コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

生理痛・生理不順・不妊症などの婦人科の症状を治す灸

女性のおなかの奥にある子宮。

毎月、生理がおこるところですね。

生理にかかわる臓器は、子宮と卵巣と、ホルモンを分泌する脳。

そして、生理に欠かせないホルモンは、脳と卵巣から分泌されます。

様々な臓器やホルモンが生理には関係しているので、

生理痛、生理不順、子宮内膜症、子宮筋腫、不妊症や、

更年期にあらわれる諸症状など

婦人科の症状の原因も様々です。

 

東洋医学から見ても、原因は様々です。

東洋医学で、生理に重要なのは、『気(=エネルギー)』と

『血(けつ)(=栄養分)』が元気一杯であることです。

そして、その気や血と深いかかわりのある五臓六腑は、

心・肝・腎・脾・胃です。

東洋医学でいう五臓六腑と、西洋医学でいう内臓とは、

働きがちょっと違います。

それらの5つの臓腑は、心経・肝経・腎経・脾経・胃経という

経絡とつながっています。

 

婦人科の症状では、

気・血と、5つの臓腑と、5本の経絡の働きが

どのように変化しているのか見極め、

それらの働きを整える鍼灸治療もします。

それが、『バランスの崩れた体質を元に戻す』治療です。

 

東洋医学は目に見える症状を治すだけでなく、

バランスの崩れた体質を元に戻すことも重要視します。

婦人科の症状では、特に大事だと思います。

体質を元に戻すには時間がかかります。

じんわりじんわりと効くお灸はいいですね。

当鍼灸院では、体質の改善のために、

一人ひとりに合ったツボに、

ご自分でも台座灸をすることをおすすめします。

 

台座灸は、台座の上にモグサがのっています。

台座の底にはシールが付き、

気軽に簡単に自分でもできます。

 

不妊症の場合は、『体質を元に戻す』というよりも、

『妊娠しやすい体質にする』ことを心がけて治療しています。

治療が長期に渡るほど、病院通いは苦痛ですね。

鍼灸治療もその一環と考えすぎると、苦痛は倍増です。

鍼灸師である私は、

体と心の不調を整え、妊娠しやすい体質にする鍼灸治療をしますが、

鍼灸治療に来られる方には、

「いつもがんばっている自分をリラックスさせよう!」という

気持ちで来てほしいな…って思います。

生理にかかわる女性ホルモンは、

ストレスや健康状態に影響されます。

心と体をリラックスさせるって大切だと思います。

ご自分で毎日するお灸でも、リラックスできますよ。

 

随分と先の話ですが、来年の1月のお灸教室では、

『不妊症』をテーマにします。

お気軽にご参加ください。

お灸教室の詳細は、ホームページのお灸教室のページをご覧ください。

東洋医学の診察法~四診法(ししんほう)

西洋医学の診察では、

レントゲン検査や血液検査など道具を用いますが、

東洋医学の診察では道具はなく、

視覚、聴覚、嗅覚、触覚などの五感を用います。

おおまかに4種類に分けられ、『四診法』といいます。

 

その1:望診(ぼうしん)

患者さんの顔色や表情、体格、姿勢、動作などを観察し、

病状を把握します。

 

その2:聞診(ぶんしん)

患者さんの音声や呼吸、咳などを聞いたり、

患者さんの体臭や口臭などのにおいを嗅いで、

病状を把握します。

 

その3:問診

患者さんに症状に関することや、日常生活の様子を聞き、

病状を把握します。

東洋医学は目の前の症状だけでなく、

バランスの崩れた体質も治すので、

日常生活など幅広く聞くことはとても大事です。

 

その4:切診(せっしん)

患者さんに直接触れて、症状を把握します。

切診は、脈診、切経(せっけい)、

そして前回のブログにちょこっと登場した腹診があります。

 

脈診は、患者さんの手首で、

動脈の拍動がわかる部位に触れて、

脈の数や拍動の仕方を診て、経絡の状態を把握します。

自分で自分の脈診をするときは、こんな感じ。

 

人差し指と中指と薬指で、軽く触れたときに感じる脈の状態で、

各々1本ずつ、計3本の経絡の状態を把握します。

さらに、少し押し気味に触れたときに感じる脈の状態で、

別の3本の経絡の状態を把握します。

この写真では、左手の脈で、

計6本の経絡を診たことになりますね。

右手でも同様に脈を診て、

左とは別の6本の経絡の状態を把握します。

左右合わせて、12本の経絡を診ます。

とーっても難しい診察法です。

 

切診とは、経絡に沿って指で触れて、

経絡の状態を把握します。

経絡の上にツボが乗っているので、

鍼やお灸に用いるツボを選定できます。

 

腹診は、患者さんのおなかに触れて、

硬さ、厚さ、動悸、圧痛、皮膚の潤い、皮膚温などを診て、

症状を把握します。

『健康なおなか』ってどんな感じだと思いますか?

