コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

体のしくみあれこれ~脚長差の錯覚

鍼灸の仕事をしていると、
脚の長さが左右、違うんです…と言う方に出会います。

確かにあおむけになると、
左右のかかとの位置が違う。
股関節のトラブルなどで脚長差が生じることはありますが、
今までお会いした方々は骨盤のねじれからくるもの。

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グロテスクな絵で、すみません。
ねずみ色の骨盤には、たくさんの筋肉がついています。
骨盤から背骨についている筋肉は5本、
肋骨についている筋肉は7本、
大腿骨(ももの骨)についている筋肉は14本、
脛骨(けいこつ)(ひざの下の骨)には6本
腓骨(ひこつ)(ひざの下の骨)には1本。
これらは片側のみの本数。
すごい量ですよね。

例えば…
骨盤から背骨や肋骨についている右側の筋肉が
左よりもかなり縮まっていたら…、
骨盤は右側が上に引き上げられ、
右脚も骨盤と一緒に上に引き上げられますよね。
これが勘違いの正体!
「脚の長さが左右、違う!これって脚の骨の長さが違うのぉ~?」
と、錯覚してしまう…。

体の使い方の長年のクセにより、
骨盤のねじれを生じる方が多いようです。
縮まっている筋肉をゆるめ、クセを少しずつ直していくと、
骨盤のねじれが改善し、脚長差の錯覚はなくなります。

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はりきゅう雑話~お灸アラカルト

めちゃくちゃ寒い日が続いていますが、
皆さま、風邪などひいていませんか。
今日は体の芯まで温まる『お灸』の話におつきあい下さい。
長いです!お覚悟を~!

 

 

『モグサ』
お灸にモグサが使われるようになったのは、
中国の春秋戦国時代(B.C.8~3世紀)。
モグサの原料はヨモギの葉の裏の産毛。
菊の葉と似ています。

 

 

ヨモギの葉を夏に刈り取る→乾燥→裁断→石臼でひく
→トウミという機具で不純物除去→モグサ完成!

ヨモギの葉の量のうち、モグサになれるのは、たった5%!

 

 

 

『点灸 てんきゅう』
モグサを米粒ほどに指でひねったものを
ツボに置き、線香で点火。
皮ふ上にシールを貼ってからモグサをのせれば
灸の跡が残りません。

 

 

『しょうが灸』
スライスしたしょうがを皮ふとモグサの間に置く。
他には、スライスしたニンニクでも。

 

 

『灸頭鍼 きゅうとうしん』
名前のごとく、鍼の先にモグサをつけて点火。
伝導熱でツボの中まで温まります。
中国留学中、師匠はこの方法をよく使っていました。

 

 

『棒灸 ぼうきゅう』
モグサをタバコのように和紙でくるんで棒状にしたもの。
皮ふから3~5㎝離して温める。
棒灸は手や足、お腹など広範囲に温められ、
操作も簡単。

 

 

『箱灸 はこきゅう』
底をくりぬいた五合升に、ステンレス製のパッド、
その中に棒灸をカットしたものを入れます。
お尻やお腹、背中の上に置き、
温かさは上にのせた木ブタで調整。
棒灸同様、広範囲に長い時間温められます。

 

 

『台座灸』
台座の上にモグサがくっついている。
台座の下にはシールがついているので、
どこのツボにもしやすい!
自宅で自分でお灸するのには、簡単です。

 

お灸には、いろいろな方法があります。

江戸時代から庶民に親しまれてきたお灸。
日本の風土や日本人の体質にはあっていると思います。

今日もサイコーに長いブログ。
最後まで読んで頂き、誠に有難うございます!

 

はりきゅう雑話~ 背中のこりこり

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首がガチガチで回らなくて…とか、
腰が硬く痛くて…とか、
背中の部分的なコリや痛みを訴えられても、
実はうなじから腰まで筋肉が硬くなっていることはよくあります。

背骨の両脇にある筋肉は一番長いのでは、
後頭部から骨盤(お尻の上部)までついています。

上(首・肩)が長い間硬かったら、下(腰)へもコリが伝染。
逆もしかり…。

この1ヶ月ほど例年よりも寒いせいか、
背中のコリコリ具合も他の季節より強い気がします。

当鍼灸院では、うつぶせになっていただき、
写真の箱灸(5合升を使ったお灸)を
左右の肩甲骨の間と、お尻上部の2ヶ所に置き、
他の季節より長め、15分ほどじんわりと温め、
背中の筋肉をほぐします。

