コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

腰痛に帯脈(たいみゃく)…

今日は何を書こうかな…。

鍼灸本をぱらぱらとめくっていると、目に止まった『帯脈』。

よぉ~し!『帯脈』に決定!

 

東洋医学では、『経絡 けいらく』という通路が

全身に張り巡らされていると考えています。

『経絡』は、エネルギーと栄養分を全身に届けています。

『帯脈』は、その『経絡』の1つです。

 

ほとんどの経絡が、『陽』の経絡と『陰』の経絡と

ペアになっています。

しか~し、帯脈は違います。

相棒がいません。

また、ほとんどのツボが、経絡の上にあり、

各々の経絡に、各々のツボがあります。

しか~し、帯脈は違います。

帯脈独自のツボがありません。

他の経絡の上にあるツボをつないでいる経絡が帯脈です。

このように、陰陽の関係がなく、独自のツボがない経絡を

『奇経 きけい』といいます。

 

今まで紹介してきた経絡はすべて、

体に対して縦に走行しています。

しか~し、帯脈だけ違います。

 

じゃ~ん!

 

久しぶりに描いたツボ・モデル子ちゃん!

横向きって描きづらい…。

帯脈は、ウエストを横に1周しています。

そして、おなかや腰を縦に通る経絡を帯のように

束ねています。

 

ちなみにおなかと腰を縦に通る経絡は…、

 

おなか
おなか
せなか
せなか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このモデル君は片方の経絡だけ描いてあり、

縦中央の経絡以外は左右対称にあります。

 

帯脈がきつく締めつけられると、

縦の経絡の流れが悪くなります。

また、帯脈がだらりんこと力が抜けていると、

縦の経絡もだらりんこ…。

帯脈ってとても大事な経絡なんですね。

 

慢性腰痛やぎっくり腰などの強い腰痛の方は、

背筋だけでなく、わき腹やおなかの筋肉まで

がちがちになっていることも多いです。

そんなときは帯脈を緩め、縦の経絡への締めつけを取り除く

鍼灸治療を行います。

その結果、おなかや腰の筋肉が緩み、

腰痛が改善し、腰や骨盤が動かしやすくなります。

腰痛治療と予防には、背筋と、腹筋やわき腹の筋肉のバランスが

大事です。

それって、帯脈の状態を整えることに通じると思います。

 

今日も難しい話におつきあいいただき、ありがとうございます。

福岡はちょー寒いです!

皆さんの住む街もちょー寒いですか?

風邪をひかないように気をつけましょー!!!

腰痛の鍼灸レシピ

前回のブログでは、肩コリ・首コリさんの鍼灸治療をご紹介しました。

「学生の頃からだから、もう10年?悩まされています。」 などなど、

当鍼灸院に来られる方は、肩コリ・首コリのベテランさんが多いです。

そんな方々のほとんどは、腰もこっています。

 

うなじの筋肉は、長いものでは

骨盤の尾てい骨の上までつながっています。

背中の筋肉の上部が硬くなっていたら、

下部も影響されることが多いようです。

今日は、下部、腰のコリや腰痛について書いてみようと思います。

 

じゃじゃぁ~ん!

こりもせず、また描いてしまった!

後ろを振り向いている絵に見えますか?

このツボ・モデル子ちゃんの赤い線は、

『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡。

ひたいから血を流しているわけではありません。

 

この経絡の始まりは、目頭と鼻の間にあるツボ 『睛明 せいめい』。

ひたいから頭頂と上り、後頭部、うなじ、と下ります。

背中・おしり・太ももの後ろは、2本に分かれます。

膝裏で1本に合流し、ふくらはぎ、外くるぶし、と下ります。

最後は、足の小指にあるツボ 『至陰 しいん』。

 

ヒトの経絡の中で一番長い経絡です。

この経絡の上にのっているツボは67個。

左右対称にこの経絡はあり、左右合わせて134個!

背中を通っているので、肩コリ・首コリだけでなく、

腰コリや腰痛の鍼灸治療にも用いられます。

その際は、背中や脚のツボに鍼やお灸をします。

 

当鍼灸院では、

 

 

鍼を刺したまま、棒灸をします。

棒灸はモグサを硬く固めたものを和紙に包んでいます。

皮膚から3~5㎝離して温めます。

 

 

灸頭鍼(きゅうとうしん)もしています。

灸頭鍼は、刺した鍼の上にモグサをのせて温めます。

どちらも熱くはありません。

じわわわ~んと体の芯まで温まり、

筋肉がゆるみ、血流もよくなり、

コリや痛みが緩和されます。

 

『足太陽膀胱経』の上にはのっていませんが、

『腰痛点 ようつうてん』というツボがあります。

ぎっくり腰の治療に用いられます。

どこにあると思いますか?

