コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

【動画で見る!ツボの取り方】婦人科の症状や自律神経の乱れ、足先の冷え、目の疲れなどに働きかけるツボ『太衝 たいしょう』

『太衝 たいしょう』というツボは、『足厥陰肝経 あし・けついん・かんけい』(赤いライン)という経絡の上にある。『太』は、『大きい』という意味。『衝』は、『要衝』のこと。『太衝』は、『足厥陰肝経』にとって重要なツボに当たる。

 

『足厥陰肝経』という経絡は、体内で『肝』とつながっている。肝の働きには、『血の貯蔵』と『血量の調節』がある。そのため、PMS(月経前症候群)・生理痛・生理不順・無月経・更年期症状など婦人科の症状や、高血圧、足の冷えの治療に、ツボ『太衝』は用いられる。

また、肝は精神活動とも深く関係している。イライラ感、不安感、ストレス、不眠、自律神経失調症などがあり、情緒を安定させたい時、『太衝』に鍼やお灸をする。

頭痛やのぼせ、めまい・耳鳴り・目の疲れにも用いられ、このツボの活用範囲は広い。肝の働き自体が、多岐にわたっているからなぁ…。

肝の働きについては、ブログ『特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑲~足厥陰肝経』を見てね。ツボや経絡の働きを知ると、どのツボを使おうか、選びやすくなるよ。

『イライラする』『そわそわする』『うじうじする』『ふわんふわんする』『ドヨ~ンとする』『ハァーッとため息…』そんな気持ちを切り替えたい!立て直したい!何とかしたい!時に、『太衝』もいいし、『内関 ないかん』もいいよ~。

ツボ『内関』は腕にある。詳しくは、ブログ【動画で見る!ツボの取り方】自律神経を整えるツボ『内関  ないかん』をご覧くださ~い。 

『太衝』は足の甲にあり、ツボの取り方は『内関』よりも簡単。『太衝』にセルフお灸をしてみたい方は、下記のツボ取り動画をどうぞ!

 

【動画で見る!ツボの取り方】足先の冷えや足の甲の痛み、偏頭痛に働きかけるツボ『足臨泣 あしりんきゅう』

『足臨泣 あしりんきゅう』というツボは、『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』(赤いライン)という経絡の上にある。この経絡は目の外側に始まり、側頭部をぐるぐる回って、体の横を下り、足の甲を通って、足の薬指の先端で終わる。

『足臨泣』は、足の甲にある。足先がキンキンに冷える方には、このツボへのセルフお灸がおすすめ。また、脚の筋肉痛、特に足の甲の筋肉痛や痛みには、『足臨泣』に鍼やお灸をすることが多い。セルフお灸もいいよ~。

『足少陽胆経』は、体の横を通り、頭の横側では経絡が行ったり来たり…。このように、こめかみ部分にも通っているので、『足臨泣』は偏頭痛(=片頭痛)の治療にも用いられる。ツボの近くの症状だけでなく、経絡上の遠くの部位の症状を治療することもあるんだよ~。

 

『足少陽胆経』の上には、『頭臨泣 あたまりんきゅう』というツボもある。黒目の真上で、前髪から少し入ったところにある。目の症状を治療する時に用いられる。

『足臨泣』も目の症状に用いられることがある。ツボ同士の作用や適応症が似ているツボたちを『相対穴』、『相関穴』という。『足臨泣』は足の『臨泣』、『頭臨泣』は頭の『臨泣』と言われ、『相対穴』にあたる。

 

前回、ツボ取り動画で紹介した『陽陵泉 ようりょうせん』と、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡の上にある『陰陵泉 いんりょうせん』も『相対穴』。膝のトラブルに用いられる。

 

『足少陽胆経』の上には、『頭竅陰 あたまきょういん』と『足竅陰 あしきょういん』がある。このツボたちも、『相対穴』。

『竅 きょう』は、五官(目・耳・鼻・舌・皮膚)のこと。2つのツボは、目・耳・舌・のどなどの症状に用いられる。おーっ、話がそれた。

 

『足臨泣』は、足の甲にあり、薬指と小指の細長い骨の間にある。

 

細長い骨の上には『長趾伸筋 ちょうし・しんきん』という筋肉がある。膝下の骨から、足先の骨(親指以外)に付き、足の指を反らす時に働く。

この筋肉の、足の甲の部分は、必ずしも骨の上にあるわけではない。この部分の筋肉はスジのように硬く、骨と間違えやすい。

薬指と小指を反らす筋肉と、薬指と小指の骨を間違えてツボを取ると、正しいツボと位置がずれる。『足臨泣』のツボを探すのは難しい…。ツボ取り動画で、そこのところを熱く語っている!『足臨泣』にお灸をしてみようかなぁ…という方は、動画も見てねぇ~。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑱~足少陽胆経

