コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

頭痛に効く鍼とお灸~その4

『頭痛』特集 第4弾!

前回は、『片頭痛の日常の工夫』についてご紹介しました。

最終回である今日は、『緊張型頭痛』と、

『片頭痛+緊張型頭痛の混合型頭痛』の日常の工夫、

そして、鎮痛薬の依存による『薬物乱用頭痛』についても

触れてみようと思います。

 

1.緊張型頭痛

首・肩・背中の筋肉や、顔の筋肉が緊張しすぎて、

起こる頭痛です。

 

軽い運動やストレッチングで、筋肉の緊張をほぐそう!

ひどい首こり・肩こり・背中こりをほぐすのが一番大事!

 

温めた筋肉をほぐそう!

電子レンジで温めるホットパックなどで、

後頭部や首・肩を温めると、

血流がよくなり、痛みもやわらぎます。

※片頭痛持ちの方は、痛むこめかみ部分は冷やしましょう!

頭部を温めると、脳の血管がさらに拡張し、

痛みが増します。 気をつけて!

 

悪い姿勢を治そう!

猫背や顎を突き出したような姿勢は、

首・肩・背中の筋肉の負担が倍増!

 

 

理想の立ち姿勢は、横から見ると…、

『耳たぶ→肩先→大転子(だいてんし)(太ももの骨の上端のでっぱり)

→膝蓋骨の後ろ→外くるぶしの約2cm前』

が一直線であること。

 

なーんて、よくわからないですよね。

それでは、立位バランスをチェーック!

壁に、かかと、お尻、背中、後頭部をつけて立ってみてください。

これが理想のまっすぐ!

首・肩・背中の筋肉に負担がかからない立ち方です。

ずいぶん後ろに傾いている気がする…方は、普段猫背さんかも。

 

長い時間同じ姿勢をとらずに休憩をしよう!

パソコンやスマートフォンなどを使っていると、

あっという間に時間が過ぎませんか?

同じ姿勢を保つことが筋肉にとって一番負担なこと!

ときどき休憩して筋肉を休ませてあげましょう。

 

ストレスをためない!

片頭痛持ちさんと同様、緊張型頭痛持ちさんも、

ストレスが長く重くのしかかると、頭痛が起きやすくなります。

心身一体!

心の緊張が体の緊張に結びつきます。

 

 

2.片頭痛+緊張型頭痛の混合型頭痛

2つの頭痛を持ち合わせている場合、どんなことが

きっかけで、片頭痛や緊張型頭痛が起こるのか、

把握することが大切です。

そうすると、日常の予防策が見えてきますね。

混合型頭痛は、その時々の症状に合わせて対処します。

 

 

3.薬物乱用頭痛

鎮痛薬の依存による頭痛です。

 

頭が痛くなると、頻繁に鎮痛薬を飲む

∴∴∴∴∴

痛みに対して脳が敏感になり、普段なら

感じないような痛みまで感じるようになる

∴∴∴∴∴

鎮痛薬が切れる度に頭痛が起こり、

鎮痛薬を飲み続けてしまう…

 

1ヶ月に10日以上鎮痛薬を飲むようになったら、

薬物乱用頭痛を起こしやすい状態。

1ヶ月に15日以上鎮痛薬を飲んでいる場合、

薬物乱用頭痛と診断されるそうです。

 

「鎮痛薬の効果が薄れたなぁ…」

「最近、服用回数が増えてきたなぁ…」

そんなふうに感じたら、頭痛の専門医に診てもらいましょう。

 

 

ひとくちに『頭痛』といっても、い~ろいろですね。

前々回のブログでご紹介しましたが、

鍼灸治療で、がんこな首こり・肩こりなどをほぐし、

全身調整をすると、片頭痛も、緊張型頭痛も、

混合型頭痛もやわらいできます。

最寄りの鍼灸院に顔を出してほしいな!って思います。

 

当鍼灸院では、4月9日(火)と21日(日)に、

『頭痛』と『頭重(=頭の重だるさ)』をテーマに

お灸教室を開催します。

頭痛、頭重に効くお灸とツボ押しを体験しませんか?

お灸の初心者も大歓迎!

詳しくは、『お灸教室のページ』をどうぞご覧ください。

参加者、募集中でーす!

 

 

あ~っ、それにしても、

春ですっ!

