コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

特集~五臓六腑の力が鍼灸治療を活かす①~心と小腸

突然、問題だよ~ん!

『五臓六腑』の、11個の臓器ってなーんだ?

ヒント!

五臓は、中身の詰まった臓器。

例えば、肝臓。

六腑は、中が空洞の臓器。

例えば、胃。

ネットの力を借りずに考えてみよう!

チチチチチチチ…。

さぁて、答えは、

五臓は肝、心(しん)、脾、肺、腎。

六腑は胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦(さんしょう)。

実は、『五臓六腑』って東洋医学用語。

三焦や心包(しんぽう)など、実在しない臓器もある。

いじわる問題ですみませ~ん!

 

 

これらの臓器の働きは、東洋医学と西洋医学で共通するものもあれば、

東洋医学独自の見方もある。

鍼灸治療では、滞った『臓器の働き』を調整することによって、

体や心の症状を治す。

今回は、臓器と経絡とツボと鍼灸治療のつながりをテーマに、

特集を組んでみようと思う。

内容が専門すぎて、

噛み砕いて書けるかどうか定かでないが、

強引にスタートしちゃうよー!

 

 

赤いラインは『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』という経絡。

脇の下にあるツボ『極泉 きょくせん』から始まり、

肘の内側、手首へと下り、小指にあるツボ『少衝 しょうしょう』で終わる。

左右対称に計2本あり、この上にツボが7個ずつのっている。

 

 

経絡は、通っている部位やつながっている臓器に

エネルギーと栄養分を送っている。

といっても、西洋医学の血管やリンパ管、神経とは別物。

経絡は目に見えない通路。

 

 

この経絡は、臓器の『心 しん』にもつながっている。

西洋医学の『心臓』の働きは、

ポンプ作用によって血液を全身に送ること。

東洋医学の『心』の働きはそれ以外にもある。

神(しん)を蔵すること。

神は精神のようなもので、精神活動は心(しん)によって行われる。

 

 

情緒のトラブルによって、

『手少陰心経』を通っているエネルギーや

栄養分の流れが滞っている場合、

この経絡の上にのっているツボに反応が出てくる。

押すと他のツボよりも圧痛を感じたり、

その部位の皮膚がざらついたり、へこんだり…。

反応があるツボに鍼やお灸をして、

滞った経絡を改善させ、

心へ充分にエネルギーや栄養分を送ることにより、

心の働きも改善させ、情緒の安定もはかる。

この場合の『心の働き』は情緒に関するものであって、

血液を全身に送るポンプ作用まで低下するわけではない。

 

 

ツボ・モデル子ちゃんの後ろ姿。

赤いラインは『手太陽小腸経 て・たいよう・しょうちょうけい』。

『手少陰心経』と表裏関係にあり、お互い影響しあっている。

小指にあるツボ『少沢 しょうたく』から始まり、

肘の上、脇の下、肩甲骨、肩、首の横、頬へと上がり、

耳の横にあるツボ『聴宮 ちょうきゅう』で終わる。

ツボは片側19個。

小腸にもつながっている。

 

 

首こり、肩こり、腕の痛みが生じると、

この経絡のツボに反応が出やすい。

えっ!?

この経絡のツボに反応があるなら、小腸も悪い?

そんなふうには結びつかない。

こりやすい筋肉の上に、この経絡のツボがあり、

コトーはよーく使う。

 

 

ぎょぎょぎょー、あっという間に1199文字、書いちゃった。

残りの臓器は、あと10個ある!

特集は何話まで続くだろうか…。

次回は、実在しない臓器『心包』と『三焦』の話。

難しいけれど、おつきあいください。

 

胃もたれ・食欲不振など胃の不調に鍼とお灸はいかが?前編

今回は皆さんをどっぷりと東洋医学の世界にお連れしちゃうよ~!

