コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

【動画で見る!鍼灸の手技】点灸 てんきゅう

モグサを用いた温熱療法、『お灸』にはたくさんの手技がある。前回のブログでは『台座灸』をブログと動画で紹介!今回は『点灸』を紹介するよ~ん。

 

これくらいの量のモグサを、

 

両手でこねこねして、

 

柔らかい棒状にして、

 

それを指で捻って円錐形にして、

 

ツボにのせる。米粒大~半米粒大。右隣は一円玉。

 

線香で火をつける。燃え終わったら、新しいモグサをその上にのせ、火をつける。7回ほど繰り返す。

 

灸点紙(きゅうてんし)というシールをツボに貼り付けてからモグサをのせるので、皮膚に跡は残らない。

鍼灸の養成校に通っている頃、料理用のボウルを使って点灸の練習をした。ツボは体のあらゆる部位にある。体の側面にあるツボにも、モグサを落とさずに点灸ができるよう、練習したんだよーん。

点灸の一番の特徴は、燃え終わる時に、一瞬、チクッ!と熱さがツボの奥に伝わること。他のお灸ではなかなか実現できない。特定のツボにしっかりとお灸で効かせたい!時にコトーは点灸を使う。

 

足の小指に『至陰 しいん』というツボがある。逆子を戻すときにお灸をするツボ。コトーは、ここに点灸をする。そして、妊婦さんには毎日ここに台座灸をしてもらう。

当鍼灸院には「鍼は苦手で、お灸だけでお願いします」とリクエストされる方がいる。そんな時は、できるだけ点灸をさせてもらう。燃え終わる一瞬だけ熱いが、慣れるとファンになる方も多い。

足のウオノメやイボにも点灸をする。ウオノメやイボと同じ広さのモグサを作り、直にのせる。皮膚が硬くなっているので、お灸の熱さを感じない。20~25回繰り返し点灸をする。毎日すると、その部分がこげて、かさぶた様のものができる。それが少しずつ盛り上がり、周辺がはがれ始める。やがて、自然にポロッとかさぶた様のものが取れる。1ヶ月~1ヵ月半かかる。1回剥がれ落ちただけではウオノメの芯は残っている。芯が取れるまで続ける。ウオノメなどは足の裏にできることが多く、自分でお灸をすることは難しい。家族にお願いすることになり、とーっても根気のいるお灸!

点灸の手技を動画に撮ったよ。画像で見たからいいよ…と言わずに見てね~ん。点灸は受ける側だけでなく、施術者の気持ちも穏やかにする。モグサを形作り、火をつけ、またモグサを形作り…というテンポと、お線香の香りにコトーは癒される。ぜひ、点灸を体験してほしいなぁ…。

福岡市南区にある女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

【動画で見る!鍼灸の手技】台座灸 だいざきゅう

ヨモギは菊科。菊の葉の裏と同じように、ヨモギの葉の裏にも白い産毛が密集している。ヨモギの葉を乾燥させ、ふるいにかけ、産毛だけを採った物が…、

 

お灸の原料、モグサになる。黄金色で、香ばしい香りがする。この産毛に、乾燥させたヨモギの葉と茎を混ぜると、燃焼温度の高いモグサになる。お灸の手技によってモグサを使い分ける。

 

こちらは台座灸。台座の上にモグサがのっている。皮膚とモグサの間に台座があるため、産毛に葉や茎を少し混ぜたモグサを使っている。

 

台座の中央は空洞で、空気を通して、モグサの温かさを伝える。

 

モグサの先端に火をつけ、台座の底のシールをはがし、ツボに貼り付ける。操作が簡単なので、セルフお灸にピッタリ!台座灸はドラックストアやネットで購入できる。

当鍼灸院では2012年からお灸教室を開催し、この台座灸を使っている。コロナの影響で、院内でのお灸教室は休止中。オンラインのお灸教室は継続中。ツボの取り方さえ分かれば、お灸は誰でもできるよー!

