上で、

脛骨(けいこつ)という骨の後ろ。

ツボを押すとウッ!と圧痛があり、

少しでもずれると圧痛が和らぐので、見つけやすいツボです。

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強い冷えなどには…

灸頭鍼(きゅうとうしん)。

強い生理痛や生理不順などには…

皮内鍼(ひないしん)。

皮膚の1mm下に、皮膚と平行に小さな鍼をして、

医療用テープで固定します。

違和感はありません。

1~4週間ツボを刺激し続けることにより、症状を改善します。

足のむくみにもOK!

『三陰交』に鍼をしたまま…

棒灸もします。 (写真はツボが違います)

ご自宅でお灸をして頂くときには…

台座灸も使います。

いろいろな手法を使うツボって珍しい気がします。

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経絡には『陰経』と『陽経』があり、各々ペアになっています。

ツボ自体もペアになっているものがあり、

『三陰交』の相手は『懸鐘 けんしょう』。

足の外くるぶしの上にあります。

この2つのツボに同時にお灸や鍼をするのを、

『貫抜きの灸』とか『抜き打ちの鍼』と言います。

2つのツボを通して陰陽のバランスを整える!というイメージです。

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これからぐっと寒くなる季節に入りますが、

冷え症さんは、『三陰交』のある足首を冷やさないように、

ハイソックスやレッグウォーマー、ブーツなどを履くことをお勧めします。

私の相棒、鍼の道具たち…その2

前回に引き続き、今回も鍼灸の鍼の話です。

鍼の素材はステンレスが主流ですが、銀メッキや18金を使用した鍼もあり、

それなりの値段がします。

 

 

持ち手(太いところ)がステンレスのものもあれば

プラスチックのものもあります。

私は持ち手も鍼の部分もステンレス製のものが使いやすく、

すべて使い捨ての鍼で、お一人の方に使ったら廃棄しています。

 

 

鍼の太さは、00番が0.12mm、0番が0.14mm、1番が0.16mm

と、太くなるほど番手数も大きくなります。

鍼灸師によって、使う太さは様々。

私は1番、3番、5番を主に使います。

体の部位や、患者様の体調・体質等によって、使い分けています。

 

 

鍼の長さは3分(10mm)、1寸(30mm)、1寸3分(39mm)、

と、『寸 すん』と『分 ぶ』の単位で表します。

この写真で一番短いのが3分(10mm)。 長いのが2寸5分(75mm)。

短い鍼は顔などデリケートな皮膚のツボに、

長い鍼はお尻の奥の筋肉が痛い時(ふくよかな体型に対応)に使っています。

鍼灸師それぞれに使いやすい鍼の長さがあり、

私の手の大きさでは、1寸3分(39mm)が一番使いやすい!

 

 

これらは一般的な鍼ですが、特殊な鍼もたくさんあります。

私の手元にある鍼だけご紹介します。

 

 

皮内鍼(ひないしん)。

この写真のものは、直径0.14mm、長さ5mm。

 

 

見えますか~?

鍼のリングのところをピンセットではさみ、

皮膚の1mm下を、皮膚と平行に2~3mm刺し、

 

 

医療用のテープに切り目を入れて、鍼の『枕』を作り、

 

 

 

 

その上から医療用テープで固定!

鍼を横に刺しているので、違和感はまったくありません。

途中で張り替えますが、1週間~1ヶ月間して、

長い間ツボに刺激をし続けることができます。

生理痛や生理不順など婦人科の症状で、

血の巡りを改善したい時によく使います。

 

 

円皮鍼(えんぴしん)。

円形のシールの中央に鍼がついています。

この写真の鍼は直径0.2mm、長さ0.9mm。

見えませんよね~。

筋肉がガチガチで痛みが強いときなどに1~2週間、張ります。

 

 

最後にご紹介するのは、灸頭鍼(きゅうとうしん)。

 

 

普通に鍼を刺し、台紙を挟みます。

手に持っているのは、灸頭鍼用のモグサ。

穴が開いている。

鍼の握り手の部分にこのモグサを差し込み、

 

 

チャッカマンで点火!

頑固な、強い腰痛や冷え症、五十肩などに用います。

鍼の刺激とお灸の輻射熱で治療効果バツグンです!

 

 

おぉっ!

今回もふんだんに写真を載せたら、長々としたブログとなりました。

写真撮影は趣味ではありませんが、

どんなアングルで撮ったらわかりやすいかな…と

考えながら撮るのはおもしろいですね。

次回は『中国留学思い出し日記』のコーナーで

『七星針』という鍼をご紹介します。

今日書ききれなかった『鍼のよさ』もその時にお伝えします!

