コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

寒風から守りたいツボ

1月も中旬に入り、寒さも本番!

この時期に気をつけたいのが、

『風邪 ふうじゃ』と『寒邪 かんじゃ』。

『風』も『寒』も自然界に当たり前に存在します。

それらが体内に侵入し、

病を引き起こす邪気(じゃき)に転じたとき、

『風邪』、『寒邪』と呼びます。

その風邪や寒邪が侵入しやすいツボがあります。

 

 

うなじにあるツボ、『風府 ふうふ』。

ツボの名前には由来があります。

『風』は風邪、『府』は集まるところ、という意味です。

ずばり、『風』の邪気が集まるところです。

ここに鍼やお灸をして、

カゼによる諸症状や、首こり、目の疲労などを治します。

 

これまた、うなじにあるツボ、『風池 ふうち』。

上の写真では『脳空 のうくう』の真下にあります。

『池』は浅い溝のこと。

このツボはちょっぴり窪んでいます。

『風』は風邪のこと。

風邪が入りやすいツボです。

このツボもカゼだけでなく、首こりや肩こり、頭痛、

目の疲労などにも効きます。

 

 

『風門 ふうもん』。

肩甲骨と背骨の間にあります。

右から2番目の線(=経絡)の、上から2個目。

『門』は出入りする門戸のこと。

風邪が侵入する門戸なので、この名前がつきました。

カゼ、首こり、肩こり、背中のコリなどの治療に用います。

 

体が疲れて抵抗力が落ちているときに、

これらのツボに寒風が入り込むと、

それらは『寒邪』、『風邪』となって、

ゾクゾクッと寒気を感じたり、熱が出たり、

鼻水がでたり、咳や痰がでたり…と、

カゼなどの症状を引き起こします。

 

寒風吹きすさぶ外で、マフラーをしたり、

カゼをひきそうかなって時に、タートルネックのシャツを着て、

風邪や寒邪からツボを守ってあげたいですね。

 

背中がゾクゾクする初期のカゼには、

左右の肩甲骨の間に、シャツの上から、

貼るホッカイロ(小さめのもの)を縦に貼るのもいいですよ。

温めて、体の表面にある風・寒の邪気を外に出します。

 

福岡は今シーズン、何回か雪が降りました。

皆さんの住む街はいかがですか。

カゼやインフルエンザだけでなく、

屋根の雪下ろし中の転落、路面の凍結による転倒や

車のスリップなど、積雪による事故にも気をつけましょう!!!

東洋医学の五色

まずご報告!

2月23日(土)に福岡市南区で開催する、

『女性のための鍼灸入門~カラダの潜在能力を引き出す

ツボ・パワー体験~』というセミナーですが、

あっという間に定員の10名に達し、

申し込みを終了いたしました。

 

当鍼灸院内で開催している『お灸教室』と同様、

鍼灸院の外でも、鍼灸に関するセミナ-などを

続けていこうと考えています。

また、企画したらブログでもお知らせします。

そのときは、ぜひご参加ください。

 

さてさて、

今日は、1月8日に開催したお灸教室での出来事を

書こうかなって思います。

その日は、初めてお灸教室に参加される方がいました。

 

ツボ・モデル君を持ちながら、

『お灸で症状が改善する理由』を説明すると、

「経絡の線の色は、何か意味があるのですか?」と

質問を受けました。

 

『経絡が見やすいように色をつけている』としたら、

『隣り合う経絡が同色なのはおかしい』と、

以前から思っていました。

……………………。

「あっ!五色だぁーっ!」

やっと気づきました。

 

古代中国では、

日常生活において不可欠な基本物質として、

木、火、土、金、水の五種類の物質をかかげました。

これを『五行 ごぎょう』といいます。

そして、五行の各々の性質に基づき、

この世の中のすべての現象と物質を

五行に振り分けました。

これを『五行説』といいます。

 

やがて、医学にも五行説を取り入れるようになりました。

東洋医学でいう『五臓』は、肝、心、脾、肺、腎。

『五色』は、青、赤、黄、白、黒。

これらを五行に振り分けると、

『木』は肝と青。

『火』は心と赤。

『土』は脾と黄。

『金』は肺と白。

『水』は腎と黒。

 

先ほどのツボ・モデル君の写真に

黄色の線は2本ありますね。

右側は脾経という経絡なので、黄色。

左側の黄色線は胃経。

脾経の相棒は胃経のなので、同じ色なんですね。

今、やっと気づきました。

鍼灸師なのに、は・ず・か・し~いっ!

