コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

東洋医学からみた『味』の話。

今年の冬のマイ・ブームはこれ。

甘栗。

なんだかわからないけれど、

小腹が空くと食べたくなっちゃう!

ちょいと東洋医学の本で調べてみると、栗の効能は…、

1.胃腸を丈夫にする。

2.腎を補養し、筋肉や関節を丈夫にする。

3.血行を良くする。

栗は水に溶けない『不溶性(ふようせい)食物繊維』が豊富!

大腸の動きが弱いために起こるタイプの便秘にはいいみたい。

便の量を増やして大腸の動きが活発になります。

ただし、栗は生でもゆがいても消化しにくいので、

食べ過ぎたり、よくかまずに食べると、

胃腸の負担になります。

ゆっくりと、よくかんで食べることがポイントのようです。

               *

さてさて、

東洋医学では、食べ物の『味』による体への影響を

5種類の味で表現しています。

『五味 ごみ』といいます。

1.辛味

発汗させ、気を巡らせる。 生姜やネギ、大根など。

2.甘味

栄養を補う。 カボチャやサツマイモなど。

栗も甘味ですね。

3.酸味

免疫力を高める。 酢、レモンなど。

4.苦味

気を降ろしたり、体の余分な水分を外に出す。

にがうりやごぼうなど。

5.鹹味(かんみ)

塩味のことで、血圧を高くする。 塩や昆布など。

これらは適量を取れば、体にとってプラスになりますが、

取りすぎれば、消化不良などマイナスになります。

他にも渋味・芳香・旨味・コクなど、食物の『味』はありますが、

バランスよく取ることが大切ですね。

               *

あーーーっ!

いつの間にか、お皿の甘栗がこれだけに…。

このブログの下書きに気を取られ、

ゆっくり、よくかんで食べたか覚えていない…。

しか~し、おいしかった…。

満足! 満足!

私の相棒、お灸の道具たち…その3

お灸の話も今日が最終回!

モグサの世界へようこそーっ!

昔ながらのお灸といえば、『点灸 てんきゅう』。

モグサを指でひねってツボにのせ、

お線香で火をつける方法です。

前回、米粒の半分くらいの大きさのモグサを使った

『点灸』をご紹介しました。

今日は、親指頭大のモグサを使った『七分灸』 『八分灸』をご紹介します。

 

 

親指頭大のモグサを

 

 

円錐形に整え、線香でさきっちょに点火!

 

 

モグサの下まで燃える前に取り除き、

 

 

水を張った灰皿へ。

皮膚にお灸の跡が残りません。

背中にすると、ぼわっと温まり、気持ちがいい…。

当鍼灸院ではしていませんが…。

 

 

左側のモグサは、ヨモギの葉の裏の産毛のみで、作られたもの。

最高級のモグサです。 半米粒大~米粒大の点灸に用います。

真ん中のモグサは、右側の棒灸の中味。

棒灸は皮膚から数センチ離して使うため、

直に皮膚にのせるモグサ(左側のもの)よりも

燃焼温度が高いほうがいいので、

葉っぱなどの不純物が入っています。

だから、右側の100%産毛のものよりも黒ずんだ色をしています。

 

 

親指頭大のモグサを使った七分灸や八分灸では、

100%産毛ではなく、

ヨモギの葉っぱなどの不純物が入ったモグサを使います。

このようにお灸の仕方によってモグサの中味がびみょーに違います。

 

 

今は自分で簡単にできる『台座灸』が市販されていますね。

台座の上にモグサがのっています。

 

 

台座の底のシールをはがして、ツボにはりつけ、

チャッカマンなどでモグサに火をつけます。

操作が簡単で、セルフお灸におすすめです。

 

 

お灸は「症状を治したい」 「体質を改善したい」 「健康を維持したい」ときに、

力を貸してくれる、たのもしいヤツです!

 

私の相棒、お灸の道具たち…その2

 

これはお灸に使うモグサ。

何から出来ているかご存知ですか?

原料はヨモギ。

ヨモギは菊科で、葉の裏に白い産毛のようなものが密集しています。

ヨモギの葉を乾燥させ、ふるいにかけて

白い産毛だけを取り出したのがモグサ。

採ってきた葉の5%くらいがモグサの原料になるそうです。

実はとーっても貴重なんですね。

 

 

昔ながらのお灸といえば、『点灸 てんきゅう』。

 

 

モグサを少し手のひらにのせ、

 

 

軽く両手でこすり合わせると、

 

 

円柱状のモグサの出来上がり!

 

 

左手の親指と人差し指でひねって、

 

 

さきっちょに出てきたモグサを

右手でつまみ、

 

 

ツボに置きます。

右側で光っているのは1円玉。

ひねったモグサは米粒の半分ぐらいの大きさ。

 

 

学生の時に使った練習台の上で、

お灸専用のやや太めの線香を使い、モグサの先端に点火!

 

 

『灸点紙 きゅうてんし』というシールをツボの上に貼ると、

お灸の跡が残りません。

 

 

この点灸の写真を撮っていたら、思い出したことがあります。

体の横(側面?脇?)の部位にモグサをのせるのは難しい!