3回連続して鍼の話となりますが、おつきあい下さい…。

 

生理痛・生理不順の鍼灸レシピ

前回のブログで、生理痛の原因について書かせていただきました。

今日は、生理痛や生理不順に対して、どんなふうに鍼や灸をするのか、

当鍼灸院での治療方法をご紹介します。

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前回、お話したように、体全体の血の巡りをよくすること、

他の気になる症状も治し、体調・体質を整えることが、

生理痛や生理不順の治療にもかかせません。

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当鍼灸院では、生理の状態だけでなく、

体全体・日常生活など幅広く問診させていただき、

全身治療で体調・体質を整えながら、

生理痛や生理不順を改善します。

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具体的には…。

軽く鍼をしたまま、箱灸や棒灸をします。

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箱灸はこんなお灸。

五合升の底に直径10㎝の穴が開いています。

腰やお尻・下腹部に当てます。

熱くはありません。

じんわりと体の芯まで温かさが伝わります。

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棒灸はこんなお灸。

皮膚から3~5㎝離した位置で温めます。

うつぶせでお尻に箱灸をしながら、足に棒灸をして、

血の巡りをよくします。

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灸頭鍼(きゅうとうしん)といいます。

血の巡りをよくするツボに鍼をして、

その先にモグサをつけて、お灸をします。

熱くはありません。

鍼刺激と灸の輻射熱による複合的な効果があります。

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一円玉の上にある鍼、『皮内鍼 ひないしん』といいます。

皮膚の1㎜下に、皮膚と水平に2~3㎜程度刺して、

医療用テープで固定します。

まったく違和感はありません。

1週間~1ヶ月間、ツボを刺激して、血の巡りをよくします。

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生理痛や冷えが強い方には、自宅でのお灸をおすすめします。

『台座灸 だいざきゅう』といいます。

台座の上にモグサが固定されています。

台座の底にはシールがついているので、どこのツボでもOK!

やってみる!という方には、

治療後、その方にあったツボに台座灸をご自身でやって覚えていただきます。

そのツボの位置やお灸の注意点などを書いた

小冊子『お灸の話』をお渡しします。

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下腹部つまり、子宮や卵巣全体をまんべんなく温めたいときは、

棒灸をおすすめします。

操作は簡単で安全です。

ご自宅でのお灸は、最初は毎日。

生理痛や冷えが改善してきたら、頻度を減らします。

また、仕事や家事が忙しくて、生理痛や冷えが悪化しそう!と思ったときには、

なんとか時間を作って、じっくりと温めなおす!

体調にあわせて、お灸もうまく使っていただけたらなぁ…と思っています。

               

               

生理痛ってなんじゃらほい?

生理痛に鍼灸が効くって、あまり知られていません。

肩こりや腰痛など別の症状で来られた方が、問診中に、

ひどい生理痛や生理不順で困っていることを知り、

一緒に治療していきましょう…ということはあります。

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生理のときに、どうもない人。

なんとなく下腹部や腰が重い人。

下腹部の奥の激痛や頭痛・吐き気で寝込んでしまう人。

生理のときの体調は、さまざまですね。

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そもそも、生理痛って何?

西洋医学の本によると…。

考えられる原因の1つは、経血の通り道が狭い。

子宮が未熟で、子宮下部にある子宮頸管が狭く、

経血が通過する時に出口である頸管が広げられて痛みが起こる。

子宮が成熟すると痛みも和らぐそうです。

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2つめは、子宮の収縮が強すぎる。

不要になった分の、子宮内膜がはがれ落ちて、

血液とともに外に出されるのが生理。

このとき、経血をうまく排出するため、

プラスタグランディンというホルモンが、子宮内膜から分泌されます。

子宮の収縮を強める作用があります。

このホルモンを多く分泌する体質の方は、

子宮を収縮させて経血を押し出す力が強すぎて、

陣痛に近い痛みや、頭痛・吐き気・胃痛・下痢など全身症状が現れることも。

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3つめは、冷えて血行が悪いこと。

血のめぐりが悪いと、子宮内膜からのプロスタグランディンの分泌が多くなるそうです。

また、心理的のストレスで、痛みを強く感じることもあります。

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4つめは、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因となっていることもあります。

