コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

片頭痛の治療と予防~鍼灸編

こめかみから目にかけて、ズキズキ脈打つような痛みが特徴の『片頭痛』。4時間~数日間、片側あるいは両側が痛む。きっかけは、ストレス・寝不足・寝過ぎ・女性ホルモンの変化(生理の周期に合わせて)・天候や気圧の変化・喫煙・空腹・頭痛薬の飲みすぎ…と、多岐に渡る。

神経や筋肉が過度に緊張して起こる『緊張型頭痛』とは、きっかけが異なる。といっても、片頭痛の方も、首・肩・背中のコリが強い。鍼灸治療では、頭~首~肩~背中のこわばった筋肉をほぐすことがメインとなる。

 

赤いラインは、『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』という経絡。目尻の外側にあるツボ『瞳子髎 どうしりょう』から始まり、側頭部を行ったり来たりし、肩→脇の下→脚の外側→外くるぶしの前、へと下行し、足の甲の小指側を通って、足の薬指の先端にあるツボ『足竅陰 あしきょういん』で終わる。とても長い。

経絡の中を気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養)が流れている。この上にツボが44個ある。『足少陽胆経』は左右対称にあり、左右合わせてツボは88個。

 

こめかみあたりに症状(頭痛)があらわれると、ここを通る『足少陽胆経』の『気』と『血』の流れが滞る。側頭部のツボに、短くて細い鍼を頭蓋骨と水平に置いたり、

 

足の甲にあるツボ『足臨泣 あしりんきゅう』などにも鍼やお灸をして、『気』と『血』の流れを促し、症状を改善させる。

各々のツボには、各々の効用がある。症状があらわれている部位から遠く離れたツボでも、治したい症状に対しての効用があれば、そのツボが選ばれる。

精神的ストレスがきっかけで片頭痛を起こすのであれば、脳をリラックスさせるツボにも鍼やお灸をする。女性ホルモン(=生理)が関係しているのであれば、生理を整えるツボに鍼やお灸をする。片頭痛に関与する症状に対しても、丁寧に鍼灸治療をすることが大切なんだなぁ…。

普段から首・肩・背中コリが強い方は、定期的に鍼灸を受けることもおすすめ。コリを軽減し悪化させないことが、頭痛の予防となる。

また、梅雨や台風、生理の周期など、頭痛を起こしやすい時期がはっきりしている場合は、その時期の少し前から鍼灸で全身を整え、苦手な時期や出来事を乗り越える力をつけておくこともおすすめしたい。

『症状別の治療と予防』シリーズがスタートしました。『頭痛の鍼灸治療と予防鍼灸』の動画も撮ったよ~。緊張型頭痛と片頭痛に対しての鍼灸を紹介している。見てね~。

各地で豪雨が相次いでいる。自分が住んでいる所や、よく出かける所で、川が氾濫したらどうなるか…。想像しながら、ハザードマップを見ている。福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の鍼灸師・理学療法士のコトーでした。ケロケ~ロ!

 

緊張型頭痛の治療と予防~鍼灸編

頭痛の中で一番多いのが、緊張型頭痛。

首・肩・背中がこり、頭全体が締め付けられるような痛みや、頭重がある。

長時間の同一姿勢による身体的ストレスや、心配事・不安感など精神的ストレスがきっかけで、神経や筋肉が過度に緊張し、頭痛が起こる。

そのため、鍼灸治療では、頭~首~肩~背中などの硬くなった筋肉をほぐすことがメインとなる。

 

後頭部痛には、後頭部のツボに、短くて細い鍼を、頭蓋骨と水平にチョコンと刺し、10~20分間ほど置く。

 

首~肩~背中の筋肉のコリが強い場合は、

 

『灸頭鍼 きゅうとうしん』という鍼灸の手技がおすすめ。

首・肩・背中のツボに灸頭鍼をすると、鍼の刺激と灸の輻射熱が同時に伝わり、硬くなった筋肉がほぐれやすい。

後頭部~うなじ~背中には、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡(赤いライン)が通っている。

この経絡は、目頭の外側にあるツボ『睛明 せいめい』に始まり、額→頭頂部→後頭部→うなじ→背中→お尻→太ももとふくらはぎの後面、と下行し、足の外側を通って、足の小指にあるツボ『至陰 しいん』で終わる。

その上に、ツボが67個ものっている。この経絡は左右対称にあるので、合わせて134個!