めちゃくちゃ長い特集ブログにおつきあいいただき、

ありがとうございました!

頭痛に効く鍼とお灸~その3

福岡は、シャツ1枚でいいくらい暖かい日もあれば、

冬のコートでないと寒い日もあり、

天気がコロコロ変わります。

皆さんの住む街はいかがですか?

 

季節の変わり目は、片頭痛が起きやすくなります。

今回は、『頭痛』をテーマに、『その1』では

頭痛のタイプ毎の痛み方・原因・頭痛を起こす要因について、

『その2』では頭痛の鍼灸治療について、ご紹介してきました。

最終回の『その3』では、頭痛を予防する日常の工夫について

書いてみまーす!

 

 

 

1.片頭痛

『その1』でご紹介したように、片頭痛はセロトニンという

脳内物質が血管内に異常に増えたり減ったりすることにより、

脳の血管が拡張し…、

その結果、脳血管の周りにある、三叉神経(さんさしんけい)が

圧迫され…、

こめかみあたりがズキンズキン!と痛みます。

 

片頭痛持ちの方は、脳のセンサーが敏感です。

体の内外から受ける強い刺激が引き金となって

頭痛が起きます。

従って、日常気をつけることも多くなります。

 

まめな天気予報チェーック!

急激な気温や気圧の変化が痛みの引き金になるので、

外出前には天気予報をチェックし、天候次第では

無理のない予定を立てましょう。

 

まぶしい光に注意!

室内が真っ白な壁紙で、白系の家具などを多く

置いていると、まぶしさが倍増するので、気をつけましょう。

暗い部屋でテレビを見るのもNG。

ギラギラの太陽光線は、帽子、サングラス、日傘などで

シャットアウトしましょう。

 

強いにおいに注意!

香りの強い芳香剤や消臭剤は室内に置かないほうがいいかも…。

 

大きな音に注意!

カラオケボックスやコンサートなど大音量の中に入るのは、

ちょっときついかも…。

 

季節の変わり目には、特に生活リズムを崩さない!

季節の変わり目は、頭痛が起きやすいので、

体調を整えておきたいですね。

 

ストレスをため込まない!

大きなストレスから解放されたときに、

脳の血管が緩んで、痛みが起こりやすいので、

ご注意を!

 

 

どんな刺激が引き金となって片頭痛が起こるのか…。

自分の片頭痛の特徴を知ることが大事ですね。

そして、できるだけ、その誘因を避けることがコツです。

また、痛み出したら、ひどくなる前に薬を飲むこと。

こめかみを冷やすと血管が収縮して、痛みがやわらぎます。

 

おっとー、

片頭痛の話だけで、こんなに長くなってしまった!

最終回と言いつつ、『緊張型頭痛』と

『片頭痛と緊張型頭痛との混合型』については、

次回に持ち越しでーす!

よろしくーっ!

頭痛に効く鍼とお灸~その2

久々の特集ブログ!

前回は、頭痛のタイプ別の痛み方・原因・

痛みを起こす要因をご紹介しました。

今回は、緊張型頭痛と、片頭痛、

その2つの混合型頭痛の鍼灸治療について、

書いてみまーす!

 

どんなときに頭痛が起こるか…。

頭のどの部分が痛むのか…。

どのように痛いのか…。

頭痛の状態によって、鍼灸治療の方法が異なります。

それは、鍼治療も灸治療も、経絡の流れに基づいて

治療するからです。

 

鍼灸治療の考え方は、

『経絡の上にのっているツボに鍼やお灸をして、

経絡の流れを良くすることによって、

その経絡が通っている部位の症状、

あるいはその経絡が繋がっている内臓の不調を

改善する』ことです。

 

緊張性頭痛は、首・肩・背中・顔面の筋肉が緊張しすぎて、

後頭部などに痛みを生じます。

この場合、後頭部を通っている経絡の流れが

悪くなります。

じゃんっ!

 

 

後頭部に縦に3本の経絡が通り、

その上にある『風池 ふうち』や『天柱 てんちゅう』などの

ツボをよく使います。

 

片頭痛は、こめかみあたりの血管が拡張して、

痛みを生じます。

じゃ~ん!

 

 

こめかみを通っている経絡は、3本。

ツボはたーくさんあります。

ここには、お灸はしません。

こめかみを温めると、そこの血管をさらに拡張させ、

痛みを助長させます。

 

じゃじゃ~ん!