赤いラインは、前回の特集ブログで紹介した、『手少陽三焦経 て・しょうよう・さんしょうけい』という経絡。薬指の先端にあるツボ『関衝 かんしょう』に始まり、腕の後面を上行する。更に、肩、首の横、耳の外回り、と上行し、眉毛の外端にあるツボ『絲竹空 しちくくう』で終わる。そこから…。

 

『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』という経絡につながる。目尻の外側にあるツボ『瞳子髎 どうしりょう』に始まり、側頭部を往復する。そして、うなじ、肩、脇腹、脚の外側へと下行する。更に、外くるぶしの前、足の甲を通り、足の薬指の先端にあるツボ『足竅陰 あしきょういん』で終わる。長い!長い!

この経絡は左右対称にあり、片側だけでもツボが44個ものっている。途中で枝分かれ、体内に入り、肝(=肝臓)と胆(=胆嚢 たんのう)につながる。

 

肝臓は右側下部肋骨の高さに位置する。上に横隔膜、下に腎臓がある。

 

 

胆嚢は肝臓の後面にある。前面から見ると、ちょこっとしか見えない。

 

 

後面から見るとこんな感じ。胆嚢は、長さ8~12cm、幅4~5cmの袋状になっている。

肝で作られた胆汁は、胆に貯蔵される。そして、必要に応じて、胆汁は十二指腸に運ばれ、消化を助ける。これらは、東洋医学と西洋医学の共通概念。肝と胆は持ちつ持たれつ、表裏関係にあるんだなぁ。

東洋医学では、『臓器が感情も主っている』と考える。胆が主っているのは、『決断』。あらゆる物事を判断し、決定する働きがある。また、外部からの精神的刺激(特に恐れや驚き)に対する抵抗力を持つ。『胆(きも)が大きい』とか『胆がすわる』という慣用句があるよねぇ。

 

耳の周辺にあるツボ『聴会 ちょうえ』『頷厭 がんえん』『率谷 そつこつ』『完骨 かんこつ』などは、突発性難聴や急性期の耳鳴りなど、耳の症状を治す時に用いられる。短くて細い鍼を、10~15分間ほどツボに置く。「あれ?耳がおかしい…」と異変を感じたら、すぐに治療に取り掛からないと、耳の症状は治りにくい。

 

偏頭痛の時は、頭皮がむくんでいることが多い。『頷厭 がんえん』『率谷 そつこつ』『完骨 かんこつ』や、その外回りのツボに、短くて細い鍼を置く。

こめかみ周辺が痛む偏頭痛や、後頭部周辺が痛む緊張型頭痛は、首こり・肩こりを解消するのも大切。『脳空 のうくう』『風池 ふうち』『肩井 けんせい』などに鍼を置いて、硬くなった首や肩の筋肉をほぐし、頭部への血流を促す。

 

お尻にあるツボ『環跳 かんちょう』や太ももの外側にあるツボ『風市 ふうし』は、腰痛・お尻の痛み・坐骨神経痛・股関節痛の時に、よーく使う。

 

 

お尻や太ももの筋肉は厚みがある。がちっ!と硬くなっている時は、『灸頭鍼 きゅうとうしん』がおすすめ。鍼先にモグサを差し込み、鍼をしながらお灸もする。分厚く岩盤のような筋肉をほぐれ、痛みを和らげる。

『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』の上にあるツボで、セルフお灸がしやすいのは、脚のツボかなぁ…。

 

膝下にあるツボ『陽陵泉 ようりょうせん』と、

 

足の甲にあるツボ『足臨泣 あしりんきゅう』を次回、紹介するよ~ん。

全国的に大寒波!雪や暴風の事故に気を付けよう!風邪など体調を崩さないようにねぇ~。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑰~手少陽三焦経

赤いラインは、前回の特集で紹介した『手厥陰心包経 て・けついん・しんぽいうけい』という経絡。胸にあるツボ『天池 てんち』に始まり、中指の先端にあるツボ『中衝 ちゅうしょう』で終わる。そこから、つながる経絡は…。

 

『手少陽三焦経 て・しょうよう・さんしょうけい』。薬指の先端にあるツボ『関衝 かんしょう』に始まり、手の甲を通り、腕後面の中央を上行する。肩の後面から前に出て、鎖骨の下をくぐり、体内に入り、心(しん)(=心臓)を保護する膜『心包 しんぽう』に達する。

ここで2本に分かれる。

1本は上行し、鎖骨の上で体表に出る。首の横を通り、耳の外側をぐるりと回る。耳の前からこめかみを通り、眉毛の外側の端にあるツボ『絲竹空 しちくくう』で終わる。体表の経絡の上に、ツボは23個。この経絡は、左右対称にあるので、合わせて46個。

 

さてさて…。心(しん)を包む『心包 しんぽう』から枝分かれた、もう1本の経絡は、心包から下行し、三焦(さんしょう)に至る。三焦?山椒?山椒魚??