馴染みがない言葉に???と思っても、さらりと読み進めてほしい…。

 

 

ヒトの体を構成する成分の1つに『精(せい)』がある。

『精』は、生命活動に必要なエネルギー源のことで、

『先天の精』と『後天の精』がある。

 

 

『先天の精』は両親から受け取るエネルギー源のこと。

母親の胎内では、これをもとに受精卵から胎児へと成長する。

そして、出生後もヒトの成長など生命活動にかかせない。

 

 

『後天の精』は飲食物から得られるエネルギー源のこと。

これもヒトの成長など生命活動にかかせない。

 

 

出生前は自分の口から飲食物を取ることができないため、

『後天の精』は、『先天の精』からエネルギーをもらっている。

出生して母親から離れると、『先天の精』は親から補充されないため、

『後天の精』がエネルギーを『先天の精』に補充し続ける。

この2つの精はお互い協力しあっているんだな…。

 

 

2つの精が充実していると、ヒトは活発に行動でき、

病気になりにくく、病気になっても治りやすい。

逆に、精が不足すると活動も鈍り、病気にかかりやすく、

病気も治りにくい。

健康な体と健康な生活を維持するには、

2つの精を充実させることが大切なんだな~。

 

 

私たち大人がかかわれるのは『後天の精』。

栄養のバランスのとれた飲食物をしっかりと適量取り込み、

臓器でしっかり消化させ、

分解された栄養分をしっかり吸収させ、

これを『後天の精』として、『先天の精』に補充する。

そして、体内に不要なものを尿や便にして、しっかり排出する。

 

 

わかっているけれど…………、

飲みすぎちゃった!

食べすぎちゃった!

夜遅く食べちゃった!

冷たい物が大好き!

辛い物が大好き!

長い間ダイエット!

早食いしちゃう!

ストレスで胃痛が!

忙しくて食事がテキトー!

『後天の精』をきちんと作り続けるって、実は難しい。

 

 

おおおっ、前置きがとーっても長くなっちゃった。

胃のトラブルがテーマだった!

次回のブログは飲食物を消化する『胃』に注目。

胃のトラブルに対して、鍼とお灸ではどのようにアプローチするのか、

書いちゃうよ~~~!

よろしく~~~~~!!!

 

 

さて、おまけの話、『秋の虫のハプニング!続・続編』。

最初に出会ったのは9月3日、台所の壁だった。

2回目は9月15日、和室の障子だった。

そして、11月6日。

気温がガクンと下がった日もあったのに、

虫の音が聞こえてくる…。

 

 

うっ、嫌な予感。

鳴き声が大きすぎる。

外じゃない…。

聞き耳をたてると和室から聞こえる。

前回・前々回と同じ鳴き声。

ということは、1cmにも満たないちっちゃな虫。

すぐ見つけられるか…。

 

 

障子からは聞こえない…。

ソファーから?

クッションをパタパタと振ってみると、ポテッと何か落ちた。

かがんで覗きこむと、いたーーーっ!!!

3度目ともなると、手際がいい。

小さなプラスチックのコップを素早くかぶせてゲット!

 

 

 

2016年9月3日。

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初顔合わせの虫君。

 

 

 

2016年9月15日。

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虫君を追い出すときに使った、洋裁用の物差し。

 

 

 

2016年11月6日。

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クッションの上でくつろいでいた虫君。

「なんで君たち、ウチに入りたがる?」

 

12経絡~ツボ・モデル子ちゃん誕生秘話!

経絡は、体中に張り巡らされた通路。

体表だけでなく、体内に入って内臓ともつながっている。

経絡の働きは、エネルギーと栄養分を全身に送ること。

そのおかげで、体の機能は正常に保たれる。

東洋医学ではそんなふうに考えている。

 

 

メジャーな経絡は12本。

その上にツボがのっている。

心身に不調があると、症状と関係する経絡やツボに反応があらわれる。

その反応があるツボに鍼やお灸をすると、

症状と関係する経絡の流れが改善し、症状も緩和する。

 

 

コトーのブログには何度もこの話が載り、

「耳にタコができちゃったよ」と言われそうだが、

それほど『経絡』や『ツボ』が鍼灸にはかかせない。

経絡が描かれたツボ・モデル子ちゃんが、ブログに初登場したのは5年前。

 

 

 

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赤いラインは、手太陰肺経(て・たいん・はいけい)という経絡。

2011年11月12日のブログ『かぜの鍼灸レシピ』に登場!

初代はオカッパだった!

肺にもつながっているこの経絡は、呼吸器系の症状を治すときに用いる。

この日のブログにはもう1人、ツボ・モデル子ちゃんが登場。

 

 

 

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手陽明大腸経(て・ようめい・だいちょうけい)。

コトーは手を描くのが苦手。

左腕はヘビ腕になっちゃった…。

ずーっとそのことが気になり、数年後にモデル・チェンジ!

 

 

 

large_intestine_meridian_yk_001

手陽明大腸経。

腕のポーズを変え、ヘビ腕脱却!!!