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東洋医学的にも原因はいろいろありますが、

一番は血の巡りの悪さ。

あおむけ、あるいは、うつぶせでリラックスしていても、

おなかやお尻の筋肉がカチカチ…。

お尻がひやっと冷たい…。

筋肉が硬かったり、冷たいってことは、

骨盤内の血行が悪く、

筋肉の奥にある子宮や卵巣も冷えているかも…。

骨盤周りだけでなく、体全体の血の巡りをよくすることが大事です。

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肩こりや腰痛など別の症状により、

経絡の流れが悪くなっていることも影響しています。

他の気になる症状も治し、体調・体質を整えることも大切です。

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生理のときも、普段と変わらない生活を送りたいですよね。

次回は、生理痛・生理不順の鍼灸治療をご紹介します。

特集むくみ ~むくみの原因 その2

福岡もとうとう梅雨入り。

小さい頃は、おニューの長靴を早く履きたくて、

雨が降るのを心待ちにしていました。

雨上がりの水たまりに入って、大きく足踏み。

「コーヒー牛乳のできあがりぃ~」なんて楽しんでいました。

今はアスファルトの道ばかりで、土の道がなくなり、

コーヒー牛乳は作れませんね。

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さて、むくみ特集 第3弾。

生理学などの本を基に、今日は具体的に、むくむ原因をご紹介します。

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1.立ちっぱなし 座りっぱなし

筋肉が動くことによって、隣にある静脈も押され、

血液は心臓へ戻りやすくなっています。

その静脈やリンパ管によって、余分な水分も戻っていきます。

同じ姿勢を長く続けていると、ふくらはぎの筋肉を動かさないので、

血液が心臓へ戻ろうとする力が弱くなり、

余分な水分も充分には運んで行けません。

その水分が足を中心にたまり、むくみます。

2.ハイヒールを履いた時

ハイヒールや足を締めつける靴を履くと、足の筋肉が緊張して硬くなり、

これまた、血液の流れが悪くなって、むくみに…。

3.体を締めつける服装

水分を戻してくれる静脈やリンパ管は、体の表面を走っています。

体を締めつける服装は、静脈やリンパ管の流れを阻害しがち…。

4.暑い時

血液と一緒に運ばれている水分は、動脈の壁からにじみ出て、

隣の細胞に吸収されます。

暑いと血管は広がって、動脈の壁からたくさんの水分がにじみ出ます。

そうなっても、静脈などが余分な水分を充分には戻しきれないと、

その水分が細胞と細胞の間にたまり、むくみに…。

5.冷えた時

冷えると、逆に血管はぎゅっと縮まり、血液はとどこおりがち。

6.水分のとりすぎ

体の余分な水分は、最終的には尿として体の外へ。

ところが水分をとりすぎると腎臓の機能(尿をつくる)がギブ・アップ!

尿として体の外へ出しきれません。

水分のとりすぎがむくみを助長することも。

7.飲酒の翌日

これは皆さん経験があるのでは…。

アルコールを飲むと血管が広がり、

動脈の壁からたくさんの水分がにじみ出て、

余分な水分として体内にたまってしまう。

8.塩分のとりすぎ

塩の主成分であるナトリウムには、

一定の水分をひきつける性質があるそうです。

そのため、塩分をとりすぎると、体の中に水分がたまることに…。

9.寝不足 疲労度最強

寝不足や疲労が続くと、体の中の細胞に二酸化炭素や疲労物質がたまり、

酸素が不足!

そりゃあ、いかん!って、より酸素を循環させようと血管が広がり、

血液量アップ!

それに伴い、体内の水分量も多くなり、

余分な水分としてたまってしまう。

10.生理前

女性ホルモンは、ナトリウムを蓄積する作用があるそうです。

そう、ナトリウムには水分をためこむ性質が…。

というわけで、生理中にむくむことも…。

11.筋肉量が少ない

筋肉量が少ないと、隣の静脈が押される力が弱く、

水分も戻りにくい。

12.ストレスをためやすい

ストレスによっても血管が縮こまり、血流がとどこおることも…。

13.低血圧

もともと心臓から血液を送る力が弱く、

押し戻す力も弱く、水分も戻りにくい。

14.ダイエット中

極端なダイエットは、血管内のたんぱく質を減少!

たんぱく質には水分をひきつける作用があり、

少なくなると血管の外へ水分がにじみ出てしまう。

15.妊娠中

女性ホルモンのバランスが大きく変化し、むくむことも…。

16.更年期

女性ホルモンのバランスが乱れてくるので、むくむこともあります。

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16項目によって必ずむくむとは言いがたいですが、

いろいろな原因が考えられますね。

キーワードは、『体の中の水分』 『静脈』 『リンパ管』 『血液』 『血流』

『筋肉』 『日常生活の偏り』ってところでしょうか。

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次回は『むくみ対策』をご紹介します。

なが~いブログを最後まで読んでいただき、ありがとうございました。