コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

西洋医学と東洋医学

西洋医学と東洋医学の違いって何でしょうか。

西洋医学は『科学的』? 東洋医学は『哲学的』?

西洋医学では血液検査やレントゲン、MRIなどの

目に見える検査結果を元に、病名を確定し、治療方法まで導き出すので、

治療を受ける側は納得しやすいですよね。

東洋医学はそのような検査はありません。

問診、触診、視診など、鍼灸師は自分の五感をフル活動させて、

治療方法まで導き出します。

目に見えない経絡やツボを用いて鍼や灸をして、

症状を改善させる…。

治療を受ける側は理解しにくい…。

当鍼灸院に来られる方に、

目に見えるツボ・モデルくんを片手に熱弁!いえいえ説明しています。

病院での検査結果が正常で、該当する病気はなく、

治療の必要をないと診断されたが、症状はある…。

そんな方にも鍼灸では治療方法まで導きだせるのは、

この診断方法の違いからでしょうね。

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西洋医学と東洋医学はすべてにおいて相反するのか??!?

西洋医学の中でも私が長年携わってきたリハビリ(理学療法)おいて

共通点があります。

その1つが治療の流れ。

評価⇒分析⇒問題点の絞込み⇒治療プログラム設定⇒治療⇒評価…。

治療がぶれないように、この流れを繰り返して、治療を深く掘り下げる。

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また、西洋医学は『局所的』、東洋医学は『全身的』とよく言われますが、

私のリハビリ(理学療法)・スタイルは『全身的』でした。

(部分的に治療される鍼灸師、理学療法士もいます)。

例えば、腰痛。

当鍼灸院では腰も含めた背中、脚、(おなか)に鍼や灸をします。

リハビリで治療をしていた時も、腰も含めた背中、おなか、

股関節などの筋肉や関節に対してアプローチをしてきました。

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この『全身治療の必要性』を強く感じるのは、

腱鞘炎など手首や指の症状を鍼灸治療する時。

次回はその『手首や指の動きのしくみ』、

その後に『手の腱鞘炎の鍼灸治療』へと話を進めていきたいと思います。

よろしくでーす!

ツボ・パワー! 三陰交(さんいんこう)

鍼灸治療にかかせないのが『ツボ』。

東洋医学では全身に経絡という通路があると考えています。

経絡は『陰経』と『陽経』に分けられ、

経絡上に乗っているツボは約360穴。

今日はその360穴の1つ、『三陰交 さんいんこう』をご紹介します!

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『足の太陰脾経 たいん・ひけい』と、『足の厥陰肝経 けついん・かんけい』と、

『足の少陰腎経 しょういん・じんけい』という

3つの陰経が交わるところにあるのが『三陰交』。

このツボは、3つの経絡が治す症状たちに係わることができるので、

すごいっ!!!

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『三陰交』の位置は、

足の内くるぶしの頂点から指4本ほど上で、

脛骨(けいこつ)という骨の後ろ。

ツボを押すとウッ!と圧痛があり、

少しでもずれると圧痛が和らぐので、見つけやすいツボです。

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強い冷えなどには…

灸頭鍼(きゅうとうしん)。

強い生理痛や生理不順などには…

皮内鍼(ひないしん)。

皮膚の1mm下に、皮膚と平行に小さな鍼をして、

医療用テープで固定します。

違和感はありません。

1~4週間ツボを刺激し続けることにより、症状を改善します。

足のむくみにもOK!

『三陰交』に鍼をしたまま…

棒灸もします。 (写真はツボが違います)

ご自宅でお灸をして頂くときには…

台座灸も使います。

いろいろな手法を使うツボって珍しい気がします。

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経絡には『陰経』と『陽経』があり、各々ペアになっています。

ツボ自体もペアになっているものがあり、

『三陰交』の相手は『懸鐘 けんしょう』。

足の外くるぶしの上にあります。

この2つのツボに同時にお灸や鍼をするのを、

『貫抜きの灸』とか『抜き打ちの鍼』と言います。

2つのツボを通して陰陽のバランスを整える!というイメージです。

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これからぐっと寒くなる季節に入りますが、

冷え症さんは、『三陰交』のある足首を冷やさないように、

ハイソックスやレッグウォーマー、ブーツなどを履くことをお勧めします。

芸術たんのう~ダ・ヴィンチ展

福岡市美術館で開催されている『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』に行って来ました。

ダ・ヴィンチの作品はちょこっとで、弟子や同時代の画家の作品がほとんどでした。

現存するダ・ヴィンチの絵画は十数点しかないそうです。

それにしてもモナ・リザは多くの画家に描かれていますねぇ~。

看板の左側のモナ・リザ。 今回一番目を引かれました。

他のモナ・リザとどこが違うのだろうか。

色彩、色のコントラスト・陰影、人物の非対称性かな?

どのモナ・リザも上半身が斜めに向いている。

このモナ・リザはよく見ると、右の片えくぼがあり、

左の唇の端がきゅうっと上がり、顔も非対称。

だーいぶ昔、綺麗に見える座り方をモデルさんが紹介する

テレビ番組を見たことがあります。

浅く腰掛け、背筋をぴーん!

足元を膝よりも奥に引いて、膝は正面を向かずに斜め横に向け、

脚を少し横に傾けていました。

顔も上半身も膝も正面を向いた座り方はきちっと感は伝わるけれど、

非対称の座り方のほうがなぜか魅力的…。

突然ですが、座り癖ってありますか。

脚を組む、片肘をつく、浅く腰掛けて背もたれにだらっと寄りかかる、

深く腰掛けて背中が丸々。

では、『いい座り方』ってどんな姿勢でしょう。

浅く腰掛けて、背中をぴーんとし続ける?

