コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

『肩こり』の話

鍼やお灸のイメージってどんな感じでしょう?

痛い? 熱い?

このマイナスのイメージを払拭して、

鍼灸の良さを少しでも多くの方に伝える何かがしたい!

ずーっとそんなことを考えてきました。

今日から当鍼灸院でお灸教室を開催し、

その第一歩が踏めたかな…と思います。

              *

第1回目のテーマは『首こり・肩こり』。

お灸教室は参加者の皆さんと一緒にツボ押しとお灸をします。

使うツボの数は最小限にして、

ゆったりとした内容にしたいと思っています。

しっしかし、今回は多かった!

ツボ押しに選んだツボは6個。

台座灸(だいざきゅう)と棒灸(ぼうきゅう)に選んだツボは7個。

首、肩、背中、腕にあるツボです。

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今回選んだツボが多かった理由は2つあります。

1つ目は、首こり・肩こりの原因はいろいろある!ということ。

長時間のパソコン操作で、目が疲れて首がこる。

腕が疲れて肩がこる。

同じ姿勢を長く続けて首だけでなく、背中一面がこる。

内臓の不調から首がこることもあります。

原因によって鍼灸に使うツボが変わります。

               *

2つめは重力と筋肉と骨格の関係。

私たちは地球に住み続けるかぎり、

重力に抗して活動します。

ある程度筋力があり、

たくさんの筋肉が協調して動かなければ

起き上がることも、腰掛けることもできません。

頭が首を支え、背中が首を支え、肩が腕を支え、

脚が骨盤を支えています。

                *

今日のテーマの『肩こり』に注目してみると…、

肩を構成するのは背骨と鎖骨と肩甲骨と腕の骨と、

それらにひっついている筋肉たち。

「肩の筋肉がこっていて動かしにくい」

「痛くて動かせない」

そんな時、ヒトは無意識に他の部位で、その動きをカバーします。

痛い状態が長いほど、カバーしている部位も根を上げてきて、

また別の部位でカバーする…。

そうなると鍼灸治療する範囲は広がってきます。

どんな症状でも、早めの対処が大切なんですね。

                *

今日のお灸教室で、

背中など自分でお灸ができないツボには、

2人ペアになって、お互いにお灸をしあって頂きました。

「やっぱり、人にやってもらうほうが気持ちいいねぇ~」

そのような声も聞かれました。

お灸にしみじみとひたって頂き、

参加者の皆様、ありがとうございます!

               *

お灸教室は、毎月 第2火曜日と第3日曜日の

10:00~11:30に開催しています。

次回は、4月15日(日)で、

テーマは、『肩こり・首こりをほぐそう!』です。

その次は5月8日(火)で、

テーマは『疲れやすさ・だるさをとって軽くなろう!』です。

お気軽にご参加下さい!