赤のラインは、『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』

という経絡です。

目尻の外にある『瞳子髎 どうしりょう』というツボから

始まり、顔面、側頭部、胴体の側面、脚の側面を

下降し、足の薬指で終わります。

片頭痛の治療では、こめかみ付近のツボに

細くて短い鍼をちょこっとしたり、

足のツボに鍼やお灸をします。

 

頭全体が締めつけられるように痛くて、

こめかみはズキンズキンと脈打つように痛む…。

そんな、緊張型と片頭痛を合わせもつ方がいます。

この場合は、体の状態に合わせて、鍼とお灸を使い分けます。

 

以上の3つのタイプに共通することは、

1、頭痛のせいで全身がリラックスできない。

2、首や肩がこっている。

でしょうか。

この2つに対しても、鍼やお灸で改善することが

大切になります。

 

また、耳、鼻、目、歯などに病気があり、

それらの影響で頭痛が起きているときは、

まず原因の病気を治すことが大事ですね。

ためらわずに、専門医に診てもらいましょう!

 

それから、

『いつもと違う頭痛』

『痛みがどんどん強くなる』

『痛む回数が増えている』

そんな時には、くも膜下出血や脳腫瘍、脳出血、脳梗塞、

髄膜炎など脳の病気が潜んでいることもあります。

専門医に診てもらうことが大事ですね。

 

頭痛にしても、歯痛にしても、鼻水・鼻づまりにしても、

脳に近いところのトラブルは、不快指数が倍増しますね。

当鍼灸院内での、4月のお灸教室のテーマは、

『頭痛や頭の重苦しさを解消しよう!』です。

4月9日(火)と21日(日)の午前中に開催します。

興味のある方は、『お灸教室のページ』

ご覧ください!

一緒にお灸をして、体も頭もリラックスさせましょ!

 

さて、次回のブログは、『頭痛』特集 第3弾!

(こう書くと、かっこいいっ!)

『頭痛』の日常対策についてご紹介します。

よろしくですっ!

頭痛に効く鍼とお灸~その1

季節の変わり目である春先は、

体調を崩される方がいますね。

頭痛持ちさんは、この季節に頭痛が起きやすくなります。

今回は、その『頭痛』について書いてみます!

 

専門書で調べてみるとっとっと…、

『頭痛』には大まかに、4つのタイプがあります。

1つずつご紹介します!

 

1.片頭痛

 

①痛み方

・主にこめかみから目のあたりが、ズキズキ、ドクドクと、

心臓の拍動と同じようなリズムで痛む。

・一般的には、片側のみ。両側痛む人もいる。

・痛みの頻度は1ヶ月に1~2回。

多い人では1週間に1~2回。

・痛みの持続時間は、4時間から2~3日。

 

②原因

・セロトニンという脳内物質が、脳の血管内に異常に

増えたり減ったりすることにより、脳の血管が拡張!

その結果、脳の血管のまわりにある三叉神経(さんさしんけい)が

圧迫されて、片頭痛が起こる。

・三叉神経は、頭部や顔面の大部分の感覚と

咀嚼(そしゃく)(=噛む)運動を支配する。

 

③頭痛を起こす原因

・季節の変わり目、気圧の変化(=天候の変化)、

気温の変化

・まぶしい光

・強い香り、におい

・強いストレス。

ストレスから解放されたときに、片頭痛になりやすい。

・生理前後や排卵期。

女性ホルモンのエストロゲンが変動するときに、

血管内に放出されるセロトニンの量も不安定になる。

※体の内外からの刺激に対し、脳が過敏に反応し、

その興奮がある限界を超えたときに、

片頭痛となって現れる。

※思春期から中高年までの女性に多い。

 

2.緊張型頭痛

 

①痛み方

・頭全体が締めつけられるように痛む。

後頭部から首筋が中心。

・ほぼ毎日、痛みが続いている。

・肩こりや首こりを伴うことが多い。

 

②原因

・肩から背中にかけての筋肉や顔の筋肉が緊張。

・・・・・・

筋肉内の血流が滞る。

・・・・・・

・筋肉内に老廃物がたまりやすくなる。

・・・・・・

周りの神経を刺激して痛みが現れる。

 

③頭痛を起こす要因

精神的ストレス、悪い姿勢、長時間の同じ姿勢、

運動不足、体の冷えなど

 