実は、〇〇し続けることって筋肉はつらいんです。

私たちは重力に抗して姿勢を保っています。

どんな姿勢でも、その姿勢を長く保ち続けるには、

筋肉は同じ長さ、同じ力でいることが必須!

筋肉に一番負担がかかります。

同じ運動を長く繰り返す作業も、筋肉の使い方がワンパターンで、

筋肉にとってつらい!

腰痛や肩こり、手の腱鞘炎などで筋肉疲労や筋肉痛を起こしやすい方は、

〇〇し続けずにちょこまか休憩を入れたり、

違う姿勢や運動をときどき取り入れることが大切だと思います。

ワンパターンではなく、バリエーションですね。

ありゃりゃ、ダ・ヴィンチの話からだいぶ逸れました。

失礼しました~。

コトーの鍼灸スタイル~余力

せっかくの休みなんだから何かしよう…。

いろいろと計画を立て、じっとしていることがない…。

こればっかりはいくつになっても変わらない…。

この年末年始もバタバタしていたような…。

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仕事中は、自分の持っている技術と知識を最大限に出し切ろう!と集中する。

プライベイトでものめり込んで集中する。

そんなコトーに不可欠なのが『余力』。

もう20年以上前になりますが、何かにつまずいて倒れそうになり、

とっさに壁に片手をついたら、手首を捻挫。

なかなか治らず、整形外科に行くと、

「あなたは仕事をするだけの体力しかないから、

本来なら捻挫をしない場面で捻挫をするんです。

プラス・アルファの体力をつけなさい。」

医師にそう言われました。

リハビリの仕事をしていたので、納得!

それでは、そのプラス・アルファの体力というか余力を

どうつけるか…。

               *

当鍼灸院に来られる方も全力投球の方ばかり。

気づけば心も体も心底疲れきっている。

そんな時は、「無理をしないで」 「ほどほどにがんばって」と

声を掛けます。

鍼灸治療で心も体も復活してくると、

全力投球したい!という気持ちがむくむく沸いてくる。

そんな時は、「踏ん張ってきて! 後のフロォーは私がするから!」と

声を掛けます。

もちろん、ちょとしたストレスを跳ね除けるくらいの体力がついているから

言えるのですが…。

その後、鍼灸治療に来られた時の目の輝き。

行動を起こしたことへの満足感は、疲れきって折れそうになっていた

心と体に自信をよみがえらせる…。

               *

心と体の声に耳を傾け、調子がよければ普段の自分よりもパワーを使う。

(調子がいまいちな時にもそんなことをするとヘロヘロになってしまうから、

その見極めが難しい!)

『余力』ってその積み重ねでしか生まれないような気がする…。

齢を重ねるとともに落ちていく体力に、『余力』つける。

コトーが直面していることでーす!

体のしくみあれこれ~寒さに立ち向かう体熱のしくみ

寒くなってきましたねぇ~。

一日中、出歩く時は貼るホッカイロがかかせなくなりました。

エアコン、電気カーペット、ファンヒーター、ストーブ、こたつ…。

部屋を温めてくれる暖房器具が充実し、

真冬だからって、たくさん重ね着をする必要もなくなりました。

小さい頃はハンテンを着ていたなぁ…。

*          *

ヒトは恒温動物(こうおん・どうぶつ)であり、

外気温が変化しても、体温はある範囲内に保たれています。

寒い時には、体温が外気温にひきずられて下がらならないように、

体内の熱の産生を多くし、また、体内の熱の放散を抑えます。

ということで、今日は体内の熱のしくみについてご紹介します。

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生理学の本によると…、

体内で熱を作る(=産熱)方法は5つ。

1.基礎代謝量

基礎代謝量とは、

『目が覚めている状態で、心臓の拍動や呼吸、筋肉の緊張など

生命を維持するのに最小限必要な代謝』のこと。

この基礎代謝の際に、体内に熱が発生する!

2.筋活動による産熱

運動時には筋肉が動き、熱が発生する。

運動の内容にもよるでしょうが、運動による筋肉の熱産生が

体の全産熱量の約90%に達することもあるとか!

小学校のプール開きでプールの水が冷たーくて、

体全体や唇が小刻みに震えたことはありませんか。

これは『ふるえ産熱』といって、

寒い時に筋肉が無意識に細かく震えて熱を起こす現象です。

3.食事誘発性産熱反応

難しい言い回しですね。

食事をして数時間は、食物を分解するために消化管の運動が高まり、

熱が発生します。

4.非ふるえ産熱

代謝を高めて行う産熱のことを『非ふるえ産熱』といいます。

肝臓などの臓器で起こるそうです。

肝臓は、糖やたんぱく質などの栄養素を取り込んで

体に必要な物質に作り変えています。

その時に熱が発生します。

肝臓がブルブル震えて熱を発生するわけではありませーん!

5.ホルモンの作用

ホルモンの中には、代謝を促進させる作用を持つものがあります。

例えば黄体ホルモン(おうたい)。

女性の場合、排卵直後から生理が始まるまでの間、基礎体温を上昇させます。

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寒い時には体内の熱をより多く作り出すだけでなく、

その熱を体内から放散するのを抑えようとします。

体内で作られた熱は主に血液によって全体に運ばれます。

寒いと皮膚の血管が縮まり、皮膚の血流が減り、放熱を防止します。

ヒトではあまり役立ちませんが、体表のうぶ毛が逆立って空気の層を

厚くすること(=鳥肌)により、放熱を防止できます。

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久々に難しい話でしたでしょうか。

体の外から温めるものに依存しすぎず、

ウォーキングなどの運動や栄養のバランスのとれた食事で、

体の中からも温めたいですね。