詳しくは3月29日のブログをご覧下さーい。

『首こり』の話

福岡は桜が見頃ですが、皆さんの住む街はいかがですか。

仕事場の〇〇〇〇は3部咲きです。

桜だと思っていましたが、違うそうです。

名前は………忘れました。

4文字です…。

まだ肌寒い日もありますが、

寒さでキューッと首をすくめることはなくなり、

首こり・肩こりの私には、うれしい季節です。

4月10日・15日と当鍼灸院でお灸教室を開催しますが、

テーマは『首こり・肩こり』です。

ブログでもそれをテーマに書いてみようかなぁって思います。

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今日は『首こり』の話。

いきなり、首の前の筋肉です。

これらは表面の筋肉で、この奥にもたくさんの筋肉があります。

これは首の後ろの筋肉。

この奥にもたくさんの筋肉が隠れています。

これらの筋肉と7個の首の骨が、私たちの頭を支えています。

               *

頭の中にある脳って、どれくらいの重さがあると思いますか。

体重の約2パーセント。 1250~1600グラムだそうです。

そう聞くと軽い感じがしますが、

球状の頭を細い棒状の首が支えているので、

首の筋肉は負担が大きそうですね。

               *

そもそも首こりの『こり』って何でしょう。

長い時間同じ姿勢をとっている。 姿勢が悪い。

ある筋肉がずーっと緊張しっぱなし。

その筋肉の近くの血管もきゅーっと縮こまる。

血流が悪くなる。

血液の中の酸素や栄養分が充分に筋肉に行き渡らない。

ぷくぷくと発生した疲労物質が筋肉にたまる。

筋肉にしこりができて硬くなる。

筋肉が痛くなる。

痛いからよけい筋肉が緊張する…。

こんなふうに悪循環となると、

慢性の首こり・肩こりに悩まされます。

               *

この筋肉の緊張は、精神的な緊張とお友だち。

「今日、首こりがひどいんですぅー」

そんな症状で鍼灸治療に来られる方の話をよく聞くと、

仕事や育児などがかなり忙しく、

精神的なストレスも大きかったり、イライラ感が激しかったり…。

精神的にも緊張している方が多いです。

そんな時は首の後ろだけでなく、首の前の筋肉もコリコリです。

首の『こり』だけでなく、心の『こり』もほぐすことが大切ですね。

               *

次回は『肩こり』について書きます!

よろしくでーす!

『めんどくさい病』の鍼灸レシピ

皆さんは買い物に行くときは、車?バイク?自転車?

私は徒歩ですが、まとめ買いをするときは、

キャスター付きの買い物カートを利用していました。

そのカートが先日壊れました。

今は買い物袋を両手で持ち、ひーひー言いながら帰っています。

いつのまにか腕の筋肉が落ちましたねぇ~。

               *

突然ですが、『ロコモティブ症候群』ってご存知ですか。

加齢に伴い、筋肉・骨・関節は変化していきます。

そして、筋力・体力・バランス能力など運動機能も低下します。

その低下速度が速く、転倒や骨折などで日常生活に支障をきたし、

やがて寝たきりなど介護を要する危険性が高い状態を

『ロコモティブ症候群』といいます。

                *

2年前の資料で申し訳ありませんが、

ここでロコチェーック!

1.片脚立ちで靴下がはけない。

2.家の中でつまずいたり滑ったりする。

3.階段を上るのに手すりが必要である。

4.横断歩道を青信号で渡りきれない。

5.15分くらい続けて歩けない。

6.2kg程度の買い物(1リトッルの牛乳パック2個程度)をして

  持ち帰るのが困難である。

7.家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろし)が

  困難である。

1つでもあてはまれば、ロコモティブ症候群が疑われてしまうーっ!

文明の利器にどっぷり頼っていると、

このロコモティブ症候群と友だちになる日は近い!?!?

               *

私は鍼灸師になる前、リハビリの仕事をし、

ご年配の方の運動療法も行ってきました。

そのときに、よく感じていたことは…、

『運動機能の低下』よりもやっかいなのは『めんどくさい病』。

体を動かさないと、ますますきつくなるのは頭ではわかっている…。

でも、めんどくさくて、行動に移せない…。

人事ではないですよ。

近くのコンビニに行く時でさえ車を使い続け、運動もしなかったら、

脚・腰が弱りそうですね。

じゃあ、車を使うのを今すぐやめますか?

いつかは!…???

大先輩たちは口々に言います。

『めんどくさい病』は年々ひどくなる…。

体が動きやすい年齢から文明の利器をちょこっとでも減らして

習慣化していかないと、『めんどくさい病』には太刀打ちできない気がします。

               *

さてさて鍼灸の話。

腰痛や首こり・肩こりなど『痛み』や『こり』を鍼やお灸で解消し、

症状がぶり返さないようにするには一工夫必要です。

『痛み』や『こり』が生活習慣やクセ(体の使い方)によるものであれば、

それを改善しないと!!!

そこに立ちはだかるのが『めんどくさい病』。

長年の生活習慣やクセって、そう簡単に変えられません。

『めんどくさい病』に効くツボも見当たりません。

鍼灸治療をしながら、患者さんと一緒に、

ちょこっとでも無理なく変えられそうなことを探します。

それを続けることにより、体がいい方向に変化していることを実感できたら、

そのこと自体を習慣にしやすくなります。

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ここまで書いていたら、

「キャスター付きの買い物カートを買い換えるのをやめようかな…」

そう思い始めています。

手の腱鞘炎の鍼灸レシピ

皆さんは今、パソコンや携帯電話を使って、

コトーのブログを見て頂いているわけですが、

それらを手で操作するにあたって、どれくらいの関節を

動かしていると思いますか。

じゃ~ん!

