コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

腱鞘炎って、なんじゃらほい

前回、手の機能についてご紹介しましたが、

今日は手の『腱鞘炎』の話。

『腱鞘炎』って漢字の通り、『腱鞘』の炎症のこと。

では、『腱鞘』ってなんじゃらほい?ほい?ほい?

               *

私たちヒトの骨格は、約200個の骨と、

それを支える、たくさんの筋肉から構成されています。

その筋肉を保護し、運動を円滑にするための補助装置が、

『筋膜』や『滑液包 かつえきほう』や『腱鞘』。

筋肉の端にあるのが『腱』。

その中で、手首や足首や指などを動かしている腱は、

上図のように腱鞘に包まれています。

外側の腱鞘(線維鞘)は骨に付いているものもあり、

その中を通っている腱の固定に役立っています。

また、内側の腱鞘(滑液鞘)は滑液(潤滑油のようなもの)を

含んでいて、腱が腱鞘の中をスムースに動かせます。

               *

腱鞘が炎症を起こす原因は、大きく2つ。

1つは、細菌感染で腱鞘が化膿してできる『化膿性腱鞘炎』。

2つ目は、手を使いすぎたために、腱が膨らんだり、

腱鞘が分厚くなって炎症を起こす『狭窄性腱鞘炎』。

炎症部位の痛みや腫れ、熱感や運動制限が生じます。

治療は原因によって異なりますが、まずは安静第一!!!

鍼灸で治療するのは、先ほどの『狭窄性腱鞘炎』。

仕事などで手の指を曲げる筋肉を使いすぎて

鍼灸院に来られる方が多いです。

               *

ちなみに…

これは、右の手のひら。

赤が筋肉。 肌色が腱。 緑が腱鞘。

これらの筋肉が働くと、指を曲げたり、

開いたり(ジャンケンのパー!です)、閉じたりできます。

腱鞘は、手首と指1本1本にあります。

久々にグロテスクな絵ですみませんね。

私たちの手のひらの奥には、こいつらがいるんですねぇ~。

               *

ありゃりぁ~、、腱鞘炎の説明だけで随分長いブログとなりました。

腱鞘炎の鍼灸治療については、次回ご紹介させて頂きます。

よろしくでーす!

体のしくみあれこれ~手の機能

何気なく使っている手。

最初からこのような握り方はできません。

最初は

こんなだったり…

こんなだったり…。

食べ物がうまくスプーンにのらないと、

しびれを切らして指で食べ物をつまんで食べていましたよね。

蝶結びができるようになったのは、いつだったでしょうか。

               *

指の使い方ってとってもバリエーションがあります。

指でひっかけてコップを持ち上げたり、

つめでひっかけてシールを剥がしたり、

親指でこすってライターに火をつけたり、

つまんで回してキャップをとったり…。

               *

色鉛筆を1本を取り、

1本握ったまま、もう1本を取り上げると、

最初の1本は薬指と小指で握り、

次の1本は親指と人差し指でつまんでいる。

さて、ここで問題です!

このやり方で私は何本の色鉛筆を取り上げることができるでしょうか。

あと1本取れそう…。

取れたぁ~! 36本!

こんなふうに5本の指を、同時に、

『握る』と『取り上げる』など使い分けることもできます。

手の指は足の指よりもとっても器用。

その分、指の動きに係わる筋肉はたーくさんあります。

指のつけ根から指先までの短い筋肉もあれば、

肘から指までの長い筋肉もあります。

               *

手の指は感覚も繊細!

生卵? ゆで卵?

無意識に力を加減して、殻の割り方を変えていますよね。

このコイン。

こんなふうに隠しても、指の腹で触ってみて、

大きさや真ん中の空洞、厚み、重さで、

500円なのか50円なのか1円なのか、わかりますよね。

真っ暗闇の中、鍵の先と鍵穴を触って、鍵を開けることもできますね。

               *

手の指は握りながら操作をすることが多く、

その時の理想的な手首の角度は

手の甲を軽度(約15度)上げた位置。

指を曲げる筋肉が一番使いやすい角度と言われています。

逆に、軽い物でも手首を下に向けたまま持ち続けているのは

きつい!

頻繁に、手首を下に向けたまま指を使っていると、腱鞘炎になりかねません。

               *

次回はその腱鞘炎の鍼灸治療についてご紹介したいと思います。

今回の写真撮影は、たくさんの小道具を使って楽しかった!

