コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑪~手太陽小腸経・後編

鍼灸師になる前、理学療法士として、脳性麻痺や脳血管障がいなどによる運動麻痺のある方の運動療法を行ってきた。東洋医学って西洋医学と全く異なるんだろうなぁ…。西洋医学の思考回路を切り替えないと!そんなことを思いながら、鍼灸師の養成校に通い始めた。しかし、『手太陽小腸経 て・たいよう・しょうちょうけい』という経絡を知った時、そんな思いが吹っ飛んだ。

腕や手指の運動障がいを治療する際には、腕や手指の運動性や支持性だけでなく、背骨も含めた体幹や肩甲骨の支持性を高めることも重要になる。

 

赤いラインが『手太陽小腸経』。『手の小指から始まり、腕の小指側を上行し、肩甲骨から肩を通るまでのライン』は、腕や手指の運動療法中に意識するところ!東洋医学も西洋医学も経験医学。歴代の治療家が治療をしていく中で、確立していった。共通点もあるんだなぁ…。

そんな理由から、指や手首の腱鞘炎、手も含めた腕の痛みやだるさの鍼灸治療でも『手太陽小腸経』の上にあるツボは、よく使う。

手首にある陽谷(ようこく)、肘にある小海(しょうかい)、脇の下にある肩貞(けんてい)、肩先にある臑兪(じゅゆ)、肩甲骨にある天宗(てんそう)・秉風(へいふう)・曲垣(きょくえん)、肩にある肩外兪(けんがいゆ)・肩中兪(けんちゅうゆ)。

もちろん、首こり・肩こりの治療の際にも、これらのツボを使って、筋肉のコリをほぐす。

よく使うツボがもう1個ある。耳の前にある『聴官(ちょうきゅう)』。

 

耳の周りにはたくさんのツボがある。

 

耳の前に縦に3個のツボがあり、その中央が『聴官』。突発性難聴や急性期の耳鳴りの治療に用いる。短くて細い鍼をちょこんと10~15分くらい、このツボに置く。

耳の症状が現れてから時間が経つと、鍼治療をしても改善は難しいと言われている。聞こえにくさや耳鳴りが気になり始めたら、すぐに治療を受けていただきたい!耳のトラブル時には、血の巡りが滞っていることが多く、首こりや肩こりも解消して、耳周辺の血流を促すことも大事!

この経絡は小腸にもつながっているが、腸のトラブルの時には、別の経絡上にあるツボで治療することが多い。もうすぐ登場するよーん。

難しい内容の特集ブログに長く付き合っていただき、誠に感謝しています!!次回のブログでは『手太陽小腸経』のツボの中で、自分でも取れるツボを紹介するよ。動画も撮ったよ。よろしくぅー!

福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

2022年初春?初夏?ポカポカ散歩!

特集ブログの中休み。

 

福岡市美術館で開催中の『シンガポール・スタイル1850-1950展』に行ってきた。以前、コトーは趣味で染織をしていた。

 

染色学校に通っていた1993年頃の作。型染めの綿の風呂敷。

 

同じく1993年頃の作。筒描きの絹のスカーフ。

機織り教室に通っていた1998年頃の作。糸染めをして、織機で織り、ミシンで仕立てた綿のコート。今は作品を作っていないが、染織に興味津々!

 

1920-1930年代に作られた上衣と腰布。

 

上衣の裾にレースが付いている。

 

魚の文様!レースはヨーロッパ製。縫製はマレーシアのペナン。しゃれてるなぁ…。

 

1940-1950年代に縫製。このスタイルは、日本の着物に通じるねぇ~

 

菊の花がプリントされている。生地はヨーロッパあるいは日本製。コトーもこの菊柄が好きで…。

 

菊の文様のワンピースを持っている。丈が短く、寒がりの中年コトーはスパッツやズボンも一緒に着用。展示作品を2度じっくり見入った後、屋外に出ると…。

 

大濠公園は雲1つない晴天。ビルに囲まれた大きな湖を見るたびに、プラッシュ・バックする。

 

鏡湖公園で2007年に撮影。

 

湖の隣は繁華街。鍼灸と中国語の勉強のため、中国に留学していた。次々とアクシデントがあったが、帰国したいと思ったことは1度もなかった。「どうやって勉強したら、鍼灸も中国語も効率よく身につけられるのか…」とひたすら考えながら散歩したなぁ…。

 

それにしても大濠公園にはカモメが多いなぁ。

 

親子?兄弟?のカメたちの甲羅干し!

