コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

生理痛・生理不順の鍼灸レシピ

前回のブログで、生理痛の原因について書かせていただきました。

今日は、生理痛や生理不順に対して、どんなふうに鍼や灸をするのか、

当鍼灸院での治療方法をご紹介します。

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前回、お話したように、体全体の血の巡りをよくすること、

他の気になる症状も治し、体調・体質を整えることが、

生理痛や生理不順の治療にもかかせません。

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当鍼灸院では、生理の状態だけでなく、

体全体・日常生活など幅広く問診させていただき、

全身治療で体調・体質を整えながら、

生理痛や生理不順を改善します。

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具体的には…。

軽く鍼をしたまま、箱灸や棒灸をします。

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箱灸はこんなお灸。

五合升の底に直径10㎝の穴が開いています。

腰やお尻・下腹部に当てます。

熱くはありません。

じんわりと体の芯まで温かさが伝わります。

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棒灸はこんなお灸。

皮膚から3~5㎝離した位置で温めます。

うつぶせでお尻に箱灸をしながら、足に棒灸をして、

血の巡りをよくします。

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灸頭鍼(きゅうとうしん)といいます。

血の巡りをよくするツボに鍼をして、

その先にモグサをつけて、お灸をします。

熱くはありません。

鍼刺激と灸の輻射熱による複合的な効果があります。

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一円玉の上にある鍼、『皮内鍼 ひないしん』といいます。

皮膚の1㎜下に、皮膚と水平に2~3㎜程度刺して、

医療用テープで固定します。

まったく違和感はありません。

1週間~1ヶ月間、ツボを刺激して、血の巡りをよくします。

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生理痛や冷えが強い方には、自宅でのお灸をおすすめします。

『台座灸 だいざきゅう』といいます。

台座の上にモグサが固定されています。

台座の底にはシールがついているので、どこのツボでもOK!

やってみる!という方には、

治療後、その方にあったツボに台座灸をご自身でやって覚えていただきます。

そのツボの位置やお灸の注意点などを書いた

小冊子『お灸の話』をお渡しします。

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下腹部つまり、子宮や卵巣全体をまんべんなく温めたいときは、

棒灸をおすすめします。

操作は簡単で安全です。

ご自宅でのお灸は、最初は毎日。

生理痛や冷えが改善してきたら、頻度を減らします。

また、仕事や家事が忙しくて、生理痛や冷えが悪化しそう!と思ったときには、

なんとか時間を作って、じっくりと温めなおす!

体調にあわせて、お灸もうまく使っていただけたらなぁ…と思っています。

               

               

特集むくみ ~むくみの鍼灸レシピ

むくみ特集 最終回!

むくみに対しての鍼灸治療をご紹介します。

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むくみの特集第2弾と第3弾で、むくみの原因について、

ズラズラズラ~っと書きましたが、原因って様々…。

ていねいな問診や触診で、原因をつきとめ、

バランスの崩れている経絡(けいらく)を見つけ出します。

むくみを改善するために、その経絡の流れをよくするわけです。

そこで鍼灸登場!

その経絡上にあるツボに鍼や灸で刺激します。

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コテコテの東洋医学の話になります…。

『経絡』は、全身に張りめぐらされた道で、

気(エネルギー)や血を体の上下・内外に運び、

全身を栄養したり…、

五臓六腑とも交流し、臓腑の機能を調節する…、

と考えられています。

『五臓』っていうのは、肝・心・脾・肺・腎。

『六腑』は、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦(さんしょう)。

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水分代謝に大きく係わっている臓腑は、

脾・三焦(実際にはない臓器です)・肺・腎。

ということは、この臓腑をつかさどっている経絡、

そして、その経絡の上にのっているツボたちも

むくみの鍼灸治療にとっても大事!

(う~、説明するのが難しい…)

(わかっていただけるかなぁ…)

               *

私は、リハビリの仕事をしていた20代の頃、

さんざん腰を痛め、鍼灸院に通っていました。

「私の内くるぶしはどこ?」っていうぐらい、

ヒザから下のむくみもひどかった!

鍼灸院の先生に、もぐさのひねり方を教えてもらい、

毎日、『足三里 あしさんり』と『三陰交 さんいんこう』というツボに

お灸をしていました。

今はちょこっと内くるぶしがあります。

ありゃ~、絵が傾いてすみません。

おっ、今度はまっすぐ!

