コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

『疲れやすさ・だるさ』の話・その1

4月は入学、就職で環境ががらりと変わったり、

新入社員が入ってきて、自分の立ち位置が変わったり…。

なにかしら変化がつきものの『月』ですね。

その変化に慣れようと踏ん張ってきて、

5月に入ったら「なんか体が疲れやすい…、だるい…」と

感じたことはありませんか。

今日は、その『疲れやすさ・だるさ』について考えてみようと思います。

               *

『疲れやすい』 『だるい』って、なんじゃらほいほいほい?

調べてみると、大きく5つに分かれるそうです。

1つ目は、筋肉疲労。

長時間の仕事や運動で、筋肉に疲労物質がたまり、

筋肉が硬くなりスタミナもなくなって、すぐ疲れちゃう!

2つ目は、血の巡りの悪さ。

血の巡りが悪いと、

血液によって運ばれる酸素やエネルギーも不十分となり、

だる~くなってきます。

1つ目の『筋肉疲労』で筋肉が硬くなっても血の巡りが悪くなります。

3つ目は、脳の疲労。

脳を使いすぎると、脳のエネルギー源であるブドウ糖やアミノ酸が減って、

集中力が低下。

その状態が長いと、脳を活発にする脳内物質も減って、

だるだる~な感じになります。

4つ目は、自律神経の乱れ。

自律神経は、体を活発にする『交感神経』と、

体を休ませる『副交感神経』があります。

ストレスなどで緊張状態が続くと、

この『交感神経』と『副交感神経』の切り替えがうまくいかなくなります。

日中は本来『交感神経』が活躍しますが、

『交感神経』へのスイッチが切り替わらないと、

日中でも『副交感神経』が働き、体は休みモードのまま。

だる~く感じるときがあります。

5つ目は、体の栄養不足。

無理なダイエットや偏食が続くと、

体を動かすもととなるエネルギーが足りなくなり、

だるだるだるだる…。

               *

5月は、急に初夏のように暑くなる…など、気温の変化が大きいですね。

体温を調整する自律神経が気温の変化についていけず、

自律神経が乱れて、疲れやすく感じることもあるようです。

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普通に仕事をして、普通に日常を過ごしていても、

心当たりがあるようなことばかりですね。

次回のブログでは『疲れにくい』ということに注目してみようと思います!

よろしくでーす!

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ところで、当鍼灸院では今月からお灸教室を始めました。

5月のテーマが『疲れやすさ』と『だるさ』。

ご自分でのお灸やツボ押しで、疲れやすさやだるさを軽くしてみませんか。

5月8日(火)と5月20日(日)にお灸教室をします。

詳しくは3月29日のブログをご覧下さい。

ツボ・パワー! 三陰交(さんいんこう)

鍼灸治療にかかせないのが『ツボ』。

東洋医学では全身に経絡という通路があると考えています。

経絡は『陰経』と『陽経』に分けられ、

経絡上に乗っているツボは約360穴。

今日はその360穴の1つ、『三陰交 さんいんこう』をご紹介します!

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『足の太陰脾経 たいん・ひけい』と、『足の厥陰肝経 けついん・かんけい』と、

『足の少陰腎経 しょういん・じんけい』という

3つの陰経が交わるところにあるのが『三陰交』。

このツボは、3つの経絡が治す症状たちに係わることができるので、

すごいっ!!!

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『三陰交』の位置は、

足の内くるぶしの頂点から指4本ほど上で、

脛骨(けいこつ)という骨の後ろ。

ツボを押すとウッ!と圧痛があり、

少しでもずれると圧痛が和らぐので、見つけやすいツボです。

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強い冷えなどには…

灸頭鍼(きゅうとうしん)。

強い生理痛や生理不順などには…

皮内鍼(ひないしん)。

皮膚の1mm下に、皮膚と平行に小さな鍼をして、

医療用テープで固定します。

違和感はありません。

1~4週間ツボを刺激し続けることにより、症状を改善します。

足のむくみにもOK!

