コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

汗にまつわる鍼灸の話。

 

 

 

 

 

 

 

手のひらをこすりあわせて…、

 

 

 

 

 

 

 

円柱状にして、それを指先でひねって円錐形にして…、

 

 

 

 

 

 

 

ツボにのせて、線香で火をつけます。

 

 

これは、『点灸 てんきゅう』というお灸の方法です。

ツボや症状にあわせて、この工程を5~何十回と繰り返します。

 

 

 

 

昔は皮膚に直接、モグサをのせていました。

今は、灸点紙(きゅうてんし)というシールをツボの上に貼り、

その上にモグサをのせてお灸をします。

皮膚に跡が残りません。

 

鍼灸の学校では、この『点灸』をよく練習しました。

『時間内に点灸を30回繰り返す』という、実技テストもありました。

自宅で練習するときは、時間内にできるのに、

試験になるとダメ…。

手に汗をかくと、モグサがパサついて、まとまらない!

何度、追試を受けたことか…。

おっとっとー、また前置きが長くなってしまった!

 

今日は、汗の話。

汗には2種類あります。

1つは、『温熱性発汗』。

外気温が上昇すると、手のひらと足底を除く

全身に汗をかきます。

体の熱が発散され、体温が一定に保たれます。

今の時期には、とっても大切な機能ですね。

 

もう1つは、外気温には関係なく、

精神的な緊張で起こる『精神性発汗』です。

手のひら、足底、脇の下に汗をかきます。

先ほどの試験中の汗は、これですね。

 

東洋医学でも、原因や症状によって、

汗を分類しています。

ちょこっと、ご紹介します。

 

『自汗 じかん』

作業や暑さとは関係なく、汗をよくかきます。

『盗汗 とうかん』

寝汗のこと。

『大汗』

大量の汗をかくこと。

『戦汗』

大量の汗が出ると解熱し、症状が改善する…。

そんなときの汗です。

部分的に出る汗は、『頭汗』 『手足心汗』があります。

 

こんなに、汗の名称があるということは、

東洋医学でも汗は重要視されているってことですね。

各々の汗の原因や状況、そして全身状態にあった

ツボを選び、鍼やお灸をします。

 

暑い日が続きますね。

こまめに水分をとって熱中症に気をつけましょう!!!

 

ツボのしりとり~その2

昨日と今日、福岡は空気がひんやりとして、

過ごしやすかったです。

上陸しそうだった台風が温帯低気圧に変わったから???

以前、福岡は台風が、よく上陸していました。

風が強い時は、傘をさしきれないので、

レインコートを着て、歩いて出勤していました。

看板などが飛んできそうで怖かったなぁ…。

 

 

さぁて、今日のしりとりは、『台風』の『風』からスタート!

『風』がつくツボは、『風市 ふうし』 『風池 ふうち』

『風府 ふうふ』 『風門 ふうもん』 ……。

えーっと、『風池』にしよう!

ツボの名前には、すべて由来があります。

このツボのある部位は、少し窪んでいます。

それを『池』に例えています。

体力が落ちると、ここから風邪(ふうじゃ)が入るので、

『風池』と名付けられました。

風邪(かぜ)だけでなく、頭痛、首こり、肩こり、背中のコリ、

などを治します。

さぁ~て、このツボはどこにあるでしょうか?

 

 

じゃじゃ~ん!

 

うなじです。

 

 

ガンガン冷房の効いた部屋で、このツボを冷やさないように、

襟のあるシャツを着たり、首にスカーフを巻くと、

寒さや風邪(かぜ)予防になります。

筋肉は冷えると硬くなるので、強い首こり・肩こりさんも、

ご注意を!

 

 

次は~~~、

『風池』の『池』!

ち…、ち…、ち…。

『曲池 きょくち』にしよう!

関節を曲げると、このツボのある部位に

窪みができます。

そのため、『曲池』と名付けられました。

のどや腕の痛み、皮膚のトラブル、などを治します。

さてさて、

このツボはどこにあるでしょうか??

 

 

じゃんじゃかじゃぁ~ん!

 

肘です。

長時間、パソコンなどを操作した時に、

このツボを押すと気持ちがいいです。

 

 

次でーす!

『曲池』の『曲』!

きょく…、きょく…、きょくきょく…。

『曲垣 きょくえん』 『曲骨 きょくこつ

『曲差 きょくさ』 『曲泉 きょくせん』 …。

よぉーし、『曲泉』にしよう!

このツボは、気(=エネルギー)や血(=栄養分)が

泉のように集まる特徴があります。

それで、『泉』という漢字がつきました。

関節を曲げてからこのツボを取るので、

『曲泉』と名付けられました。

脚のある関節の痛みや、婦人科の症状に

使います。

さぁて、このツボはどこにあるでしょうか?