 

鍼灸治療では、こんなふうに台座灸をして背中のコリをほぐしたり…、

 

ツボに鍼を置いて、その隣に台座灸をしているよ。

長引く症状に対して自分でもアプローチしたい!と思っている方には、台座灸でのセルフお灸がおすすめ。また、冷え性などの体質改善は時間がかかり、コツコツと台座灸をするのもおすすめ。心に働きかけるツボもあるので、気持ちを穏やかにしたい!方にもおすすめ。

台座灸の紹介動画を撮ったよ。動画撮影の初期の作品で、奮闘しているコトー、イエイエ、台座灸を見てね~。福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング、≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

【動画で見る!ツボの取り方】胃痛や胃もたれ、脚の疲れ、健康の維持・増進に働きかけるツボ『足三里 あしさんり』

赤いラインは『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』という経絡。体内では胃とつながり、気(=エネルギー)と血(けつ)(=えいよう)を胃にも送る。胃の調子が悪いと、この経絡の流れが滞る。そして、経絡上にあるツボに反応が現れる。あるツボを押すと他のツボよりも圧痛が強い、ツボ周辺の皮膚がへこむ、ざらつく、などなど。

 

45個あるツボの中で、反応が出やすいのが『足三里 あしさんり』(赤丸)。このツボに鍼やお灸をして滞った経絡の流れを促し、気と血を十分に胃にも送り、胃の調子を整える。また、胃だけでなく、腸・肝・胆・膵など消化器全般に働きかける頼もしいヤツ!すねにあるので脚の疲れや痛み、運動麻痺などにも用いられる。脚のむくみや冷えにもよく使うなぁ~。鍼灸治療は鍼とお灸のセットがおすすめ。

 

これは灸頭鍼(きゅうとうしん)。鍼先にモグサを付けて、鍼をしながらお灸もする。鍼の刺激とお灸の輻射熱が同時に伝わる。

 

モグサを固めて和紙でくるみ、棒状にしたお灸、棒灸。『足三里』に鍼を置き、棒灸を数㎝離して温める。

 

コトーは鍼灸修行で中国に滞在中、毎日『足三里』にお灸をしていた。胃の調子が悪かったわけではない。『足三里』は無病長寿!健康維持!増進!にも働きかけるツボ。留学先で体調を崩さないようにお灸をしていた。おかげで大病もせず…と言いたいところだが、夏風邪で高熱を出し、真冬の北京旅行でインフルエンザにもかかったなぁ…。ハハハハハーッ!

 

青丸は『膝眼 しつがん』というツボ。そこから指4本分下に『足三里』(赤丸)がある。2つのツボを取る必要があるので、『足三里』のツボ取りは難しい。簡易的な方法もあるが、ツボの位置がずれやすい。前回紹介したツボ『梁丘 りょうきゅう』よりもツボ取り動画の撮影は難航したが、膝模型を駆使し乗り切った。何かを企画し、準備し、実行してみることが元来好きなので、手間はかかってもコツコツ動画を作り続けるよ~ん!

次回は『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡を紹介!その前に、中休みブログが入るかも…。福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

【動画で見る!ツボの取り方】太ももの前面や膝の痛みに働きかけるツボ『梁丘 りょうきゅう』

右脚の前面のイラスト。太ももの前には『大腿四頭筋 だいたい・しとうきん』(オレンジ色)という筋肉がある。4本の筋肉で構成され、中央の『大腿直筋 だいたい・ちょっきん』の奥に『中間広筋 ちゅうかん・こうきん』があり、その内外に『内側広筋 ないそく・こうきん』『外側広筋 がいそく・こうきん』がある。骨盤と大腿骨(だいたいこつ)(=太ももの骨)上部から始まり、膝蓋骨をくるんで頸骨(けいこつ)(=膝下の骨)に付く。

 

右膝を内側から見た画像。

 

くるまれている膝蓋骨。膝を伸ばす時に、4本の筋肉がガシッ!と働く。

 

右脚の後面のイラスト。太ももの後面には『ハムストリングス』(赤色)という筋肉がある。3本の筋肉で構成され、内側に『半腱様筋 はんけんようきん』『半膜様筋 はんまくようきん』、外側に『大腿二頭筋 だいたい・にとうきん』がある。骨盤から始まり、膝下の骨『頸骨 けいこつ』と『腓骨 ひこつ』に付く。膝を曲げる時に、この3本の筋肉がヨイショー!と働く。