 

好天続きで枝垂桜も咲き始めた。

 

春だねぇ…。

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑩~手太陽小腸経・前編

おーっ、イラストの胃がかすんでる!すみません!分かりますか?

口から取り込んだ飲食物は、胃でドロドロになる。

 

胃気(いき)!久しぶりに登場!胃のエネルギーのこと。胃気の持つ『下降させる力』で、ドロドロになった飲食物は胃から小腸へ下行する。そして、小腸で飲食物は更にドロドロド~ロになる。ドロドロド~ロになった飲食物は、体にとって必要な物(=栄養となるもの)と必要でない物に分けられる。

 

ここで登場するのは脾気(ひき)!脾のエネルギー!『上昇させる力』を持つ。体に必要な物は脾気の力で全身に行き渡る。

 

そして、体にとって不必要な『液体』は膀胱へ、不必要な『固形物』は大腸へと、胃気の『下降させる力』で運ばれる。おーっ、東洋医学から見た小腸の働きは、分かりやすいねぇ~。

前回の特集ブログで紹介した『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』という経絡。赤いライン。脇の下にあるツボ『極泉 きょくせん』に始まり、小指の先端・内側(薬指側)にあるツボ『少衝 しょうしょう』で終わる。体内では臓器の『心 しん』につながる。

小指のツボ『少衝』と結ばれているのは…。

 

『手太陽小腸経 て・たいよう・しょうちょうけい』という経絡。手の小指の先端・外側にあるツボ『少沢 しょうたく』に始まり、手の甲の小指側を通り、肘を上行し、肩甲骨から首の横を通り、頬骨(ほおぼね)の下にあるツボ『顴髎 けんりょう』、そして、耳の前にあるツボ『聴宮 ちょうきゅう』で終わる。この経絡の上にツボが19個。

このメインの経絡以外に2本、枝分かれる。1本目は…。

 

青いライン。肩にあるツボ『肩中兪 けんちゅうゆ』から枝分かれ、別の経絡の上にあるツボ『大椎 だいつい』を通って、

 

赤いライン。肩の前から鎖骨の前のくぼみへ下り、そこから、体内に入り、臓器の『心 しん』とつながる。そして、食道に沿って下行し、横隔膜を貫き、胃を通って、小腸とつながる。長いねぇ~。

『心』と『小腸』は表裏関係。心が持つ『温煦作用 おんく・さよう』(温める作用)は、先に述べた小腸の働きを促す。

メインの経絡から枝分かれる、2本目の経絡は…。

 

青いライン。頬骨の下にあるツボ『顴髎 けんりょう』から枝分かれ、目の下から鼻の付け根まで上行し、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡の1番目のツボ『睛明 せいめい』と結ばれる。

 

『睛明 せいめい』は、鼻と目頭の間にある。

 

頬にある『客主人』という文字の下に『顴髎 けんりょう』がある。耳の前にある縦3個のツボのうち、中央が『聴宮』。『顴髎 けんりょう』とマゼンダ色(=手太陽小腸経)で結ばれているよ。

今回のブログでは、『顴 けん』『髎 りょう』『兪 ゆ』『煦 く』『睛 せい』と、日本では馴染みのない漢字がたくさん出てきた。東洋医学は中国が発祥で、日本の漢字には該当しない、中国漢字があるんだなぁ…。

今回のブログはイラストもたくさん載せた。コトーは絵を描くのが嫌いではないが、同じ顔が描けない…。ツボ・モデル子ちゃんは何枚もコピーして、経絡を描いている。どうやったら同じ顔が描けるようになるのかなぁ…。練習するのみ?

次回のブログは、『手太陽小腸経』の上にあるツボたちを紹介するよ~ん。福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。                  

2022年極寒!キーンキーン梅見散歩!

 

鴻臚館(こうろかん)は、平安時代の7世紀後半に、筑紫(現在の福岡市)と難波(大阪)と平安京(京都)に建てられた、国立の迎賓館。

 

1987年、福岡平和台球場の外野スタンドの改修工事に伴う発掘調査で、筑紫の鴻臚館の遺構を発見!3ヶ所の鴻臚館の内、場所が特定できているのは福岡だけ。ほほーっ。

平安時代の前、飛鳥・奈良時代には、筑紫の鴻臚館の前身、『筑紫館 つくしのむろみつ』があった。688年、日本書紀に『筑紫館で新羅(しらぎ)(朝鮮の古代の王国)からの使者をもてなした。』と記されている。7世紀後半には、外国使節や遣唐使・遣新羅使などの宿舎として使われた。9世紀後半以降、留学僧(るがくそう)・唐商の応接機関、11世紀には外国商人との貿易の場となった。400年の歴史がある。

