コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

特集むくみ ~むくみの鍼灸レシピ

むくみ特集 最終回!

むくみに対しての鍼灸治療をご紹介します。

               *

むくみの特集第2弾と第3弾で、むくみの原因について、

ズラズラズラ~っと書きましたが、原因って様々…。

ていねいな問診や触診で、原因をつきとめ、

バランスの崩れている経絡(けいらく)を見つけ出します。

むくみを改善するために、その経絡の流れをよくするわけです。

そこで鍼灸登場!

その経絡上にあるツボに鍼や灸で刺激します。

               *

コテコテの東洋医学の話になります…。

『経絡』は、全身に張りめぐらされた道で、

気(エネルギー)や血を体の上下・内外に運び、

全身を栄養したり…、

五臓六腑とも交流し、臓腑の機能を調節する…、

と考えられています。

『五臓』っていうのは、肝・心・脾・肺・腎。

『六腑』は、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦(さんしょう)。

              *

水分代謝に大きく係わっている臓腑は、

脾・三焦(実際にはない臓器です)・肺・腎。

ということは、この臓腑をつかさどっている経絡、

そして、その経絡の上にのっているツボたちも

むくみの鍼灸治療にとっても大事!

(う~、説明するのが難しい…)

(わかっていただけるかなぁ…)

               *

私は、リハビリの仕事をしていた20代の頃、

さんざん腰を痛め、鍼灸院に通っていました。

「私の内くるぶしはどこ?」っていうぐらい、

ヒザから下のむくみもひどかった!

鍼灸院の先生に、もぐさのひねり方を教えてもらい、

毎日、『足三里 あしさんり』と『三陰交 さんいんこう』というツボに

お灸をしていました。

今はちょこっと内くるぶしがあります。

ありゃ~、絵が傾いてすみません。

おっ、今度はまっすぐ!

この2ヶ所にお灸をすると、足の血行がよくなり、

足の疲れもとれますよ。

               *

長々と続いたむくみ特集。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

春時の養生法

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春の三ヶ月間を、発陳(はっちん)という。

それはすべてのものが発生し、つらなる季節である。
この時期に、天地間のもろもろのものが生きいきと発生し、
つらなって繁栄しようと動きはじめる。

この時にあっては、人々は夜更かしすることなく早く床に入り、
朝は早く起き出てゆるやかに庭を歩くようにする。

肉体的には冠をかぶったり、急激な労働をしたりすることなく、
また、精神的には、冬の間に深くしまい込んでいた志をおこさせてやり、
万事のびのびとさせて削ぐことなく、
与えて取りあげることなく、
誉めて罰することなく、
このようにすべてをゆったりとのびのびさせておく。

つまり引き締めて制御するということのないような
心身の使い方をすべきである。

そのようにできれば、それが春における陽気の発生を特長とする
天地の気に相応することであって、
これこそ、春時の養生法であるというものだ。

これは、現存する中国医学書の中で最古の、
『黄帝内経 こうていだいけい』に書かれたもの。
小曽戸丈夫氏と浜田善利氏の訳も素敵で、ご紹介しました。

この本は、紀元前4~5世紀頃の春秋戦国時代から、
紀元前100年頃の前漢の時代までにまとめられたそうです。

ヒトは生きていくために、必要な食物も空気もすべて自然界に頼っています。
東洋医学では、『自然と共生し、季節に応じた養生』が奨励されています。

春は、植物が芽を出し、生長して茂るように、
ヒトも抑えることなくのびのびと生長していく…。
もう、背は伸びないけれど、気持ちは伸びていきたいなぁ…。

もうすぐ、ゴールデン・ウィークですよー!
この本が書かれた頃と今とでは、紫外線量は比べものになりませんが、
森林浴に行きたいですねぇ~。

福岡では、油山や宝満山など身近に森林浴ができる山々があります。
その福岡で女性専門鍼灸院をしています。
レディース鍼灸ことう  へはこちらから…
http://www.ladies-kotou.com/

芸術たんのう~浮世絵展

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  福岡市美術館にある、かぼちゃ?

