コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

【動画で見る!ツボの取り方】指や手首の痛み、腱鞘炎に働きかけるツボ『大陵 だいりょう』

こちらは右腕の肘から指先までのイラスト。手のひらが上を向いている。

指を動かすための筋肉はたくさんある。『深指屈筋 しんし・くっきん』はその中の1つ。肘下から、親指以外の4本の指の、先端の骨に付く。この筋肉が縮まると、人差し指から小指までの先端の骨が引っ張られ、4本の指が曲がる。手首付近から指先までは『腱 けん』になっている。

 

ふくらはぎの筋肉 (下腿三頭筋 かたい・さんとうきん)が足首付近で『アキレス腱』になり、踵の骨に付くのと同じ構造。

手首から指先までを拡大すると、こんな感じ…。

 

赤色が筋肉。肌色が腱。緑色が腱鞘(けんしょう)。

 

腱は腱鞘というサヤに包まれている。皮膚の中には筋肉だけでなく、骨・血管・神経・脂肪などいろいろな組織がある。その中で、腱が滑りやすいように腱鞘という筒が付いている。手を酷使すると、腱鞘の炎症により、腱鞘が厚くなり、中を通る腱が滑りにくくなる。これが『腱鞘炎』。

悪化すると、腱鞘の中で腱が引っ掛かり、筋肉全体が動かせなくなる。つまり、指が動かなくなる。これが『ばね指』。

 

もう1度、グロテスクな手のイラストを見てほしい。手首の腱鞘の上には、横手根靭帯(おう・しゅこん・じんたい)がある。屈筋支帯(くっきん・したい)とも言う。

この靭帯や筋肉・腱・血管・神経などを取り除くと…、

 

手の骨格。手のひらの、手首付近(水色斜線)は、小さな骨たち(手根骨 しゅこんこつ)で構成されている。これらの骨たちと、屈筋支帯(=横手根靭帯)でできるトンネルを『手根管 しゅこんかん』と言う。指・手首を曲げる筋肉の腱や神経がこの中を通っている。

腱鞘炎などで腱鞘が厚くなれば、手根管内が狭くなり、その中を通る神経が圧迫され、親指・人差し指・中指のしびれや痛みが出てくる。これが『手根管症候群 しゅこんかん・しょうこうぐん』。

指や手首の痛みが強かったり長引く時には、痛んだ筋肉・腱・腱鞘を使わず、安静第一!しかし、手を酷使して痛める方が多く、その原因である仕事・家事・育児・介護などを辞めるわけにはいかない。

そんな時は、サポーターや装具がおすすめ。固定力が強ければ、関節は動かず、筋肉は休める。しかし、細かな手作業はしづらい。固定力が弱ければ作業はしやすいが、痛んだ筋肉たちはあまり休めない。各々の作業によってサポーターや装具を使い分けると、筋肉への負担が減る。睡眠中も筋肉が緊張している時は、夜間装具もおすすめ。

以前、手の腱鞘炎の特集ブログを組んだことがある。サポーターや装具も画像付きで紹介している。興味のある方は、『再特集~手の腱鞘炎の鍼灸治療とセルフケア①~手の構造』から読んでみてねぇ~。

 

赤いラインは、『手厥陰心包経 て・けついん・しんぽうけい』という経絡。指を曲げる筋肉と同じラインにある。指や手首が痛い時には、この経絡の上にあるツボに鍼やお灸をして、こわばった筋肉を緩める。

手首中央には『大陵 だいりょう』というツボがある。指や手首を動かすと痛い方には、ここへのセルフお灸もおすすめ。

 

これは『台座灸』。底にシールが付いているのでお灸がしやすい。

『大陵』のツボ取り動画を撮ったよ~。ツボの見つけ方にはコツがある。しつこく説明したら、長くなっちゃった…。興味のある方は見てねぇ~。

こんなに長く書いているにもかかわらず、おまけの話。

9月9日は『重陽の節句 ちょうようのせっく』。東洋医学では、世界のあらゆるものを『陽』と『陰』に分けている。数字の奇数は『陽』。偶数は『陰』。9月9日は『陽』が重なっているので、『重陽』と言われる。

季節の変わり目には体調を崩しやすい。『節句』は、その季節の旬の物を味わい、健康を願う日。

重陽の節句の頃になると、様々な花の形をした菊が花屋に並ぶ。キク科の一種『除虫菊』は蚊取り線香の原料になり、菊は薬効がある。

 