東洋医学でいう健康なおなかは…、

おへその上は平らで、おへその下はふっくら。

硬すぎず、柔らかすぎず、適度な弾力があり、

適度な潤いがあり、おなか全体が温かい!

皆さんのおなかはいかがですか?

 

おなかにはたくさんのツボがあります。

下腹部の奥には、女性の場合、子宮と卵巣があるので、

生理痛、生理不順、子宮筋腫、子宮内膜症、不妊症、

更年期の症状など婦人科の症状には、

下腹部にあるツボにも鍼やお灸をします。

 

また、婦人科の症状では、バランスの崩れた体質を

元に戻すことも重要で、

そのために下腹部にあるツボなどに

ご自分で毎日お灸をすることをすすめています。

次回は、体質改善のためのお灸について

書いてみようと思います。 よろしくぅー!

逆子を治すお灸

前回のブログでは、腰痛の鍼灸治療で、

『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡をご紹介しました。

今回は、その経絡の上にのっているツボ 『至陰 しいん』をご紹介します。

 

『至陰』は逆子を治すツボとして、超有名なツボです。

どこにあるかというと…、

 

 

足の小指の外側にあります。

おなかから離れているのに、なぜ逆子に効くのか?

 

ツボの名前には由来があります。

『至陰』はとってもわかりやすい。

『陰』に至るところ、『陰』に到達するところ。

 

ここで姉妹のツボ・モデル子ちゃん、登場!

 

 

左側が『足太陽膀胱経』。

経絡には陰と陽があり、

この経絡は、名前に『陽』が入っているとおり、陽経の経絡。

この経絡の最後のツボが『至陰』。

『足太陽膀胱経』は、この『至陰』から

陰経の経絡『足少陰腎経 あし・しょういん・じんけい』に繋がっています。

右側の手描き図です。

陽経が陰経に到達するツボなので、

『至陰』と名付けられています。

 

これだけでは、逆子に効く説明にはなりませんね。

ここで大事なのは『腎』です。

東洋医学でいう『腎』は、西洋医学でいう『腎臓』とはちょいと違います。

『腎』は、生命力、成長、生殖力の根源である『精 せい』を蓄えています。

生理や妊娠、出産には、腎の十分な働きが欠かせません。

 

その腎に関わりがあるのが『足少陰腎経』という経絡。

そして、この経絡とペアなのが、『足太陽膀胱経』です。

『足太陽膀胱経』の上にのっているツボ『至陰』を

お灸で刺激することにより、

ペアである『足少陰腎経』という経絡の流れも良くして、

この経絡がエネルギーと栄養分を送っている『腎』の機能も良くしよう!

逆子を治すツボとして『至陰』が選ばれる理由は、

そんな考え方からです。

東洋医学ってややこしいですねぇ~。

 

おなかの中の赤ちゃんが大きくなると、

赤ちゃんは窮屈になり、動きにくくなるので、

大きくなる前に『至陰』にお灸をします。

 

 

 

台座灸は、写真のように台座の下にシールが付いているので、

自分でも簡単にお灸ができます。

鍼灸院での治療だけでなく、逆子が元に戻るまで、

毎日自分でお灸をしていただくことになりますが、

まず主治医の先生に相談されることをお勧めします。

 

ツボの名前の由来って面白いですよ。

由来によってはツボの効能までわかり、

治療に用いるツボが選びやすくなります。

腰痛の鍼灸レシピ

前回のブログでは、肩コリ・首コリさんの鍼灸治療をご紹介しました。

「学生の頃からだから、もう10年?悩まされています。」 などなど、

当鍼灸院に来られる方は、肩コリ・首コリのベテランさんが多いです。

そんな方々のほとんどは、腰もこっています。

 

うなじの筋肉は、長いものでは

骨盤の尾てい骨の上までつながっています。

背中の筋肉の上部が硬くなっていたら、

下部も影響されることが多いようです。

今日は、下部、腰のコリや腰痛について書いてみようと思います。

 

じゃじゃぁ~ん!