この2ヶ所にお灸をすると、足の血行がよくなり、

足の疲れもとれますよ。

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長々と続いたむくみ特集。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

はりきゅう雑話~腰痛治療 その1

腰痛特集も今日が最終回。
鍼灸治療と、自分でできる治療法をご紹介します。

東洋医学では、気(き)、血(けつ)、津液(しんえき)が、
経絡(けいらく)という特殊な通路を通って全身に流れることにより、
正常な機能が営まれていると考えています。

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  ツボ・モデルくん、登場。
  

足の太陽膀胱経(あしの たいよう ぼうこうけい)という経絡。
目頭の外から始まり、ひたい、頭頂と上り、
後頭部、うなじ、背中(背骨の外側を2本平行に走っている)、
腰、おしりの中央、脚の後面と下り、
外くるぶしの外側を回って、足の小指外側に至ります。

この経絡は、腰も通っているので、腰痛治療によく使われます。

人体の経絡の中で一番長く、
この経絡の上にツボが片側67穴、左右あわせて134穴あります。
ツボ・モデルくんは、左側しか経絡が書いてありません。

これらのツボの中から、反応のあるツボをみつけて、そこに
鍼や灸をすることにより、この経絡の流れを改善させます。

すると、血流がよくなり、筋肉もほぐれ、腰痛も改善します。

鍼灸師によって、治療方法は様々です。
私は、問診、姿勢・動作分析、触診を行い、
先に述べた「足の太陽膀胱経」のツボや、
それ以外のツボに鍼や灸をします。
背中、おしり、太ももの外側・後ろ、ふくらはぎ、腕、おなかにあるツボなど。

鍼治療は、ツボに鍼を刺してから、すぐ抜く方法や、
20分ほど刺したままお灸をする方法など、
そのツボの状態や、その方の体質・体調にあわせて、
方法を決めています。

横になっていても、筋肉が緊張していると、
チクッと筋肉が痛いことがありますが、一瞬です。
その後は20分程そのままにしていても、ほとんど何も感じません。

少しずつ血流が良くなり、筋肉がほぐれてくるので、
体が重く感じることはあります。

お灸は、箱灸(はこきゅう)や棒灸(ぼうきゅう)を使います。
熱くはありません!
約15分間、背中やおしり、脚をじんわりと芯まで温めます。
腹筋も緊張している時は、おなかにも鍼や灸をします。

今まで、痛みが長く続いたり、強かったり、
腰に負担がくる仕事などをしていると、元に戻りやすいので、
最低でも週1回、1~2ヶ月間、集中して鍼灸をされることをおすすめします。

鍼灸がくせになることはありません。
鍼灸治療は、人体が持つ自然治癒力を活性化することにより、
症状を改善していきます。

常時、経絡の流れがよくなれば、血流もよくなり、
筋肉の柔軟性も出て、身体的ストレスや精神的ストレスを受けても、
腰痛が悪化しにくい、出にくい体に変わってきます。
そうすれば、治療の間隔を減らしていきます。

体型的に腰を痛めやすい方や、仕事柄どうしても腰に負担がかかる方は、
腰痛がなくなっても、予防という点から、1~2ヶ月に1回程度、
メンテナンス(調整)に来られることをおすすめします。

東洋医学や鍼灸に興味があっても、鍼が怖い~!という方は、
箱灸や棒灸から始められたらいかがですか。
鍼とお灸のセットほどではありませんが、筋肉はリラックスし、
気持ちがいいですよ。

おおーっ、鍼灸治療のご紹介だけで長いブログとなりました。
一緒に説明しようとした「自分でできる腰痛治療」は、
次回にさせていただきます。
すみません。

福岡で女性専門の鍼灸院をしています。
ホームページに箱灸と棒灸の写真を載せているので、
よろしかったら、ご覧下さい。

レディース鍼灸ことう
http://www.ladies-kotou.com/about.html

体のしくみあれこれ~腰痛の原因

腰痛改善のために、当鍼灸院に来られる方は多いですね。
腰痛と一口に言っても、原因は様々。

一番多いのが、筋肉の疲労。
筋肉が硬くなり、
筋肉の隣にある血管が圧迫されて、
血流が悪くなります。

血管の中の血液が、体の細胞ひとつひとつに
酸素を運んでいるので、
細胞への酸素が不足してきます。

この酸素不足が続くと、
乳酸などの痛み物質が作られ、
痛み勃発!