経絡の中は、『気(=エネルギー)』と『血(けつ)(=栄養)』が流れている。頭痛により、その流れが滞る。

 

外くるぶしにあるツボ『崑崙 こんろん』などのツボを使って、『足太陽膀胱経』の流れや症状(頭痛・首こり・肩こり・背中こり)の改善をはかる。

 

また、精神的ストレスが起因している時は、頭頂部にあるツボ『百会 ひゃくえ』などに、短くて細い鍼を置き、脳のリラクゼーションをはかる。

頭痛が解消すると、首・肩・背中のコリを忘れがち。

日頃から、首・肩・背中の筋肉をストレッチしたり、定期的に鍼灸を受けて、頭・首・肩・背中のコリを防ぎ、緊張型頭痛の予防をしてほしいなぁ…。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

魚の目の治療~鍼灸編

魚の目を取る方法として、『点灸 てんきゅう』というお灸の手技がある。

 

ツボに『灸点紙 きゅうてんし』というシールを貼る。

 

その上に、米粒大の円錐形のモグサをのせる。

 

お灸用の線香でモグサの先端に火をつけ、お灸をする。火が消えたら、灰の上に、新しいモグサをのせ、火をつけ、お灸をする。1つのツボに対して、この工程を7回ほど繰り返す。

皮膚の上に灸点紙を貼るので、跡は残らない。とはいえ、燃え終わる時、ピリッと一瞬熱さを感じる。そこが『点灸』の素晴らしい所。ツボの中の中まで、刺激が伝わる。

 

分かりますか?左足の裏、小指の下に、魚の目ができちゃった!

 

思い起こせば、昨年の夏。この辺り(赤丸)の皮膚が硬くなり、タコができたと思っていた。秋に入り、常時、靴下を履くようになり、その存在を忘れていた。

この冬、室内履きを履かずにフローリングを歩いていたら、足裏にズキッ!と痛みが走った。目を凝らして見ると、直径1mm程度の魚の目になってる~~~~~!タコから魚の目に変化するの?

点灸の出番です!

 

魚の目を中心とした『硬くなっている皮膚』の上ぎりぎりに、円錐形のモグサをのせる。

 

モグサの先端に線香で火を付ける。

 

『灸点紙』というシールを貼らなくても、皮膚が分厚くなっているから、お灸の熱さを感じない。

 

あっという間に、燃え終わる。この上に新しいモグサをのせ、お灸をする。この工程を20~25回ほど繰り返す。すると…。

 

皮膚が焦げる。毎日、ここに点灸を20~25回程度続けると、この部分の皮膚がかさぶたになる。やがて、かさぶたが自然にはがれる。その時に、魚の目の芯も取れたら、ばんざーい!

まだ、魚の目の芯が残っていたら、点灸を続ける。かさぶたを何回か繰り返し、芯が取れるまで、数か月かかることもある。

コトーは点灸をするのを忘れがちで、なかなか進展しないまま、ゴールデンウィークに突入。ゴールデンウィーク中は、よく歩き、魚の目の周辺の皮膚がささくれた。

浴槽につかっている時、ささくれを触っていたら、はがれ始めた。指でつまんで引っ張ると、ささぐれがピローッとはがれた。何気なく、取れたささくれの裏を見ると、魚の目の円錐形の芯(高さ1.5㎜程度)が付いている~~~!

イヤイヤ、こんな簡単に芯が取れるわけがない。皮膚の奥に芯が残っているかも…。時間が経つうちに、魚の目周辺の皮膚が柔らかくなった。

 

魚の目の芯で分断されていた、足の裏の指紋も一直線になっている。きたない足の裏をお見せして、申し訳ない!

魚の目は完全に取れた気がする。『魚の目への点灸』を実体験で報告するつもりが、このような展開となり、う~ん、何とも言い難い…。

福岡県福岡市にある、女性専門の鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

5月22日(月曜日)~6月4日(日曜日)の期間、研修のため、休診させていただきます。長期間、ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いいたします。

【動画で見る!ツボの取り方】婦人科の症状や自律神経の乱れ、足先の冷え、目の疲れなどに働きかけるツボ『太衝 たいしょう』

『太衝 たいしょう』というツボは、『足厥陰肝経 あし・けついん・かんけい』(赤いライン)という経絡の上にある。『太』は、『大きい』という意味。『衝』は、『要衝』のこと。『太衝』は、『足厥陰肝経』にとって重要なツボに当たる。