これは、お灸で使う『モグサ』。原料は『ヨモギ』。ヨモギもキク科の植物。お灸をしていたら、蚊が網戸の外に出たがっているのを目撃したことがある。

 

9月9日に菊の花を飾り、

 

小さな菊の花を浴槽に浮かべ、重陽の節句を味わったよ~ん。

福岡県福岡市にある女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

首こり・肩こり・背中こり・腰痛・お尻の痛み・脚の痛み・坐骨神経痛の鍼灸治療

私たちが住む地球には『重力』がある。立位や椅坐位・床座位は、『抗重力位』と言い、重力に逆らわないと保てない姿勢(=姿位)。

ツボ・モデル子ちゃんに「1時間、この姿勢のままでいてね」と言ったら、どうだろう。正面をずっと見続けるために、首の筋肉がこりそうだねぇ…。頭や腕を支えつつ、体幹をシャキッ!と保つために、背筋や腹筋もこりそうだねぇ…。自分の体重を支えつつ、股関節や膝を伸ばし続けるために、お尻や脚の筋肉もこりそうだねぇ…。

姿勢を保ち続けるには、筋肉も同じ長さで保ち続けなければならない。これが筋肉にはつらいんだなぁ。血流が滞り、筋肉のコリや痛みが発生する。それでは…。

「ツボ・モデル子ちゃん、腕を前後に振りながら、その場所で30分間、足踏みをしてみて」と言ったら、どうだろう。『伸びたり縮んだり』を繰り返すのも、筋肉はつらいんだなぁ。やはり、コリや痛みが発生する。

さて、当鍼灸院には「首こりや肩こりがひどくて痛い!」と来られる方が多い。首や肩に触れると、確かにガチガチ。そして、左右の肩甲骨の間や腰の筋肉もカッチカチ。「腰も硬いですねぇ」と言うと、「えっ?そうですか?」と本人は気づいていない。

「腰が痛くて、朝起きるのがつらい!」と来られる方も多い。確かに腰の筋肉はガチガチだが、首や肩甲骨の間もカッチカチ。「う~ん、首もこってますねぇ」と言うと、「あまり感じない」と本人は気づいていない。

重力に逆らった、『姿勢』や『日常動作などの動き』は、いろいろな筋肉が働いて成り立つ。痛みを感じるのが部分的であっても、背筋全体を緩めることって大切だと思う。

 

後頭部から尾てい骨までの後面図。赤いのは、『最長筋 さいちょうきん』という筋肉。背筋と言ってもたくさんあり、『最長筋』が一番長い。頭蓋骨の下方から、背骨・骨盤の骨まで付いている。肋骨にも付いているねぇ。

 

さて、赤いラインは『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡。目頭と鼻の間にあるツボ『睛明 せいめい』に始まり、

 

頭頂部・後頭部・背中・お尻・脚の後面と下行し、足の小指にあるツボ『至陰 しいん』で終わる。背筋と同じ所を走行している。そのため、首こり・肩こり・背中こり・腰痛・お尻の痛みには、『足太陽膀胱経』の上にあるツボに鍼やお灸をして、滞った血流を促し、こわばった筋肉をほぐし、痛みを和らげる。

 

さて、右のお尻と脚の後面図。赤いラインは、坐骨神経。『足太陽膀胱経』と走行が似ている。そのため、脚の痛みや運動麻痺だけでなく、坐骨神経痛にも、『足太陽膀胱経』の上にあるツボに鍼やお灸をするよ。地球に重力が限り、『足太陽膀胱経』上のツボは活躍するんだなぁ~。

さて、記録更新!昨年は6月26日頃にセミが鳴きだしたが、今年は6月19日。梅雨の雨の合間に鳴いている。暑さが前倒しでなかった頃は、梅雨や田植えの時期にカエルが合唱し、その後にセミが合唱していた。最近、カエルの鳴き声を聴くことが滅多にない。

30代の頃、田んぼに囲まれた、のどかな街に住んでいた。畳の部屋でくつろいでいると、後ろに人の気配。振り向くと、アマガエルがちょこんと座り、こちらを見つめていた。横の壁に何か動く気配。横を見ると、カマキリが壁を登っていた。

庭にあるマウンテンバイクには、黄色のビニールカバーを掛けていた。出かける時には、カバーの折り目からアマガエルが飛び出す。帰宅後、マウンテンバイクにビニールカバーを掛けると、翌日には、定位置の折り目にアマガエルが戻っていた。

気温と湿度が共に高いと、体にこたえるねぇ~~~。屋外でも屋内でも熱中症に気を付けよう!福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。ケロケ~ロ!