数多くの写真も見て頂き、ありがとうございます。

体のしくみあれこれ~寒さに立ち向かう体熱のしくみ

寒くなってきましたねぇ~。

一日中、出歩く時は貼るホッカイロがかかせなくなりました。

エアコン、電気カーペット、ファンヒーター、ストーブ、こたつ…。

部屋を温めてくれる暖房器具が充実し、

真冬だからって、たくさん重ね着をする必要もなくなりました。

小さい頃はハンテンを着ていたなぁ…。

*          *

ヒトは恒温動物(こうおん・どうぶつ)であり、

外気温が変化しても、体温はある範囲内に保たれています。

寒い時には、体温が外気温にひきずられて下がらならないように、

体内の熱の産生を多くし、また、体内の熱の放散を抑えます。

ということで、今日は体内の熱のしくみについてご紹介します。

*           *

生理学の本によると…、

体内で熱を作る(=産熱)方法は5つ。

1.基礎代謝量

基礎代謝量とは、

『目が覚めている状態で、心臓の拍動や呼吸、筋肉の緊張など

生命を維持するのに最小限必要な代謝』のこと。

この基礎代謝の際に、体内に熱が発生する!

2.筋活動による産熱

運動時には筋肉が動き、熱が発生する。

運動の内容にもよるでしょうが、運動による筋肉の熱産生が

体の全産熱量の約90%に達することもあるとか!

小学校のプール開きでプールの水が冷たーくて、

体全体や唇が小刻みに震えたことはありませんか。

これは『ふるえ産熱』といって、

寒い時に筋肉が無意識に細かく震えて熱を起こす現象です。

3.食事誘発性産熱反応

難しい言い回しですね。

食事をして数時間は、食物を分解するために消化管の運動が高まり、

熱が発生します。

4.非ふるえ産熱

代謝を高めて行う産熱のことを『非ふるえ産熱』といいます。

肝臓などの臓器で起こるそうです。

肝臓は、糖やたんぱく質などの栄養素を取り込んで

体に必要な物質に作り変えています。

その時に熱が発生します。

肝臓がブルブル震えて熱を発生するわけではありませーん!

5.ホルモンの作用

ホルモンの中には、代謝を促進させる作用を持つものがあります。

例えば黄体ホルモン(おうたい)。

女性の場合、排卵直後から生理が始まるまでの間、基礎体温を上昇させます。

*          *

寒い時には体内の熱をより多く作り出すだけでなく、

その熱を体内から放散するのを抑えようとします。

体内で作られた熱は主に血液によって全体に運ばれます。

寒いと皮膚の血管が縮まり、皮膚の血流が減り、放熱を防止します。

ヒトではあまり役立ちませんが、体表のうぶ毛が逆立って空気の層を

厚くすること(=鳥肌)により、放熱を防止できます。

*          *

久々に難しい話でしたでしょうか。

体の外から温めるものに依存しすぎず、

ウォーキングなどの運動や栄養のバランスのとれた食事で、

体の中からも温めたいですね。

私の相棒、鍼の道具たち…その2

前回に引き続き、今回も鍼灸の鍼の話です。

鍼の素材はステンレスが主流ですが、銀メッキや18金を使用した鍼もあり、

それなりの値段がします。

 

 

持ち手(太いところ)がステンレスのものもあれば

プラスチックのものもあります。

私は持ち手も鍼の部分もステンレス製のものが使いやすく、

すべて使い捨ての鍼で、お一人の方に使ったら廃棄しています。

 

 

鍼の太さは、00番が0.12mm、0番が0.14mm、1番が0.16mm

と、太くなるほど番手数も大きくなります。

鍼灸師によって、使う太さは様々。

私は1番、3番、5番を主に使います。

体の部位や、患者様の体調・体質等によって、使い分けています。

 

 

鍼の長さは3分(10mm)、1寸(30mm)、1寸3分(39mm)、

と、『寸 すん』と『分 ぶ』の単位で表します。

この写真で一番短いのが3分(10mm)。 長いのが2寸5分(75mm)。

短い鍼は顔などデリケートな皮膚のツボに、

長い鍼はお尻の奥の筋肉が痛い時(ふくよかな体型に対応)に使っています。

鍼灸師それぞれに使いやすい鍼の長さがあり、

私の手の大きさでは、1寸3分(39mm)が一番使いやすい!

 

 

これらは一般的な鍼ですが、特殊な鍼もたくさんあります。

私の手元にある鍼だけご紹介します。

 

 

皮内鍼(ひないしん)。

この写真のものは、直径0.14mm、長さ5mm。

 

 

見えますか~?

鍼のリングのところをピンセットではさみ、

皮膚の1mm下を、皮膚と平行に2~3mm刺し、

 

 

医療用のテープに切り目を入れて、鍼の『枕』を作り、

 

 

 

 

その上から医療用テープで固定!

鍼を横に刺しているので、違和感はまったくありません。

途中で張り替えますが、1週間~1ヶ月間して、

長い間ツボに刺激をし続けることができます。

生理痛や生理不順など婦人科の症状で、

血の巡りを改善したい時によく使います。

 

 

円皮鍼(えんぴしん)。

円形のシールの中央に鍼がついています。

この写真の鍼は直径0.2mm、長さ0.9mm。

見えませんよね~。

筋肉がガチガチで痛みが強いときなどに1~2週間、張ります。

 

 

最後にご紹介するのは、灸頭鍼(きゅうとうしん)。

 

 

普通に鍼を刺し、台紙を挟みます。

手に持っているのは、灸頭鍼用のモグサ。

穴が開いている。

鍼の握り手の部分にこのモグサを差し込み、

 

 

チャッカマンで点火!

