コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

数字のつくツボたち

『経絡 けいらく』という全身にはりめぐらされた通路は、

全部で14本。

その経絡の上にのっているツボは361個。

それらのツボで、名前に数字がつくものはどれくらいあるのだろう…。

ふと気になり、数えてみました。

361個のうち16個!

う~ん。

少ないんだか、多いんだか微妙な数…。

               *

それでは4位から発表!

最下位の4位の数字は、2つ。

『二』と『百』。

『二間 じかん』と『百会 ひゃくえ』というツボ。

3位は、『四』という数字。

『四白 しはく』 『四満 しまん』 『四瀆 しとく 』の3個。

2位は、『五』という数字。

『手五里 てごり』 『足五里 あしごり』 『五処 ごしょ』 

『地五会 ちごえ』 『五枢 ごすう』の5個。

さて、お待たせしました、1位の発表!

(誰も待っていないか…)

一番多かった数字は『三』。

『三間 さんかん』 『手三里 てさんり』 『足三里 あしさんり』

『三陰交 さんいんこう』 『三焦兪 さんしょうゆ』 『三陽絡 さんようらく』。

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ツボの名前には由来があります。

なぜ数字を名前につけたのか…。

またのせてしまった下手な手描き図。

手陽明大腸経(て・ようめい・だいちょうけい)という経絡。

この経絡の上にのっているツボ20個のうち、

数字が名前についているツボは4個あります。

『二間 じかん』は人差し指の2番目の節にあるから、

名付けられました。

『三間 さんかん』も同様、人差し指の3番目の節にあるから。

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ツボの位置は、どこどこから〇寸(すん)と示されていることが多いです。

『寸』は手の指の横幅で測ります。

例えば、1寸は親指の横幅。

2寸は人差し指と中指と薬指をあわせた横幅。

〇〇から3寸のところにあるから名付けられたのは、

『手三里 てさんり』 『足三里 あしさんり』。

5寸のところにあるのは、『手五里 てごり』 『足五里 あしごり』。

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経絡の上にのっているツボのうち、〇番目にあたるから…と

名付けられたのは、『五処 ごしょ』 『四満 しまん』。

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経絡同士は、途中で交差することがあります。

〇本の経絡が交わるツボだから名付けられたのは、

『三陰交 さんいんこう』 『三陽絡 さんようらく』 『百会 ひゃくえ』。

『百会』は頭のてっぺんにあります。

ここに百本の経絡が交わっていたら、そりゃあすごい!

実は5本の経絡が交わり、その多さから『百』と名付けられました。

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さてさて、経絡には『気(=エネルギー)』と『血(けつ)(=栄養分)』が

流れていると考えられています。

五臓の気が集まる要所にあるから『五枢 ごすう』。

五臓の気が出会う『地五会 ちごえ』。

足の甲が赤く腫れあがり、五本の足の指が

地につけられない症状を治すから、

『地五会』と名付けられたという説もあります。 

三焦(さんしょう)の気が体表に注ぐところとされているのが、

『三焦兪 さんしょうゆ』。

三焦とは、実在しない臓器のことです。

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ラスト2個!

『四白 しはく』は目の下にあります。

『四』は四方八方、『白』は光のこと。

『四白』は、すべてのものが広く見渡せるところ。

『四瀆 しとく』。

『しとく』の『とく』は、河の流れや水路のこと。

昔、中国では長江、黄河など大きな河川4本を

『しとく』と呼んだそうです。

このツボは、脈気(みゃくき)という気の注がれる面積が

広いことから、この名前がつきました。

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ツボの名前の由来は様々ですね。

その意味を知っていると、ツボの位置がわかるだけでなく、

各々のツボの効能もわかり、

鍼灸治療でツボを選ぶときのポイントにもなります。

今日はかなり長いブログとなりました。

おつきあいいただき、ありがとうございます!

