コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

はりきゅう雑話~腰痛治療 その1

腰痛特集も今日が最終回。
鍼灸治療と、自分でできる治療法をご紹介します。

東洋医学では、気(き)、血(けつ)、津液(しんえき)が、
経絡(けいらく)という特殊な通路を通って全身に流れることにより、
正常な機能が営まれていると考えています。

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  ツボ・モデルくん、登場。
  

足の太陽膀胱経(あしの たいよう ぼうこうけい)という経絡。
目頭の外から始まり、ひたい、頭頂と上り、
後頭部、うなじ、背中(背骨の外側を2本平行に走っている)、
腰、おしりの中央、脚の後面と下り、
外くるぶしの外側を回って、足の小指外側に至ります。

この経絡は、腰も通っているので、腰痛治療によく使われます。

人体の経絡の中で一番長く、
この経絡の上にツボが片側67穴、左右あわせて134穴あります。
ツボ・モデルくんは、左側しか経絡が書いてありません。

これらのツボの中から、反応のあるツボをみつけて、そこに
鍼や灸をすることにより、この経絡の流れを改善させます。

すると、血流がよくなり、筋肉もほぐれ、腰痛も改善します。

鍼灸師によって、治療方法は様々です。
私は、問診、姿勢・動作分析、触診を行い、
先に述べた「足の太陽膀胱経」のツボや、
それ以外のツボに鍼や灸をします。
背中、おしり、太ももの外側・後ろ、ふくらはぎ、腕、おなかにあるツボなど。

鍼治療は、ツボに鍼を刺してから、すぐ抜く方法や、
20分ほど刺したままお灸をする方法など、
そのツボの状態や、その方の体質・体調にあわせて、
方法を決めています。

横になっていても、筋肉が緊張していると、
チクッと筋肉が痛いことがありますが、一瞬です。
その後は20分程そのままにしていても、ほとんど何も感じません。

少しずつ血流が良くなり、筋肉がほぐれてくるので、
体が重く感じることはあります。

お灸は、箱灸(はこきゅう)や棒灸(ぼうきゅう)を使います。
熱くはありません!
約15分間、背中やおしり、脚をじんわりと芯まで温めます。
腹筋も緊張している時は、おなかにも鍼や灸をします。

今まで、痛みが長く続いたり、強かったり、
腰に負担がくる仕事などをしていると、元に戻りやすいので、
最低でも週1回、1~2ヶ月間、集中して鍼灸をされることをおすすめします。

鍼灸がくせになることはありません。
鍼灸治療は、人体が持つ自然治癒力を活性化することにより、
症状を改善していきます。

常時、経絡の流れがよくなれば、血流もよくなり、
筋肉の柔軟性も出て、身体的ストレスや精神的ストレスを受けても、
腰痛が悪化しにくい、出にくい体に変わってきます。
そうすれば、治療の間隔を減らしていきます。

体型的に腰を痛めやすい方や、仕事柄どうしても腰に負担がかかる方は、
腰痛がなくなっても、予防という点から、1~2ヶ月に1回程度、
メンテナンス(調整)に来られることをおすすめします。

東洋医学や鍼灸に興味があっても、鍼が怖い~!という方は、
箱灸や棒灸から始められたらいかがですか。
鍼とお灸のセットほどではありませんが、筋肉はリラックスし、
気持ちがいいですよ。

おおーっ、鍼灸治療のご紹介だけで長いブログとなりました。
一緒に説明しようとした「自分でできる腰痛治療」は、
次回にさせていただきます。
すみません。

福岡で女性専門の鍼灸院をしています。
ホームページに箱灸と棒灸の写真を載せているので、
よろしかったら、ご覧下さい。

レディース鍼灸ことう
http://www.ladies-kotou.com/about.html

体のしくみあれこれ~日常生活での腰痛対策

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  道端の花壇には、名前の知らない
  花がいっぱい…

『腰痛の原因』 『生活習慣と腰痛』 とブログで書いてきましたが、
今日はそれらを踏まえて、腰痛予防・改善のための、日常生活の工夫を
だだーっと、箇条書きでご紹介します。

<日用品編>

1.理想的な椅子の形は、約110~120度の傾きがある背もたれと、
  肘掛け付き。
  体が沈みこむ座面や背もたれはNG。 
  足先が宙の浮くぐらい高すぎる椅子もNG。
  