【動画で見る!ツボの取り方】手首の痛みや腱鞘炎、腕の小指側の痛みに働きかけるツボ『陽谷 ようこく』

じゃんじゃかじゃ~ん。当鍼灸院の待合室に、人体の骨格模型を置いている。右側から、紹介!膝関節を中心とした太ももの骨と膝下の2本の骨、手の骨、足の骨、肩甲骨と腕の骨と鎖骨、腰の骨と骨盤。

 

肩甲骨と腕の骨と鎖骨の模型。首こりや肩こり、五十肩の治療、特にパーソナルトレーニング(運動の実践と指導)をする時には、この模型を使って、肩関節のメカニズムを説明する。なぜ痛むのか…。どこがどのように動きにくくなっているのか…。それをストレッチングや運動でどんなふうに改善していくのか…。模型を見ながら説明すると、患者さんも理解しやすく、運動もしやすい。

 

膝関節の模型。膝周辺のツボ取り動画でも大活躍した。太ももの前の筋肉(=大腿四頭筋 だいたいしとうきん)は、膝に近づくと靭帯(じんたい)(画像の左側のオレンジ)になり、膝蓋骨をくるんで、膝下の骨につく。言葉だけでは伝えにくく、模型を見ていただくと、患者さんは「へぇ~」と納得される。

 

手首にあるツボ『陽谷 ようこく』のツボ取り動画の台本を書く手が止まった。うー!うー!うー!分かりやすく説明できない。よしっ!手の模型を購入しよう!と、思い立った。ツボの位置は、骨のある部分を基点にしていることが多い。手の骨格模型のおかげで、動画が撮りやすかった。あとで、動画を見てみてねぇ~。

仕事でも趣味でもどんなことでもアイデアが浮かぶと、コトーは実際にやってみたくなる。そして、手間がかかりつつも実行すると、期待通り、期待以上の出来上がりになる(自己満足かも…)こともある。いくつになっても、パッ!とアイデアが浮かぶ、柔軟な脳ミソでありたい!すぐ実行できる体力と気力も持ち続けたい!

『陽谷 ようこく』というツボは、『手太陽小腸経 て・たいよう・しょうちょうけい』という経絡の上にある。前回のブログで書いたが、この経絡上のツボは、首こり、肩こり、腕こり、指や手首の腱鞘炎の鍼灸治療でよく使われる。特に、小指の『指から肘にかけて』の痛みに、『陽谷』を用いる。

 

セルフお灸をするなら、台座灸がおすすめ。『陽谷』が手首の端にあるが、台座灸は底にシールが付いているので、『陽谷』に貼り付けやすい。興味のある方は、下にあるツボ取り動画を見てねぇ~ん。とその前に、昨日撮ったばかりの桜をどうぞ…。

 

おーっ、満開の桜並木。

 

桜の花がうじゃうじゃ!心がなごむ…。

You Tubeのサムネイル画像(=タイトル付の画像)も自撮りしている。変顔になることが多く、何度も撮り直している…。おばちゃんだって、頑張ってるぞー!福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑪~手太陽小腸経・後編

鍼灸師になる前、理学療法士として、脳性麻痺や脳血管障がいなどによる運動麻痺のある方の運動療法を行ってきた。東洋医学って西洋医学と全く異なるんだろうなぁ…。西洋医学の思考回路を切り替えないと!そんなことを思いながら、鍼灸師の養成校に通い始めた。しかし、『手太陽小腸経 て・たいよう・しょうちょうけい』という経絡を知った時、そんな思いが吹っ飛んだ。

腕や手指の運動障がいを治療する際には、腕や手指の運動性や支持性だけでなく、背骨も含めた体幹や肩甲骨の支持性を高めることも重要になる。

 

赤いラインが『手太陽小腸経』。『手の小指から始まり、腕の小指側を上行し、肩甲骨から肩を通るまでのライン』は、腕や手指の運動療法中に意識するところ!東洋医学も西洋医学も経験医学。歴代の治療家が治療をしていく中で、確立していった。共通点もあるんだなぁ…。

