コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

腰痛やぎっくり腰を鍼とお灸で治そう!

急に肌寒くなりましたね。

季節の変わり目に気をつけたいのは、腰痛とぎっくり腰。

普段から背中のコリや腰痛を感じている方は、

この時期、腰痛が悪化したり、

ぎっくり腰を起こしやすくなります。

 

 

腰が痛いと、腰の筋肉だけが硬いと思われがちですが、

うなじから骨盤までつながっている背筋全体が

硬くなっていることが多いです。

お尻の筋肉がカチコチな方も多いですね。

また、強い腰痛やぎっくり腰では前かがみとなり、

姿勢が不自然なため、脚の筋肉がこわばることもあります。

 

 

bladder_meridian_yk_001

 

赤いラインは、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡。

目頭と鼻の間にある『睛明 せいめい』というツボから始まり、

額、後頭部、うなじ、背中、お尻、太ももの後ろ、ふくらはぎの後ろ、と下り、

外くるぶしを回って、

足の小指にある『至陰 しいん』というツボで終わります。

経絡は左右対称にあり、

この経絡にのっているツボは片側だけで67個!

左右合わせて134個!

うっひょー!!!

腰痛やぎっくり腰の鍼灸治療には、

うなじ、背中、腰、お尻、脚にあるツボをよく使います。

 

 

boukyu_tisin_yk_001

鍼を置きながら棒灸。

棒灸はモグサを固めて和紙で包んだもの。

先端に火をつけて、

皮膚から3cmぐらい離して温めます。

棒灸は動かせるので、うなじからふくらはぎまで温め、

筋肉をゆるめます。

 

 

kyutousin_yk_001

灸頭鍼は、鍼の先にモグサをつけてお灸もします。

鍼の刺激とお灸の輻射熱のW効果!

熱くはありません。

ほんわか温かいです。

なかなか治らない頑固な腰痛やぎっくり腰におすすめです。

 

 

「いつの間にか痛みが治まったから大丈夫」と思っても、

何のメンテナンスもしなければ、

腰の筋肉は硬いままです。

何度もそんなふうにやり過ごすと、

ついには痛くてたまらなくなったり、

ぎっくり腰を起こすこともあります。

 

 

腰は上半身と下半身をつなぐ、肝心かなめの部位です。

痛いとき、違和感を感じるときには、

メンテナンスをしてほしいなって思っています。

 

 

おまけの話。

先日、観葉植物の5鉢を普段置かない所に置きました。

そのことをすーっかり忘れて、

暗闇の中、ズカズカ植木鉢めがけて歩いてしまい、

コトーの脚は植木鉢にストライーク!

4鉢が倒れ、その中の1鉢は割れて…、うっ、うっ、うっ…。

予備の植木鉢はなく、とりあえずあるもので…。

 

 

2015_10_13_001

ごめんなさい…。

早く植木鉢を買いに行くね。

 

背中のコリを鍼とお灸でとろう!

10月の頭まで暑いだろうなぁ…。

そう覚悟していましたが、朝晩は涼しく、

日中も暑い~~~~~~~!ってほどではありません。

一気に不快指数が減ると、気を張っていた体がゆるむように、

やたらと眠かったりだるかったり…、

体調が不安定になりやすいですね。

 

 

ぎっくり腰をしちゃってぇ!

首こりや肩こりがひどくなって!

腰も重い気がする!

そう言いながら鍼灸院に駆け込んでくる方も増えています。

そんな方々の共通点は、背中のコリ。

 

 

 

spine_yk_001

 

背骨は、7個の頚椎(けいつい)、12個の胸椎、5個の腰椎、

仙骨(せんこつ)と尾骨で構成されています。

12個の胸椎の左右には肋骨がついています。

頚椎、胸椎、腰椎の1つ1つの骨は、靭帯(じんたい)で結ばれています。

そして、背骨を支えたり動かしているのが筋肉です。

 

 

背中を伸ばすときに働く筋肉は1つではありません。

最長筋(さいちょうきん)、腸肋筋(ちょうろくきん)、

多裂筋(たれつきん)、回旋筋(かいせんきん)、

頭半棘筋(とうはんきょくきん)、棘筋(きょくきん)、

腰方形筋(ようほうけいきん)、棘間筋(きょくかんきん)、

横突間筋(おうとつかんきん)、広背筋(こうはいきん)。

うわ~ぉ、10個!