                  

梅雨に大活躍(?)の皮内鍼(ひないしん)

鍼灸は中国から伝わった治療法ですが、

日本人が発案した鍼もあります。

円皮鍼(えんぴしん)。

円形のシールの中央に鍼がついています。

この写真のものは、直径0.2mm、長さ0.9mmの鍼です。

とーっても細く短い鍼なので、

シールを貼っていても違和感はほとんどありません。

ツボの上から軽く押しているかんじです。

頑固で強い痛みなど、

ある程度の期間ツボを刺激し続けたいときに用います。

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皮内鍼(ひないしん)。

これも細く短い鍼(写真は直径0.4mm、長さ5mm)です。

鍼のリングのところをピンセットで挟み、

皮膚の1~2mm下を、皮膚と平行に刺し、

医療用のテープで固定します。

鍼のリングの部分は皮膚には入らず、

鍼全体が皮膚に入ってしまうことはありません。

皮膚に平行に刺しているので、違和感はまったくありません。

これも、ある程度の期間ツボを刺激し続けたいときに用います。

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内くるぶしの近くにあるツボ『三陰交 さんいんこう』。

婦人科の症状の特効穴(とっこうけつ)といわれています。

当鍼灸院では、強い生理痛や生理不順など婦人科の症状に対して、

このツボに皮内鍼をすることがあります。

すると…、

「脚のむくみにも効いて、脚がだるくなりにくいですよ」

皮内鍼をした方から、そんな感想もよく聞きます。

梅雨の時期には、むくみがひどくなる方がいらっしゃいますが、

『三陰交』というツボは水分代謝を調節する働きもあり、

むくみにもよく用います。

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むくみにはお灸も効きます。

自分でこつこつお灸を続けると、むくみにくくなります。

当鍼灸院では、6月12日(火)と6月17日(日)に

むくみをテーマにお灸教室をします。

詳しくは左のカテゴリーの「お灸教室」をご覧下さい。

梅雨本番!

じめじめした季節を乗り切りましょー!

梅雨前のコウラ干し…

先日、久留米にある石橋文化センターへ行ってきました。

ここは、1956年にブリヂストンの創業者・石橋正二郎氏が

久留米市に寄贈したそうです。

広い庭園と美術館、音楽ホール、図書館があります。

 

 

バラは身頃を過ぎていましたが、

ふわ~んと気品のある香りがただよっていました。

 

 

くちなしの甘い香りにもしばしたたずみ、

 

 

強い日差しでほってた体を、滝のしぶきでクールダウン!

 

 

椅子に腰掛け、うつらうつら…。

背中のコウラを干し干し干し…。

お尻に根っこが生える前に、花菖蒲園へ。

 

 

まだ身頃ではないみたい。

とっ!

「クゥォ、クゥォ、クゥォ、クゥォー」と鳴きながら

単独泳ぎ回っているカモが近寄ってきました。

 

 

池から上がってきて、あれよあれよと大接近!

くちばしでつつかれそうで、びびりながら写真をパチリ!

 

 

目が合った瞬間、言われた気がしました。

「えさ、くんないの?」

へっ? 餌付けされているの?と尋ねる間もなく、

カモは後ろを向き、

 

 

スタコラ戻って行きましたとさっ!

かわいいヤツ!

お気に入りスポットが1つ増えました。

 

水分代謝と鍼灸

福岡は暑い日が続いていますが、皆さんの住む街はいかがですか。

こんな日のビールは、五臓六腑に染み渡るぅ~、プハーッ!! ですか?

ところで、その五臓六腑をすべて言えますか?

五臓は、肺・心・肝・脾・腎。

六腑は、胃・胆・小腸・大腸・膀胱・三焦(さんしょう)。

三焦?