『三陰交』に鍼をしたまま…

棒灸もします。 (写真はツボが違います)

ご自宅でお灸をして頂くときには…

台座灸も使います。

いろいろな手法を使うツボって珍しい気がします。

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経絡には『陰経』と『陽経』があり、各々ペアになっています。

ツボ自体もペアになっているものがあり、

『三陰交』の相手は『懸鐘 けんしょう』。

足の外くるぶしの上にあります。

この2つのツボに同時にお灸や鍼をするのを、

『貫抜きの灸』とか『抜き打ちの鍼』と言います。

2つのツボを通して陰陽のバランスを整える!というイメージです。

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これからぐっと寒くなる季節に入りますが、

冷え症さんは、『三陰交』のある足首を冷やさないように、

ハイソックスやレッグウォーマー、ブーツなどを履くことをお勧めします。

体のしくみあれこれ~寒さに立ち向かう体熱のしくみ

寒くなってきましたねぇ~。

一日中、出歩く時は貼るホッカイロがかかせなくなりました。

エアコン、電気カーペット、ファンヒーター、ストーブ、こたつ…。

部屋を温めてくれる暖房器具が充実し、

真冬だからって、たくさん重ね着をする必要もなくなりました。

小さい頃はハンテンを着ていたなぁ…。

*          *

ヒトは恒温動物(こうおん・どうぶつ)であり、

外気温が変化しても、体温はある範囲内に保たれています。

寒い時には、体温が外気温にひきずられて下がらならないように、

体内の熱の産生を多くし、また、体内の熱の放散を抑えます。

ということで、今日は体内の熱のしくみについてご紹介します。

*           *

生理学の本によると…、

体内で熱を作る(=産熱)方法は5つ。

1.基礎代謝量

基礎代謝量とは、

『目が覚めている状態で、心臓の拍動や呼吸、筋肉の緊張など

生命を維持するのに最小限必要な代謝』のこと。

この基礎代謝の際に、体内に熱が発生する!

2.筋活動による産熱

運動時には筋肉が動き、熱が発生する。

運動の内容にもよるでしょうが、運動による筋肉の熱産生が

体の全産熱量の約90%に達することもあるとか!

小学校のプール開きでプールの水が冷たーくて、

体全体や唇が小刻みに震えたことはありませんか。

これは『ふるえ産熱』といって、

寒い時に筋肉が無意識に細かく震えて熱を起こす現象です。

3.食事誘発性産熱反応

難しい言い回しですね。

食事をして数時間は、食物を分解するために消化管の運動が高まり、

熱が発生します。

4.非ふるえ産熱

代謝を高めて行う産熱のことを『非ふるえ産熱』といいます。

肝臓などの臓器で起こるそうです。

肝臓は、糖やたんぱく質などの栄養素を取り込んで

体に必要な物質に作り変えています。

その時に熱が発生します。

肝臓がブルブル震えて熱を発生するわけではありませーん!

5.ホルモンの作用

ホルモンの中には、代謝を促進させる作用を持つものがあります。

例えば黄体ホルモン(おうたい)。

女性の場合、排卵直後から生理が始まるまでの間、基礎体温を上昇させます。

*          *

寒い時には体内の熱をより多く作り出すだけでなく、

その熱を体内から放散するのを抑えようとします。

体内で作られた熱は主に血液によって全体に運ばれます。

寒いと皮膚の血管が縮まり、皮膚の血流が減り、放熱を防止します。

ヒトではあまり役立ちませんが、体表のうぶ毛が逆立って空気の層を

厚くすること(=鳥肌)により、放熱を防止できます。

*          *

久々に難しい話でしたでしょうか。

体の外から温めるものに依存しすぎず、

ウォーキングなどの運動や栄養のバランスのとれた食事で、

体の中からも温めたいですね。

私の相棒、鍼の道具たち…その2

前回に引き続き、今回も鍼灸の鍼の話です。

鍼の素材はステンレスが主流ですが、銀メッキや18金を使用した鍼もあり、

それなりの値段がします。

 

 

持ち手(太いところ)がステンレスのものもあれば

プラスチックのものもあります。

私は持ち手も鍼の部分もステンレス製のものが使いやすく、

すべて使い捨ての鍼で、お一人の方に使ったら廃棄しています。

 