 

 

じゃっ、じゅっ、じょ~っ!

 

膝の内側です。

 

 

すぐ近くに、『陰陵泉 いんりょうせん』や

『膝関 しつかん』というツボもあり、これらは

膝のトラブルの時に用います。

 

 

次はー、

『曲泉』の『泉』!

せん…、せん…、せ~ん…。

『湧泉 ゆうせん』にしよう!

このツボは、泉のように底から気や血が湧き出てくる

特徴があり、『湧泉』と名付けられました。

のぼせ、頭痛、不眠、全身疲労などを

治します。

このツボはどこにあると思いますか?

 

 

じゃじゃじゃでしょ~、

足の裏です。

 

 

ここに台座灸や棒灸をすると、

足の裏がほんわか温まり、

体全体がリラーックスしてきます。

気持ちいいですよ!

 

台座灸
台座灸
棒灸
棒灸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はしりとりをしながら、4つのツボをご紹介しました。

ツボの由来を知ると、ツボが取りやすくなり、

ツボの効能がなーんとなくわかります。

また、機会があったら、ツボのしりとり 第3弾に

チャレンジします!

お楽しみに!

 

『聞く』にまつわる、とりとめのない話…

今年は、早々と梅雨に入りましたね。

仕事場は緑に囲まれていますが、雨水を吸って

木々はより青々しくなってきました。

 

最近、窓を開けているからか、

小鳥のさえずりをよく聞きます。

聞きなれない鳴き声を聞くと、

鳥の鳴き声に詳しい人が鍼灸治療に来てくれないかな~

と思います。

 

さて、今日は『聞く』ことについて書いてみまーす!

 

 

絵を描くのは久しぶりです。

なんだかわかりますか?

左端が耳。 右にいくと鼓膜があり、その右奥が内耳。

聴覚をつかさどるのは、『耳』。

耳の奥の『内耳 ないじ』にある

『蝸牛 かぎゅう』が音をキャッチします。

 

話しはそれますが、

耳にはもう1つ、感覚器があります。

それは、体の位置の変化、特に頭の位置の変化を

感じとる平衡感覚です。

この平衡感覚を手ががりに、

私たちは体のバランスを保つことができます。

 

この感覚は、蝸牛の上にある、『前庭 ぜんてい』と

『三半規管 さんはんきかん』で、感知します。

 

 

 

 

耳周りにはツボがいっぱい!

耳のトラブルのときに使うだけでなく、

こめかみあたりのツボは片頭痛のときに

よく使います。

 

ところで、

東洋医学の診断方法に、『聞診 ぶんしん』があります。

声量、話し方、呼吸方法、咳の仕方、しゃっくり、などを

聞いたり、体臭などを嗅いで、

患者さんの状態を把握します。

 

当鍼灸院はマンションの一室で治療しています。

インターフォン越しに、「〇〇です」と名前を

告げられた時、声量や声のトーン、話し方で、

だんだん元気になってきたなぁ…と感じます。

鍼灸治療をする側は五感をフル活動させて

治療に臨んでいるんですよ!

といっても、これは特別なことではありません。

皆さんが家族や仕事先の方などと電話中、

「あれっ、鼻声だな…、風邪を引いたのかな…」って

思うことがありますよね。

知らず知らずに聴力をフル活動させているんですね。

 

『聞く』といえば、

昨日スーパーで中国人の親子の会話が耳に入ってきました。

留学中はさんざん聞いていた中国語も、今は聞く機会がなく、

懐かしくて、レジではその親子の後ろに並んでしまった!

皆さんは外国語の勉強が得意ですか?

私はまったくダメ…。

留学3ヶ月目に、夢の中、中国語で話しかけられ、

「何を言っているのかわからないよーーーっ!」と

逆切れしました。

留学先で知り合った日本人にそのことを話すと、

「夢の中に中国語が出てきたら、一歩前進だよ」

そう言われました。

しかし、

夢の中で相手が正確な中国語を話していたかは、

定かではない…。

 

しりとりツボ~その1

 

ゴールデンウィーク中、福岡は晴天!

冬物の洗濯をしまくり、あっっっという間に

過ぎちゃったなぁ~。

おっ!

今日は、『晴』のつくツボからスタートしよう!

 

 

『睛明 せいめい』

あっ! ばれちゃいました?

『晴』ではなく、『睛』。

中国語で『ひとみ』という意味です。

学生の頃、よく書き間違えていましたハハハァー!

まあ、細かいことは置いといて、

ツボの話のはじまり、はじまりぃ~。

 

 

赤いラインは、『足太陽膀胱経絡 あし・たいよう・

ぼうこうけい』という経絡。

経絡は、全身に張り巡らされた通路のようなもの。

その上にツボがのっている!