中国の呉(ご)の国の僧侶・智聰(ちそう)が、仏典とともに鍼灸医学書を日本に持ち込んだのが、562年。日本の鍼灸の起源。その後、遣隋使や遣唐使が中国文化を輸入し、中医学を学んだ医師(僧医)や中医学書により、中医学は日本に深く伝わっていった。この鴻臚館でも、古代の中医学書を手にした日本人がいたんだなぁ…。

当初の鍼灸は、都でも上層階級の人たちだけが対象であったが、江戸時代に入ると、お灸は庶民に広く浸透していった。浮世絵にも、お灸をしている絵が何枚もあるよ。

 

鴻臚館があった場所に、福岡城もあった。福岡城は、黒田長政が1601年から7年かけて築城。現在、福岡城跡には梅園がある。

 

2022年1月上旬、天気は快晴だが気温6度。梅のつぼみも凍えそう…。早く来すぎた!1か月後にまた来よう!

 

2月上旬。天気は曇り。気温は8度。0.5分咲きかなぁ…。ピンクもいいけど、

 

赤もいいねぇ。

 

梅花の串刺しだんご!美味しそう!

 

2週間後にリベンジ!2月下旬。天気は曇り。気温は5度。花数は少ない気がする。

 

曇りの日に、

 

花の写真を撮るのは難しいねぇ。暗くなっちゃう。

 

寒くて手がかじかむし…。しかーし、日の出が早くなり、日の入りも遅くなってきた。これから三寒四温を繰り返し、春がやってくるね。

福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

【動画で見る!ツボの取り方】肘・腕のだるさや痛み、手首・指の腱鞘炎に働きかけるツボ『神門 しんもん』

赤いラインは『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』という経絡。その上に『神門 しんもん』というツボがある。手のひら側の手首の端、小指側にある。

 

軽い物なら、手首にグッと力を入れて、物を持ち上げ、保持できる。

 

重い物でも同じように持てる方もいれば、

 

こうべを垂れるように、手首から先が下に傾いたまま、持ち上げ、保持する方もいる。握力や腕の力が弱いため、手首から先を上に持ち上げられない。この持ち方は指や手首の筋肉を痛めやすい。

特に、『手首を下に傾けたまま、薬指や小指で強く握ること』が手作業中のクセになっていると、薬指や小指を曲げる筋肉や手首を小指側に傾ける筋肉が疲労しやすい。これらの筋肉がカチコチに硬くなると、手首の端(小指側)、ちょうど『神門』あたりに痛みが出てくる。そんな時、『神門』に鍼やお灸をして、カチコチの筋肉を緩め、痛みを緩和させる。

 

硬さが強く、筋肉の柔軟性が失われている時は、灸頭鍼(きゅうとうしん)がおすすめ。ツボというよりも、硬くなった筋肉に鍼を置き、鍼先にモグサをのせてお灸もする。

 

台座灸を使ったセルフお灸もおすすめ。台座灸は底にシールが付いているので、誰でも簡単にできる。

『神門』のツボ取り動画を撮ったが、まだまだ修行が足りないねぇ~。分かりづらい気がして、ブログで補足するよ。

こちらは、手のひらから見た、右手の骨。5本の指の根元には、小さな骨がごちゃごちゃっとある。手首の端(小指側)の上に、豆状骨(とうじょうこう)という骨がある。緑丸のところ。ポコッと突き出ているので、皮膚の上からでも触れると分かりやすい。その豆状骨の際、手首に『神門』がある。赤丸のところ。

こちらは、手のひら側の右腕。赤いのは、手首を小指側に傾ける筋肉、『尺側手根屈筋 しゃくそく・しゅこん・くっきん』。『神門』はその筋肉の隣、親指側にある。青丸のところ。豆状骨の下、かつ、尺側手根屈筋の隣(親指側)という、2つの取り方があり、ややこしいが、動画を見ながらツボを取ってみてねぇ~~~~。

このツボがある『手少陰心経』は、臓器の『心 しん』(心臓のこと)につながっている。心は神(しん)を蔵す。『神』とは精神活動のことで、『心』はメンタルに深くかかわっている。『神門』の『門』は出入口のこと。このツボは、心気(=心のエネルギー)の出入り口であり、その名前が付いた。『手少陰心経』にとっても『心』にとっても重要なツボなんだなぁ…。といいつつ、コトーは、指・手首・腕のトラブルの時に、このツボをよく使うんだなぁ…。

福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。