福岡市美術館で開催している『ハンブルグ浮世絵展』を
観てきました。

ドイツのハンブルグ美術工芸博物館には、
5000点を超える浮世絵が所蔵されているそうです。
今回は、そのうちの約200点を観ることができます。

春信、清長、写楽、歌麿、北斎、広重、国芳…。
絵師の名前は聞いたことがありますが、じっくり観るのは、初めて。
見ごたえがありました。

どの作品からも伝わってくるのは『粋』です。
女性の髪の結い方から、着物の柄、着こなし、たたずまい。
粋な色っぽさがあります。

歌舞伎役者の決めポーズ。
粋なかっこよさに、かなり近づいて食い入るように観ていました。

驚いたのが、1830年ごろの『五行之内、花壇之土』という作品。
女性が花壇の花を観ている絵。

『五行(ごぎょう)』って、木、火、土、金、水の5種の物質のこと。
古代の中国人は、日常生活と、その生産活動の中から、
『不可欠の基本物質』として選んだのが、この5つ。

「木を燃やせば火を生じ、火は灰・土を生じ、土は金属を生じ、
金属は水を生じ、水は木を成長させる」というお互いの関係や、
5つの物質各々の特性に、世界の一切の事実をあてはめたのが、
『五行説』。

やがて、この『五行説』は、ヒトの生理や病理などの医学にまで
応用するようになったそうです。

うっ、うっ、この説明のために東洋医学の本を何冊か読み返しましたが、
難しすぎて、わかりやすく説明できません。
すみません…。

日本に鍼灸が初めて伝えられたのが、562年。
今回の浮世絵展の作品にはありませんでしたが、
背中などにお灸をしている作品が残されています。

江戸時代には、お灸は伝統医療として
庶民に親しまれていたそうです。
日本人、特に冷えやすい女性の皆さまに、
お灸はぴったりの治療法だと思います。

熱いお灸が苦手という方にも、お灸のよさを味わっていただこうと、
当鍼灸院では、棒灸(ぼうきゅう)と箱灸(はこきゅう)を
用意しています。
2つとも、モグサを皮ふの上に直にのせないので、熱くありません。
じんわりと体の芯まで温まり、体がほぐれますよ。

福岡で女性専門の鍼灸院をしています。
レディース鍼灸ことう  へはこちらから。
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はりきゅう雑話~腰痛治療 その1

腰痛特集も今日が最終回。
鍼灸治療と、自分でできる治療法をご紹介します。

東洋医学では、気(き)、血(けつ)、津液(しんえき)が、
経絡(けいらく)という特殊な通路を通って全身に流れることにより、
正常な機能が営まれていると考えています。

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  ツボ・モデルくん、登場。
  

足の太陽膀胱経(あしの たいよう ぼうこうけい)という経絡。
目頭の外から始まり、ひたい、頭頂と上り、
後頭部、うなじ、背中(背骨の外側を2本平行に走っている)、
腰、おしりの中央、脚の後面と下り、
外くるぶしの外側を回って、足の小指外側に至ります。

この経絡は、腰も通っているので、腰痛治療によく使われます。

人体の経絡の中で一番長く、
この経絡の上にツボが片側67穴、左右あわせて134穴あります。
ツボ・モデルくんは、左側しか経絡が書いてありません。

これらのツボの中から、反応のあるツボをみつけて、そこに
鍼や灸をすることにより、この経絡の流れを改善させます。

すると、血流がよくなり、筋肉もほぐれ、腰痛も改善します。

鍼灸師によって、治療方法は様々です。
私は、問診、姿勢・動作分析、触診を行い、
先に述べた「足の太陽膀胱経」のツボや、
それ以外のツボに鍼や灸をします。
背中、おしり、太ももの外側・後ろ、ふくらはぎ、腕、おなかにあるツボなど。

鍼治療は、ツボに鍼を刺してから、すぐ抜く方法や、
20分ほど刺したままお灸をする方法など、
そのツボの状態や、その方の体質・体調にあわせて、
方法を決めています。

横になっていても、筋肉が緊張していると、
チクッと筋肉が痛いことがありますが、一瞬です。
その後は20分程そのままにしていても、ほとんど何も感じません。

少しずつ血流が良くなり、筋肉がほぐれてくるので、
体が重く感じることはあります。

お灸は、箱灸(はこきゅう)や棒灸(ぼうきゅう)を使います。
熱くはありません!
約15分間、背中やおしり、脚をじんわりと芯まで温めます。
腹筋も緊張している時は、おなかにも鍼や灸をします。