筋肉のイラストを描こうとしましたが、あまりの多さに

描く前にギブアップしました…。

筋肉たちは頭蓋骨(後頭部)、頚椎、胸椎、腰椎、

肋骨、仙骨、腸骨、と様々な骨についています。

 

 

これらの筋肉の中でも、体の表面に近い筋肉がこってくると、

筋肉の盛り上がりを視診や触診で感じます。

コリが悪化すると筋肉はまるでピアノ線のように

硬いスジとなって感じます。

 

 

スジがあると背中のコリや痛みはなかなか取れないので、

丁寧に後頭部、首、背中、腰、お尻に触れて、

スジが隠れていないかチェックします。

スジを見つけると、そこにちょこちょこっと鍼を置いて、

スジをほぐします。

一緒にお灸をすると血流を促し、スジもほぐれやすくなります。

 

 

daizakyu_tisin_yk_001
<鍼+台座灸>

 

boukyu_tisin_yk_001
<鍼+棒灸>

 

kyutousin_yk_001
<灸頭鍼>

 

 

背中を伸ばす筋肉は背骨だけでなく、

重たーい頭や腕も支えています。

首や肩・腰のコリが強いと、背中のコリは気づきにくいですが、

背中もしっかりほぐしてほしいなぁ…って思います。

 

特集~肩甲骨の話③~隣の鎖骨

skeleton_002_02

 

これは、前面から見た上半身。

腕の骨(水色)は肩甲骨(灰色)とだけ関節をつくっている。

肩甲骨は重い腕を支えているのに、

背骨や肋骨とは関節がない。

体の中枢である体幹と肩甲骨をつないでいるのは、

鎖骨(緑色)だけ!

鎖骨は左右の肋骨の間にある胸骨(ピンク色)と

関節をつくっている。

目立たないけれど、鎖骨もがんばっている!

そんな鎖骨を今日はご紹介しよう!

 

 

clavicula_001

 

これは、上から見た鎖骨。

S字状に湾曲している。

素朴な形…。

 

shoulder_001

shoulder_flexion_001

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腕を思いきり上げると、肩甲骨は外側に動き、

鎖骨外端は挙上する。

腕の動きに伴って鎖骨外端は、

最大、上方に10cm、下方に3cm、前方に10cm、後方に3cmも動く!

気づかないよねぇ~。

 

 

鎖骨にも筋肉がたくさんついている。

たとえば…、

 

trapezius_and_levator_scapulae_002

 

肩を引き上げる筋肉、僧帽筋(そうぼうきん)(オレンジ色)。

頭蓋骨の後頭部から鎖骨についている。

 

 

たとえば…、

sternocleidomastoideus_001

 

下を向くときに働く筋肉、胸鎖乳突筋(きょうさ・にゅうとつきん)。

鎖骨と胸骨から、頭蓋骨の横についている。

 

 

さあ、皆さん、鎖骨についている筋肉がこっているか、

チェックしてみよう!

tms_m_pectoralis_major

親指を鎖骨の下に、他の4本の指を脇の下に当て、

つまんでみよう!

 

pectoralis_major_001

 

コリコリした筋肉は、大胸筋(だいきょうきん)。

鎖骨と肋骨から腕の骨についている。

腕を持ち上げたまま内側に動かす筋肉。

この筋肉は手作業をするときによく使うから、

こりやすい。

 

acupuncture_points_clavicula_001

 

オレンジ色の丸は、鍼やお灸で使うツボ。

首こりや肩こり、五十肩のときに、

鎖骨周辺のツボへの鍼やお灸もかかせない。

鎖骨についている筋肉がほぐれると、

首や肩、腕が動かしやすくなるよん!

 

 

おぉーっ、今日のブログでは手描き絵9枚!

たまには絵ばっかりのブログを描いてみよう!と思い立ち、

『肩甲骨』をテーマに特集を組んでみました。

けなげに働く肩甲骨と鎖骨のことが皆さんに伝わったでしょうか。

毎度、毎度、難しい専門的な話におつきあいいただき、

本当に、ほんとうに、ホントーに、ありがとうございます!

 

特集~肩甲骨の話②~肩甲骨、こっていますか?

首コリや肩コリ、背中コリは感じても、

肩甲骨のコリって感じにくい…。

では、肩甲骨がこっているか、チェックしてみよう!

 

tms_m_trapezius

まず、肩を触ってみよう!

 

 

trapezius_middle_fibers_001

この絵は、背中。

コリコリしているのは、僧帽筋(そうぼうきん)の真ん中の部分。

背骨から肩甲骨の上部についている筋肉!

 

 

 

この筋肉をぺらっとめくると奥にあるのは…、

 

suprasprinatus_001

肩甲骨の上部から腕の骨についている筋肉、

棘上筋(きょくじょうきん)!

 

tms_m_infraspinatus

次に、脇の下の筋肉をつかんでみよう!

脇の下に親指をあて、他の4本の指は背中に!

肩甲骨から腕の骨につく筋肉は、

先に挙げた『棘上筋』を含めて6つもある。

これらの筋肉が硬くなると、コリコリは分厚い。

 

 

latissimus_dorsi_and_teres_major_001

オレンジ色の広背筋(こうはいきん)は、

骨盤と背骨と肩甲骨の下部から、腕の骨についている。

骨盤から腕までつながっている筋肉は、これだけ。

すっごーい、でっかーい!