これらの筋群は単独で働くわけではない。例えば、ゆっくりスクワットをする時。腰をおとして膝をゆっくり曲げるためには、膝を曲げる筋肉『ハムストリングス』がゆっくり縮む必要がある。その際、膝を伸ばす筋肉『大腿四頭筋』は少しづつ力を抜きながらじわじわと伸びる。逆もしかり。膝をゆっくり伸ばして立ち上がるには、『大腿四頭筋』がゆっくりと縮み、『ハムストリングス』は少しづつ力を抜きながら伸びる必要がある。相反する筋肉を協調させながら、自分の思い通りの速さで関節を動かしている。

「最近、膝に違和感があって…」「何かしたわけではないけれど、膝が急に痛くなって…」と当鍼灸院を訪れる方がいる。「最近、急激に体重が増えていませんか?」と尋ねると、「あー!そういえば…」と答える方が意外と多い。急激な体重増加に『大腿四頭筋』や『ハムストリングス』などの筋力が追いつかず、筋肉疲労→筋肉のコリ→筋肉の痛み、に移行しやすい。

『梁丘 りょうきゅう』というツボは『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』(赤いライン)という経絡の上にある。『大腿四頭筋』の上にも当たり、太ももの前や膝の痛い時、このツボに鍼やお灸をする。こわばった『大腿四頭筋』を緩め、痛みを緩和させる。相反する筋肉『ハムストリングス』も影響を受けるので、こわばっていないかチェックすることも大切。

 

膝周辺のトラブルには台座灸でのセルフお灸もおすすめ。台座の底にはシールが付き、どこのツボでもお灸がしやすい。

『梁丘』のツボ取り動画を撮ってみた。このツボの取り方を伝えるのは、対面のお灸教室でも難しいかった。どのように撮ったら、画面からでも分かりやすく伝えられるのか。あーでもない!こーでもない!台本を何度も書き直し、動画を何度も撮り直した。興味がある方は見てねぇ~。

次回は、『足陽明胃経』の上にあるツボ『足三里 あしさんり』を紹介!様々な症状に働きかける万能ツボだよ~ん。福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

【動画で見る!ツボの取り方】目の疲れに働きかけるツボ『四白 しはく』

眼球の正面断面図。私たちの目は、円盤状の水晶体(赤丸)の厚みを変えることにより、遠近の調節(=ピント)をしている。水晶体の周りには毛様体小帯(もうようたい・しょうたい)(青丸)がドーナツ状に付き、その外側に毛様体筋(もうようたい・きん)(黄色丸)がドーナツ状に付いている。

この毛様体筋という筋肉が収縮すれば、水晶体の厚みが増し、近くがくっきり見える。毛様体筋が緩むと、水晶体が薄くなり、遠くがくっきり見える。スマートフォンやパソコンなど近くの物を長時間見続けると、毛様体筋は収縮し続け休めない…。

 

右眼球を外側から見た図。眼球を動かす筋肉は6つ。イラストにはないが、眼球の内側に『内側直筋』がある。6つの筋肉のおかげで、顔を動かさなくても眼球をあらゆる方向へ動かせる。スマートフォンやパソコン、テレビなどの画面を見続けると、この6つの筋肉は狭い範囲でしか動かせず、疲れてくる。

 

目の周りにはツボがたくさんある。顔にあるので、お灸は出来ない。ツボ・マッサージがおすすめ。血行を促し、疲れきった目の筋肉を復活させる。今回は、緑丸の『四白 しはく』を紹介!黒目の真下で、頭蓋骨の縁の下の窪みにある。

 

『四白』は『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』という経絡(赤いライン)の上にある。『四』は『四方八方』『広々とした』という意味。『白』は『光』『明るい』という意味。目のトラブルが改善し見やすくなるので、『四白』という名前が付いた。

ツボの取り方動画を撮ったよ。見つけやすいツボなので、ぜひチャレンジしてほしい。『四白』をマッサージするときは、人差し指の腹で、5秒ほど押し回す。押す強さは、気持ちいいな~と感じる程度。ひと呼吸おいて再度押し回し、5回ほど繰り返そう!眼球はとてもデリケートなので、まぶたを閉じても眼球の上は押さないように!目の縁の骨(=頭蓋骨)を押すよ~ん。

次回は『足陽明胃経』の上にあるツボ『梁丘 りょうきゅう』を紹介!福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の鍼灸師コトーでした。