 

『足厥陰肝経』という経絡は、体内で『肝』とつながっている。肝の働きには、『血の貯蔵』と『血量の調節』がある。そのため、PMS(月経前症候群)・生理痛・生理不順・無月経・更年期症状など婦人科の症状や、高血圧、足の冷えの治療に、ツボ『太衝』は用いられる。

また、肝は精神活動とも深く関係している。イライラ感、不安感、ストレス、不眠、自律神経失調症などがあり、情緒を安定させたい時、『太衝』に鍼やお灸をする。

頭痛やのぼせ、めまい・耳鳴り・目の疲れにも用いられ、このツボの活用範囲は広い。肝の働き自体が、多岐にわたっているからなぁ…。

肝の働きについては、ブログ『特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑲~足厥陰肝経』を見てね。ツボや経絡の働きを知ると、どのツボを使おうか、選びやすくなるよ。

『イライラする』『そわそわする』『うじうじする』『ふわんふわんする』『ドヨ~ンとする』『ハァーッとため息…』そんな気持ちを切り替えたい!立て直したい!何とかしたい!時に、『太衝』もいいし、『内関 ないかん』もいいよ~。

ツボ『内関』は腕にある。詳しくは、ブログ【動画で見る!ツボの取り方】自律神経を整えるツボ『内関  ないかん』をご覧くださ~い。 

『太衝』は足の甲にあり、ツボの取り方は『内関』よりも簡単。『太衝』にセルフお灸をしてみたい方は、下記のツボ取り動画をどうぞ!

 

【動画で見る!ツボの取り方】足先の冷えや足の甲の痛み、偏頭痛に働きかけるツボ『足臨泣 あしりんきゅう』

『足臨泣 あしりんきゅう』というツボは、『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』(赤いライン)という経絡の上にある。この経絡は目の外側に始まり、側頭部をぐるぐる回って、体の横を下り、足の甲を通って、足の薬指の先端で終わる。

『足臨泣』は、足の甲にある。足先がキンキンに冷える方には、このツボへのセルフお灸がおすすめ。また、脚の筋肉痛、特に足の甲の筋肉痛や痛みには、『足臨泣』に鍼やお灸をすることが多い。セルフお灸もいいよ~。

『足少陽胆経』は、体の横を通り、頭の横側では経絡が行ったり来たり…。このように、こめかみ部分にも通っているので、『足臨泣』は偏頭痛(=片頭痛)の治療にも用いられる。ツボの近くの症状だけでなく、経絡上の遠くの部位の症状を治療することもあるんだよ~。

 

『足少陽胆経』の上には、『頭臨泣 あたまりんきゅう』というツボもある。黒目の真上で、前髪から少し入ったところにある。目の症状を治療する時に用いられる。

『足臨泣』も目の症状に用いられることがある。ツボ同士の作用や適応症が似ているツボたちを『相対穴』、『相関穴』という。『足臨泣』は足の『臨泣』、『頭臨泣』は頭の『臨泣』と言われ、『相対穴』にあたる。

 

前回、ツボ取り動画で紹介した『陽陵泉 ようりょうせん』と、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡の上にある『陰陵泉 いんりょうせん』も『相対穴』。膝のトラブルに用いられる。

 

『足少陽胆経』の上には、『頭竅陰 あたまきょういん』と『足竅陰 あしきょういん』がある。このツボたちも、『相対穴』。

『竅 きょう』は、五官(目・耳・鼻・舌・皮膚)のこと。2つのツボは、目・耳・舌・のどなどの症状に用いられる。おーっ、話がそれた。

 

『足臨泣』は、足の甲にあり、薬指と小指の細長い骨の間にある。

 

細長い骨の上には『長趾伸筋 ちょうし・しんきん』という筋肉がある。膝下の骨から、足先の骨(親指以外)に付き、足の指を反らす時に働く。

この筋肉の、足の甲の部分は、必ずしも骨の上にあるわけではない。この部分の筋肉はスジのように硬く、骨と間違えやすい。

薬指と小指を反らす筋肉と、薬指と小指の骨を間違えてツボを取ると、正しいツボと位置がずれる。『足臨泣』のツボを探すのは難しい…。ツボ取り動画で、そこのところを熱く語っている!『足臨泣』にお灸をしてみようかなぁ…という方は、動画も見てねぇ~。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。