こりもせず、また描いてしまった!

後ろを振り向いている絵に見えますか?

このツボ・モデル子ちゃんの赤い線は、

『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡。

ひたいから血を流しているわけではありません。

 

この経絡の始まりは、目頭と鼻の間にあるツボ 『睛明 せいめい』。

ひたいから頭頂と上り、後頭部、うなじ、と下ります。

背中・おしり・太ももの後ろは、2本に分かれます。

膝裏で1本に合流し、ふくらはぎ、外くるぶし、と下ります。

最後は、足の小指にあるツボ 『至陰 しいん』。

 

ヒトの経絡の中で一番長い経絡です。

この経絡の上にのっているツボは67個。

左右対称にこの経絡はあり、左右合わせて134個!

背中を通っているので、肩コリ・首コリだけでなく、

腰コリや腰痛の鍼灸治療にも用いられます。

その際は、背中や脚のツボに鍼やお灸をします。

 

当鍼灸院では、

 

 

鍼を刺したまま、棒灸をします。

棒灸はモグサを硬く固めたものを和紙に包んでいます。

皮膚から3~5㎝離して温めます。

 

 

灸頭鍼(きゅうとうしん)もしています。

灸頭鍼は、刺した鍼の上にモグサをのせて温めます。

どちらも熱くはありません。

じわわわ~んと体の芯まで温まり、

筋肉がゆるみ、血流もよくなり、

コリや痛みが緩和されます。

 

『足太陽膀胱経』の上にはのっていませんが、

『腰痛点 ようつうてん』というツボがあります。

ぎっくり腰の治療に用いられます。

どこにあると思いますか?

じゃじゃじゃじゃぁ~ん!

手の甲に2ヶ所あります。

不思議でしょう?

肩こり・首こりの鍼灸レシピ

昨日から福岡は北風小僧が駆け巡り、寒~いっ!

数日前までは、加湿器の蒸気で室温が暑く感じていましたが、

昨日からは暖まってちょうどいい。

「寒くなり、肩がこってきたみたい…」という声もちらほら。

寒いと筋肉がキュッと縮まりやすく、

羽織るコートが重く、かさばって動きにくくもなり、

肩こりさん、首こりさんには、ちょいときつい季節でしょうか…。

 

さてさて、ヒトの体で一番器用な部位はどこでしょうか。

やはり、『手』ですね。

 

 

赤丸は腕の関節。

細かな指の動作ができるのは、たくさんの関節と、

それらを動かすたくさーんの筋肉のおかげ。

背骨・肩甲骨・鎖骨・腕・手が連動することにより、

私たちはなめらかで効率のいい動作ができます。

 

「長年の肩こりと首こりがつらい!」という方の体に触れると、

首から肩にかけての筋肉だけでなく、背中や肩甲骨周りの筋肉もカチカチ!

鍼やお灸で、硬くなっている筋肉をやわらげ、血流をよくすると、

こりや痛みがなくなるだけでなく、

首や肩、腕などが動かしやすくなります。

なめらかで効率のいい動作ができるようになると、

肩こりや首こりはぶり返しにくくなります。

 

ここでもう1つ重要なのは『姿勢』。

首や背中、おなかの筋肉は、重たい頭と両腕を支え、

常にがんばっています!!!

背中が丸まっていたり、逆に反りぎみだと、支える負担は増え、

肩や首がこりやすくなります。

筋肉の柔軟性と筋力があれば、筋肉たちをバランスよく使え、

『首・背中・おなかが、最小限の負担で頭と腕を支える』姿勢を

保ちやすくなります。

鍼やお灸で、筋肉の柔軟性を出しながら、

ストレッチングや首・肩の体操をこつこつしていると、

少しずつ姿勢がよくなってきます。

長年の肩こり・首こりだから…とあきらめないで!

 

 

おまけの話…。

皆さん、衝動買いってしますか?

私はレトロな物に弱い!

小学生の頃。

帰り道で、友人に「いくら持ってる?」と聞く。

100円玉が1枚でもあったら、たい焼き屋さんへ。

この季節だったら、屋台のおでん。 おでんは串刺しにしてくれる。

10円玉が数枚だったら、駄菓子屋さんへ。

その頃買っていたお菓子を見つけ、大人買い!!!