3.緊張型頭痛+片頭痛

2つの頭痛をあわせもつ。

 

4.群発頭痛

 

①痛み方

・ある一定の時期にしきりに起こる頭痛。

・片側の目の奥が激しく痛む。

・頭痛の頻度は、1年に1~2回。

・頭痛が始まると、それが1~2ヶ月間、

毎日のように続く。

・痛みの持続時間は、15分~数時間。

 

②原因

目のすぐ後ろを走る内頸動脈(ないけいどうみゃく)の

血管の壁に炎症が生じて頭痛が起きる。

 

③頭痛を起こす要因

季節の変わり目、気圧の変化、喫煙、睡眠不足など

※20~30代の男性に多い。

 

頭痛にはタイプがあり、それぞれ原因が異なるので、

対処法も違います。

次回は、頭痛の鍼灸治療や、日常の対処法をお伝えします。

よろしくです!

 

福岡は、ぽかぽか陽気が続いています。

仕事場の前の桜は、一足早く満開です!

 

コトーの鍼灸スタイル~バランスを考える…。

大宰府にある九州国立博物館で開催している

『ボストン美術館展』に行ってきました。

ボストン美術館には、10万点を超える日本美術コレクションが

所蔵されているって知っていましたか?

奈良、平安、鎌倉、室町、江戸…と、絵画を通してタイムスリップ!

 

特に圧巻だったのが、曽我蕭白(そがしょうはく)の、墨による屏風画。

江戸時代の作品です。

大胆な構図と筆遣い! かっちょい~い!

非対称の中にある対称。

対称の中にある非対称。

絶妙なバランスが心地いい!

絵画をじっと見つめているだけで、心が落ち着き、

深呼吸をしている…。

 

ところで、私は仕事中、あらゆる『バランス』を考えています。

 

 

手太陰肺経
手太陰肺経
手陽明大腸経
手陽明大腸経

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左は、『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』という経絡。

『陰』の経絡です。

右は、『手陽明大腸経 て・ようめい・だいちょうけい』という経絡。

『陽』の経絡です。

この2つの経絡は相棒です。

鍼灸治療では、『陰』と『陽』のバランスをとることが大事になります。

 

また、古代から伝わる鍼灸本には、

『上半身の病は下半身で、上半身の病は下半身で治す

と、書かれています。

主に、下半身にあるツボに鍼やお灸をして、

上半身の症状を治すことがあります。

ツボを選択するときには、上半身と下半身のバランスも

考慮しています。

 

さて、ここで問題!

あなたは、今、左右対称な姿勢をしていますか?

重心は真ん中にありますか?

それでは、左右差チェーック!

まず、安定した椅子に、やや浅く腰かけてください。

丸椅子やキャスター付の椅子は、転倒の危険があるので、

避けてください。

ソファーなど座面が柔らかいとやりづらいので、

硬めの座面でお願いします!

 

ここでツボ・モデル子ちゃん登場!

すみませーん!

コトーのデッサン力では、ツボ・モデル子ちゃんの座っている

姿勢は描けません。

いちおう、座っていると仮定してください。

やや浅めに腰かけたら、左のお尻を浮かしてください。

そして、そのまま、右手を右斜め上に伸ばします。

遠く、右斜め上にある物をとろう!と、ぐぐぐーっと伸ばしてください。

次に、反対をしてみましょう。

右のお尻を浮かしたまま、左手を左斜め上にグーっと

伸ばしてみてください。

右手と左手とでは、伸ばせる距離が違いませんか?

どちらか一方は、バランスが取りにくかったのでは?

普段、座っているとき、バランスがとりやすい側に

重心が寄っているかもしれません。

でも、自分では気づかず、見た目も左右差があるようには

見えないこともあります。

 

私たちが住む地球は、重力がかかっていますね。

座位や立位では、重力に抗し、

体を地面に対して垂直に保とうとしています。

常に、前後左右のバランスをとっているわけです。

うっひょー!

 

私たちは、うっかり非対称な姿勢を取りながらも、

重力に負けないように、

無意識に、『正中に保とう!』と、バランスをとっています。

骨と関節と筋肉と神経に、ご苦労さん!と言いたい…。

 

あ~、今日も長いブログになっちゃったなぁ~。

どうして長くなるのだろうか…。

最後まで読んでいただいた皆さんに、ありがとう!と言いたい…。