頑固な、強い腰痛や冷え症、五十肩などに用います。

鍼の刺激とお灸の輻射熱で治療効果バツグンです!

 

 

おぉっ!

今回もふんだんに写真を載せたら、長々としたブログとなりました。

写真撮影は趣味ではありませんが、

どんなアングルで撮ったらわかりやすいかな…と

考えながら撮るのはおもしろいですね。

次回は『中国留学思い出し日記』のコーナーで

『七星針』という鍼をご紹介します。

今日書ききれなかった『鍼のよさ』もその時にお伝えします!

3回連続して鍼の話となりますが、おつきあい下さい…。

 

膝の痛みの鍼灸レシピ

前回に引き続き、今日も膝の話におつきあい下さい。

膝の痛みといっても、原因はいろいろ。

普段、運動をしていないのに、いきなりスポーツをして、

膝周辺のひどい筋肉痛がいつまでも治らない…。

ちょっとした運動でこんな筋肉痛になるなんて、なさけない!

筋肉トレーニングをしよう! と、さらに筋肉痛が悪化…。

若いとき部活で膝の靭帯(じんたい)を痛めたことがあり、

古傷が痛み始めている…。

整形外科でレントゲンを撮ったら、膝の関節が変形し、

老化によるものと言われた…。

最近、急激に太った…。

買い物も何でも車を利用し、足腰がだいぶ弱ってきた…。

などなど。

原因が1つよりも2つ、3つと重なっていることが多いように思います。

               *

長い間、膝の痛みをかばっていると、

膝の関節が充分に動かせなくなったり、

膝周辺の筋肉がガチガチになったり、

反対側の膝も痛くなったり、

膝周辺の筋肉が落ちたりします。

様々な問題が積み重なってきます。

               *

痛んだ靭帯たちや、

すり減った関節軟骨を鍼灸で元に戻すことはできません。

硬くなった筋肉を和らげながら、

「痛み」と「支障をきたしている日常生活」を改善することが目的となります。

膝にサル・シールを貼った、ツボ・モデル君。

前から見ると、膝近くにあるツボは4個。

後ろから見ると3個。

『委中 いちゅう』が膝の裏の真ん中にあたります。

膝の外側からみると、青い線(=経絡)の上に2個。

内側には3本の経絡上に計4個。

あわせて13個。

この13個は経絡の上にのっているツボ。

経絡の上にのっていないツボを調べてみると、

膝の名前がつくのは、

「膝眼 しつがん」 「膝外 しつがい」 「膝旁 ひつぼう」 「膝跟 ひつこん」 

「膝下 ひつか」。

他にも「鶴頂 かくちょう」 「内龍眼 うちりゅうがん」など、たくさんあります。

古代中国で発展した鍼灸。

膝のトラブルは数千年前から多かったということですよね…。

               *

どんなふうに動かしたら膝が痛いのか、膝を動かしたり、触って、

どのツボを使うか決めます。

当鍼灸院では、ツボに鍼を刺して20分間ほど置いたまま、

台座灸(だいざきゅう)を鍼のそばにしたり、

(この写真は足の裏にしていますが)

膝周辺に棒灸をします。

(この写真は足首近くにしていますが)

膝周辺のツボや硬くなっている筋肉に、

灸頭鍼(きゅうとうしん)(鍼先にモグサをのせて燃やす)をすることもあります。

鍼灸で筋肉がほぐれても、すぐ硬くなり痛くなる時は、

円皮鍼(えんぴしん)を使います。

これはシールの真ん中に鍼が固定され、ツボの上にしばらく貼っておきます。

鍼の長さは1mmもなく、皮膚の上にのっているだけで、違和感はありません。

                *

痛みがだいぶ和らぎ、筋肉も緩んできたら、

筋肉のストレッチングと筋肉トレーニングをおすすめします。

筋肉トレーニングは、筋肉が硬いうちからすると硬さが助長され、

よけい痛みが強まることもあるので、あせりは禁物です。

また、負荷のかかりすぎる筋肉トレーニングから初めても

すぐ硬くなるので、トレーニングのメニュー選びも重要です。

               *

立ち上がるとき、座るとき、横になるとき、歩くとき、階段を上り下りするとき。

いろいろな場面で膝を使います。

だからこそ、トラブルなしに大事につきあいたい関節です。

               *

今日は文章も写真も多くなりました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

人間の体って不思議。

膝の話を書いていたら、昔痛めた左膝のことが気になりだす…。

知らずしらず左膝周辺をさすっている自分がいます。