 

鍼の太さは、00番が0.12mm、0番が0.14mm、1番が0.16mm

と、太くなるほど番手数も大きくなります。

鍼灸師によって、使う太さは様々。

私は1番、3番、5番を主に使います。

体の部位や、患者様の体調・体質等によって、使い分けています。

 

 

鍼の長さは3分(10mm)、1寸(30mm)、1寸3分(39mm)、

と、『寸 すん』と『分 ぶ』の単位で表します。

この写真で一番短いのが3分(10mm)。 長いのが2寸5分(75mm)。

短い鍼は顔などデリケートな皮膚のツボに、

長い鍼はお尻の奥の筋肉が痛い時(ふくよかな体型に対応)に使っています。

鍼灸師それぞれに使いやすい鍼の長さがあり、

私の手の大きさでは、1寸3分(39mm)が一番使いやすい!

 

 

これらは一般的な鍼ですが、特殊な鍼もたくさんあります。

私の手元にある鍼だけご紹介します。

 

 

皮内鍼(ひないしん)。

この写真のものは、直径0.14mm、長さ5mm。

 

 

見えますか~?

鍼のリングのところをピンセットではさみ、

皮膚の1mm下を、皮膚と平行に2~3mm刺し、

 

 

医療用のテープに切り目を入れて、鍼の『枕』を作り、

 

 

 

 

その上から医療用テープで固定!

鍼を横に刺しているので、違和感はまったくありません。

途中で張り替えますが、1週間~1ヶ月間して、

長い間ツボに刺激をし続けることができます。

生理痛や生理不順など婦人科の症状で、

血の巡りを改善したい時によく使います。

 

 

円皮鍼(えんぴしん)。

円形のシールの中央に鍼がついています。

この写真の鍼は直径0.2mm、長さ0.9mm。

見えませんよね~。

筋肉がガチガチで痛みが強いときなどに1~2週間、張ります。

 

 

最後にご紹介するのは、灸頭鍼(きゅうとうしん)。

 

 

普通に鍼を刺し、台紙を挟みます。

手に持っているのは、灸頭鍼用のモグサ。

穴が開いている。

鍼の握り手の部分にこのモグサを差し込み、

 

 

チャッカマンで点火!

頑固な、強い腰痛や冷え症、五十肩などに用います。

鍼の刺激とお灸の輻射熱で治療効果バツグンです!

 

 

おぉっ!

今回もふんだんに写真を載せたら、長々としたブログとなりました。

写真撮影は趣味ではありませんが、

どんなアングルで撮ったらわかりやすいかな…と

考えながら撮るのはおもしろいですね。

次回は『中国留学思い出し日記』のコーナーで

『七星針』という鍼をご紹介します。

今日書ききれなかった『鍼のよさ』もその時にお伝えします!

3回連続して鍼の話となりますが、おつきあい下さい…。

 

『冬構え』の鍼灸レシピ

皆さんの住む街は、秋まっただ中ですか。

私が住む街は、10月上旬まで数匹のツクツクボウシが鳴いていました。

秋と春が短くなり、『寒い』か『暑い』か極端になってきている。

鍼灸に来られる方とよくそんな話をします。

秋には、寒い冬に適した体に少しずつ変わり、

春には、暑い夏に適した体に少しずつ変わる。

秋と春も大切な季節だと思うのですが…。

               *

冬は外気温が低い上に、他の季節よりも活動性が減り、

体の中から熱を発することも減りがち。

冬が来る前、秋にエネルギーをしっかり補給したくなります。

鍼灸を仕事にしている私は、『お灸』での補給。

『冷え症』によく使うツボにお灸をして、血の巡りをよくします。

血の巡りのいい状態を維持するために、

お灸を毎日するか、隔日か、頻度を決めます。

               *

外の寒さに自分の体も引きずられないように、

今から抵抗力もつけよう!とウォーキングをすることに…。

早朝、意気込んで起きたら雨の音。

三日坊主以前の0日坊主!?