コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

コトーの鍼灸スタイル~体の力を抜こう!

「今まで、すいぶん体全体に力が入っていたんですねぇ…」

鍼灸治療後に、ぽつりと話す方が多い。

体の疲労も心の疲労も長く続くと

横になっても全身の力が抜けにくくなる。

体には『慣れ』というものがあるようで、

体に力が入りすぎていることが当たり前となり、

力を抜けずにいることに、リラックスできずにいることに、

気づかない…。

筋肉疲労になっても気づかない…。

筋肉痛など症状が出てやっと気づく…。

そうならないよう、鍼灸治療後に、

「今の、この抜け感を覚えておいて下さいね。」と言います。

力が抜けていないことに気づいたら、症状が出る前に行動を起こせます。

当鍼灸院では、お灸やストレッチなどに興味がある方には、

その方にあったツボへのお灸の仕方や、ストレッチ方法を指導しています。

それは治療効果を高めるだけでなく、継続することにより、

体の変化に気づきやすくなる!という利点もあります。

例えば…、

冷えが強いと、最初はなかなかお灸の温かさを感じませんが、

毎日続けると、温かさを感じやすくなります。

血の巡りがよくなり、冷えが改善してきている!

自分で実感できます。

寒空の中、薄着でついつい体を冷やした時など、

お灸が温かく感じにくいこともあります。

冷えが進まないうちに、

1日おきにしていたお灸を毎日しよう!

じっくり湯船につかって体全体を温めよう!

そんなふうに早めに対応ができます。

今、ブログの下書きを見ながらパソコンのキーボードを打ち…、

手元を見ることは減りつつ…、

打ち間違えの頻度は変わらず…、

妙な漢字変換に笑いつつも…、

パソコンが苦手だ!という意識は頭の片隅にあり…、

体に妙な力が入っているんだなぁ~。

終わったらストレッチでもしよう…。

かぜの鍼灸レシピ

前回のブログで『かぜ』のことに触れましたが、

今日はその鍼灸治療をご紹介!

今までもかぜにまつわる鍼灸についてブログで書いたなぁーと思い、

下書きをパラパラ読み返しました。

ほほーっ、こんなこと書いたんだぁ~。

もう257話ともなると覚えていません。

今日はちょっと違う視点で書いてみます!

東洋医学では、体の中に『経絡 けいらく』という道が張り巡らされ、

その上に『ツボ』がのっていると考えられています。

この経絡は『手の太陰肺経 たいん・はいけい』。

11個のツボがのっています。

左腕しかツボを書いていませんが、右腕にもあります。

肺をつかさどるので、呼吸器の症状の治療に用いられます。

代表的な経絡は、相棒の経絡がいます。

『手の太陰肺経』の相棒は、『手の陽明大腸経 ようめい・だいちょうけい』。

20個のツボがのっています。

口から鼻にかけては、体の正中を越えて、反対側を通ります。

この経絡は鼻やのどを通り、鼻かぜやのどの痛みなどの治療に用いられます。

さて、ツボの話も何回か書いてきましたが、

代表的のツボは約360個。

そのツボの名前ひとつひとつに由来があります。

『かぜ』は『風邪』と書きますね。

東洋医学では、かぜをひく原因のひとつとして、

『風邪 ふうじゃ』という邪気が体の中に入るから!ととらえています。

『風』の漢字がつく、『風池 ふうち』や『風門 ふうもん』は、

風の通り道とされ、これらのツボもかぜの治療に用いられます。

ぐっすり眠れたら、かぜもすぐ治るのに、仕事・家事・育児などでそうもいかない…。

そんな経験ってありますよね。

かぜを長引かせると、体のスタミナが減り、よけい治りにくくなります。

そんな時は、エネルギーを補う鍼や灸もプラスします。

それにしても、顔と手を描くのは難しい!

2枚目はへび腕になっちゃった。

でも、また懲りずに書くと思う…。

『冬構え』の鍼灸レシピ

皆さんの住む街は、秋まっただ中ですか。

私が住む街は、10月上旬まで数匹のツクツクボウシが鳴いていました。

秋と春が短くなり、『寒い』か『暑い』か極端になってきている。

鍼灸に来られる方とよくそんな話をします。

秋には、寒い冬に適した体に少しずつ変わり、

春には、暑い夏に適した体に少しずつ変わる。

秋と春も大切な季節だと思うのですが…。

               *

冬は外気温が低い上に、他の季節よりも活動性が減り、

体の中から熱を発することも減りがち。

冬が来る前、秋にエネルギーをしっかり補給したくなります。

鍼灸を仕事にしている私は、『お灸』での補給。

『冷え症』によく使うツボにお灸をして、血の巡りをよくします。

血の巡りのいい状態を維持するために、

お灸を毎日するか、隔日か、頻度を決めます。

               *

外の寒さに自分の体も引きずられないように、

今から抵抗力もつけよう!とウォーキングをすることに…。

早朝、意気込んで起きたら雨の音。

三日坊主以前の0日坊主!?

鼻炎の鍼灸レシピ

鍼灸院に治療に来られる方をお迎えするときに、

私はよく灸用のお線香をたきます。

柔らかい香りなので、

来られる方にリラックスしてもらえるかな…という想いと、

自分自身には「よっしゃあ~、仕事だあっー!」と気持ちを集中させるためです。

香りと心はつながっていますね。

また、

「これ、まだ食べられるかな…」と、

くんくんにおいを嗅いで、食べ物の新鮮さを判断する!という、

体を防衛する働きも『鼻』にはありますね。

この鼻がつまっても、鼻水が止まらなくても、

においがわからなくなるだけでなく、

頭がぼんやりとして思考回路が鈍くなり困るぅー!