今まで、痛みが長く続いたり、強かったり、
腰に負担がくる仕事などをしていると、元に戻りやすいので、
最低でも週1回、1~2ヶ月間、集中して鍼灸をされることをおすすめします。

鍼灸がくせになることはありません。
鍼灸治療は、人体が持つ自然治癒力を活性化することにより、
症状を改善していきます。

常時、経絡の流れがよくなれば、血流もよくなり、
筋肉の柔軟性も出て、身体的ストレスや精神的ストレスを受けても、
腰痛が悪化しにくい、出にくい体に変わってきます。
そうすれば、治療の間隔を減らしていきます。

体型的に腰を痛めやすい方や、仕事柄どうしても腰に負担がかかる方は、
腰痛がなくなっても、予防という点から、1~2ヶ月に1回程度、
メンテナンス(調整)に来られることをおすすめします。

東洋医学や鍼灸に興味があっても、鍼が怖い~!という方は、
箱灸や棒灸から始められたらいかがですか。
鍼とお灸のセットほどではありませんが、筋肉はリラックスし、
気持ちがいいですよ。

おおーっ、鍼灸治療のご紹介だけで長いブログとなりました。
一緒に説明しようとした「自分でできる腰痛治療」は、
次回にさせていただきます。
すみません。

福岡で女性専門の鍼灸院をしています。
ホームページに箱灸と棒灸の写真を載せているので、
よろしかったら、ご覧下さい。

レディース鍼灸ことう
http://www.ladies-kotou.com/about.html

はりきゅう雑話~不眠と鍼灸

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 上に真っすぐ伸びていく枝って
 かっこいい!

「眠れない…」という悩みで
当鍼灸院に来られる方は今までいませんが、
問診をすると、「寝つきが悪い」とか、「眠りが浅い」とか、
「早朝、目が覚めてそのまま眠れない…」と訴えられる方がいます。

不眠の原因はさまざま。
眠る直前まで、心配事や悩み事など考え込んだり、
頭をかなり使う仕事や課題をしたりすると、
脳が緊張し続け、寝つきが悪くなる…。
私の場合は夕方以降に濃いコーヒーをガブガブ飲むと
夜中まで目が冴えて大変!

前回ブログで書いた『日内リズム』。
平たく言えば『体内時計』。
だいたい決まった時間に眠くなり、
ある程度の時間眠ると目が覚めるのは、
この『日内リズム』が体の中に備わっているおかげ。
ただ、休日前夜に夜更かしをし、休日に遅くまで寝ていると
このリズムが崩れ、眠くなるタイミングがずれてしまうことも。

足の裏、かかとのふくらみの部分の中央にある、
『失眠 しつみん』というツボ。
『失眠』とは、中国語で『不眠』という意味。
症状がツボ名になっているのは、とても珍しい。
ここに棒灸という、熱くなくほどよい温かさのお灸をします。

不眠の方は心のモヤモヤや眠れないストレスで、
首や肩、背中の筋肉がカチコチになっていることも。
鍼や灸で硬くなっている体をほぐすと、
心もリラックスしやすくなります。

心がモヤモヤになるほどの、精神的ストレス。
そのストレスにどう対応するか…。
眠りを呼び戻すために、心自体もほぐしたいですよね。

以前読んだ雑誌で、とても心に残っているものをご紹介。

6つのストレス対策。

1.闘う
問題解決のために、とにかく行動し、ストレスとなることを解消。

2.忘れる
どんなに考えても答えが出てこないストレスや、
多くのストレスに心が押しつぶされそうな時、
一時的に別のことをして、ストレスになることを考えない。
距離を置くことにより、別の視点で見えてくることも。

3.開き直る
ストレスに対して見方を変えると、
そのストレスがどうでもいいことに見えてくることも。

4.避ける
必ずやらなければならないことは、そうはいきませんが、
避けて通れるものなら、ストレス対象に近づかない。

5.浸る
ストレスによる悲しみ、つらさ、怒りなどの感情に
思い切り浸ってみる。
その後、気持ちが晴れ、乗り越える力が沸いてくることも。

6.小分けにする
大きなストレスを一度に解決しようとせず、
できることから、ちょっとずつ、気長に解決していく。

この6つのストレス対策。
自分は無意識に使い分けているように思いますが、
皆さんはいかがでしょうか。

福岡で鍼灸師をしています。
鍼灸治療を通して、心と体のバランスを整えることも
大事だと思っています。
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