そんな理由から、指や手首の腱鞘炎、手も含めた腕の痛みやだるさの鍼灸治療でも『手太陽小腸経』の上にあるツボは、よく使う。

手首にある陽谷(ようこく)、肘にある小海(しょうかい)、脇の下にある肩貞(けんてい)、肩先にある臑兪(じゅゆ)、肩甲骨にある天宗(てんそう)・秉風(へいふう)・曲垣(きょくえん)、肩にある肩外兪(けんがいゆ)・肩中兪(けんちゅうゆ)。

もちろん、首こり・肩こりの治療の際にも、これらのツボを使って、筋肉のコリをほぐす。

よく使うツボがもう1個ある。耳の前にある『聴官(ちょうきゅう)』。

 

耳の周りにはたくさんのツボがある。

 

耳の前に縦に3個のツボがあり、その中央が『聴官』。突発性難聴や急性期の耳鳴りの治療に用いる。短くて細い鍼をちょこんと10~15分くらい、このツボに置く。

耳の症状が現れてから時間が経つと、鍼治療をしても改善は難しいと言われている。聞こえにくさや耳鳴りが気になり始めたら、すぐに治療を受けていただきたい!耳のトラブル時には、血の巡りが滞っていることが多く、首こりや肩こりも解消して、耳周辺の血流を促すことも大事!

この経絡は小腸にもつながっているが、腸のトラブルの時には、別の経絡上にあるツボで治療することが多い。もうすぐ登場するよーん。

難しい内容の特集ブログに長く付き合っていただき、誠に感謝しています!!次回のブログでは『手太陽小腸経』のツボの中で、自分でも取れるツボを紹介するよ。動画も撮ったよ。よろしくぅー!

福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

【動画で見る!ツボの取り方】肘・腕のだるさや痛み、手首・指の腱鞘炎に働きかけるツボ『神門 しんもん』

赤いラインは『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』という経絡。その上に『神門 しんもん』というツボがある。手のひら側の手首の端、小指側にある。

 

軽い物なら、手首にグッと力を入れて、物を持ち上げ、保持できる。

 

重い物でも同じように持てる方もいれば、

 

こうべを垂れるように、手首から先が下に傾いたまま、持ち上げ、保持する方もいる。握力や腕の力が弱いため、手首から先を上に持ち上げられない。この持ち方は指や手首の筋肉を痛めやすい。

特に、『手首を下に傾けたまま、薬指や小指で強く握ること』が手作業中のクセになっていると、薬指や小指を曲げる筋肉や手首を小指側に傾ける筋肉が疲労しやすい。これらの筋肉がカチコチに硬くなると、手首の端(小指側)、ちょうど『神門』あたりに痛みが出てくる。そんな時、『神門』に鍼やお灸をして、カチコチの筋肉を緩め、痛みを緩和させる。

 

硬さが強く、筋肉の柔軟性が失われている時は、灸頭鍼(きゅうとうしん)がおすすめ。ツボというよりも、硬くなった筋肉に鍼を置き、鍼先にモグサをのせてお灸もする。

 

台座灸を使ったセルフお灸もおすすめ。台座灸は底にシールが付いているので、誰でも簡単にできる。

『神門』のツボ取り動画を撮ったが、まだまだ修行が足りないねぇ~。分かりづらい気がして、ブログで補足するよ。

こちらは、手のひらから見た、右手の骨。5本の指の根元には、小さな骨がごちゃごちゃっとある。手首の端(小指側)の上に、豆状骨(とうじょうこう)という骨がある。緑丸のところ。ポコッと突き出ているので、皮膚の上からでも触れると分かりやすい。その豆状骨の際、手首に『神門』がある。赤丸のところ。

こちらは、手のひら側の右腕。赤いのは、手首を小指側に傾ける筋肉、『尺側手根屈筋 しゃくそく・しゅこん・くっきん』。『神門』はその筋肉の隣、親指側にある。青丸のところ。豆状骨の下、かつ、尺側手根屈筋の隣(親指側)という、2つの取り方があり、ややこしいが、動画を見ながらツボを取ってみてねぇ~~~~。

このツボがある『手少陰心経』は、臓器の『心 しん』(心臓のこと)につながっている。心は神(しん)を蔵す。『神』とは精神活動のことで、『心』はメンタルに深くかかわっている。『神門』の『門』は出入口のこと。このツボは、心気(=心のエネルギー)の出入り口であり、その名前が付いた。『手少陰心経』にとっても『心』にとっても重要なツボなんだなぁ…。といいつつ、コトーは、指・手首・腕のトラブルの時に、このツボをよく使うんだなぁ…。

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