実は、この五臓も六腑も東洋医学からみた臓器のこと。

三焦は、ヒトの体には実在しません。

東洋医学でいう六腑は、共同して飲食物を消化し、

体に必要なものを取り出し、

必要でないものを体の外に出す作業をしています。

五臓は、六腑が取り出した、体に必要なものから、

気(=エネルギー)、血(けつ)(=栄養)、津液(しんえき)(=水分)を作ります。

               *

おーっ、やっと出てきた、今日のテーマの『水分(=津液)』。

五臓六腑の中で、津液と深く係わっているのが、脾・胃・肺・腎・膀胱。

むくみなどで津液の代謝が滞る時があります。

その理由は様々。

どの臓器の、どのような働きが滞って、津液の代謝が悪くなっているのか…。

それらを見極めることは、鍼灸治療に欠かせません。

五臓六腑に栄養を送っているのは、経絡。

例えば、肺に栄養分を送っている経絡は、

手太陰肺経(て・たいん・はいけい)。

肺の働き(これは東洋医学からみた働きのこと)が落ちて、

津液の代謝が滞っている場合…。

この手太陰肺経の上にのっているツボに鍼やお灸をすることにより、

この経絡の流れを良くして、肺の働きも、津液の代謝も改善します。

               *

もうすぐ梅雨ですね。

むくみのある方は、この時期さらにむくみやすくなることもあります。

ご自分で毎日お灸をしていると、むくみが解消しやすいです。

リハビリの仕事をしていた20代の頃。

内くるぶしがわからないくらい、脚がむくんでいました。

鍼灸師さんにお灸の仕方を教わり、毎日お灸をしていたら、

内くるぶしがわかるようになり、脚も軽くなりました。

今は、

台座灸(だいざきゅう)というお灸が市販されています。

手軽に自宅でお灸ができますよ。

当鍼灸院では、6月12日(火)と17日(日)に、

むくみをテーマにしたお灸教室を開催します。

一緒にお灸をしてみませんか。

詳しくは、左のカテゴリー『お灸教室のご案内』をご覧下さい。

               *

前回といい、今回といい、難しい話となりました。

目に見えない経絡とツボを使って治療する鍼とお灸。

難しくてなかなか説明しきれませんが、と~っても魅力的な治療方法です。

むくみと水分代謝

以前、むくみのことをブログに書いたなぁ~。

下書きノートをペラペラめくっていたら、驚きっ!

2011年6月3日、むくみのしくみ!

おっ!

2011年6月5日、むくみの原因その1!

はいはい!

2011年6月7日、むくみの原因その2!

それから?

2011年6月9日、脚のむくみ対策!

ひょー!

2011年6月11日、手と顔のむくみ対策!

最後に!

2011年6月13日、むくみの鍼灸レシピ!

隔日でむくみを特集している!

今の自分では考えられない気の入れよう!

『むくみ』に興味のある方は、ぜひご覧下さい。

ということで、今日のブログはおしま~い!

なんてウソウソ!

ちょっと違う角度からむくみについて書いてみます。

               *

私たちは、飲料水や食物の中に含まれている水分などによって、

体の中に水分を取り込んでいます。

そして、それと同量の水分を尿や汗などで体の外に出し、

体の中の水分量は常に保たれています。

ヒトの体の中に水分ってどれくらいあると思いますか。

体重の約60%だそうです。

体重が50kgの人は約30ℓ。

では、その水分って体のどこに入っていると思いますか。

細胞の中に、体全体の3分の2の水分があり、

残りの3分の1は細胞の外にあります。

『細胞』って???

脳ミソも、皮膚も、骨も、筋肉も、内臓も、

たーくさんの細胞が寄り集まってできています。

ヒトの体の細胞は、約60兆個! 約270種類!

ではでは、どうやって細胞に水分が入るのでしょうか。

心臓からドドーンッと送り出された血液の中に水分も含まれています。

その血液は動脈を通って全身を巡ります。

このときに、血管の壁から、じわじわと血液中の水分がしみ出て、

隣の細胞に水分が入っていきます。

血液の中には水分だけでなく、酸素や栄養分も含まれ、

それらも細胞の中に吸収されます。

細胞に吸収された水分や栄養分はその後どうなるか…。

いらなくなった水分のほとんどは静脈に吸い込まれ、心臓へと戻っていきます。

残りの水分や余った栄養分はリンパ管に吸収され、運ばれます。

               *

これが正常な水分代謝。

動脈の中を通ってきた、新鮮な水分が細胞に吸い込まれ、

その後、静脈やリンパ管に吸い込まれていく…。

これがむくみの状態。

静脈やリンパ管の流れが悪いと、水分が吸収されない!

そうすると、細胞と細胞の間に水分がどんどんたまって、むくんじゃう!

               *

なーんとなく、イメージできたでしょうか。

体の水分代謝が落ちて、むくむ理由は様々。

2011年6月5日と7日のブログに様々な原因を、

その後のブログには対処法も書いていますよ~。

次回は、『水分代謝と鍼灸』について書いてみます。

難しい話におつきあいいただき、ありがとうございまーす!

               *

当鍼灸院内で、6月12日(火)と6月17日(日)に、

むくみをテーマにしたお灸教室を開催します。

興味のある方は、左のカテゴリーの『お灸教室のご案内』を

ご覧下さい。

お気軽にご参加下さ~い!