ここで三焦について説明しよう!

体幹部の機能を3分割し、横隔膜より上の機能を『上焦 じょうしょう』、横隔膜からへそまでの機能を『中焦 ちゅうしょう』、へそから下の機能を『下焦 げしょう』という。そして、上焦・中焦・下焦の機能を合わせて、三焦という。三焦は五臓六腑の六腑に含まれるが、『機能』のことを指し、実在する臓器ではない。

気(=エネルギー)、血(けつ)(=栄養分)、津液(しんえき)(=水分)を作り出し、全身に行き渡らせる。また、不要な物を尿と便として排出する。これら一連の機能がスムースに行われるように、三焦は調整している。

といっても、消化器系のトラブル時に、この経絡上のツボたちを使うことはないなぁ…。コトーは。

 

突発性難聴や耳鳴りなど耳のトラブルには、耳周辺のツボたちに、ちょこんと短い鍼を置く。耳のトラブルの原因の1つに、耳周辺の血行不良がある。首こりや肩こりがある場合は、首や肩にあるツボへ鍼やお灸をして、硬くなった筋肉をほぐし、肩・首・耳への血行を良くする。

こめかみ辺りの痛み、片頭痛の時にも、耳周辺のツボたちに、ちょこんと短い鍼を置く。片頭痛持ちさんは、首こりや肩こりの強い方が多く、首や肩への鍼灸もかかせない。

 

肩、腕の後面にあるツボたちは、肩こり、五十肩、腕や肘・手首・指の痛みを治すときに用いられる。鍼やお灸をして、こわばった筋肉をほぐし、痛みを改善する。

 

セルフお灸がしやすいツボは、手首にある『陽池 ようち』。腕や手首・指の痛みに用いる。

 

その上にあるツボ『外関 がいかん』も見つけやすい。こちらも腕や手首・指の痛みに用いる。

 

この2つのツボ取り動画を撮ったよ。次回から紹介するねぇ~。

福岡県福岡市にある女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

【動画で見る!ツボの取り方】目の疲れや頭重・頭痛に働きかけるツボ『攅竹 さんちく』

目の周りには、たくさんのツボがある。目が疲れた時に一番お薦めなのは、『1』の攅竹(さんちく)。眉毛の内側の端にある。『攅』は、『集まる』という意味。眉毛が竹林のように見えることから、その名が付いた。

 

『攅竹』は、足太陽膀胱経(あし・たいよう・ぼうこうけい)という経絡の2番目のツボ。目の疲れや、それに伴う頭重・頭痛には、『攅竹』にちょこん!と短くて細い鍼を皮膚と水平に刺して、1分間ほど置く。ツボ押しもお薦め。人差し指の腹で軽く押し回し。ここにはお灸はしない。

スマートフォンやタブレット、パソコン、テレビなどで長時間目を使うと、目の疲れだけでなく、首や肩・背中の筋肉もコリコリ!そんな時は、首や肩・背中の筋肉も鍼やお灸で緩め、滞った血流を促し、脳や目にもしっかり血液を送ることが大切。

 

これは、眼球の正面断面図。中心には、『水晶体 すいしょうたい』(赤丸)というレンズがあり、その厚みを変えることにより、遠近の調節を行っている。水晶体の周りには『毛様小帯 もうようしょうたい』(青丸)、その外周りには『毛様体筋 もうようたいきん』(黄色丸)がドーナツ状にある。毛様体筋が働いて収縮すると、水晶体の厚みが増し、近くがはっきり見える。逆に、毛様体筋が緩むと、水晶体の厚みが薄くなり、遠くがはっきり見える。

 

右眼を外側から見た図。『外側直筋 がいそく・ちょっきん』の反対側には、『内側直筋』がある。顔を動かさなくても眼球だけを動かせるのは、これら6つの筋肉が眼球から頭蓋骨に付いているから。

手足を動かす筋肉が苦手とするのは、長時間同じ姿勢を保つことと、反復運動。筋肉が疲れやすい。毛様体筋や眼球を動かす筋肉6つも同じじゃないかなぁ…。じーっと近くを見続けるために、毛様体筋は緊張しっぱなし!眼球だって大きく動かさないから、疲れちゃう。ときどき目を閉じたり、遠くをぼーっと眺めて、目の筋肉も休ませてあげよう!

ハンドタオルを水で濡らし、硬く絞って、電子レンジで温め、閉じた目の上にのせるのも気持ちがいいよねぇ~。

『攅竹』のツボ取り動画を撮ったよぉ~。顔模型には眉毛がなくて困っちゃった…。興味がある方は見てねぇ~。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。