うつぶせがきつい方は、下の写真の棒灸で背中を温めます。
棒灸は皮ふから3~5㎝離しながら温めます。
箱灸も棒灸も効果は一緒です。

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同時に、棒灸で、ふくらはぎから足の裏まで温めると
お尻や足の冷えも改善しますよ。

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体のしくみあれこれ~でっちり

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リハビリの仕事をしていた頃、しょっちゅう腰を痛めていました。
一番の原因は、でっちり。
『でっちり』って、背骨の腰の部分の前カーブ(そりかえり)が強すぎて、
骨盤も前のめりになってしまうこと。

私の場合、小さい頃からの年季の入ったでっちり。
他には、腹筋が弱かったり…
仕事などで背筋(特に腰)をよく使うために
腰の筋肉が縮まって、腰のそりかえりが強まったり…
原因はいろいろ。

腰の前カーブが強いと、
腰の筋肉は働きやすい!というより働きすぎる!
逆に腹筋は働きにくい! とアンバランス。

また、上半身の重みが腰の骨と骨盤の境目あたりに
どどーんとのってきて、負担が大きい。
こんな理由から腰を痛めやすいようです。

腰の筋肉をストレッチして緩め、
腹筋を鍛えることはもちろん大事。
私もずーっとやっています。
そのおかげか、大でっちりが小でっちりになったような…。
(ただお尻の肉が削げ落ちたのか…)

気をつけることはあと2つ。
1つは、股関節を曲げる筋肉の柔軟性。
太ももの付け根(そけい部)のあたり。
ここの筋肉が縮まると、
骨盤の前のめりを修正するのが難しい。

両脚を前後に出した立位で、
後方の脚の股関節を、太ももの付け根を、しっかり伸ばす、
などでストレッチ。

2つめは重心の位置。
でっちりさんは座っていても立っていても、
重心が常にやや前方に。
せっかくストレッチなどで、でっちりを修正しようとしても
でっちりを増強する姿勢ばかりとっていては、
悪循環になってしまいます。

少し重心を後方にする(上半身を少し後方にずらす)だけで
腰の筋肉はちょっぴり緩みます。

鍼灸治療をしながら、
このような日常生活のアドバイスなどもしています。
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体のしくみあれこれ~フラット・ネック

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鍼灸治療や本・テレビ・ラジオなどで気になった
体に関することを、ときどき取り上げていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

第1回目は『フラット・ネック』
人の首は7つの小さな骨が連なっています。
(きりんの首の骨も7個らしい。)
一般的には上図(またまた懲りずに手書き)のように
横から見るとゆる~くカーブしています。
このカーブによって、重たい頭を支えたり動かしたりする
首の負担が減っています。

そのカーブがなく、7つの骨が真っすぐ連なっているのが
『フラット・ネック』
首に負担がかかり、首や肩の筋肉の負担も増えます。

もともとカーブがない方もいらっしゃいます。
前かがみや下向きの姿勢を長くつづけることにより、
7つの骨が真っすぐになることもあります。

肩こりや首こりで鍼灸治療に来れられる方々のうち、
整形外科でレントゲンを撮ったら「首の骨が真っすぐだ」
と言われたことがある方は意外と多いです。

壁にお尻と肩甲骨をつけて立ったとき、
後頭部も壁につきますか。
つきにくい場合はフラット・ネックかも。

背筋を伸ばして20度くらいの角度であごを上げると、
首の自然なカーブが保てるそうですよ。
とはいえ、デスクワーク中にそんな姿勢はとれませんよね。

歩くとき、車を運転するとき、など正面を見ている時に
意識してみては…。

あおむけで寝ている方は枕も大事。
枕が高すぎると、首の後ろの筋肉が
常にストレッチされてリラックスできません。
首や肩の筋肉がリラックスできる高さが肝心です。
人それぞれ異なるので、折りたたんだバスタオルなどで
枕の高さを調整して、
翌朝の首や肩のリラックス度をみたらどうでしょう。

私は今まで横向きで寝ていたのに最近はあおむけ。
数日前に枕をやめ、バスタオルを四つ折したものを敷くだけ。
翌朝肩から肩甲骨にかけてリラックスしている感じ。

医学用語を極力使わずにわかり易く書いたつもりですが、
いかがでしょうか…。
わかりにくいですか?
(ふっておいて、コメント欄がないじゃないかっ!)
ごもっともでございます。
失礼いたしました。

日に日に寒くなりますね。
風邪、インフルエンザに気をつけましょう!

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