コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

コトーの鍼灸スタイル~バランスを考える…。

大宰府にある九州国立博物館で開催している

『ボストン美術館展』に行ってきました。

ボストン美術館には、10万点を超える日本美術コレクションが

所蔵されているって知っていましたか?

奈良、平安、鎌倉、室町、江戸…と、絵画を通してタイムスリップ!

 

特に圧巻だったのが、曽我蕭白(そがしょうはく)の、墨による屏風画。

江戸時代の作品です。

大胆な構図と筆遣い! かっちょい~い!

非対称の中にある対称。

対称の中にある非対称。

絶妙なバランスが心地いい!

絵画をじっと見つめているだけで、心が落ち着き、

深呼吸をしている…。

 

ところで、私は仕事中、あらゆる『バランス』を考えています。

 

 

手太陰肺経
手太陰肺経
手陽明大腸経
手陽明大腸経

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左は、『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』という経絡。

『陰』の経絡です。

右は、『手陽明大腸経 て・ようめい・だいちょうけい』という経絡。

『陽』の経絡です。

この2つの経絡は相棒です。

鍼灸治療では、『陰』と『陽』のバランスをとることが大事になります。

 

また、古代から伝わる鍼灸本には、

『上半身の病は下半身で、上半身の病は下半身で治す

と、書かれています。

主に、下半身にあるツボに鍼やお灸をして、

上半身の症状を治すことがあります。

ツボを選択するときには、上半身と下半身のバランスも

考慮しています。

 

さて、ここで問題!

あなたは、今、左右対称な姿勢をしていますか?

重心は真ん中にありますか?

それでは、左右差チェーック!

まず、安定した椅子に、やや浅く腰かけてください。

丸椅子やキャスター付の椅子は、転倒の危険があるので、

避けてください。

ソファーなど座面が柔らかいとやりづらいので、

硬めの座面でお願いします!

 

ここでツボ・モデル子ちゃん登場!

すみませーん!

コトーのデッサン力では、ツボ・モデル子ちゃんの座っている

姿勢は描けません。

いちおう、座っていると仮定してください。

やや浅めに腰かけたら、左のお尻を浮かしてください。

そして、そのまま、右手を右斜め上に伸ばします。

遠く、右斜め上にある物をとろう!と、ぐぐぐーっと伸ばしてください。

次に、反対をしてみましょう。

右のお尻を浮かしたまま、左手を左斜め上にグーっと

伸ばしてみてください。

右手と左手とでは、伸ばせる距離が違いませんか?

どちらか一方は、バランスが取りにくかったのでは?

普段、座っているとき、バランスがとりやすい側に

重心が寄っているかもしれません。

でも、自分では気づかず、見た目も左右差があるようには

見えないこともあります。

 

私たちが住む地球は、重力がかかっていますね。

座位や立位では、重力に抗し、

体を地面に対して垂直に保とうとしています。

常に、前後左右のバランスをとっているわけです。

うっひょー!

 

私たちは、うっかり非対称な姿勢を取りながらも、

重力に負けないように、

無意識に、『正中に保とう!』と、バランスをとっています。

骨と関節と筋肉と神経に、ご苦労さん!と言いたい…。

 

あ~、今日も長いブログになっちゃったなぁ~。

どうして長くなるのだろうか…。

最後まで読んでいただいた皆さんに、ありがとう!と言いたい…。

原点に立ち返る音頭?!?

みなさん、いきなり質問です。

鍼やお灸って、何に効くと思いますか?

腰痛、肩こりなど整形外科の症状を思い浮かべますか?

鍼やお灸は、内臓や心の不調など様々な症状に効きます。

鍼やお灸の良さを多くの人に知ってもらいたい!!!

と、常々思っていました。

 

 

 

昨日は、念願のセミナーを開催しました。

会場は、福岡市男女共同参画推進センター・アミカスで、

テーマは、『女性のための鍼灸入門~カラダの潜在能力を引き出す

ツボ・パワー』です。

予想以上の申し込みがあり、急きょ、午後の部も設けました。

それでも、キャンセル待ちでお会いできなかった方がいます。

ごめんなさい!

今後もセミナーは続けていきたいので、次回会いたいですね。

 

今回のセミナーも、当鍼灸院内で開催しているお灸教室も、

手描きのテキストを作っています。

どんな方が集まって来るかなぁ~と思い浮かべながら

書くのは、ウキウキ感がたまりません!

 

また、セミナー中は、『東洋医学』や『鍼灸』など専門性の

高いことをいかにわかりやすく、興味深く話せるか、

自分への挑戦もここちよい!

参加者から、「テキストが読みやすい」

「先生の話がわかりやすい」などの感想をいただき、

セミナーからの帰り道は、すがすがしい気持ちで

満たされていました。

 

またまた、質問です。

みなさん、仕事や趣味や生き方の原点って覚えていますか?