 

 

ところで、色と言えば、

私は仕事場にたくさんの色つきペンや色鉛筆を

持っています。

「あなたの仕事って何だった?」とちゃかされます。

 

手作り小冊子を書いたり、

ブログに載せる絵を描くときに使います。

 

先日、この色鉛筆で描いた絵を貰いました。

みっちゃん、ありがとう!!!

クリスマスとツボ…

今日は12月25日。

クリスマスにちなんだ鍼灸をご紹介しまーす!

 

鍼灸修行で中国に留学中、驚いたことがあります。

クリスマスって、中国では無縁のことだと思い込んでいました。

実際は、

クリスマス・ツリーが飾られ、外資系のスーパーでは

店員がサンタクロースの格好をしていました。

 

クリスマスには西洋料理店へ行きました。

普段は単品料理のお店ですが、

この日はクリスマス・ディナー・コースのみ。

とっても割高!

腰かけてメニューを見るなり、帰る中国人続出!

おごりだから、私には関係ないけれど…。

小皿にのったクッキー→ホット・ミルクティー

→ヨーグルトがけのサラダ→ワイン→牛肉のステーキ

→鶏のもも肉のステーキ→ライス…。

次から次へと料理を持ってくるので、

テーブルの上に皿が乗り切らない…。

懐かしい思い出です。

 

おっ!困った!

クリスマスと鍼灸の接点がなさすぎる!

話しの展開がっ!

……………………… 。

そうっ!

クリスマスと言えばサンタクロース!

サンタクロースと言えば白い髭と

赤いコスチューム!

 

『白』のつくツボと言えば…、

おっ、結構あります。

メジャーなツボだけでも7個!

『俠白 きょうはく』 『四白 しはく』 『隠白 いんぱく』

『太白 たいはく』 『白環兪 はくかんゆ』

『浮白 ふはく』 『陽白 ようはく』。

その中からいくつかご紹介!

 

中国最古の医学書に、

『皇帝内経 こうていだいけい』があります。

その中に書かれている『五行説 ごぎょうせつ』。

五行は、木、火、土、金、水の5種類の物質のことです。

古代の中国人が、日々の生活の中で

不可欠な基本物質として、かかげたものです。

やがて、世界のすべての事象を、

この五行に当てはめるようになります。

青・赤・黄・白・黒の五色を五臓六腑に当てはめると、

青は肝、赤は心、黄は脾、白は肺、黒は腎とされています。

 

先ほどご紹介した、『俠白 きょうはく』というツボは、

手太陰肺経(て・たいん・はいけい)という経絡の上にあります。

この経絡は、五臓六腑の『肺』にもつながっています。

『俠白 きょうはく』というツボに鍼やお灸をして、

肺の症状を治します。

肺は五色では『白』なので、ツボの名前に『白』という字が

入っています。

 

『白』は『光』も意味します。

目の近くにある『四白 しはく』と『陽白 ようはく』というツボは、

目のトラブルを改善し、視界がよくなるので、

『白』という字がツボの名前に入っています。

 

さて、『赤』がつくツボですが…。

私が調べた限りでは見当たりません。

なんて中途半端な、クリスマスにちなんだツボの話!

すみません…。

 

今日はクリスマス!

目くじら立てずに、ゆるゆるホクホク気分でまいりましょう!

みなさん、メリー・クリスマス!

腰痛に帯脈(たいみゃく)…

今日は何を書こうかな…。

鍼灸本をぱらぱらとめくっていると、目に止まった『帯脈』。

よぉ~し!『帯脈』に決定!

 

東洋医学では、『経絡 けいらく』という通路が

全身に張り巡らされていると考えています。

『経絡』は、エネルギーと栄養分を全身に届けています。

『帯脈』は、その『経絡』の1つです。

 

ほとんどの経絡が、『陽』の経絡と『陰』の経絡と

ペアになっています。

しか~し、帯脈は違います。

相棒がいません。

また、ほとんどのツボが、経絡の上にあり、

各々の経絡に、各々のツボがあります。

しか~し、帯脈は違います。

帯脈独自のツボがありません。

他の経絡の上にあるツボをつないでいる経絡が帯脈です。

このように、陰陽の関係がなく、独自のツボがない経絡を

『奇経 きけい』といいます。

 

今まで紹介してきた経絡はすべて、

体に対して縦に走行しています。

しか~し、帯脈だけ違います。

 

じゃ~ん!