2.やや硬めの敷布団がGOOD。
  柔らかい、あるいは硬すぎる敷布団はNG。

3.腰痛が、家事や仕事などに支障をきたしている時は、
  一時的にコルセットを使用しましょう。
  痛くないのに予防のため、常時コルセットを着用するのはNG。

4.ハイヒールのヒールは、高さ3㎝以下で、安定性のある靴がおすすめ。

<日常生活編>

1.体重のコントロール。
  急激な体重増加は、腰痛・膝痛の引き金になることも。

2.充分な睡眠。
  腰が痛い時は、横向きで寝ると楽です。

3.バランスのとれた食事。
  冷たい食べ物をとりすぎない。

4.冷房などで体を冷やさない。

<日常動作編>

1.長い時間、同じ姿勢をとっているときは、
  途中で、ひとときでも姿勢を変えたり、ストレッチをしましょう。

2.座位で、ときどき脚を組むと、腰の筋肉が緩んで楽に。
  常時、片方ばかり組むのはNG。

3.赤ちゃんを床から抱き上げる時、床から荷物を持ち上げる時、
  膝を伸ばしたまま、腰を曲げて、手をのばし、上半身だけ使うのはNG。
  まず、しゃがみこみ、赤ちゃんや荷物を自分の体に引き寄せ、
  脚を伸ばすことにより、荷物などを持ち上げる。
  上半身よりも下半身を使いましょう。

4.反復動作や肉体労働中は、途中にちょっこっとでも休憩をしましょう。

5.ギックリ腰を起こしたら、まず安静第一。
  腰の筋肉が炎症を起こしているので、初日に温めるのは禁忌。

仕事などで、座りっぱなしだったり、立ちっぱなしだったり、
力仕事だったり…。
腰が痛くなる原因はよくわかっているけれど、
その原因を取り除くのは無理。

それならば、どう日常で腰痛を予防するか、改善するか。
上記の「日常生活の工夫」は、参考になりましたでしょうか。

一つひとつの項目の説明までは、書ききれませんでした。
当鍼灸院に腰痛治療で来られた方には、
これらのことを詳しく書いた手作り小冊子『腰痛の話』を
無料でお渡しします。

腰痛特集の最終回である次回は、『筋肉をほぐして腰痛改善』と題して、
自分でできる腰痛治療と、鍼灸治療をご紹介します。
続きますなぁ~。

福岡で女性専門鍼灸院をしています。
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体のしくみあれこれ~生活習慣と腰痛

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 仕事場の庭で咲いています…

どんな病気でも、まずはその原因となることを取り除くことから
治療が始まると思いますが、
はてさて、自分の腰痛の具体的な原因は何なのか。

床から重たい荷物を持ち上げた時にグギッと腰が痛くなった…。
などと、はっきりした原因もあれば、??と想うことも。

実は何気ない生活習慣の積み重ねや体質が、
腰痛を引き起こしていることも、意外と多いです。

1.姿勢が悪い

猫背や、上半身が前かがみの姿勢では、
無意識に腰の筋肉を過緊張させて、体のバランスをとります。
腰の筋肉をリラックスできないので、腰が痛くなることも。

2.『でっちり』さん

もともと腰のそりが強かったり、腹筋の筋力が弱いと、
腰の筋肉は緊張しっぱなし。

3.同じ姿勢を続けていることが多い

立ち仕事やデスクワークなどで、「立ちっぱなし」 「座りっぱなし」など
一定の姿勢を保ち続けつためには、腰周辺の筋肉は動かすことなく、
じっと同じ状態で耐えています。

4.血行が悪い

血行が悪くなると、体の細胞の酸素が不足し、「痛み物質」が作られます。
冷房による冷えなどでも、腰痛になることがあります。

5.体にゆがみがある

片側の手だけで荷物を持つ、
座っている時に脚の組み方がワンパターン、
しょっちゅう片肘をつく、など…。
知らずしらず、体の使い方や姿勢が偏っていると、
一部の筋肉が極端に疲労し、腰痛になることも。

6.激しい運動をする

腰椎周辺の軟骨や関節に負担がかかり、
筋肉も疲労しやすくなります。

7.運動不足

筋肉の柔軟性が低下し、筋肉が疲労しやすくなります。
また、女性は閉経後、骨量が減りますが、
運動が不足すると、さらに骨量が減り、
骨折しやすくなり、背骨の骨が変形して腰が痛くなることも。