原点って平たくいうと、

『そこから物事が出発した、基本となるところ』です。

その物事がスタートしてからの月日が経つほど、

原点って忘れてしまいそう…。

 

私は鍼灸師のなる前は、理学療法士で、

主に子供たちのリハビリ(運動療法)をしてきました。

原点は…、

「体に障がいのある子供たちの無垢な笑顔に

包まれながら、仕事がしたい!」という思いです。

その原点は少し形を変えながら、

仕事以外の原点にもなっています。

 

例えば、このブログ。

鍼灸や東洋医学、健康について

ながーく書いていると、

眉間にしわを寄せながら、読んで頂いている

皆さんの顔が思い浮かびます。

すると、

私の頭に、音楽が流れ始めます。

笑って笑って、笑って音頭だぶよよよよ~ん!

 

 

 

昨日のセミナーでは、コトーは体を張って臨みました。

お行儀が悪くて、すみませ~ん!

内くるぶしの上にある、『三陰交』のというツボの

取り方を説明するのに、

イスの背もたれ部分に左足をのせています。

コトーって、けっこう、片足が上まで上がるんだぁ。

毎日のストレッチ効果???

 

こーんなことを書いて、皆さんの笑顔を思い浮かべたくなります。

昨日のセミナーでは、「先生がおもしろい!」という感想が

一番心に響いたりして…。

ひゃひゃひゃー!!!

お灸の魅力…

寒い冬に、当鍼灸院では、お灸が大活躍!

今日は、いろーんなお灸をご紹介します。

 

江戸時代、庶民に親しまれていたお灸は、『点灸 てんきゅう』。

今どきのやり方は、お灸の跡が残らないように、

ツボの上にシールを貼ります。

指でひねったモグサをその上にのせ、

お灸用の線香で火をつけます。

写真のツボは、『至陰 しいん』。

逆子を治します。

ピリッとした熱さがツボの中の中まで、一瞬で伝わるのがいい!

ファンも増えています…。

 

 

今どきでも、シールを貼らずに点灸をするのは、魚の目やタコ。

皮膚が分厚くなっているので、熱さを感じません。

魚の目やタコの部分をこがして乾燥させ、

自然に剥がれてくるのを待ちます。

『焦灼灸 しょうやくきゅう』といいます。

自宅で毎日お灸をしていただくので、根気のいるお灸です。

 

 

誰でも気軽にできるのは、『台座灸 だいざきゅう』。

底にシールがついているから、簡単にできる!

当鍼灸院では、鍼のそばに台座灸をすることもあります。

 

 

もう1つ手軽にできるお灸は『棒灸』。

皮膚から3~5cm離して温めるので熱くありません。

鍼の周りに棒灸をすることも多いです。

鍼とお灸と同時にしたほうが、効き目が強い気がします。

当院で開催しているお灸教室も、棒灸を使っています。

棒灸をしだすと、参加者の皆さんは温かさにひたって、

無言になります。

 

 

モグサでできた棒灸はかなり煙が出ます。

炭でできた棒灸は煙がほとんど出ないので、

自宅でも気軽にできます。

 

 

『箱灸』は五合升の底に直径10cmの穴を開けています。

五合升に入れたパッドの中で、モグサを燃やします。

五合升の底の穴から温かさがじんわりじんわり伝わります。

 

 

当院の一番人気は、『灸頭鍼 きゅうとうしん』。

鍼の刺激と、お灸の輻射熱で、効果バツグン!

これも熱くはありません。

筋肉がカチコチな腰痛や強い冷えにもいいですよ。

ほわんほわんと温まり、保温効果も高い!

お灸をする頃には、ほとんどの方が無口になり、

寝ます…。

コトーは孤独に耐えながら、もくもくとお灸をします…。

 

 

珍しいお灸は、『隔物灸 かくぶつきゅう』かな?

皮膚とモグサの間に物を介するお灸です。

例えば、スライスした生姜やにんにくの上に、

モグサをのせてお灸をします。

 

このように、お灸のやり方はいっぱい!

お一人おひとりの症状や体質などにより、

どの方法が合うか選びます。

熱くないお灸もたくさんあるので、

気軽にお灸に親しんでほしいな…って思います。

味な話…。

皆さーん!

昨日のバレンタインは何人にチョコをあげましたか?

本命チョコをもらいました?

自分へのご褒美に食べまくり、口の中は甘さでいっぱい??

今日は、その『甘さ』を感じる『舌』について書きまーす!