髪型はポニーテールに変更。

 

 

 

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手少陰心経(て・しょういん・しんけい)。

小指にもツボがあるから、手を大きく描かないと!

何度描き直してもグローブのような手になっちゃった…。

 

 

 

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手闕陰心包経(て・けついん・しんぽうけい)。

やはりグローブになっちゃう…。

 

 

 

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手太陽小腸経(て・たいよう・しょうちょうけい)。

ちょっぴりグローブかな…。

この子は手よりも横顔に四苦八苦。

何度描いても鼻が鼻らしく見えない…。

 

 

 

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手少陽三焦経(て・しょうよう・さんしょうけい)。

横顔の『鼻のライン』はクリア!

しかし、横向きではツボの位置が分かりづらく、モデル・チェンジ!

 

 

 

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手少陽三焦経。

後ろ姿にしたら分かりやすくなった!気がする…。

 

 

 

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足少陽胆経(あし・しょうよう・たんけい)。

この経絡は全身の真横を通っているから、

腕のポーズをどうするか随分悩んだ。

それなりにしっくり馴染むポーズになった!かな?

描くのが更に難しかったのは…。

 

 

 

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督脈(とくみゃく)。

この経絡はお尻から背中、頭、鼻の下まで通っている。

後ろ姿で横を向かないと、すべてのツボが描けない!!

どーしたらそんなポーズが描けるわけ?

姿見に自分の背中を映し振り向いても、よく見えない…。

うー!うー!うー! うなりながら描いた苦心作!

更に更に難しかったのは…。

 

 

 

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足太陽膀胱経(あし・たいよう・ぼうこうけい)。

この経絡は目の横から額、後頭部、背中、ふくらはぎ、足の小指まで通っている。

後ろ姿でしっかり振り向かないと、

目と鼻の間にあるツボが分からない…。

何度描いても『ろくろっ首のお岩さん』になった…。

おっ!?

ポニーテールで前髪があるのは、この子だけだ!

 

 

4年かけて総勢12名のツボ・モデル子ちゃんシスターズ完成!

コトーのデッサン力では、同じ体形や顔が描けないので、

姉妹となった。

何名も描くうちに、???なことに気づいた。

 

 

 

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足陽明胃経(あし・ようめい・いけい)。

腰に手を置いたポーズのツボ・モデル子ちゃん。

元気はつらつ、活発そうな表情。

 

 

 

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任脈(にんみゃく)。

この子も同じポーズ。

やはり活発そうな表情。

 

 

 

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足少陰腎経(あし・しょういん・じんけい)。

この子もしかり…。

3名とも同じ日に描いたわけではないが、雰囲気が似ている。

 

 

 

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足太陰脾経(あし・たいん・ひけい)。

この子はちょっとさみしそう…。

 

 

 

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足闕陰肝経(あし・けついん・かんけい)。

この子はおとなしそう…。

 

 

各々のツボ・モデル子ちゃんがとっているポーズは、

ツボが分かりやすいように配慮しているだけ。

コトーが描ける範囲内のポーズをとってもらう。

顔は、輪郭や目が左右対称になるように気をつけるのが精一杯で、

表情など考えられない…というか、描ききれない…。

しかし、描き終えると顔に表情があり、ポーズとマッチしている!?!

なんでかな…。

なんでそうなるのかな…。

 

 

1つのブログにツボ・モデル子ちゃん全員を載せてみたい!

そんな思いつきで描き始めた今日のブログ。

随分長くなっちゃった…。

最後まで目を傾けていただき、ありがとうございます!!!

コトーのデッサン力は向上しそうにありませんが、

懲りずに描き続けるよ~!

 

コトーの鍼灸スタイル~主軸のバランス…

前回に引き続き、今日も経絡の話におつきあいください。

 

 

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経絡は、陽の経絡と陰の経絡に分かれます。

体の前面を通る経絡は、ほとんど陰の経絡。

 

 

 

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赤いラインは、『任脈 にんみゃく』という経絡。

体の前面中央を通っています。

別名、『陰経の海』。

陰経の経絡たちを統括する、重要な経絡です。

この経絡の上に、24個のツボがのっています。

 

 

下腹部の奥には子宮や卵巣があるので、

生理痛や生理不順、更年期症状、不妊症など婦人科の症状には、

下腹部のツボに鍼やお灸をします。

 

 

下腹部の別名は、『丹田』。

丹田はエネルギーが集まる所と、東洋医学では考えています。

すぐ風邪をひきやすい、など体の抵抗力が落ちているときや、

疲れがとれない、疲れやすいときには、

下腹部にあるツボに鍼やお灸をして、

エネルギーを補給します。

 

 

おへそ周辺のツボは、便秘など腸のトラブルに用います。

また、おへそからみぞおちまでのツボは、

食欲不振や胃もたれなど胃のトラブルや、

精神的ストレスが強いときにも用います。

 

 

 

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体の背面を通る経絡は、陽経。

 

 

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ブログ初登場!

