コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

逆子を治すお灸

前回のブログでは、腰痛の鍼灸治療で、

『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡をご紹介しました。

今回は、その経絡の上にのっているツボ 『至陰 しいん』をご紹介します。

 

『至陰』は逆子を治すツボとして、超有名なツボです。

どこにあるかというと…、

 

 

足の小指の外側にあります。

おなかから離れているのに、なぜ逆子に効くのか?

 

ツボの名前には由来があります。

『至陰』はとってもわかりやすい。

『陰』に至るところ、『陰』に到達するところ。

 

ここで姉妹のツボ・モデル子ちゃん、登場!

 

 

左側が『足太陽膀胱経』。

経絡には陰と陽があり、

この経絡は、名前に『陽』が入っているとおり、陽経の経絡。

この経絡の最後のツボが『至陰』。

『足太陽膀胱経』は、この『至陰』から

陰経の経絡『足少陰腎経 あし・しょういん・じんけい』に繋がっています。

右側の手描き図です。

陽経が陰経に到達するツボなので、

『至陰』と名付けられています。

 

これだけでは、逆子に効く説明にはなりませんね。

ここで大事なのは『腎』です。

東洋医学でいう『腎』は、西洋医学でいう『腎臓』とはちょいと違います。

『腎』は、生命力、成長、生殖力の根源である『精 せい』を蓄えています。

生理や妊娠、出産には、腎の十分な働きが欠かせません。

 

その腎に関わりがあるのが『足少陰腎経』という経絡。

そして、この経絡とペアなのが、『足太陽膀胱経』です。

『足太陽膀胱経』の上にのっているツボ『至陰』を

お灸で刺激することにより、

ペアである『足少陰腎経』という経絡の流れも良くして、

この経絡がエネルギーと栄養分を送っている『腎』の機能も良くしよう!

逆子を治すツボとして『至陰』が選ばれる理由は、

そんな考え方からです。

東洋医学ってややこしいですねぇ~。

 

おなかの中の赤ちゃんが大きくなると、

赤ちゃんは窮屈になり、動きにくくなるので、

大きくなる前に『至陰』にお灸をします。

 

 

 

台座灸は、写真のように台座の下にシールが付いているので、

自分でも簡単にお灸ができます。

鍼灸院での治療だけでなく、逆子が元に戻るまで、

毎日自分でお灸をしていただくことになりますが、

まず主治医の先生に相談されることをお勧めします。

 

ツボの名前の由来って面白いですよ。

由来によってはツボの効能までわかり、

治療に用いるツボが選びやすくなります。

特集 生理の話6 ~生理のトラブルの鍼灸治療

特集 生理の話も最終回!

1ヶ月間かかっちゃいましたねぇ~。

ちょいとおさらいをすると…、

 

 

生理は子宮と卵巣だけでなく、脳も重要な働きをします。

卵巣が手順よく働くために指令を出すのは、

脳から卵巣へ分泌する女性ホルモンでしたね。

その女性ホルモンは、健康状態やストレスの影響を受けやすいという

特徴もありました。

ということは、生理のトラブルの原因は多岐に渡ります。

生理にかかわるトラブル自体も、

生理痛がひどくなる…、

生理の周期や期間や出血量が変化している…、

生理の前後にも下腹部痛など様々の症状があらわれる…、など

いろいろあります。

それらの変化が強くなったり、長く続いている場合には、

子宮や卵巣などの病気も考えられます。

そんなときには、ためらわずに、婦人科での診察が大切ですね。

 

鍼やお灸では、生理痛や生理不順や、生理の影響であらわれる

諸症状(むくみ、頭痛、腰痛、肩こり、イライラ…)など、

具体的な症状に対して治療します。

 

まず、問診や触診により、生理の状態やトラブルを把握し、

どのように体質が崩れているのか、見極めます。

それらは一人ひとり異なるので、

鍼やお灸に使うツボや治療方法も様々です。

 

症状が重かったり、長期化している場合には、体質を改善し、

体の底力をアップすることが重要となります。

そんなときには、

 

 

当鍼灸院では、皮内鍼(ひないしん)をよく使います。

細くて短い鍼を皮膚と水平に刺し、

医療用のテープで固定し、2~4週間ツボを刺激します。

以前ブログに写真付きで皮内鍼のやり方をご紹介したことがあります。

興味のある方は、『私の相棒 鍼の道具たち その2』をクリック!

 

体質改善のために、ご自宅でのお灸もお勧めです。

 

 

底にシールのついた台座灸は、操作が簡単です。

最近はツボを紹介した本がたくさん出版されていますね。

お灸も鍼もたくさんのツボにすればいいってものではありません。

最寄りの鍼灸院で、ご自分にあうツボと、ツボの取り方の

指導を受けることをお勧めします。

 

ずいぶんと長い特集になりました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

生理や女性ホルモンは体や心に変化をもたらします。

上手につきあっていきたいですね。

お灸教室ミーティング・ノート~塩灸っていいかも…

今年の4月から始めたお灸教室。

毎月、第2火曜日と第3日曜日に開催しています。

同じことを淡々と繰り返すことが苦手な私は、

お灸教室でも何か変化球を入れたくなる。

今月のお灸教室のテーマは、『腰痛』。

腰に自分でお灸をするのは難しいので、

今回初めて塩灸を取り入れました。

 

参加者のご協力を得て、今日11日(火)に開催したお灸教室をご紹介。

塩灸をご自分で作ることからスタート!

 

不織布のパックに塩を入れ、

 

こんなふうに包む。

 

ラップをして、

 

電子レンジでチン!

塩がかなり熱くなることもあり、2枚のハンドタオルで塩灸を挟み、

温度調節!

