コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

ツボの裏…

ツボの裏にツボがあるんです!

本当です!

有名なツボとしては、『裏内庭 うら・ないてい』。

足の甲で、人差し指と中指の間のつけ根ぐらいにあるのが『内庭』。

足の裏で、ちょうど『内庭』の位置に当たるツボが『裏内庭』。

食あたりなどの胃腸症状を整えたり、足の痛みなどを治す時に

鍼やお灸をします。

               *

他に、真裏にあるツボは、『裏合谷 うら・ごうこく』。

『合谷』は、手の甲、親指と人差し指の間にあります。

手のひらで、ちょうど『合谷』の位置に当たるツボが『裏合谷』。

鍼灸本で、裏〇〇とつくツボを調べてみると、

『裏期門 うらきもん』 『裏少商 うらしょうしょう』 『裏少衝 うらしょうしょう』

『裏商陽 うらしょうよう』と、けっこうある!

この4つのツボは、真裏にはありませんが…。

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表と裏の同じ位置にあっても、名前に裏がつかないツボもあります。

ぱっと思い浮かぶのが『内関 ないかん』と『外関 がいかん』。

手首の少し上にあります。

膝の内側と外側にあるのは、

『陰稜泉 いんりょうせん』と『陽稜泉 ようりょうせん』。

これらは、陰のツボと陽のツボの関係。

そもそも鍼灸治療では、

陰と陽のバランスを整えることが肝心であり、

この陰のツボと陽のツボを同時に、鍼やお灸をすることがあります。

各々のツボには特徴があり、治せる症状もツボによって違います。

鍼やお灸をする方の、症状や体質やツボの反応などを診て、

どのツボを使うか決めます。

ツボを触わると、、へこんでいたり、ざらざらしたり、ぷにょぷにょしたり、

反応は様々なんですよ。

最近のマイ・ブーム~棒灸(ぼうきゅう)

これはモグサ。

モグサの原料は、よもぎの葉の裏に密生している

白っぽい産毛みたいなもの。

ふわふわして、かぐわしい香りがします。

 

 

 

 

ツボにシールを貼り、

モグサを指でひねって円錐形にしたモグサをのせ、

さきっちょに線香で火をつけます。

このようにツボに直接お灸をする時は、

熱感がマイルドなほうがいいので、

100%原料だけの良質モグサを使います。

 

 

これもモグサ。

 

 

この棒灸の中味です。

棒灸はモグサを硬めに和紙で包んだもの。

皮膚から3~5センチ離して使うので、火力は強いほうがよく、

モグサに、よもぎの葉や茎などの不純物が入っています。

お灸の種類によってモグサを使い分けているんですよ。

 

 

この絵を描いたときは、あまりの下手さに、

ブログに載せるのをためらいましたが、

何回も登場させていると愛着がわいてきました。

『手陽明大腸経絡(て・ようめい・だいちょうけい)』という

経絡のモデル子ちゃん。

経絡には、『気(=エネルギー)』と『血(=栄養)』が

流れていると考えられ、各々の経絡には流れる方向があります。

この経絡は、人差し指のツメの横にある『商陽(しょうよう)』

というツボから始まり、ずずずぃーっと上がり、

鼻の横にある『迎香(げいこう)』というツボで終わります。

棒灸を、この経絡に沿って

腕の下から上へゆっくりと動かして温めると、

経絡の流れをよくするだけでなく、経絡の流れを誘導できます。

また、広範囲をじっくりと温めることができるのも、

私は気に入っています。

 

 

背骨の両脇や両脚など左右同時に温めたいので、

両手に棒灸を持ちますが、

利き手でない左手での操作も上手になりました。

中学生の頃、左手でも字が書けるようになりたくて、

授業中に練習をしていました。

「それは授業が終わってからやってね」と先生に言われましたが、

1番前の席でよくそんなことをしていたなぁ~と、

今は思います…。

ちなみに今でも左手では字は書けません…。

おっとっとー、話がそれました。

棒灸はお灸教室でも使っています。

どうぞ気軽に体験しに来て下さい。女性限定ですが…。

前回のブログでお灸教室のご案内をしていますよ~。

 

健康のバロメーター 『地倉 ちそう』というツボ

食べすぎたり飲みすぎた後に、

口角(唇の両端)の皮膚が荒れていたことはありませんか。

胃を覗き込んでいないのに、

「あーっ、胃に負担をかけてしまった…」って思いますよね。

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いきなり、グロテスクなツボ・モデル君の顔写真!