描きたてのツボ・モデル子ちゃん!

後ろ姿って描くのが難しい…。

ブログの文章を書くよりも時間がかかってしまった…。

 

 

赤いラインは、『督脈 とくみゃく』という経絡。

体の背面中央を通って、頭頂部、鼻の中央を下り、

上歯の歯肉で終わります。

別名、『陽経の海』。

陽経の経絡たちを統括しています。

28個のツボがのっています。

 

 

頭痛やのぼせ、鼻炎には、頭のツボに、

小さくて細い鍼を頭皮と水平にちょこんと刺します。

 

 

経絡は全身にエネルギーと栄養分を送っています。

督脈に限らず、陽経の経絡の流れ全体を促したいときは、

督脈に棒灸をします。

 

 

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棒灸は、モグサを固めて和紙で包んだタバコ状のお灸です。

直径15mm。

皮膚から3cmほど離して温めます。

棒灸は動かせるので、督脈を下から上までしっかり温め、

流れを促します。

 

 

経絡に限らず、体の中心線である、重心線はとても大切。

 

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これは理想的な重心線。

大転子(だいてんし)とは、太ももの骨の頭の部分。

耳たぶ~肩先~大転子~膝蓋骨の後ろ~外くるぶしの約2cm前が

一直線だとバランスがいい。

重たい頭を背骨が支え、上半身を骨盤がしっかり支え、

その骨盤を下肢が無理なく支えている。

 

 

猫背になったり、腰が反ったり、膝が曲がったりすると、

この重心線がくずれ、

体を支えるための筋肉の負担が増えます。

その結果、首こり・肩こり・腰痛・膝痛などを引き起こすこともあります。

体の主軸って大切なんですよ…。

 

特集~梅雨バテの話②~湿邪(しつじゃ)と鍼灸

冬の寒さが厳しすぎる…。

春の寒暖の差が激しすぎる…。

夏なのに涼しすぎる…。

気候の著しい変化に、体の抵抗力が落ち、

体調を崩すときがあります。

東洋医学では、『外感病』といいます。

外感病の原因となるものは、

風邪(ふうじゃ)、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪の6つ。

 

 

湿度が高く雨が長く続くこの時期に登場しやすいのは、

湿邪。

湿邪にノックアウトされると、水分代謝が落ち、

むくみやすくなります。

湿邪の『下注性』という性質から、

上半身よりも下半身がむくみます。

『重濁性』という性質もあり、

頭や体が重く、四肢がだるくなることもあります。

『粘滞性』という長くとどまる性質もあり、

症状は治りにくく、

繰り返しやすいとも言われています。

 

 

湿邪によってダメージを受けるのは『脾』。

ここで述べている『脾』は、東洋医学用語。

東洋医学の『脾』と西洋医学の『脾臓』とでは、

とらえ方が異なります。

梅雨にむくむから脾臓が悪い…とは思わないでくださいね。

 

 

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赤いラインは『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡。

足の親指から始まり、脚の内側、体幹前面と上り、

肋骨の外側で終わります。

この経絡は五臓六腑の『脾』にもつながっています。

経絡は、気(エネルギー)と血(けつ)(栄養分)を

臓器にも送っています。

 

 

『足太陰脾経』の上にあるツボに鍼やお灸をすることにより、

経絡の流れを改善し、

『脾』に活力を与え、湿邪を退散させます。

 

 

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これは、台座灸。

台座の上にモグサがのっています。

台座の底にシールがついているので、

ツボにのせやすいです。

「梅雨になると脚のむくみがひどくなる…」

そんな方には、根気強く自宅で台座灸をするのもおすすめです。

 

 

コトーは20代のとき、脚のむくみがひどく、

鍼灸院でツボの取り方とモグサのひねり方を教わり、

せっせとお灸をしていました。

その頃は理学療法士の仕事に情熱を傾け、

まさか鍼灸師になるとは思ってもみませんでした…。

人生、どうなるかわかりませんね~~~。