 

とーっても簡単に作れます。

今日は椅子に腰かけたまま、お尻の真ん中とおなかに、

下着とズボンで塩灸を挟むようにしました。

どこでも温められるのがいいですね。

ぬくぬくと温かいです…。

 

今日は、ぎっくり腰など強い腰の痛みに用いるツボに

台座灸もしました。

 

腰腿点(ようたいてん)といいます。

手の甲に目玉が出来てかわいい…。

 

今月は16日(日)にも同じテーマでお灸教室を開催します。

(おっと、24時を過ぎ、今日は昨日になりました。)

塩灸に興味がある方、ぜひご参加ください。

教室の詳細は、左のカテゴリーの『お灸教室のご案内』をご覧ください。

 

水分代謝と鍼灸

福岡は暑い日が続いていますが、皆さんの住む街はいかがですか。

こんな日のビールは、五臓六腑に染み渡るぅ~、プハーッ!! ですか?

ところで、その五臓六腑をすべて言えますか?

五臓は、肺・心・肝・脾・腎。

六腑は、胃・胆・小腸・大腸・膀胱・三焦(さんしょう)。

三焦?

実は、この五臓も六腑も東洋医学からみた臓器のこと。

三焦は、ヒトの体には実在しません。

東洋医学でいう六腑は、共同して飲食物を消化し、

体に必要なものを取り出し、

必要でないものを体の外に出す作業をしています。

五臓は、六腑が取り出した、体に必要なものから、

気(=エネルギー)、血(けつ)(=栄養)、津液(しんえき)(=水分)を作ります。

               *

おーっ、やっと出てきた、今日のテーマの『水分(=津液)』。

五臓六腑の中で、津液と深く係わっているのが、脾・胃・肺・腎・膀胱。

むくみなどで津液の代謝が滞る時があります。

その理由は様々。

どの臓器の、どのような働きが滞って、津液の代謝が悪くなっているのか…。

それらを見極めることは、鍼灸治療に欠かせません。

五臓六腑に栄養を送っているのは、経絡。

例えば、肺に栄養分を送っている経絡は、

手太陰肺経(て・たいん・はいけい)。

肺の働き(これは東洋医学からみた働きのこと)が落ちて、

津液の代謝が滞っている場合…。

この手太陰肺経の上にのっているツボに鍼やお灸をすることにより、

この経絡の流れを良くして、肺の働きも、津液の代謝も改善します。

               *

もうすぐ梅雨ですね。

むくみのある方は、この時期さらにむくみやすくなることもあります。

ご自分で毎日お灸をしていると、むくみが解消しやすいです。

リハビリの仕事をしていた20代の頃。

内くるぶしがわからないくらい、脚がむくんでいました。

鍼灸師さんにお灸の仕方を教わり、毎日お灸をしていたら、

内くるぶしがわかるようになり、脚も軽くなりました。

今は、

台座灸(だいざきゅう)というお灸が市販されています。

手軽に自宅でお灸ができますよ。

当鍼灸院では、6月12日(火)と17日(日)に、

むくみをテーマにしたお灸教室を開催します。

一緒にお灸をしてみませんか。

詳しくは、左のカテゴリー『お灸教室のご案内』をご覧下さい。

               *

前回といい、今回といい、難しい話となりました。

目に見えない経絡とツボを使って治療する鍼とお灸。

難しくてなかなか説明しきれませんが、と~っても魅力的な治療方法です。

最近のマイ・ブーム~棒灸(ぼうきゅう)

これはモグサ。

モグサの原料は、よもぎの葉の裏に密生している

白っぽい産毛みたいなもの。

ふわふわして、かぐわしい香りがします。

 

 

 

 

ツボにシールを貼り、

モグサを指でひねって円錐形にしたモグサをのせ、

さきっちょに線香で火をつけます。

このようにツボに直接お灸をする時は、

熱感がマイルドなほうがいいので、

100%原料だけの良質モグサを使います。

 

 

これもモグサ。

 

 

この棒灸の中味です。

棒灸はモグサを硬めに和紙で包んだもの。

皮膚から3~5センチ離して使うので、火力は強いほうがよく、

モグサに、よもぎの葉や茎などの不純物が入っています。

お灸の種類によってモグサを使い分けているんですよ。

 

 

この絵を描いたときは、あまりの下手さに、

ブログに載せるのをためらいましたが、

何回も登場させていると愛着がわいてきました。

『手陽明大腸経絡(て・ようめい・だいちょうけい)』という

経絡のモデル子ちゃん。

経絡には、『気(=エネルギー)』と『血(=栄養)』が

流れていると考えられ、各々の経絡には流れる方向があります。

この経絡は、人差し指のツメの横にある『商陽(しょうよう)』

というツボから始まり、ずずずぃーっと上がり、

鼻の横にある『迎香(げいこう)』というツボで終わります。

棒灸を、この経絡に沿って

腕の下から上へゆっくりと動かして温めると、

経絡の流れをよくするだけでなく、経絡の流れを誘導できます。

また、広範囲をじっくりと温めることができるのも、

私は気に入っています。

 

 

背骨の両脇や両脚など左右同時に温めたいので、

両手に棒灸を持ちますが、

利き手でない左手での操作も上手になりました。

中学生の頃、左手でも字が書けるようになりたくて、

授業中に練習をしていました。

「それは授業が終わってからやってね」と先生に言われましたが、

1番前の席でよくそんなことをしていたなぁ~と、

今は思います…。

ちなみに今でも左手では字は書けません…。

おっとっとー、話がそれました。

棒灸はお灸教室でも使っています。

どうぞ気軽に体験しに来て下さい。女性限定ですが…。

前回のブログでお灸教室のご案内をしていますよ~。