8.偏食ぎみ

ダイエットや好き嫌い、外食がちで、筋肉疲労を回復させるビタミンB群や、
骨を作るカルシウムなどの摂取不足が、腰痛につながることも。

当鍼灸院では、問診や触診で、
腰痛になりやすい生活習慣などがあるか、
患者さんと振り返ります。

思い当たることがあれば、
今から、無理なく、変えていけそうなことを一緒に考えます。
その生活習慣などを直していく、あるいは工夫していくことが、
腰痛を根本から改善する第一歩です。

詳しくは手作り小冊子『腰痛の話』に。
当鍼灸院へ腰痛治療に来られた方には、無料でお渡ししています。
次回は、「日常生活での腰痛対策」をご紹介いたします。

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体のしくみあれこれ~腰痛の原因

腰痛改善のために、当鍼灸院に来られる方は多いですね。
腰痛と一口に言っても、原因は様々。

一番多いのが、筋肉の疲労。
筋肉が硬くなり、
筋肉の隣にある血管が圧迫されて、
血流が悪くなります。

血管の中の血液が、体の細胞ひとつひとつに
酸素を運んでいるので、
細胞への酸素が不足してきます。

この酸素不足が続くと、
乳酸などの痛み物質が作られ、
痛み勃発!

他には、腰の骨や椎間円板(背骨と背骨の間にあり、
クッションの役目をしている)が痛んで変形すると、
背骨の中を通っている神経が圧迫されて、
腰痛や脚のしびれ、筋力低下などが生じます。

内臓(腎臓・子宮・卵巣・胃腸など)そのものの炎症や
病気があると、腰痛が起こることもあります。
横になっても腰が楽にならない時は、
内臓の異常が原因のことも。
生理の時の腰痛も、これに関連しているそうです。

人の脳には、もともと痛みの感覚を抑制する回路があります。
しかし、慢性的に身体的・精神的ストレスが続くと、
この回路がオーバーワークになって、
「痛み」に敏感になり、
普段は感じないはずの痛みが起こることもあります。

これは、心因性の痛みです。
生理中の腰痛は、先に述べた、内臓からくる腰痛だけでなく、
ストレスから、より痛みが強くなることも考えられるそうです。

当鍼灸院では問診や触診などで、
腰痛の原因を配慮して鍼灸治療を行っています。

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 手作り小冊子『腰痛の話』
 第2版がやっと完成!

今日はその中から、腰痛の原因を簡単にご紹介しました。

疾患別の小冊子を作り始めたのは、
西洋医学と東洋医学の、2つの観点からみた本が少ないからです。

当鍼灸院に来られた方に、該当する症状・病気の小冊子を
無料でお渡ししたい!と、少しずつ書いています。

次回は、できたてほやほやの小冊子『腰痛の話』から、
「生活習慣と腰痛」についてご紹介したいと思います。

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体のしくみあれこれ~脚長差の錯覚

鍼灸の仕事をしていると、
脚の長さが左右、違うんです…と言う方に出会います。

確かにあおむけになると、
左右のかかとの位置が違う。
股関節のトラブルなどで脚長差が生じることはありますが、
今までお会いした方々は骨盤のねじれからくるもの。

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グロテスクな絵で、すみません。
ねずみ色の骨盤には、たくさんの筋肉がついています。
骨盤から背骨についている筋肉は5本、
肋骨についている筋肉は7本、
大腿骨(ももの骨)についている筋肉は14本、
脛骨(けいこつ)(ひざの下の骨)には6本
腓骨(ひこつ)(ひざの下の骨)には1本。
これらは片側のみの本数。
すごい量ですよね。

例えば…
骨盤から背骨や肋骨についている右側の筋肉が
左よりもかなり縮まっていたら…、
骨盤は右側が上に引き上げられ、
右脚も骨盤と一緒に上に引き上げられますよね。
これが勘違いの正体!
「脚の長さが左右、違う!これって脚の骨の長さが違うのぉ~?」
と、錯覚してしまう…。

体の使い方の長年のクセにより、
骨盤のねじれを生じる方が多いようです。
縮まっている筋肉をゆるめ、クセを少しずつ直していくと、
骨盤のねじれが改善し、脚長差の錯覚はなくなります。

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