口角の横には、『地倉』というツボがあります。

ええっと…、鍼灸本によると、

『地』は土地のこと。

『倉』は食べ物を貯蔵すること。

古代中国人は、額(ひたい)を『天の庭』に例え、

頬(ほお)を『地』に例えたそうです。

頬と歯の間に食べ物がたまった様子を『倉』といったことから、

この名前がつけられました。

このツボは、『足の陽明胃経 ようめい・いけい』という

経絡の上にのっています。

名前のごとく、この経絡は、胃の働きにも関係しています。

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グロテスクなツボ・モデル君アーップ!

『足の陽明胃経』は、黄色の線です。

目の下の『承泣 しょうきゅう』というツボから始まり、

首の前、胸、おなか、太ももの前…と、

ずずずーっいと下ります。

膝から下のツボ・モデル君。 見づらい写真ですみません。

足の人差し指のツメの横のツボ『厲兌 れいだ 』で終わります。

途中、むこうずねに『足三里 あしさんり』というツボがあります。

胃の調子を整える時に、このツボに鍼やお灸をします。

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鍼やお灸って痛みやこりだけでなく、

内臓の調子も整えるんですよーっ!!!

東洋医学からみた『味』の話。

今年の冬のマイ・ブームはこれ。

甘栗。

なんだかわからないけれど、

小腹が空くと食べたくなっちゃう!

ちょいと東洋医学の本で調べてみると、栗の効能は…、

1.胃腸を丈夫にする。

2.腎を補養し、筋肉や関節を丈夫にする。

3.血行を良くする。

栗は水に溶けない『不溶性(ふようせい)食物繊維』が豊富!

大腸の動きが弱いために起こるタイプの便秘にはいいみたい。

便の量を増やして大腸の動きが活発になります。

ただし、栗は生でもゆがいても消化しにくいので、

食べ過ぎたり、よくかまずに食べると、

胃腸の負担になります。

ゆっくりと、よくかんで食べることがポイントのようです。

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さてさて、

東洋医学では、食べ物の『味』による体への影響を

5種類の味で表現しています。

『五味 ごみ』といいます。

1.辛味

発汗させ、気を巡らせる。 生姜やネギ、大根など。

2.甘味

栄養を補う。 カボチャやサツマイモなど。

栗も甘味ですね。

3.酸味

免疫力を高める。 酢、レモンなど。

4.苦味

気を降ろしたり、体の余分な水分を外に出す。

にがうりやごぼうなど。

5.鹹味(かんみ)

塩味のことで、血圧を高くする。 塩や昆布など。

これらは適量を取れば、体にとってプラスになりますが、

取りすぎれば、消化不良などマイナスになります。

他にも渋味・芳香・旨味・コクなど、食物の『味』はありますが、

バランスよく取ることが大切ですね。

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あーーーっ!

いつの間にか、お皿の甘栗がこれだけに…。

このブログの下書きに気を取られ、

ゆっくり、よくかんで食べたか覚えていない…。

しか~し、おいしかった…。

満足! 満足!

東洋医学からみた『気』の話。

東洋医学の考えで登場してくる、『血 けつ』 『津液 しんえき』 『気』。

体の臓腑やすべてのパーツが活動していくために、この3つはかかせません。

『血』は血液のこと。

『津液』は体内の水分のこと。

『気』はエネルギーのこと。

今日はその中で1番イメージしにくい『気』について書いてみます!

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『気』の代表選手は4人。

1人目は『原気 げんき』。 『元気 げんき』ともいいます。

元々は、両親から受け継いだエネルギー。

飲食物(口の中に取り込んだもの)から得られるエネルギーで

補給されます。

生命活動の原動力となるものです。

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2人目は『宗気 そうき』。

肺において、飲食物から得られるエネルギーと

酸素が合わさってできるエネルギー。

心と肺の活動を支えています。

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3人目は『栄気 えいき』。

飲食物から得られるエネルギーで、

臓腑や体のパーツの活動を支えています。

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4人目は『衛気 えいき』。

これも飲食物から得られるエネルギーで、

体の表面で活動し、皮膚を温めたり、

外邪(がいじゃ)の侵入を防ぐ働きをします。

気候の変化が著しい時に、体調を崩すことがありますね。

その原因を外邪といいます。

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この4人の代表選手以外にも、

『真気 しんき』 『臓気』 『経気』 『胃気』という選手がいます。

控え選手ではありません。

いつも活躍しています!

気の名前は、働いている場所や働き方によって違います。

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体の中に張り巡らされている『経絡』は、『血』と『気』の通路であり、

全身に栄養やエネルギーを送っています。

鍼灸治療で『経絡』の流れが良くなるということは、

『気』の流れも良くなるということ。

エネルギーが体の隅々までしっかり送られます!

『気』って、わかりにくいヤツですが、

東洋医学ではとっても大事な存在なんですよ。

今日は難しい話におつきあいいただき、ありがとうございました!