 

久しぶりに描いたツボ・モデル子ちゃん!

横向きって描きづらい…。

帯脈は、ウエストを横に1周しています。

そして、おなかや腰を縦に通る経絡を帯のように

束ねています。

 

ちなみにおなかと腰を縦に通る経絡は…、

 

おなか
おなか
せなか
せなか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このモデル君は片方の経絡だけ描いてあり、

縦中央の経絡以外は左右対称にあります。

 

帯脈がきつく締めつけられると、

縦の経絡の流れが悪くなります。

また、帯脈がだらりんこと力が抜けていると、

縦の経絡もだらりんこ…。

帯脈ってとても大事な経絡なんですね。

 

慢性腰痛やぎっくり腰などの強い腰痛の方は、

背筋だけでなく、わき腹やおなかの筋肉まで

がちがちになっていることも多いです。

そんなときは帯脈を緩め、縦の経絡への締めつけを取り除く

鍼灸治療を行います。

その結果、おなかや腰の筋肉が緩み、

腰痛が改善し、腰や骨盤が動かしやすくなります。

腰痛治療と予防には、背筋と、腹筋やわき腹の筋肉のバランスが

大事です。

それって、帯脈の状態を整えることに通じると思います。

 

今日も難しい話におつきあいいただき、ありがとうございます。

福岡はちょー寒いです!

皆さんの住む街もちょー寒いですか?

風邪をひかないように気をつけましょー!!!

東洋医学の診察法~四診法(ししんほう)

西洋医学の診察では、

レントゲン検査や血液検査など道具を用いますが、

東洋医学の診察では道具はなく、

視覚、聴覚、嗅覚、触覚などの五感を用います。

おおまかに4種類に分けられ、『四診法』といいます。

 

その1:望診(ぼうしん)

患者さんの顔色や表情、体格、姿勢、動作などを観察し、

病状を把握します。

 

その2:聞診(ぶんしん)

患者さんの音声や呼吸、咳などを聞いたり、

患者さんの体臭や口臭などのにおいを嗅いで、

病状を把握します。

 

その3:問診

患者さんに症状に関することや、日常生活の様子を聞き、

病状を把握します。

東洋医学は目の前の症状だけでなく、

バランスの崩れた体質も治すので、

日常生活など幅広く聞くことはとても大事です。

 

その4:切診(せっしん)

患者さんに直接触れて、症状を把握します。

切診は、脈診、切経(せっけい)、

そして前回のブログにちょこっと登場した腹診があります。

 

脈診は、患者さんの手首で、

動脈の拍動がわかる部位に触れて、

脈の数や拍動の仕方を診て、経絡の状態を把握します。

自分で自分の脈診をするときは、こんな感じ。

 

人差し指と中指と薬指で、軽く触れたときに感じる脈の状態で、

各々1本ずつ、計3本の経絡の状態を把握します。

さらに、少し押し気味に触れたときに感じる脈の状態で、

別の3本の経絡の状態を把握します。

この写真では、左手の脈で、

計6本の経絡を診たことになりますね。

右手でも同様に脈を診て、

左とは別の6本の経絡の状態を把握します。

左右合わせて、12本の経絡を診ます。

とーっても難しい診察法です。

 

切診とは、経絡に沿って指で触れて、

経絡の状態を把握します。

経絡の上にツボが乗っているので、

鍼やお灸に用いるツボを選定できます。

 

腹診は、患者さんのおなかに触れて、

硬さ、厚さ、動悸、圧痛、皮膚の潤い、皮膚温などを診て、

症状を把握します。

『健康なおなか』ってどんな感じだと思いますか?

東洋医学でいう健康なおなかは…、

おへその上は平らで、おへその下はふっくら。

硬すぎず、柔らかすぎず、適度な弾力があり、

適度な潤いがあり、おなか全体が温かい!

皆さんのおなかはいかがですか?

 

おなかにはたくさんのツボがあります。

下腹部の奥には、女性の場合、子宮と卵巣があるので、

生理痛、生理不順、子宮筋腫、子宮内膜症、不妊症、

更年期の症状など婦人科の症状には、

下腹部にあるツボにも鍼やお灸をします。

 

また、婦人科の症状では、バランスの崩れた体質を

元に戻すことも重要で、

そのために下腹部にあるツボなどに

ご自分で毎日お灸をすることをすすめています。

次回は、体質改善のためのお灸について

書いてみようと思います。 よろしくぅー!