じゃじゃじゃじゃぁ~ん!

手の甲に2ヶ所あります。

不思議でしょう?

お灸教室ミーティング・ノート~塩灸っていいかも…

今年の4月から始めたお灸教室。

毎月、第2火曜日と第3日曜日に開催しています。

同じことを淡々と繰り返すことが苦手な私は、

お灸教室でも何か変化球を入れたくなる。

今月のお灸教室のテーマは、『腰痛』。

腰に自分でお灸をするのは難しいので、

今回初めて塩灸を取り入れました。

 

参加者のご協力を得て、今日11日(火)に開催したお灸教室をご紹介。

塩灸をご自分で作ることからスタート!

 

不織布のパックに塩を入れ、

 

こんなふうに包む。

 

ラップをして、

 

電子レンジでチン!

塩がかなり熱くなることもあり、2枚のハンドタオルで塩灸を挟み、

温度調節!

 

とーっても簡単に作れます。

今日は椅子に腰かけたまま、お尻の真ん中とおなかに、

下着とズボンで塩灸を挟むようにしました。

どこでも温められるのがいいですね。

ぬくぬくと温かいです…。

 

今日は、ぎっくり腰など強い腰の痛みに用いるツボに

台座灸もしました。

 

腰腿点(ようたいてん)といいます。

手の甲に目玉が出来てかわいい…。

 

今月は16日(日)にも同じテーマでお灸教室を開催します。

(おっと、24時を過ぎ、今日は昨日になりました。)

塩灸に興味がある方、ぜひご参加ください。

教室の詳細は、左のカテゴリーの『お灸教室のご案内』をご覧ください。

 

東洋医学と西洋医学の腰痛治療

東洋医学では、この世の中のすべての事物は『陰』と『陽』に分けられ、

両者は対立しあい、制約しあう…と、とらえています。

さて、ここで問題。

『上』は、『陰』でしょうか? 『陽』でしょうか?

『上』は、『陽』。 『下』は、『陰』。

『右』は?

『右』は、『陰』。 『左』は、『陽』。

『男性』は、『陽』。 『女性』は、『陰』。

(どうしてって、つっこまないように…)

 

体に張り巡らされている経絡(けいらく)もしかり!

陰の経絡と陽の経絡があります。

腰痛治療でよく用いられる、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』。

この経絡の始まりは、目頭と鼻の間にあるツボ、『睛明 せいめい』。

おでこ→頭頂→後頭→うなじ→背骨の横→お尻の中央→太ももの後ろの中央

→膝裏→ふくらはぎの中央→外くるぶし。

そして、足の小指の外側にあるツボ、『至陰 しいん』で終わります。

すべての経絡の中で、一番長い!

この経絡の上にのっているツボは片側67個。

左右合わせて134個!

鍼灸治療では、この経絡の上にのっているツボを使って、

経絡の流れを良くして、腰痛を改善します。

 

 

 

これは、ツボ・モデルの背中。

背骨の外側の2本の黒線が、足太陽膀胱経。

このツボ・モデルは左しか経絡が描いてありませんが、

もちろん右側にも対称的に2本あります。

腰痛治療には、腰のツボを使いますが、

脚のツボもよく使います。

 

名前からしてわかるように、『陽』の経絡。

この経絡には、『陰』の経絡の相棒がいます。

『足少陰腎経 あし・しょういん・じんけい』。

この経絡は、足の裏にあるツボ、『湧泉 ゆうせん』からスタート!

内くるぶし→膝の内側→太ももの内側→おなかの中央近く→胸の中央近く。

そして、鎖骨内側の下にあるツボ、『兪府 ゆふ』で終わります。

この経絡の上にのっているツボは片側27個。

左右合わせて、54個。

 

 

 

これは、ツボ・モデルの胸からおなか。

胴体中央の外側の黒線が、足少陰腎経。

先ほどの『足太陽膀胱経』とは、表と裏の同じ位置にあたります。

 

これらの『陰』と『陽』の経絡のバランスを整えることが、

東洋医学では重要となります。

 

 

私は、鍼灸師になる前は、理学療法士(リハビリ)をしていました。

西洋医学で腰痛を治すとなると…、

骨、筋肉、神経の状態の把握が重要となります。

リハビリ(=運動療法)で、アプローチできるのは筋肉。

痛んでいる腰の筋肉を温めたり、

ストレッチングで柔軟性を出し、

筋力をつけていく…。

このとき、『背筋』の相棒の『腹筋』のフォローも大事!