 

味を感じるのは、舌の表面にある『味蕾 みらい』。

味の基本感覚は、『甘い』 『酸っぱい』 『苦い』 『塩辛い』。

舌の部位によって、感じる味は異なります。

 

 

 

舌の先は、『甘さ』。

舌の両側は、『酸っぱさ』。

舌の付け根は、『苦味』。

舌の裏全体は、『塩辛さ』。

4つの基本的な味に、『うま味』が組み合わされて、

いろーんな味が構成されるそうです。

 

話しは変わりますが、

学校のプールが始まる頃って、まだプールの水が冷たくて、

体も冷えて、唇が青紫色になるクラスメイトがいましたよね。

体調は唇だけでなく、舌にも表れます。

 

東洋医学では、『舌診 ぜっしん』という診察方法があります。

舌の大きさ・形・色・つや・運動、舌の上にある苔(こけ)の

状態などを診ます。

体質や血の巡り、症状の程度などを知る手がかりになります。

 

これは五臓と舌の関係を表したもの。

舌の先は、『心』。

舌の付け根は、『腎』。

中心は、『肺』と『胃』。

両側は、『肝』と『胆』に関係します。

舌で五臓の健康状態も診ます。

(東洋医学の五臓と西洋医学の五臓は

働きが若干異なります。)

 

話しは変わり、

私が女子高校生だった頃の話…。

バレンタインに担任に手作りチョコを贈ろう!ということになり、

休日、クラスメイト宅に集合!

溶かしたチョコに、胃薬や調味料を混ぜ、

ハート型の石鹸にコーティング!

「なかなか、固まらないねぇ…」と冷蔵庫を覗き込んでいると、

クラスメイトのお母さんに見つかり、

こっぴどく叱られた…。

卒業後、高校に顔を出すことはない。

用事があり、20年ぶりに担任と電話で話す機会があり、

先生は私のことを覚えていて、うれしかった…。

手作りチョコが成功しなくてよかったぁ~。

 

鼻水・鼻づまりに効くツボ

皆さんは毎日、何をよく飲みますか?

コーヒー?紅茶?緑茶?

私は煮出したお茶が好きで、

毎朝ヤカンにいろいろな茶葉を入れてグツグツグツ…。

部屋の中にお茶の香りが充満し、リラーックス!

 

料理のおいしい『におい』は、食欲をアップさせ、

心までもホクホクさせますね。

また、焦げ臭い『におい』や、腐った『におい』は、

危険から身を守る手段にもなります。

 

花粉症などのアレルギー性鼻炎で、

鼻水が止まらなかったり、鼻が詰まると、

『におい』を感じないだけでなく、

頭がボーッとして、つらいですね。

今日は鼻のトラブルに効くツボをご紹介します。

 

一番メジャーなツボは、小鼻中央の外にある『迎香 げいこう』。

ですが…、

私が鍼灸治療でよく使うのは、『上迎香 じょうげいこう』。

『迎香』の上にあります。

ツボ・モデル君の顔には書かれていません。

あしからず…。

ここにちょこんと鍼をすると、鼻が通り、

『香り』を『迎える』ことができます。

 

鼻の外側の際を上から下まで、

人差し指の先端でグイッと押していくと、

鼻が通ることもありますよ。

 

 

首と肩の付け根にあるツボ、『大椎 だいつい』。

このツボに、台座灸や棒灸などのお灸をすると、

鼻が通ってきます。

風邪を引いたときにもよく使うツボです。

 

 

台座灸
台座灸
棒灸
棒灸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分ではお灸をしにくい場所ですね。

熱めのシャワーをかけ続けると、

鼻が楽になることがあります。

花粉症などのアレルギー性鼻炎は、

アレルギー体質を改善するツボにも鍼やお灸をします。

体質を改善するには時間がかかります。

鼻のトラブルが生じる季節以外も、

体質を整える鍼灸をお勧めします。

 

 

おまけの話…。

鼻の孔は2つですが、私たちの遠いご先祖様は

4つあったそうです。

鼻の起源は、脊椎動物(せきついどうぶつ)(背骨がある動物)が

現れる以前、約5億年以上前にさかのぼる!

 

魚の鼻は、『前鼻孔 ぜんびこう』と『後鼻孔』という

2つの孔をつなぐ管!

その管の途中に、水中のにおいを感じ取る細胞がある。

前鼻孔から入った水が、後鼻孔へ流れてく途中で、

においをキャッチ!

鼻の管は左右対称にあるので、鼻の孔は4つ!

 

4つの鼻の穴のうち、

2つは進化の過程で眼に移動!

ワンワン泣いていると、

涙と一緒に鼻水も流れてきますよね。

『鼻涙管 びるいかん』という管が眼と鼻に通じ、

あふれた涙が鼻に流れ込むからです。

この鼻涙管は、私たちのご先祖様が魚だった頃の

名残なんですよねぇ~。

ギョギョッ!!!