他には、腰の骨や椎間円板(背骨と背骨の間にあり、
クッションの役目をしている)が痛んで変形すると、
背骨の中を通っている神経が圧迫されて、
腰痛や脚のしびれ、筋力低下などが生じます。

内臓(腎臓・子宮・卵巣・胃腸など)そのものの炎症や
病気があると、腰痛が起こることもあります。
横になっても腰が楽にならない時は、
内臓の異常が原因のことも。
生理の時の腰痛も、これに関連しているそうです。

人の脳には、もともと痛みの感覚を抑制する回路があります。
しかし、慢性的に身体的・精神的ストレスが続くと、
この回路がオーバーワークになって、
「痛み」に敏感になり、
普段は感じないはずの痛みが起こることもあります。

これは、心因性の痛みです。
生理中の腰痛は、先に述べた、内臓からくる腰痛だけでなく、
ストレスから、より痛みが強くなることも考えられるそうです。

当鍼灸院では問診や触診などで、
腰痛の原因を配慮して鍼灸治療を行っています。

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 手作り小冊子『腰痛の話』
 第2版がやっと完成!

今日はその中から、腰痛の原因を簡単にご紹介しました。

疾患別の小冊子を作り始めたのは、
西洋医学と東洋医学の、2つの観点からみた本が少ないからです。

当鍼灸院に来られた方に、該当する症状・病気の小冊子を
無料でお渡ししたい!と、少しずつ書いています。

次回は、できたてほやほやの小冊子『腰痛の話』から、
「生活習慣と腰痛」についてご紹介したいと思います。

福岡で女性専門鍼灸院をしています。
レディース鍼灸ことう  へはこちらからどうぞ…
http://www.ladies-kotou.com/

はりきゅう雑話~不眠と鍼灸

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 上に真っすぐ伸びていく枝って
 かっこいい!

「眠れない…」という悩みで
当鍼灸院に来られる方は今までいませんが、
問診をすると、「寝つきが悪い」とか、「眠りが浅い」とか、
「早朝、目が覚めてそのまま眠れない…」と訴えられる方がいます。

不眠の原因はさまざま。
眠る直前まで、心配事や悩み事など考え込んだり、
頭をかなり使う仕事や課題をしたりすると、
脳が緊張し続け、寝つきが悪くなる…。
私の場合は夕方以降に濃いコーヒーをガブガブ飲むと
夜中まで目が冴えて大変!

前回ブログで書いた『日内リズム』。
平たく言えば『体内時計』。
だいたい決まった時間に眠くなり、
ある程度の時間眠ると目が覚めるのは、
この『日内リズム』が体の中に備わっているおかげ。
ただ、休日前夜に夜更かしをし、休日に遅くまで寝ていると
このリズムが崩れ、眠くなるタイミングがずれてしまうことも。

足の裏、かかとのふくらみの部分の中央にある、
『失眠 しつみん』というツボ。
『失眠』とは、中国語で『不眠』という意味。
症状がツボ名になっているのは、とても珍しい。
ここに棒灸という、熱くなくほどよい温かさのお灸をします。

不眠の方は心のモヤモヤや眠れないストレスで、
首や肩、背中の筋肉がカチコチになっていることも。
鍼や灸で硬くなっている体をほぐすと、
心もリラックスしやすくなります。

心がモヤモヤになるほどの、精神的ストレス。
そのストレスにどう対応するか…。
眠りを呼び戻すために、心自体もほぐしたいですよね。

以前読んだ雑誌で、とても心に残っているものをご紹介。

6つのストレス対策。

1.闘う
問題解決のために、とにかく行動し、ストレスとなることを解消。

2.忘れる
どんなに考えても答えが出てこないストレスや、
多くのストレスに心が押しつぶされそうな時、
一時的に別のことをして、ストレスになることを考えない。
距離を置くことにより、別の視点で見えてくることも。

3.開き直る
ストレスに対して見方を変えると、
そのストレスがどうでもいいことに見えてくることも。

4.避ける
必ずやらなければならないことは、そうはいきませんが、
避けて通れるものなら、ストレス対象に近づかない。

5.浸る
ストレスによる悲しみ、つらさ、怒りなどの感情に
思い切り浸ってみる。
その後、気持ちが晴れ、乗り越える力が沸いてくることも。

6.小分けにする
大きなストレスを一度に解決しようとせず、
できることから、ちょっとずつ、気長に解決していく。

この6つのストレス対策。
自分は無意識に使い分けているように思いますが、
皆さんはいかがでしょうか。

福岡で鍼灸師をしています。
鍼灸治療を通して、心と体のバランスを整えることも
大事だと思っています。
レディース鍼灸ことう へはこちらから。
http://www.ladies-kotou.com/