腰を痛める原因の1つは、背筋と腹筋のアンバランス。

腹筋が弱く、背筋(特に腰)ばかり働かせてしまうので、腰痛に…。

 

腹筋に力を入れながら、背筋を少しずつ緩めることにより、

私たちは滑らかに上体を曲げることができます。

反対に、上体をゆっくりと反らせるときは、

背筋を少しずつ縮めて力を入れ、

腹筋を少しずつ伸ばして力を緩めていきます。

表(腹筋)と裏(背筋)が協調して動けることが

腰痛治療の大事なポイントになります。

 

 

こんな見方をすると、

東洋医学と西洋医学って共通点があると思いませんか?

今月のお灸教室のテーマは、『腰痛』。

テキストを作りながら、こんなことを考えていました。

 

腰に自分でお灸をするのは難しいですね。

お灸教室では、モグサではなく、塩を使った塩灸もします。

パックの中に塩を入れて、電子レンジで温めます。

火を使わないので、腰に自分でしても安全です。

作り方は簡単なので、参加者の方と一緒に塩灸を作ります。

9月11日(火)と16日(日)に開催します。

興味のある方はどうぞご参加ください。

詳細は左のカテゴリーの『お灸教室のご案内』をご覧ください。

 

またまた、長いブログにつきあっていただきありがとうございました。

専門的すぎて、難しかったかなぁ~。

もうちょっとわかりやすく書けるように、修行しまーす!

 

梅雨と腰痛と鍼灸

最近、

「ぎっくり腰を起こしそうなくらい腰が痛い…」

と当鍼灸院に駆け込んでくる方が増えています。

5月・6月は気温がとっても不安定。

今日みたいにザーザー雨が降っている日は肌寒く感じ、

日差しが痛い快晴の日は、汗が出るくらい暑い!

日中は暑いけれど朝晩は肌寒い日もある…。

おまけにスーパーなどでは冷房が入り始める…。

体は体温調節に大忙しです!

冷えて血行が悪くなると、筋肉も硬くなりがち。

腰痛持ちさんは、普段から腰の筋肉が硬めなので、

さらに硬くなり、

いつの間にか「ギクッと痛めそう」となることも…。

               *

また、梅雨の時期は『湿邪 しつじゃ』に影響を受ける方もいます。

東洋医学では、自然の気候の変化を重視しています。

気候を変化させる、『風』 『寒』 『暑』 『湿』 『燥』 『火』 が

過剰だったり不足すると、

『風邪 ふうじゃ』 『寒邪』 『暑邪』 『湿邪』 『燥邪』 『火邪』という

邪気(じゃき)になります。

体が弱っていると、この邪気の影響を受けやすくなります。

この6つの邪気には性格があります。

『湿邪』の『湿』は、水に似ていて下に流れやすく、

症状は下半身に現れやすい。

例えば、むくみは脚に現れやすい。

『湿』は重く、停滞する特徴もあり、

湿邪が体内に入ると、頭や体が重く、だるい感じになります。

脚がむくんだり、重く感じる腰痛はこの湿邪が影響しているかも…。

               *

冷えや湿邪の影響を受けている頑固な腰痛には

しっかり温めることが大切!

当鍼灸院でよく使うのが

灸頭鍼(きゅうとうしん)。

鍼の先にモグサをつけてお灸をします。

鍼の刺激とお灸の輻射熱のW効果!!!

「腰から脚にかけて温泉に入っているみたい」と

よく言われます。

腰~お尻~脚をしっかり温めると、脚のむくみも改善します。

               *

余談ですが、

腰痛が強いとお尻の筋肉も硬くなりがち。

硬いってことは、お尻の血流も滞っているかもしれません。

当鍼灸院は女性専門ですが、

お尻の奥には子宮や卵巣など大事な臓器が入っているので、

お尻の筋肉を柔らかくして、血行をよくすることも

大切だと思っています。

               *

新潟の友人から今年もアスパラガスが届きました。

無農薬で作ること自体大変なのに、

気候の急変や原発事故による放射能測定など

さらに手間がかかり、

愛情のたっぷり入ったアスパラガスは格別です!!!