青色の筋肉は大円筋(だいえんきん)。

肩甲骨の下部から腕の骨についている。

 

 

infraspinatus_and_teres_minor_001

オレンジ色は棘下筋(きょくかきん)。

肩甲骨(中央ー下部)から腕の骨についている筋肉。

肩甲骨に薄くついているが、こりやすい。

その奥にひそんでいるのが小円筋(しょうえんきん)。

肩甲骨の外側から腕の骨についている。

 

 

subscapularis_001

肩甲下筋(けんこうかきん)はどこについてる?

この絵は体幹を前から見たもの。

右の上部肋骨が取り外され、奥の肩甲骨が見える。

肩甲骨前面から腕の骨についている筋肉は、肩甲下筋だけ。

肩甲骨と肋骨の間には指が入らないから、

この筋肉は脇の下でしか触れることができない。

こんなところにも筋肉があるんだなぁ~。

 

 

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オレンジ色の点は、鍼やお灸で用いるツボ。

肩甲骨まわりにもいっぱいある。

首こりや肩こり、背中こりだけでなく、

肩関節の動きが制限される五十肩のときにも

肩甲骨周辺への鍼やお灸はかかせない。

自分の目には入らない肩甲骨の存在を忘れないでほしいなぁ~。

 

 

さて、ここでちょっとお知らせです。

6月と7月に3か所でお灸講座の講師をする予定です。

粕屋郡宇美町働く婦人の家 し~ず・うみ 主催のお灸講座は、

6月16日(火)と7月7日(火)の全2回。

2回にわたって講座をするのは初めて!

楽しみです。

西日本リビング新聞社主催のお灸講座は、6月30日(火)。

昨年に引き続き、今年も声を掛けていただきました。

ありがたいです。

太宰府市いきいき情報センター主催のお灸講座は、7月28日(火)。

こちらも昨年に引き続き、今年も予定しています。

お灸伝導師コトーは、かっ跳びますよー!

どの講座も市・町外の方も参加できます。

どうぞお気軽にご参加ください。

詳しくはトップページのお知らせをご覧ください。

 

ブログは、次回も肩甲骨の話が続きます。

地味な話ですが、おつきあいください!

 

特集~肩甲骨の話①~肩甲骨を知ろう!

scapula_001

外側から見ると肩甲骨はこんな感じ。

上部に『肩峰 けんぽう』と『烏口突起 うこうとっき』という

突起物があり、肩甲骨本体は薄っぺらい。

 

 

scapula_002

右の肩甲骨を後ろから見るとこんな感じ。

平べったい三角形。

これに腕の骨と鎖骨、そして背骨と肋骨が加わるとこんな感じ。

 

 

skeleton_001

肩甲骨は腕の骨と鎖骨とだけ関節をつくっている。

背骨や肋骨とは接していない。

背骨とは筋肉で結ばれている。

肋骨の上にプカプカ浮かんでいるので、

『浮遊骨 ふゆうこつ』とも呼ばれている。

 

 

scapula_003

前から見てもシンプル。

 

 

skeleton_002

右の肋骨を一部とった骨格。

腕って重たいはずなのに、肩甲骨としか関節をつくっていない。

腕を支えている肩甲骨!

お疲れさま!!!

 

 

さて、普段は目立たない肩甲骨の動きをいくつかご紹介しよう!

 

 

scapular_elevation_001

肩を上げると肩甲骨も上がる。

黒からオレンジ色へ移動!

 

 

scapular_elevation_002

このときに働く筋肉は主に2つ。

左側(オレンジ色)の筋肉は、

頭蓋骨の後頭部から鎖骨についている。

右側(青色)の筋肉は、頸椎(首の骨)から

肩甲骨の内側の先端についている。

これらの筋肉が働くと、肩と肩甲骨が上がる。

図では片方ずつしか描いていないが、

これらの筋肉は左右対称にある。

では、肩と肩甲骨を引き下げる筋肉はどこについているか…。

 

 

scapular_depression_002

下部の背骨から肩甲骨の上部についている。

実は、肩甲骨は上下に10~12㎝動かせる!

 

 

scapular_abduction_001_01

『張り手』が描けないよぉ~。

前をならえ!とした腕を、さらに前につき出す図と思ってほしい…。

 

 

scapular_abduction_001_02

このときに肩甲骨は外側に動く。

 

 

scapular_abduction_002

張り手のときに使う筋肉は、8~9本の肋骨から

肩甲骨の外側についている。

どすこい!

 

 

scapolar_adduction_001

腕を肩の高さに上げたまま、後ろに引く。

このときに肩甲骨は内側に動く。

 

 

scapular_adduction_002_01

背骨から肩甲骨の上についている筋肉が、

肩甲骨を内側に引っぱる。

 

 

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背骨から肩甲骨の内側についている筋肉も

肩甲骨を内側に引っぱる。

肩甲骨は内外に15㎝も動かせる!

 

 

このように、肩甲骨にはたくさんの筋肉がつき、

肩や腕を動かすために日夜がんばっている!

えらい!

次回も肩甲骨の話しが続くぅ~~~。

よろしくです!

 

 

それにしても…、

1つのブログに14個の絵を描いたのは初めて!

ふぅ~~~。

全ての絵を描き上げた後のビールは格別おいしい!