これは、鎖骨、肩甲骨、腕の3つの骨、手の骨です。

見づらくて申し訳ありませんが、赤丸がすべて関節です。

27の関節があります。

その関節一つひとつを動かすための筋肉も

いーっぱいあります。

筋肉は動かす時だけ働くと思われがちですが、

座位の姿勢を保つ時にも働きます。

上から下へかかっている重力に屈することなく、

私たちは座ったり立っているからです。

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パソコンや携帯電話を長時間操作していると、

指だけでなく、腕や肩、首もコチコチになりますよね。

実際動いているのは指ですが、

座位の姿勢を保とうと、背中、おなか、首、肩など

いろ~んな部位の筋肉が踏ん張っています。

従って、手の腱鞘炎になった時に鍼やお灸をするのは、

痛めている部位だけではありません。

私は、先ほどの関節や筋肉の動きをチェックして、

鍼灸治療の内容を決めます。

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また登場させてしまった下手な絵。

これは、『手の陽明大腸経 ようめい・だいちょうけい』という経絡。

その上にのっているツボの名前を書いています。

ツボに鍼やお灸をして、経絡の流れを良くすることによって、

症状を改善するわけですが、

この経絡のツボは手の腱鞘炎の鍼灸によく用います。

この経絡が指、手首、肘、肩の関節までまたがっていることが

重要だと思います。

それは、手の指の動きにそれらの関節も関係しているからです。

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手を使いすぎて炎症を起こした腱鞘。

治療は、まず安静第一ですが、

仕事や赤ちゃんの育児などで痛めてしまった場合、

それらを休めませんよね。

手の治療の難しさは、そこにあると思います。

そうなると、

手を痛めてしまう場面で、手の負担のかかりにくい工夫が必要です。

仕事などをする時の姿勢、動作のチェック。

デスクワークの場合、机と椅子の高さのバランス調整。

痛めている筋肉や腱鞘をサポートするテーピングや装具の使用。

ストレッチング、などなど。

また、日常生活でも、いかに手の負担を減らすか。

大切なことだと思います。

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前々から手への鍼灸の話は難しいだろうなぁ…と思っていましたが、

下書きの途中で止まってしまうほど、やはり難しかった!!

うまく伝わったかな???

難しい話につきあっていただき、ありがとうございました。

腱鞘炎って、なんじゃらほい

前回、手の機能についてご紹介しましたが、

今日は手の『腱鞘炎』の話。

『腱鞘炎』って漢字の通り、『腱鞘』の炎症のこと。

では、『腱鞘』ってなんじゃらほい?ほい?ほい?

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私たちヒトの骨格は、約200個の骨と、

それを支える、たくさんの筋肉から構成されています。

その筋肉を保護し、運動を円滑にするための補助装置が、

『筋膜』や『滑液包 かつえきほう』や『腱鞘』。

筋肉の端にあるのが『腱』。

その中で、手首や足首や指などを動かしている腱は、

上図のように腱鞘に包まれています。

外側の腱鞘(線維鞘)は骨に付いているものもあり、

その中を通っている腱の固定に役立っています。

また、内側の腱鞘(滑液鞘)は滑液(潤滑油のようなもの)を

含んでいて、腱が腱鞘の中をスムースに動かせます。

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腱鞘が炎症を起こす原因は、大きく2つ。

1つは、細菌感染で腱鞘が化膿してできる『化膿性腱鞘炎』。

2つ目は、手を使いすぎたために、腱が膨らんだり、

腱鞘が分厚くなって炎症を起こす『狭窄性腱鞘炎』。

炎症部位の痛みや腫れ、熱感や運動制限が生じます。

治療は原因によって異なりますが、まずは安静第一!!!

鍼灸で治療するのは、先ほどの『狭窄性腱鞘炎』。

仕事などで手の指を曲げる筋肉を使いすぎて

鍼灸院に来られる方が多いです。

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ちなみに…

これは、右の手のひら。

赤が筋肉。 肌色が腱。 緑が腱鞘。

これらの筋肉が働くと、指を曲げたり、

開いたり(ジャンケンのパー!です)、閉じたりできます。

腱鞘は、手首と指1本1本にあります。

久々にグロテスクな絵ですみませんね。

私たちの手のひらの奥には、こいつらがいるんですねぇ~。

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ありゃりぁ~、、腱鞘炎の説明だけで随分長いブログとなりました。

腱鞘炎の鍼灸治療については、次回ご紹介させて頂きます。

よろしくでーす!