『睛明』は、この経絡の一番目のツボです。

 

 

 

 

『睛明』は、目頭と鼻の間にあります。

目が疲れたときに、このツボを押すと気持ちがいい!

 

 

さて………、

代表的な経絡、12本は、すべてつながっています。

『睛明』とつながっているのは、『聴宮 ちょうきゅう』。

このツボは、『手太陽小腸経 て・たいよう・

しょうちょうけい』という経絡の最後尾にあります。

経絡は栄養分とエネルギーを全身に送っていますが、

その流れ方が決まっています。

小腸経→膀胱経 と流れます。

 

 

 

 

『聴宮』は、耳たぶの前にあります。

字のごとく、耳のトラブルに使うツボです。

 

 

さてさて………、

顔ツボの中で、

効能がわかりやすいツボは、他には、

『承泣 しょうきゅう』かな?

黒目の下にあります。

『承』は受ける、『泣』は泣くという意味です。

涙を受け止める場所なので、

このような名前が付きました。

目のトラブルに使うツボです。

 

 

このツボは、『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』

という経絡の一番目!

この経絡は、五臓六腑の胃ともつながり、

胃の症状を治すときにも使われます。

 

 

胃の症状を治すといえば………、

『胃の六つ灸 いのむつきゅう』があります。

膈兪(かくゆ)、肝兪(かくゆ)、脾兪(ひゆ)というツボの

左右6個にお灸をします。

 

 

これらのツボは、『足太陽膀胱経』の上にあります。

背中の3本のラインの、真ん中です。

『膈兪』はウエストの切り替え部分から、

上に6個目。

食道に近いです。

『肝兪』は、同じく上に5個目。

『脾兪』は、同じく上に3個目。

この2穴は、胃のあたりです。

これは、昔から伝わる灸法です。

 

 

昔から伝わるといえば………、

『逆子の灸』があります。

足の小指にある『至陰 しいん』にお灸をして

逆子を治します。

今でもよく使われています。

『至陰』は、『足太陽膀胱経』という経絡の最後尾に

あたります。

 

 

おーっ! やったぁー!

「1つの経絡の最初のツボで始まり、

最後のツボで終わる、しりとりブログを書こう!」

そう思いついたのはいいが、原稿を書くのに時間が

かかってしまった!

ごちゃごちゃ、しすぎちゃったかな??

でも、楽しかったので、機会があったら、

『しりとりツボ~その2』にチャレンジします!!!

 

むくみと鍼灸と経絡と五臓六腑の関係

今月のお灸教室のテーマは、『むくみ』。

予習をしていました。

それを皆さんに、おすそわけ!

 

むくみについては、ブログで何回も取り上げてきました。

今回は、五臓六腑に注目しながら、

むくみについて書いてみます!

よろぴくぴくぅー!

 

私たちの体の中の水分は、体重の約60%。

その水分のことを東洋医学では、

『津液 しんえき』といいます。

五臓六腑の中の『脾 ひ』は、口の中から取り込んだ

飲食物から、津液を作り出します。

脾の働きが悪いと、津液が滞って、

むくみの原因になることもあります。

ここでいう『脾』は、西洋医学でいう『脾臓』とは

若干働きが異なります。

 

赤いラインは、『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』

という経絡。

この経絡は、脾にもつながっています。

経絡は、全身に張り巡らされた通路です。

エネルギーと栄養分を全身に送っています。

 

むくみの鍼灸治療は…、

この経絡上のツボに鍼やお灸をする

     ↓

脾の働きが改善

     ↓

津液の滞りが改善

     ↓

むくみが改善

 

 

次にご紹介するのは、『腎 じん』。

体の中で利用され汚くなった津液は、

腎に運ばれてきます。

ここで、津液は、再吸収されたり、尿として膀胱に

運ばれます。

腎は、全身の水分代謝を調節しています。

腎の働きが悪いと、この水分調節がうまくいかなくなり、

むくみの原因になることもあります。

 

赤いラインは、『足少陰腎経 あし・しょういん・

じんけい』という経絡。

この経絡は、腎にもつながっています。

この経絡上のツボに鍼やお灸をして、

むくみを改善します。

 

 

最後にご紹介するのは、『膀胱』。

 

赤いラインは、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・

ぼうこうけい』という経絡。

この経絡は、膀胱にもつながっています。

尿という水分を体から排出するという点では、

膀胱も水分代謝に大きくかかわっています。

むくみの治療に、この経絡上のツボを使うこともあります。

 

 

こんなふうに、五臓六腑と経絡とツボの特性を

考慮しながら、鍼やお灸をしているんですよ。

東洋医学は、独特な考え方をします。

難しいけれど、おもしろい!