体の横の皮膚にも、ささっとお灸ができるようになりたい!

 

 

学生時代、台所からボウルを持ってきて、練習したなぁ~。

懐かしい…。

まだご紹介したいお灸の方法があります!

次回もお灸の話を書きま~す。 よろしくで~す!

 

私の相棒、お灸の道具たち…その1

しんしんと寒いですなぁ~。

この時期は、お灸が大活躍です。

一口に『お灸』といっても種類はたーくさん。

以前、えーっと、2011年1月31日に『お灸アラカルト』というタイトルで、

『点灸』 『間接灸』 『棒灸』 『箱灸』 『台座灸』 『灸頭鍼 きゅうとうしん』

について、ご紹介しました。

(よかったら、読んでみてください。)

 

 

今日は、新しい仲間をご紹介!

『塩灸 しおきゅう』です。

本来は、ツボの上に塩を盛り、

その上にモグサをのせてお灸をするのが『塩灸』。

おへその真ん中に『神闕 しんけつ』というツボがあり、

そこに塩灸をすると、ほんわかほんわかおなかが温まります。

おへその中まで塩が入り、後片付けが大変だけど…。

 

 

1人でモデル兼カメラマンをするのは大変でーす!

1人でおへそへのお灸写真は撮れないので、

手のひらの上となりました。

この写真のように手のひらに塩灸をすることはありませんが、

イメージは伝わりましたか?

ハハハハハッー!

 

 

その塩灸の応用が鍼灸本に載っていました。

塩を袋に入れて、電子レンジで温めて使います。

意外と保温効果が高い!

風邪ひきさんなど、お灸(モグサ)の煙にせきこむ方のために

使い始めました。

コンパクトで、足の裏やお尻など、

いろいろな部位を温めることができるので、重宝しています。

 

 

もう1つご紹介。

煙の少ない棒灸。 炭でできています。

端に火をつけ、皮膚から数センチ離して使うので、

熱くありません。

 

 

写真奥にある、一般の棒灸は、

モグサを和紙でタバコのように包んでいます。

広範囲に温め、操作が簡単!

ご自宅で使っている方がいますが、

じっくり温めるとかなり煙が出ます。

写真手前の、炭でできた棒灸は、

煙がほとんど出ません。

 

 

中国から伝わったお灸。

江戸時代には、日本全国で庶民に親しまれたそうです。

浮世絵にも描かれていますね。

日本人にしっくり合う治療方法ではないでしょうか。

次回もお灸の話をしたいと思います。

おつきあい下さい!

 

手の腱鞘炎の鍼灸レシピ

皆さんは今、パソコンや携帯電話を使って、

コトーのブログを見て頂いているわけですが、

それらを手で操作するにあたって、どれくらいの関節を

動かしていると思いますか。

じゃ~ん!

これは、鎖骨、肩甲骨、腕の3つの骨、手の骨です。

見づらくて申し訳ありませんが、赤丸がすべて関節です。

27の関節があります。

その関節一つひとつを動かすための筋肉も

いーっぱいあります。

筋肉は動かす時だけ働くと思われがちですが、

座位の姿勢を保つ時にも働きます。

上から下へかかっている重力に屈することなく、

私たちは座ったり立っているからです。

               *

パソコンや携帯電話を長時間操作していると、

指だけでなく、腕や肩、首もコチコチになりますよね。

実際動いているのは指ですが、

座位の姿勢を保とうと、背中、おなか、首、肩など

いろ~んな部位の筋肉が踏ん張っています。

従って、手の腱鞘炎になった時に鍼やお灸をするのは、

痛めている部位だけではありません。

私は、先ほどの関節や筋肉の動きをチェックして、

鍼灸治療の内容を決めます。

                *

また登場させてしまった下手な絵。

これは、『手の陽明大腸経 ようめい・だいちょうけい』という経絡。

その上にのっているツボの名前を書いています。

ツボに鍼やお灸をして、経絡の流れを良くすることによって、

症状を改善するわけですが、

この経絡のツボは手の腱鞘炎の鍼灸によく用います。

この経絡が指、手首、肘、肩の関節までまたがっていることが

重要だと思います。

それは、手の指の動きにそれらの関節も関係しているからです。

               *

手を使いすぎて炎症を起こした腱鞘。

治療は、まず安静第一ですが、

仕事や赤ちゃんの育児などで痛めてしまった場合、

それらを休めませんよね。

手の治療の難しさは、そこにあると思います。

そうなると、

手を痛めてしまう場面で、手の負担のかかりにくい工夫が必要です。

仕事などをする時の姿勢、動作のチェック。

デスクワークの場合、机と椅子の高さのバランス調整。

痛めている筋肉や腱鞘をサポートするテーピングや装具の使用。

ストレッチング、などなど。

また、日常生活でも、いかに手の負担を減らすか。

大切なことだと思います。

               *

前々から手への鍼灸の話は難しいだろうなぁ…と思っていましたが、

下書きの途中で止まってしまうほど、やはり難しかった!!

うまく伝わったかな???

難しい話につきあっていただき、ありがとうございました。