               *

顔や頭にツボはいっぱい!

鼻炎には鼻の横にあるツボ『上迎香 じょうげいこう』に

ほそーい鍼をほんのちょこっと1mm程度刺します。

軽い鼻づまりにはツボ・マッサージも効きます。

前髪の生え際中央の上にあるツボには、頭と水平に鍼をします。

うつぶせ寝のツボ・モデル。

うなじにあるツボ『大椎 だいつい』にお灸をして、温めるのもいいです。

アレルギー性鼻炎や花粉症は、体の免疫機能が過敏に働いて起こるので、

根本的に治そう!とすると、体質を改善することも大切です。

時間はかかりますが、ご自身でもご自宅で腕などのツボにお灸をして、

じっくりと治していけたらいいですね…。

お灸は『台座灸 だいざきゅう』といって、安全に簡単にできるものを使います。

               *

おまけの話。

鍼灸のことを知らなかった20代、

私はアレルギー性鼻炎で、鼻の粘膜が常に弱く、

しょっちゅう鼻風邪をひいていました。

「こりゃあ、たまらーん!」と始めたのがこれ。

???

なんだかわかりませんよね。

これは鼻洗浄器の一部。

このカップの上にはフタがあり、片鼻に入れるノズルがついていました。

今はありません…。

塩温水を片鼻から吸い込み、口から出します。

適度な塩分濃度と温度であれば、鼻はツーンとしません。

こんなふうに、中の温水温度がわかるすぐれもの。

私はテキトーに塩を混ぜるので、

塩分濃度が薄いと鼻がツツーン!

濃いと塩辛くてたまらない…。

それでも鼻の粘膜が鍛えられ、アレルギー性鼻炎が改善しましたよ。

                *

最近、鼻の粘膜が弱くなってきたので、鼻洗浄を再開しようかな…。

鼻風邪をひいたり、気温差で鼻がむずむずしたりすると思います。

症状が強い時はかなり鼻の粘膜が弱っているので、鼻洗浄はきつい!

落ち着いてからしよう!

何度そう思っても調子がよくなると忘れちゃう。

のどもと過ぎれば…ってやつですね。

椎間板ヘルニアの鍼灸レシピ

前々回のブログのテーマは、<体のしくみあれこれ~背骨の構造>、

前回は、<椎間板ヘルニアってなんじゃらほい>。

ミニ特集っぽくなりましたね。

今日が最終回です。

今回も腰の椎間板ヘルニアについて話をさせていただきます。

何度も登場している、この手描き図。

横から見た腰の背骨(ねずみ色の部分)2つ。

2つの骨の間でクッションの役目をしている椎間板(肌色の部分)。

この椎間板が傷つき、一部分が外にはみ出し、腰の神経を圧迫し、

腰痛、下肢痛、下肢筋力の低下・しびれ・感覚障害などが生じます。

腰痛や下肢痛がいつまで経っても治らない、あるいはしょっちゅうぶり返し、

日常生活や家事、仕事に支障をきたしている…。

そのような症状の方が当鍼灸院に来られます。

ある部分が痛いと、その部位にあまり負担がかからないように、

体は無意識に別の部位でカバーします。

その期間が長ければ長いほど、

カバーしている部位も筋肉疲労がたまり、その部位も痛くなったりします。

また、持続した痛みや強い痛みは、

周辺の筋肉も緊張させてしまうことがあるようです。

当鍼灸院では、毎回、ご本人から詳細に症状を聞き、

ていねいに全身を触診し、今の体の状態を説明し、

その都度、鍼灸に使うツボや方法を決めます。

それぞれ、症状の程度や全身状態・体質は異なるので、

鍼灸治療方法、来院頻度、治療にかかる期間は様々です。

いきなり自分の足ですみません。

頑固な腰痛や下肢痛には、写真の灸頭鍼(きゅうとうしん)が効きます。

腰やお尻、脚のツボに行います。

鍼先にモグサをつけて燃やし、鍼刺激と灸の輻射熱によるダブル効果があります。

症状が重く、病院に入院していた方は、『家庭復帰』 『職場復帰』という

大きなゴールがあります。

元の生活に戻るには、どのくらいの体力や筋力が必要なのか、

把握することが大切です。

私は長いこと理学療法士(リハビリ)の仕事をしてきましたが、

腰に負担をかけない体にしていくためには、『セルフ・コントロール』もかかせません。

手作り小冊子『腰痛の話』をお渡しして、腰痛になりやすい生活習慣を見直し、

座り方、立ち方、歩き方、簡単な運動など、無理なくできそうなことを指導しています。

また、お一人お一人にあった、ストレッチング方法を載せた

手作り小冊子『あなたのストレッチ法』を見ながら、

筋肉の柔軟性を出すために、ストレッチの練習もします。

痛みが和らいでくると、ついついがんばって動いてしまいがち。

その後に痛みがぶり返したり、他の部位が痛み出し、

落ち込まれることもあります。

この腰痛や下肢痛の治り方は、一直線の上り坂ではなく、

らせん状の上り坂だと思います。

ときには、今の自分の体はちょっと前の自分より劣っているようにみえる。

それでも、最初の頃と比べたら、確実に上がっている…。

あせらずに…、あせらずに…。